キャラ文芸倉庫

まだ何者でもないあなたへ

７

　今日も朝からするべき事は決まっている。
　それにしてもと思うのは最近はすぐに終わったりしないという事だった。
　そもそもの存在理由が昔と変わって来ているのが大きいのだろうか？
　やり残した事を代わりにやるのが俺の役割だとは思っているが、流石にこんなに
　長いのは初めてである。
　
　
　何かいろいろと根深いものがあるのだろう。
　
　
　でもそんな事は俺にとってはどうでもいい。
　理由なんていくらでもあるし、それを考えだしたらきりがないし、
　そこまで関わろうとも思わないのだ。
　あくまで俺はただの器でしかないのだから。
　
　
　みんな満たされれば帰って行く。
　
　
　ただそれだけ事でそれ以上の事なんてない。
　まあ駄賃ぐらいは貰っているけど。
　
　
「俺はさあ、こいつらが大っ嫌いなんだよ。すぐに徒党を組もうとする所とかさ、
　いかに自分を大きく見せるかとか考えている時点で小物だろ？　そのくせすぐに
　調子に乗るしさ。別に自分が何かを成した訳でもないのに偉そうに他人を評価
　しようとするその精神性はもはや人間として終わってる奴だろ。どうしてそんな
　に自己評価が高いのか理解に苦しむ。何者でもないだろ、まだ？　」
　
　
　別に話ならいくらでも聞いてやるけど、それだけだ。
　俺にそんな話をされた所で何も思いはしない。
　精々そうなんだと相槌を打つぐらいのものなのだ。
　
　
　だって俺だって何者でもないのだから。
　
　
　ただ今日がそんなに悪くなかったと思いながら眠りにつくけるだけで俺は満足で、
　それはあの日神父様に素晴らしい事だと教えてもらった時点で達成してしまった
　からこれ以上を求めるなんて事をしない。
　
　
　そして俺は目覚めたらまた街へ出かける。
　
　
　何者でもないあなたの元へ。