ゲエムタワー

ゆう猫

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始まりは突然

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 「ジリリリリリリリリ…」
 「翔吾、朝よー!学校遅れちゃうわよ。」

2階まで届く母さんの声と目覚まし時計で目が覚めた。 昨日ゲームで夜更かしすぎか、眠いな。
そういえば昨日対戦した相手なかなか強かったな、まあ余裕だったけど。
 「翔吾ー!いつまで寝てんのよ、早く降りてきなさい!」
はあ、いつも怒鳴られおこされ、無理やり学校に行かされて現実は辛いな…
 「起きてるよ、いつもうるさいな」
階段を降りながら少しキレ気味で言った。
 「じゃあ早く降りてきなさいよ!」
 「………。」
 「もう、また夜遅くまでゲームやってたんでしょ、ゲームやるのはいいけどもっと早く起きれるようにしなさいよ」
 「飯ぐらい黙って食わせろよ」
いつもいつもうるさいな
余計なお世話なんだよ
はあ、この世にゲームの世界があったらな…








 キーン コーン カーン コーン
「はい、じゃあ今日の授業はここまでです。
予習復習やって来るように」
起立、礼、着席。
 「学校終わったぜ!今日どっかで遊ぼうぜ」
 「おう!じゃあいつもの公園行こうぜ!」

 「今日の授業だるかったね~。帰り喫茶店行かない?」
 「ごめーん、今日ウチバイトなんだよね。また今度行こう」


………。
周囲の雑音が聞こえる中ひとり机に座っていた
学校ってつまんないよな。何でみんな俺に声かけてこないんだよ、別に他の奴と違わないのに。
まあいいや。俺にはゲームがある!ゲームだけが俺の唯一の友達だ!そういえばまだイベントの続きだった。そうと決まれば早く帰ろう!
荷物をカバンに押し込んで教室を出ていった。







 家に帰るとテーブルに置き手紙と夕飯代が置いてあった。
母はいつも夜遅くまで仕事をしてるから飯を作る時間がない。
母親は申し訳なさそうにしてるが俺的には好きな飯を買って食べれるから悪くないと思ってる。
だけど今は飯なんてどうでもいい事だ。早くゲームのイベントの続きをやらなくては!
階段を駆け上がり制服を脱いで部屋着に着替え、お菓子とジュースを用意した。長期戦の準備は整った、さて始めるとするか。









 ゲームに夢中になってると母親が部屋に入ってきた。
 「ただいま、ご飯食べた?」
学校から帰ってきてすぐゲームをやってたから飯は食べてなかったがめんどくさいので食べたことにしようと思った。
 「食べた」
 「それなら良かった。でもそろそろ寝なさいよ、明日も学校あるでしょ?」
 「ゲームに熱中しすぎて時計を見ていなかったがもう夜中の十二時を過ぎていた。」
 「ああ」
ゲームをやりながら適当に返事をすると母親は少しため息を付いて階段を降りていった。
そんな母親のことなど気にせずゲームをやり続けた。今日は寝落ちするまでやり続けるそう決めたからだ。








 
 ……………。
寝心地が悪い。
そういえば寝落ちしたんだっけ…?
そろそろ目覚ましが鳴ることだと思うのだが…
 不思議そうに目を覚ますと知らない床に横になっていた。
 「は?どこ」
思わず声が出てしまった。
横になっている体を起こし周囲を見渡してみる
知らない場所は床も壁も石造りになっている
とりあえず昨日のことを思い返してみる
学校行って帰ってゲームで寝落ちしただけ
なんとなくだがこの後良くない出来事が起こりそうな気がするが何故だろう…。
好奇心が止まらない
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