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第6章
4.皆一緒なら怖くない
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抑えて来た感情を吐露するように耳元で囁き、少しだけ身を離して後ろを見た。
『お前たちも歓迎するぜ、ラモス、ディモス。元気にしてたか?』
『焔神様のご温情を持ちまして』
『我らもお会いしとうございました』
主人たちの邪魔にならないよう、気配を消して後方に控えていた聖獣たちが頭を下げた。二頭とも耳がピョンと立っている。フレイムと再会できて嬉しいらしい。
『ラモスとディモスは火神の従神で、ユフィー付きとして派遣されてるって立場だからな。ひとまずユフィーと一緒に俺の所に喚んだが、今回は第一の主である母神の領域に滞在することになると思う。母神も他の従神たちも楽しみにしてるんだぜ』
火神の従神は、総じて面倒見が良く情に篤いという。新入りの世話を焼きたくて、かなり前からウズウズしていたらしい。
『ずっと離れ離れじゃなくて、ユフィーと会える時間も取るちゃんと予定だからな』
『承知いたしました。お心遣いに感謝いたします』
『火神様及び先達の従神方にご挨拶したく思います』
聖獣たちが頷くと、フレイムの後方に控えていた神の一柱が笑顔で進み出た。嬉しくて堪らないと顔に書いてある。
(火神様の筆頭従神だわ)
アマーリエとも既知の神だ。フレイムの寵を受けた後、火神とやり取りをする際に何度か会ったことがある。その際はラモスとディモスも同席していたので、二頭も面識はあるはずだ。だが、あの頃の聖獣たちは神使の立場だった。今は完全な神となったため、向けられる眼差しが根本から違う。同胞への愛が籠もった視線だ。
火神の筆頭従神は聖獣たちに微笑みかけてから、アマーリエに向かって低頭した。
『燁神アマーリエ様にご挨拶申し上げます』
「お久しぶりです」
アマーリエも丁重に返した。今は聖威師なので、天の神には敬意を払う。従神は高位神の随従だが、独立した完全な神でもあるからだ。
『新しき同胞との正式な顔合わせの日を、我ら一同心待ちにしておりました。火神様も首を長くしてお待ちでございます』
「ありがとうございます。ラモスとディモスをよろしくお願いいたします」
目礼してラモスとディモスを見ると、こちらも嬉しそうな顔で尾を振っていた。予想以上に親しげな態度に、アマーリエが瞬きしていると、フレイムが説明してくれる。
『ラモスとディモスが完全な神性を授かった時……神格を馴染ませる眠りに付く前だな。筆頭も含めた従神たちと、非公式にだが話したんだよ。全員コイツらを歓迎して、一生懸命アドバイスとかもしてたぜ』
愛し子として寵を受けたわけではない二頭には、一対一で手厚くフォローしてくれる主神がいない。その分、同志である自分たちがサポートせねばと張り切っていたらしい。
『だから、実は従神同士でもう面識ができてるんだ』
「それは良かったわ。ラモス、ディモス、皆様のお言葉をよく聞くのよ」
『分かっている、主』
『もちろんです、ご主人様』
筆頭従神の笑顔と、聖獣たちのリラックスした表情を見ると、心配は要らなさそうだ。ホッとしていると、フレイムがポンと背を叩いた。
『んじゃ、ちょっと休んどきな。一息付いたら最高神に挨拶だろ』
スケジュール通りの展開である。天界への転移後は各々の主神の神域に喚ばれ、少し時間を置いてから聖威師全員で地水火風禍の神々に目通りする手はずになっていた。今回の一時昇天は、最高神からのお召しという扱いになっているためだ。
「分かったわ」
(緊張するけれど、大神官の就任時に比べればマシよね。あの時は一人ずつだったもの)
今回は全員で挨拶をするので、まだ気が楽だ。皆一緒なら怖くない、というやつである。
『お前たちも歓迎するぜ、ラモス、ディモス。元気にしてたか?』
『焔神様のご温情を持ちまして』
『我らもお会いしとうございました』
主人たちの邪魔にならないよう、気配を消して後方に控えていた聖獣たちが頭を下げた。二頭とも耳がピョンと立っている。フレイムと再会できて嬉しいらしい。
『ラモスとディモスは火神の従神で、ユフィー付きとして派遣されてるって立場だからな。ひとまずユフィーと一緒に俺の所に喚んだが、今回は第一の主である母神の領域に滞在することになると思う。母神も他の従神たちも楽しみにしてるんだぜ』
火神の従神は、総じて面倒見が良く情に篤いという。新入りの世話を焼きたくて、かなり前からウズウズしていたらしい。
『ずっと離れ離れじゃなくて、ユフィーと会える時間も取るちゃんと予定だからな』
『承知いたしました。お心遣いに感謝いたします』
『火神様及び先達の従神方にご挨拶したく思います』
聖獣たちが頷くと、フレイムの後方に控えていた神の一柱が笑顔で進み出た。嬉しくて堪らないと顔に書いてある。
(火神様の筆頭従神だわ)
アマーリエとも既知の神だ。フレイムの寵を受けた後、火神とやり取りをする際に何度か会ったことがある。その際はラモスとディモスも同席していたので、二頭も面識はあるはずだ。だが、あの頃の聖獣たちは神使の立場だった。今は完全な神となったため、向けられる眼差しが根本から違う。同胞への愛が籠もった視線だ。
火神の筆頭従神は聖獣たちに微笑みかけてから、アマーリエに向かって低頭した。
『燁神アマーリエ様にご挨拶申し上げます』
「お久しぶりです」
アマーリエも丁重に返した。今は聖威師なので、天の神には敬意を払う。従神は高位神の随従だが、独立した完全な神でもあるからだ。
『新しき同胞との正式な顔合わせの日を、我ら一同心待ちにしておりました。火神様も首を長くしてお待ちでございます』
「ありがとうございます。ラモスとディモスをよろしくお願いいたします」
目礼してラモスとディモスを見ると、こちらも嬉しそうな顔で尾を振っていた。予想以上に親しげな態度に、アマーリエが瞬きしていると、フレイムが説明してくれる。
『ラモスとディモスが完全な神性を授かった時……神格を馴染ませる眠りに付く前だな。筆頭も含めた従神たちと、非公式にだが話したんだよ。全員コイツらを歓迎して、一生懸命アドバイスとかもしてたぜ』
愛し子として寵を受けたわけではない二頭には、一対一で手厚くフォローしてくれる主神がいない。その分、同志である自分たちがサポートせねばと張り切っていたらしい。
『だから、実は従神同士でもう面識ができてるんだ』
「それは良かったわ。ラモス、ディモス、皆様のお言葉をよく聞くのよ」
『分かっている、主』
『もちろんです、ご主人様』
筆頭従神の笑顔と、聖獣たちのリラックスした表情を見ると、心配は要らなさそうだ。ホッとしていると、フレイムがポンと背を叩いた。
『んじゃ、ちょっと休んどきな。一息付いたら最高神に挨拶だろ』
スケジュール通りの展開である。天界への転移後は各々の主神の神域に喚ばれ、少し時間を置いてから聖威師全員で地水火風禍の神々に目通りする手はずになっていた。今回の一時昇天は、最高神からのお召しという扱いになっているためだ。
「分かったわ」
(緊張するけれど、大神官の就任時に比べればマシよね。あの時は一人ずつだったもの)
今回は全員で挨拶をするので、まだ気が楽だ。皆一緒なら怖くない、というやつである。
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