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第6章
78.いずれそこに行く
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《あ、そうだ。今回のことで神々の怒りが消えたでしょ。だからこの高次会議の少し前に、超天でも話し合いが持たれてね。天威師も500年後に全員帰天することになったの。天威師は元々国政には関わってなかったし、500年あれば国王とか王族側の準備もできるから》
天威師と聖威師が同じタイミングで仲良く還ることにしたらしい。500年後以降は、天威師自体が生まれなくなるそうだ。
なお、皇帝家の庶子である帝国と皇国の王族は、人間なので地上に残り、天からのバックアップを受けつつ、引き続き人世の統治を続けるという。そのまま代を隔てて皇帝家の血が薄まれば、至高神を含む神々から情を向けられることはなくなり、普通の人間と変わらなくなるとのことだ。
だが、それはすなわち、天から目をかけられる特異な存在であるというアドバンテージを失うことと同義だ。ゆえにその時が来れば、宰相や大臣などに王権を移譲することも見越しているらしい。あるいは、霊威第一主義という人の世の慣いを踏まえれば、中央本府の主任神官が世界王の立場も兼ねることになるかもしれない。
その際、元々の王族が、価値を失くした存在として迫害や追放などをされることがないよう、残り500年の間に皇帝家や天のサポートを得ながら、時の宰相や執政者たちと連携して安保の準備を進めておく予定だという。
《地上にいる当代の皇帝にも伝えたら、皆諸手を上げて大賛成だったよ》
《存じております。実は、皇帝様方から私たち聖威師に念話がありました。天威師にも終わりの目処が立った! ありがとう、ありがとうありがとうありがとう!! と、何度も何度も何度もお礼をいただき、こちらの方が頭が下がる思いでした》
《あはは、今の天威師たちは人間への思い入れがないからねー。いや違うか、それが普通で私の方が特別なのか。義兄様も特別だったしね》
その言葉で、アマーリエは心の片隅に引っかかっていたことを聞く。
《黇死皇様――いえ、秀峰様はお変わりなく……ご健勝でいらっしゃいますか?》
《ん? ……あーうん、元気だよ。今はフルード君と念話中。よくやった、頑張ったなって言ってあげてるみたい。だから私も負けじとアマーリエちゃんに念話しちゃった~》
その言葉でフルードを見る。彼もまた、アマーリエと並んで神々を説得してくれた立役者だ。他の先達ではなくフルードが前に出たのは、アマーリエと同じ理由からだろう。本件において、フレイムと並んで神側のメインを張っているラミルファの宝玉であるからだ。
当のフルードはちょうど退室していくところだった。淀みなく歩を進めているが、よく見れば視線が僅かに宙をさ迷っている。そして、嬉しそうに微笑んでいた。側から見れば、会議が無事に終わったことを喜んでいるように映るだろうが、秀峰と何か話しているのかもしれない。
(秀峰様がお元気なら良かったわ)
去っていく先代大神官の背を見送りながら安堵しかけるが、すぐに本当にそうなのかと思い直す。そもそもアマーリエと日香では健勝や元気の定義が違うかもしれない。秀峰が、地上にいたかつての彼のままでいるかを聞きたかったのだが。しかし、日香の言葉の方が早かった。
《ねえ、まだ先の話だけどさ、アマーリエちゃんが昇天したら、超天にも遊びにおいでよー。そしたら義兄様にも会えるから。フルード君とか佳良とかは何度も来てくれてるんだよ。その度に私たち皆大喜びなの。私たちの方が天界に降りても良いしね》
《光栄です。その際はぜひ》
大神官になる前までのアマーリエならば、私ごときが超天にいくなどとんでもないと遠慮していただろう。
だが、大神官就任時の挨拶の際、至高神や最高神、選ばれし神たちと並んで超天に立つフルードの姿を見た時、悟ったのだ。フルードと同等の神格を持つ自分もあの絶域に行くことができる。あの高みはいずれ自分が辿り着く境地なのだと。
寝起きの疫神が、玩具の城を壊しては作り直すように世界の破壊と創生を行うのを見た時は畏怖を覚えたが、あれとて神格を解放した自分にも可能な行為なのだ。
色持ちの神々は、高位神は、自分の手の届く所にいる。自分は彼らのいる場所まで上がっていける。今は堂々とそう思っている。
何より、天地狂乱事件での日香や秀峰たちの最期が壮絶だったので、彼らが元気に過ごしているところを一目だけでも見たいという思いがあった。率直に言えば、これが最も強い。
(……あっ、そうだわ)
そんなことをツラツラ考えたところで、唐突にピンと閃いた。
(疫神様が毎日毎日退屈だと仰っていたけれど、超天に行かれて至高神様にお相手していただけば良いのではないかしら?)
神々の中でも別枠かつ別格である至高神は、文字通り次元が隔絶している。疫神の遊び相手も余裕でこなしてくれるだろう。
特に、秀峰の父たる先々代の帝国皇帝・橙日神レイティと、祖父でありさらに一代前の皇帝・皓死神ルーディは、生来の荒神だ。彼らあたりに頼めば応じてくれるのではないか。
(そうよ、天地狂乱ではまさにその事態になったわ。葬邪神様と疫神様が、激昂なさった橙日神様と皓死神様を相手に立ち回って下さったのよ。いくらあのお二方でも、激怒した至高神の荒神に敵うはずがないのに、どうやったのか宥めて下さったのよね)
一体全体、どのような方法を使ってそんな奇跡を成し遂げたのか。聞けば教えてくれるかもしれないが、あの時の大騒動は今はまだ思い出したくないので、あえて触れないようにしている。
(私はその場にいなかったから、方法は分からないけれど……きっと搦め手を使われたのね。永く在られる葬邪神様と疫神様なら、私には及びも付かないような奇想天外な手段を思い付いても不思議ではないわ)
そう予想を立てるも、果たしてそんな小細工が至高の神に通用するのかという疑問は残る。だが、これ以上考えれば、封印しているトラウマの蓋が開きそうになる。しかも、今は日香との会話中だ。そう考え、潔くプチンと思考を打ち切った。
(折を見て疫神様に提案してみましょう。至高神様にお相手をお願いしてみてはいかがですか、って)
日香や当代皇帝たちがアマーリエに見せてくれる気さくな態度を考えれば、遊んで下さいと請われても怒ることはないように思った。
《そうそう、アマーリエちゃんその調子。良いよ良いよー!》
一方、控えめながらもはっきりと応を返したアマーリエに、日香は満足げに笑った。そして、つと声音を豹変させる。
《アマーリエちゃん、本当にありがとう。天の怒りを――建国時からずっと続いていた問題を終わらせてくれて。まさに世界と人類の救世主だよ。義兄様は今、フルード君を褒めてあげてるから、私はアマーリエちゃんにお礼を言うの~》
《それは私ではなく、フレイムとラミルファ様、多くの神々のおかげです。フルード様もきっとそう仰っているでしょう。絶好の時期に当たったのがたまたま私たちだったというだけです。色々なタイミングが少しでもズレていれば、きっとミンディたちがその役を担い、やり遂げていたはずです》
《そういう仮定は置いといて、アマーリエちゃんが一翼を担ったっていう事実は変わらないから。……心から礼を言います》
一瞬だけ厳かな声を発した日香は、しかし、すぐにいつもの調子に戻る。
《あ、義兄様が呼んでる。フルード君との念話は終わったみたい。名残惜しいけど、こっちもそろそろ切るね》
《はい。お話しできて嬉しかったです》
その言葉を皮切りに、プツリと念話が途絶えた。
天威師と聖威師が同じタイミングで仲良く還ることにしたらしい。500年後以降は、天威師自体が生まれなくなるそうだ。
なお、皇帝家の庶子である帝国と皇国の王族は、人間なので地上に残り、天からのバックアップを受けつつ、引き続き人世の統治を続けるという。そのまま代を隔てて皇帝家の血が薄まれば、至高神を含む神々から情を向けられることはなくなり、普通の人間と変わらなくなるとのことだ。
だが、それはすなわち、天から目をかけられる特異な存在であるというアドバンテージを失うことと同義だ。ゆえにその時が来れば、宰相や大臣などに王権を移譲することも見越しているらしい。あるいは、霊威第一主義という人の世の慣いを踏まえれば、中央本府の主任神官が世界王の立場も兼ねることになるかもしれない。
その際、元々の王族が、価値を失くした存在として迫害や追放などをされることがないよう、残り500年の間に皇帝家や天のサポートを得ながら、時の宰相や執政者たちと連携して安保の準備を進めておく予定だという。
《地上にいる当代の皇帝にも伝えたら、皆諸手を上げて大賛成だったよ》
《存じております。実は、皇帝様方から私たち聖威師に念話がありました。天威師にも終わりの目処が立った! ありがとう、ありがとうありがとうありがとう!! と、何度も何度も何度もお礼をいただき、こちらの方が頭が下がる思いでした》
《あはは、今の天威師たちは人間への思い入れがないからねー。いや違うか、それが普通で私の方が特別なのか。義兄様も特別だったしね》
その言葉で、アマーリエは心の片隅に引っかかっていたことを聞く。
《黇死皇様――いえ、秀峰様はお変わりなく……ご健勝でいらっしゃいますか?》
《ん? ……あーうん、元気だよ。今はフルード君と念話中。よくやった、頑張ったなって言ってあげてるみたい。だから私も負けじとアマーリエちゃんに念話しちゃった~》
その言葉でフルードを見る。彼もまた、アマーリエと並んで神々を説得してくれた立役者だ。他の先達ではなくフルードが前に出たのは、アマーリエと同じ理由からだろう。本件において、フレイムと並んで神側のメインを張っているラミルファの宝玉であるからだ。
当のフルードはちょうど退室していくところだった。淀みなく歩を進めているが、よく見れば視線が僅かに宙をさ迷っている。そして、嬉しそうに微笑んでいた。側から見れば、会議が無事に終わったことを喜んでいるように映るだろうが、秀峰と何か話しているのかもしれない。
(秀峰様がお元気なら良かったわ)
去っていく先代大神官の背を見送りながら安堵しかけるが、すぐに本当にそうなのかと思い直す。そもそもアマーリエと日香では健勝や元気の定義が違うかもしれない。秀峰が、地上にいたかつての彼のままでいるかを聞きたかったのだが。しかし、日香の言葉の方が早かった。
《ねえ、まだ先の話だけどさ、アマーリエちゃんが昇天したら、超天にも遊びにおいでよー。そしたら義兄様にも会えるから。フルード君とか佳良とかは何度も来てくれてるんだよ。その度に私たち皆大喜びなの。私たちの方が天界に降りても良いしね》
《光栄です。その際はぜひ》
大神官になる前までのアマーリエならば、私ごときが超天にいくなどとんでもないと遠慮していただろう。
だが、大神官就任時の挨拶の際、至高神や最高神、選ばれし神たちと並んで超天に立つフルードの姿を見た時、悟ったのだ。フルードと同等の神格を持つ自分もあの絶域に行くことができる。あの高みはいずれ自分が辿り着く境地なのだと。
寝起きの疫神が、玩具の城を壊しては作り直すように世界の破壊と創生を行うのを見た時は畏怖を覚えたが、あれとて神格を解放した自分にも可能な行為なのだ。
色持ちの神々は、高位神は、自分の手の届く所にいる。自分は彼らのいる場所まで上がっていける。今は堂々とそう思っている。
何より、天地狂乱事件での日香や秀峰たちの最期が壮絶だったので、彼らが元気に過ごしているところを一目だけでも見たいという思いがあった。率直に言えば、これが最も強い。
(……あっ、そうだわ)
そんなことをツラツラ考えたところで、唐突にピンと閃いた。
(疫神様が毎日毎日退屈だと仰っていたけれど、超天に行かれて至高神様にお相手していただけば良いのではないかしら?)
神々の中でも別枠かつ別格である至高神は、文字通り次元が隔絶している。疫神の遊び相手も余裕でこなしてくれるだろう。
特に、秀峰の父たる先々代の帝国皇帝・橙日神レイティと、祖父でありさらに一代前の皇帝・皓死神ルーディは、生来の荒神だ。彼らあたりに頼めば応じてくれるのではないか。
(そうよ、天地狂乱ではまさにその事態になったわ。葬邪神様と疫神様が、激昂なさった橙日神様と皓死神様を相手に立ち回って下さったのよ。いくらあのお二方でも、激怒した至高神の荒神に敵うはずがないのに、どうやったのか宥めて下さったのよね)
一体全体、どのような方法を使ってそんな奇跡を成し遂げたのか。聞けば教えてくれるかもしれないが、あの時の大騒動は今はまだ思い出したくないので、あえて触れないようにしている。
(私はその場にいなかったから、方法は分からないけれど……きっと搦め手を使われたのね。永く在られる葬邪神様と疫神様なら、私には及びも付かないような奇想天外な手段を思い付いても不思議ではないわ)
そう予想を立てるも、果たしてそんな小細工が至高の神に通用するのかという疑問は残る。だが、これ以上考えれば、封印しているトラウマの蓋が開きそうになる。しかも、今は日香との会話中だ。そう考え、潔くプチンと思考を打ち切った。
(折を見て疫神様に提案してみましょう。至高神様にお相手をお願いしてみてはいかがですか、って)
日香や当代皇帝たちがアマーリエに見せてくれる気さくな態度を考えれば、遊んで下さいと請われても怒ることはないように思った。
《そうそう、アマーリエちゃんその調子。良いよ良いよー!》
一方、控えめながらもはっきりと応を返したアマーリエに、日香は満足げに笑った。そして、つと声音を豹変させる。
《アマーリエちゃん、本当にありがとう。天の怒りを――建国時からずっと続いていた問題を終わらせてくれて。まさに世界と人類の救世主だよ。義兄様は今、フルード君を褒めてあげてるから、私はアマーリエちゃんにお礼を言うの~》
《それは私ではなく、フレイムとラミルファ様、多くの神々のおかげです。フルード様もきっとそう仰っているでしょう。絶好の時期に当たったのがたまたま私たちだったというだけです。色々なタイミングが少しでもズレていれば、きっとミンディたちがその役を担い、やり遂げていたはずです》
《そういう仮定は置いといて、アマーリエちゃんが一翼を担ったっていう事実は変わらないから。……心から礼を言います》
一瞬だけ厳かな声を発した日香は、しかし、すぐにいつもの調子に戻る。
《あ、義兄様が呼んでる。フルード君との念話は終わったみたい。名残惜しいけど、こっちもそろそろ切るね》
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