148 / 605
第2章
45.狼神降臨
しおりを挟む
「どうしてフレイムにしなかったのかしら。降臨中なのだから、天界にいるラミルファ様より会いやすいのに……」
あるいは、主神である狼神に打ち明ける手もあっただろう。
「そこはセインの考えがあったんだろう。セイン自身が決めたことならそれで良い。俺はただ、あの子が俺のトコに来た時はいつでも受けとめてやれる体勢を作っとくだけだ」
爽やかに笑うフレイムの瞳の奥には、弟への揺るがぬ想いがある。ああ愛情深い神だと、アマーリエは思った。こんなに情の篤い神が、自分の夫になってくれた。
「ただ、何となく気持ちが分からんでもない。ラミルファはセインの原点だからな。俺よりも狼神様よりも、他のどの神よりも先に自分を見出してくれたんだ。その出会いがきっかけで、クソ貴族からも地獄の環境からも救われた」
「つまり……ガルーンの手がまた迫るかもとなったら、咄嗟にラミルファ様に縋っても不思議ではないのね」
「そういうことだな。ラミルファが特別降臨した本当の理由は、セインを守るためだ。狼神様に睨まれてるクソ貴族を見初める神なんざいねえから、何か裏があるとは睨んでたんだろうし」
「けれど、ミリエーナをもう一度穢すとか、新しい愛し子を探すとか言っていなかった?」
「そりゃ建前だろうな。多分だが、あの時点ではまだ何がどうなってるか何も分かんねえ状況だったから、アイツも手の内を明かさず適当な理由をでっち上げたんだ」
フレイムや他の聖威師たちと連携するにしても、現状や経緯の把握など最低限のことを調べてから話をしようと思っていたのではないか。
だが、神官府を探索しようとしてもフロースの神威に阻まれてしまい、どうしたものかと思案している内にガルーンの方から聖威師になったことを申告して来て、事態が動き出したのだ。
(そういえば、降臨してから四六時中フルード様から離れなかったわね)
つまり、本当に掌中の珠を守護するためだけにすっ飛んで来たのだ。フルードの腕をがっしり掴んでいたのは、実は心労で今にも倒れそうだった宝玉を支えていたのかもしれない。
ラミルファが特別降臨した際、気が抜けて意識が遠くなりそうだと言っていたフルードを思い出す。よく考えれば、あれはおかしい。邪神は、ミリエーナの代わりに新たな愛し子を……生き餌を探すと言っていたのだ。神官たちを守らねばならない緊急事態であり、気を抜いて意識を飛ばしている場合ではないのに。
おそらくフルードは分かっていた。ラミルファの言葉がただの方便であり、生き餌を見付けるつもりなどないと。本当は自分を守りに来てくれたと知っていた。だから気が抜けてしまった。現実逃避ではなく、安堵から。ああ、来てくれたと。
「包珠の契りは、愛し子の誓約に等しい重さと意味を持つ。宝玉の守護が理由なら、特別降臨も許可されるはずだ」
黙って会話を聞いていたアリステルが、頃合いを見計らったように口を挟んだ。
「認証の際、末の邪神様は大層お笑いになっていたそうですね。葬邪神様の息がかかった邪霊を感得した時点で、大方の真相を弾き出されたのでしょう」
「ああ。アイツは行き当たりばったりの考え無しで行動するが、頭脳戦が苦手とか知能が低いとかじゃねえからな。むしろその真逆だ」
「……けれど、それだと分からない部分があるわ」
アマーリエは待ったをかけた。
「リーリア様とオーブリーはどうなるの。あの二人は、フルード様ともアリステル様とも接点はないはずよ」
「そこなんだよなー」
フレイムが頷きながら腕を組んだ。
「オーブリーの件は予想が付いてるんだ。だがリーリアが分からねえ。これが不明な残り2割の部分なんだが……」
「ちょっと待って、オーブリーのことは分かってるの!?」
「ああ。最初にアイツの名前を聞いた時に覚えがある気がしてな、どこで聞いたか思い出した時に何となく分かった。絶対正しいって確証はねえけど」
「それならもう教えて、お願い!」
両手を合わせておねだりすると、フレイムは瞬殺で折れた。
「ユフィーの頼みなら仕方ねえな~。推測で良ければ、オーブリーのことは話してやるよ。ただ、リーリアのことは邪霊たちに聞かねえと」
山吹色の双眸が動き、置物と化して隅に控えていた男女の邪霊二体を見た。視線に気付いた邪霊たちが一礼して前に出る。
「テスオラ王国の神官リーリア・アヴェントが邪霊に憑かれてる。お前らと同じように、葬邪神様の神威で霊威を覆ってるんだ」
邪霊たちは困ったような、気まずげな雰囲気になって下を向いた。
「老夫婦、ガルーン、それにオーブリーに関しては、それぞれ怒りを抱いてる神がいるから、その神々が噛んでるんだろうと推測できたが……リーリアに関しては心当たりがない。お前らの方で知っていることがあるなら話せ」
『は、その……誠に申し上げにくいのですが……』
『我ら邪霊側の不始末と申しましょうか……』
歯切れの悪い様子を見て、アリステルが割って入った。
「焔神様、私が聞き出します。あなたはアマーリエにオーブリーの件を話してやって下さい」
淡々と言い置くと、邪霊たちを伴って少し離れた場所に移る。
「おー、そんじゃ頼むわ」
申し出に甘えることにしたらしいフレイムが首肯し、アマーリエに向き直る。
「リーリアのことはアリステルに任せて、オーブリーの予想を話す。――狼神様! 出て来て下さい。聞いてるんでしょう? それから、お前らも出て来いよ」
『やれやれ、やはりお気付きでしたか』
苦笑を孕んだ声と共に、空色がかった灰銀の巨躯が舞い降りる。星降の儀にて、フルードに寄り添っていた神だ。
(狼神様……あら?)
背筋を伸ばしたアマーリエは、巨狼の後ろから現れた影を見て瞬きした。
あるいは、主神である狼神に打ち明ける手もあっただろう。
「そこはセインの考えがあったんだろう。セイン自身が決めたことならそれで良い。俺はただ、あの子が俺のトコに来た時はいつでも受けとめてやれる体勢を作っとくだけだ」
爽やかに笑うフレイムの瞳の奥には、弟への揺るがぬ想いがある。ああ愛情深い神だと、アマーリエは思った。こんなに情の篤い神が、自分の夫になってくれた。
「ただ、何となく気持ちが分からんでもない。ラミルファはセインの原点だからな。俺よりも狼神様よりも、他のどの神よりも先に自分を見出してくれたんだ。その出会いがきっかけで、クソ貴族からも地獄の環境からも救われた」
「つまり……ガルーンの手がまた迫るかもとなったら、咄嗟にラミルファ様に縋っても不思議ではないのね」
「そういうことだな。ラミルファが特別降臨した本当の理由は、セインを守るためだ。狼神様に睨まれてるクソ貴族を見初める神なんざいねえから、何か裏があるとは睨んでたんだろうし」
「けれど、ミリエーナをもう一度穢すとか、新しい愛し子を探すとか言っていなかった?」
「そりゃ建前だろうな。多分だが、あの時点ではまだ何がどうなってるか何も分かんねえ状況だったから、アイツも手の内を明かさず適当な理由をでっち上げたんだ」
フレイムや他の聖威師たちと連携するにしても、現状や経緯の把握など最低限のことを調べてから話をしようと思っていたのではないか。
だが、神官府を探索しようとしてもフロースの神威に阻まれてしまい、どうしたものかと思案している内にガルーンの方から聖威師になったことを申告して来て、事態が動き出したのだ。
(そういえば、降臨してから四六時中フルード様から離れなかったわね)
つまり、本当に掌中の珠を守護するためだけにすっ飛んで来たのだ。フルードの腕をがっしり掴んでいたのは、実は心労で今にも倒れそうだった宝玉を支えていたのかもしれない。
ラミルファが特別降臨した際、気が抜けて意識が遠くなりそうだと言っていたフルードを思い出す。よく考えれば、あれはおかしい。邪神は、ミリエーナの代わりに新たな愛し子を……生き餌を探すと言っていたのだ。神官たちを守らねばならない緊急事態であり、気を抜いて意識を飛ばしている場合ではないのに。
おそらくフルードは分かっていた。ラミルファの言葉がただの方便であり、生き餌を見付けるつもりなどないと。本当は自分を守りに来てくれたと知っていた。だから気が抜けてしまった。現実逃避ではなく、安堵から。ああ、来てくれたと。
「包珠の契りは、愛し子の誓約に等しい重さと意味を持つ。宝玉の守護が理由なら、特別降臨も許可されるはずだ」
黙って会話を聞いていたアリステルが、頃合いを見計らったように口を挟んだ。
「認証の際、末の邪神様は大層お笑いになっていたそうですね。葬邪神様の息がかかった邪霊を感得した時点で、大方の真相を弾き出されたのでしょう」
「ああ。アイツは行き当たりばったりの考え無しで行動するが、頭脳戦が苦手とか知能が低いとかじゃねえからな。むしろその真逆だ」
「……けれど、それだと分からない部分があるわ」
アマーリエは待ったをかけた。
「リーリア様とオーブリーはどうなるの。あの二人は、フルード様ともアリステル様とも接点はないはずよ」
「そこなんだよなー」
フレイムが頷きながら腕を組んだ。
「オーブリーの件は予想が付いてるんだ。だがリーリアが分からねえ。これが不明な残り2割の部分なんだが……」
「ちょっと待って、オーブリーのことは分かってるの!?」
「ああ。最初にアイツの名前を聞いた時に覚えがある気がしてな、どこで聞いたか思い出した時に何となく分かった。絶対正しいって確証はねえけど」
「それならもう教えて、お願い!」
両手を合わせておねだりすると、フレイムは瞬殺で折れた。
「ユフィーの頼みなら仕方ねえな~。推測で良ければ、オーブリーのことは話してやるよ。ただ、リーリアのことは邪霊たちに聞かねえと」
山吹色の双眸が動き、置物と化して隅に控えていた男女の邪霊二体を見た。視線に気付いた邪霊たちが一礼して前に出る。
「テスオラ王国の神官リーリア・アヴェントが邪霊に憑かれてる。お前らと同じように、葬邪神様の神威で霊威を覆ってるんだ」
邪霊たちは困ったような、気まずげな雰囲気になって下を向いた。
「老夫婦、ガルーン、それにオーブリーに関しては、それぞれ怒りを抱いてる神がいるから、その神々が噛んでるんだろうと推測できたが……リーリアに関しては心当たりがない。お前らの方で知っていることがあるなら話せ」
『は、その……誠に申し上げにくいのですが……』
『我ら邪霊側の不始末と申しましょうか……』
歯切れの悪い様子を見て、アリステルが割って入った。
「焔神様、私が聞き出します。あなたはアマーリエにオーブリーの件を話してやって下さい」
淡々と言い置くと、邪霊たちを伴って少し離れた場所に移る。
「おー、そんじゃ頼むわ」
申し出に甘えることにしたらしいフレイムが首肯し、アマーリエに向き直る。
「リーリアのことはアリステルに任せて、オーブリーの予想を話す。――狼神様! 出て来て下さい。聞いてるんでしょう? それから、お前らも出て来いよ」
『やれやれ、やはりお気付きでしたか』
苦笑を孕んだ声と共に、空色がかった灰銀の巨躯が舞い降りる。星降の儀にて、フルードに寄り添っていた神だ。
(狼神様……あら?)
背筋を伸ばしたアマーリエは、巨狼の後ろから現れた影を見て瞬きした。
13
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
働かないつもりでしたのに、気づけば全部うまくいっていました ――自由に生きる貴族夫人と溺愛旦那様』
鷹 綾
恋愛
前世では、仕事に追われるだけの人生を送り、恋も自由も知らないまま終わった私。
だからこそ転生後に誓った――
「今度こそ、働かずに優雅に生きる!」 と。
気づけば貴族夫人、しかも結婚相手は冷静沈着な名門貴族リチャード様。
「君は何もしなくていい。自由に過ごしてくれ」
――理想的すぎる条件に、これは勝ち確人生だと思ったのに。
なぜか気づけば、
・屋敷の管理を改善して使用人の待遇が激変
・夫の仕事を手伝ったら経理改革が大成功
・興味本位で教えた簿記と珠算が商業界に革命を起こす
・商人ギルドの顧問にまで祭り上げられる始末
「あれ? 私、働かない予定でしたよね???」
自分から出世街道を爆走するつもりはなかったはずなのに、
“やりたいことをやっていただけ”で、世界のほうが勝手に変わっていく。
一方、そんな彼女を静かに見守り続けていた夫・リチャードは、
実は昔から彼女を想い続けていた溺愛系旦那様で――。
「君が選ぶなら、私はずっとそばにいる」
働かないつもりだった貴族夫人が、
自由・仕事・愛情のすべてを“自分で選ぶ”人生に辿り着く物語。
これは、
何もしないはずだったのに、幸せだけは全部手に入れてしまった女性の物語。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
悪女の針仕事〜そのほころび、見逃しません!〜
陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)
ファンタジー
公爵令嬢として生まれながら、子ども時代からメイドや周囲の陰謀で、次々と濡れ衣を着せられ、「悪女」扱いされてきたミリアム。
第3王子との婚約を聖女に奪われ、聖女への嫌がらせの冤罪で国外追放された後、平民として生き延びる中で、何度も5年前へのロールバック(逆行)を繰り返すことに。
生計をたてる為に、追放後の平民生活で極めた針仕事が、ロールバックが繰り返されることで、針仕事の能力だけは引き継がれ、天才的な実力を手に入れる。
その時女神「アテナ」の加護を得て、2つの力を手にすることに。
「加護縫い」
(縫った布に強力な祝福を込められる)
「嘘のほころびを見抜く力」
(相手の嘘を布のほころびとして視覚的に捉え、引き抜く、または繕うことで、真実を暴いたり修正したりする)
を手にしたミリアムは、5歳の幼女時代まで遡り、2つの力で悪評をぬりかえ、仲違いしていた家族も、加護の力を与えることで協力な味方へと変貌。
さらに、女神から可愛いしもべ「アリアドネ」を授かり、元婚約者と聖女にザマァを狙う中、加護縫いの能力が最も高い人間を王太子妃に迎える決まりのある大国、ルーパート王国の王太子が近付いて来て……?
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる