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第2章
44.ラミルファとフルード
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◆◆◆
――22年前。ラミルファが戯れに単発降臨したのは、厳寒の最中の帝都だった。ちょうどその時は冬の神のご機嫌が斜めであり、秋を押し退ける勢いで真冬の気候が到来していた。天威師と聖威師の気が満ちる帝城と皇宮は穏やかな気候を保っていたものの、城宮の外はシンシンと冷え込んでいた。
そんな折、天から地上を眺めていたラミルファは、ある山で雪景色の中に狂い咲く酔狂な薄黄木犀を見付け、何の気なしに眺めに降りたのだ。そこでフルードと出会った。実の親の手でガルーンに売られ、虐待の域を軽く凌駕した拷問級の扱いを受けていた彼と。
誰もが逃げ出し忌避する白骨姿で降りた邪神を、フルードは丸ごと受け入れた。白い躰が綺麗だと、スベスベでツヤツヤだと言って笑った。その骸が纏う黒炎や蛆虫に怯むこともなく、真っさらの思慕だけを宿した瞳で。
美しいものを厭い、汚穢を好む悪神も、美醜を超えた域で心奪われるものに出会うことはある。フルードはまさにそれだった。
ラミルファは大喜びでフルードを抱きしめた。この子を自分の愛し子にしよう。奇跡の聖威師として、ずっとずっと手元で愛でよう。そう決め、愛し子の仮誓約を結んだが、フルードの生育環境を知って考えを改めた。
常人ならばまず耐えられない過酷な状況の中、優しさと光、透明さを失うことがなかった魂。この無垢な輝きは、真っ当な神の懐で愛されるべきだ。自分のような悪神を主神にしてはならない。
そう思い至り、血涙を零す思いでフルードを手放すことにした。そして、真にこの子の主神に相応しい神を洗い出した。高潔で清廉で温かく、この子を心から慈しみ、尊重し、守り抜き、幸せの絶頂に導いてくれる神。
数多の譲れない条件を元に選んだのが、狼神だった。ラミルファは狼神とフルードが出会うように仕向けた。フルードの性格は狼神の好みのど真ん中を突いている。見えれば見初められる可能性は高いと踏んでいた。
フルードの心が聖威師の定めに耐え切れず、砕けて果てそうになった時は、優しいこの子をこの子のまま強くすることができる唯一の存在、フレイムと邂逅するように陰から尽力した。
例え自分の愛し子にすることができなくても。ただ大切な至宝の幸福のために、あらゆる労を厭わず奔走した。
そうして、フルードは狼神の愛し子になりフレイムの弟になり、天界で最も強く優しく頼れる神々の『特別』として、彼らの懐の最奥に抱かれた。揺らぐことのない幸せを手に入れたのだ。
だが、フルード当人は、狼神と愛し子の誓約を結ぶ際も、ラミルファのことを忘れていなかった。
一番最初に出会った神。ガルーンに負わされていた傷を治してくれた神。世界で初めて、自分を優しく抱きしめてくれた神。
自分の原点となる神を求め、ずっと手を伸ばし続けた。
その想いに根負けし、ラミルファはフルードと包珠の契りを結んだ。
硬く結ばれた契約は、決して離すことなく二柱の神を結び付けた。
◆◆◆
『私の宝玉。我が掌中の珠』
真っ白な骸骨人形が、ボロボロのフルード人形を全身で包み込む。白い骸が形を変え、艶やかな涅の髪と双眸をした青年の人形に転じた。その髪色に既視感が走る。
『守る。守る。守る。全てを賭して守る。絶対に。必ず。この私が。世界で最も不幸なその身を、世界一幸せに転じさせてみせようとも。そなたを地上で一番幸福にしてあげよう』
ボロ雑巾を抱いて囁く青年の人形。アマーリエが呆然と凝視する中で、二体は共に砂となって消えた。
「こうして、骸邪神様はフルードと包珠の契りを結んだわけだ。めでたしめでたし」
人形を消し去ったアリステルが締めくくった。
「で、では、ラミルファ様が最初にフルード様を見初めたのですか!?」
「そういうことだな」
フレイムが首肯した。
「けれど、星降の儀の時には黒炎でフルード様に攻撃……していなかったわね」
むしろ、邪神の炎の前に躊躇なく身を踊らせるフルードに、フレイム共々ハラハラしていた。
「いえ待って、本祭の時に少しだけ圧をかけていた気がするわ。ミリエーナを儀式に参加させないように画策したとかで」
「俺はその場にはいなかったが……その時は狼神様たちが降臨してただろ。それでセインたち聖威師の安全が保証されてたから、遊びで軽く注意したんだろうな。自分が少しくらい羽目を外しても、主神が必ず守りに入ると分かってたから」
「だったら……どうしてラミルファ様がミリエーナと仮の誓約をした時点で止めて下さらなかったのかしら。すぐに泣き落としでも懇願してもしていれば、本誓約をするのを止められたかもしれないのに」
「愛し子を得ることと、そのために行動することは神の正当な権利だ。例えそれが生き餌としての愛し子であってもな。宝玉の立場を振りかざして、その権利を侵害するのはちょっと違うんだよ」
そこまで答え、山吹色の双眸が痛みを帯びて細まった。
「それに……見せしめにしようって意図もあっただろう。悪神に見出された時点で、バカ妹の性根が相当に腐ってたのは推測できる。襟元を正した言動をしてねえと、こういう結果を迎えるんだってのを、神官たちに見せ付ける思惑もあっただろうぜ」
神使選定で神官たちが浮ついていた状況では、必要な処置だったのかもしれない。ラミルファならば、星降の儀という目立つ舞台で動くのではないかということも、フルードなら読めても不思議ではない。
「何とか本誓約を止めようとした。それは本当だろう。バカ妹を助けようとしていたことは間違いねえ。だが、仮に止められなければ……遺憾ではあるが、それはそれで使えるとも思っていたはずだ。さっき言ったように、本人や神官たちへの戒めになる」
狙った一手が潰されても、別の方面から二の手、三の手を考えておく。上位者としては当然のことだ。アリステルがきっぱりと言った。
「邪神様を止めようと奔走はするが、無理だったならその時は多少痛い目に遭えば良い。本当にあわやになれば、自分の泣き落としで何とかできるのだから。そういう魂胆も混ざっていただろう。フルードは優しいが甘くはない。冷徹さも非情さも持ち合わせている」
かつて火炎霊具が暴発した時、浅慮な者は手足の一本も吹き飛ぶ痛みを味わった方が反省するだろうと言っていたフルードを思い出す。あの時の彼の目は真剣だった。
「セインは俺が手塩にかけて鍛えた。生来の優しさはそのままで、怜悧な計算や判断もできるように。……それが本人の精神を削ることだとしても、上に立つ者には必要だ」
ワインレッドの髪を軽く掻き、フレイムは苦笑いした。
「話を戻すが、ラミルファはセインの包翼神であり絶対守護神だ。あの子が苦しんでいれば、迷わず手を差し伸べる。セインもそれを分かってる」
星降の儀で、神託廃棄をやらかしたシュードンにラミルファが激昂した時も。天威師が間に合わなかった場合の最終手段ではあるものの、自分が懇願すれば止められる勝算はあったのだろうと語る。
焔の神器が大人しくしていたのも、対峙しているのがラミルファだったからかもしれない。決してフルードを傷付けないと分かっていたのだ。
「今回は多分、ガルーンから届いた脅迫状について、ラミルファに相談したんだ」
――22年前。ラミルファが戯れに単発降臨したのは、厳寒の最中の帝都だった。ちょうどその時は冬の神のご機嫌が斜めであり、秋を押し退ける勢いで真冬の気候が到来していた。天威師と聖威師の気が満ちる帝城と皇宮は穏やかな気候を保っていたものの、城宮の外はシンシンと冷え込んでいた。
そんな折、天から地上を眺めていたラミルファは、ある山で雪景色の中に狂い咲く酔狂な薄黄木犀を見付け、何の気なしに眺めに降りたのだ。そこでフルードと出会った。実の親の手でガルーンに売られ、虐待の域を軽く凌駕した拷問級の扱いを受けていた彼と。
誰もが逃げ出し忌避する白骨姿で降りた邪神を、フルードは丸ごと受け入れた。白い躰が綺麗だと、スベスベでツヤツヤだと言って笑った。その骸が纏う黒炎や蛆虫に怯むこともなく、真っさらの思慕だけを宿した瞳で。
美しいものを厭い、汚穢を好む悪神も、美醜を超えた域で心奪われるものに出会うことはある。フルードはまさにそれだった。
ラミルファは大喜びでフルードを抱きしめた。この子を自分の愛し子にしよう。奇跡の聖威師として、ずっとずっと手元で愛でよう。そう決め、愛し子の仮誓約を結んだが、フルードの生育環境を知って考えを改めた。
常人ならばまず耐えられない過酷な状況の中、優しさと光、透明さを失うことがなかった魂。この無垢な輝きは、真っ当な神の懐で愛されるべきだ。自分のような悪神を主神にしてはならない。
そう思い至り、血涙を零す思いでフルードを手放すことにした。そして、真にこの子の主神に相応しい神を洗い出した。高潔で清廉で温かく、この子を心から慈しみ、尊重し、守り抜き、幸せの絶頂に導いてくれる神。
数多の譲れない条件を元に選んだのが、狼神だった。ラミルファは狼神とフルードが出会うように仕向けた。フルードの性格は狼神の好みのど真ん中を突いている。見えれば見初められる可能性は高いと踏んでいた。
フルードの心が聖威師の定めに耐え切れず、砕けて果てそうになった時は、優しいこの子をこの子のまま強くすることができる唯一の存在、フレイムと邂逅するように陰から尽力した。
例え自分の愛し子にすることができなくても。ただ大切な至宝の幸福のために、あらゆる労を厭わず奔走した。
そうして、フルードは狼神の愛し子になりフレイムの弟になり、天界で最も強く優しく頼れる神々の『特別』として、彼らの懐の最奥に抱かれた。揺らぐことのない幸せを手に入れたのだ。
だが、フルード当人は、狼神と愛し子の誓約を結ぶ際も、ラミルファのことを忘れていなかった。
一番最初に出会った神。ガルーンに負わされていた傷を治してくれた神。世界で初めて、自分を優しく抱きしめてくれた神。
自分の原点となる神を求め、ずっと手を伸ばし続けた。
その想いに根負けし、ラミルファはフルードと包珠の契りを結んだ。
硬く結ばれた契約は、決して離すことなく二柱の神を結び付けた。
◆◆◆
『私の宝玉。我が掌中の珠』
真っ白な骸骨人形が、ボロボロのフルード人形を全身で包み込む。白い骸が形を変え、艶やかな涅の髪と双眸をした青年の人形に転じた。その髪色に既視感が走る。
『守る。守る。守る。全てを賭して守る。絶対に。必ず。この私が。世界で最も不幸なその身を、世界一幸せに転じさせてみせようとも。そなたを地上で一番幸福にしてあげよう』
ボロ雑巾を抱いて囁く青年の人形。アマーリエが呆然と凝視する中で、二体は共に砂となって消えた。
「こうして、骸邪神様はフルードと包珠の契りを結んだわけだ。めでたしめでたし」
人形を消し去ったアリステルが締めくくった。
「で、では、ラミルファ様が最初にフルード様を見初めたのですか!?」
「そういうことだな」
フレイムが首肯した。
「けれど、星降の儀の時には黒炎でフルード様に攻撃……していなかったわね」
むしろ、邪神の炎の前に躊躇なく身を踊らせるフルードに、フレイム共々ハラハラしていた。
「いえ待って、本祭の時に少しだけ圧をかけていた気がするわ。ミリエーナを儀式に参加させないように画策したとかで」
「俺はその場にはいなかったが……その時は狼神様たちが降臨してただろ。それでセインたち聖威師の安全が保証されてたから、遊びで軽く注意したんだろうな。自分が少しくらい羽目を外しても、主神が必ず守りに入ると分かってたから」
「だったら……どうしてラミルファ様がミリエーナと仮の誓約をした時点で止めて下さらなかったのかしら。すぐに泣き落としでも懇願してもしていれば、本誓約をするのを止められたかもしれないのに」
「愛し子を得ることと、そのために行動することは神の正当な権利だ。例えそれが生き餌としての愛し子であってもな。宝玉の立場を振りかざして、その権利を侵害するのはちょっと違うんだよ」
そこまで答え、山吹色の双眸が痛みを帯びて細まった。
「それに……見せしめにしようって意図もあっただろう。悪神に見出された時点で、バカ妹の性根が相当に腐ってたのは推測できる。襟元を正した言動をしてねえと、こういう結果を迎えるんだってのを、神官たちに見せ付ける思惑もあっただろうぜ」
神使選定で神官たちが浮ついていた状況では、必要な処置だったのかもしれない。ラミルファならば、星降の儀という目立つ舞台で動くのではないかということも、フルードなら読めても不思議ではない。
「何とか本誓約を止めようとした。それは本当だろう。バカ妹を助けようとしていたことは間違いねえ。だが、仮に止められなければ……遺憾ではあるが、それはそれで使えるとも思っていたはずだ。さっき言ったように、本人や神官たちへの戒めになる」
狙った一手が潰されても、別の方面から二の手、三の手を考えておく。上位者としては当然のことだ。アリステルがきっぱりと言った。
「邪神様を止めようと奔走はするが、無理だったならその時は多少痛い目に遭えば良い。本当にあわやになれば、自分の泣き落としで何とかできるのだから。そういう魂胆も混ざっていただろう。フルードは優しいが甘くはない。冷徹さも非情さも持ち合わせている」
かつて火炎霊具が暴発した時、浅慮な者は手足の一本も吹き飛ぶ痛みを味わった方が反省するだろうと言っていたフルードを思い出す。あの時の彼の目は真剣だった。
「セインは俺が手塩にかけて鍛えた。生来の優しさはそのままで、怜悧な計算や判断もできるように。……それが本人の精神を削ることだとしても、上に立つ者には必要だ」
ワインレッドの髪を軽く掻き、フレイムは苦笑いした。
「話を戻すが、ラミルファはセインの包翼神であり絶対守護神だ。あの子が苦しんでいれば、迷わず手を差し伸べる。セインもそれを分かってる」
星降の儀で、神託廃棄をやらかしたシュードンにラミルファが激昂した時も。天威師が間に合わなかった場合の最終手段ではあるものの、自分が懇願すれば止められる勝算はあったのだろうと語る。
焔の神器が大人しくしていたのも、対峙しているのがラミルファだったからかもしれない。決してフルードを傷付けないと分かっていたのだ。
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