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第3章
46.暴れる神、来臨
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『我、遊ぶ。相手必要。お前たち、相手する』
『ユフィー、リーリア、俺の後ろに!』
『下がれセイン、ヴェーゼ』
二神が聖威師たちを庇って一点を見据える。視線の先にあるのは、庭園の散策道だ。裏庭とは違い、何本もの街灯霊具に照らされている。
その照明の中に、ボテンと転がるように落ちて来たのは、小さな少年だった。ウェイブよりもさらに幼い。クラーラと同じくらいの――まだ7歳ほどに見える。そして、もう一柱。
『うぅ~すまぬのぅ、雛たちよ。説明はしたのじゃが』
先ほどまで話していた魔神だ。濃青の長髪をかき上げ、黒みを帯びた紫紺の瞳を少年に向けて困った顔をしている。
『この御仁に遊んでいたつもりはなかったようでの。此方の手伝いをしただけだと仰せなのじゃ~』
『そうそう。我、遊ぶない。我がしたの、クロウの手伝い。我、遊ぶのこれから』
地面を幾度かコロコロした子どもが、フワリと浮き上がった。可愛らしい顔立ち。ぷにぷにした頰。そして、零れ落ちそうに大きな瞳。
「あっ……!」
数瞬の既視感の後、アマーリエは息を飲んだ。脳裏に閃光が走り、記憶の残像が結ばれる。
「あなた――照覧祭でワイマーさんと一緒に並んでいた男の子……」
『クロウ、人間化ける。面白そう。我、真似っこ』
少年が丸い目をくりくりさせ、無邪気に手を叩く。
『面白い、面白い。ああ面白い。我、愉しいこと好き。退屈、嫌い』
空中でクルンと回転し、ケラケラ笑う幼子が、ふと笑みを曇らせた。
『でも、すぐ飽きた。人のフリ、そんなに愉しくなかった。もう飽きた。別の遊び、する。痛いの大好きな雛たち、我と遊ぶ』
『違いますよ二の兄上、この子たちは被虐趣味ではありません。痛いことも嫌いですよ。魔神様からお聞きになられませんでしたか? ……ほら、君たちは焔神様の所に行きなさい』
小さな手を差し出してにっこり笑う少年に、同じく笑顔のラミルファが足を踏み出した。だが、その目は怖いほど真剣だ。二番目の兄を見つめたまま、フルードとアリステルをフレイムの方へと押しやる。
『おお、弟よ!』
幼児がギュルンと目玉を回した。比喩表現ではなく、本当に眼球が白目の中で回転していた。
『お前、我が弟。神威で判る』
『はい。禍神が末子、ラミルファと申します』
ラミルファが、兄の注意を自分に引き付けるように前に出る。
『弟。我の弟。可愛い、可愛い。さっき見付けてから、話したかったよ』
おいでおいで、と、小さな手がヒラヒラ揺らされる。
『神格、何? ……邪神か』
じっとラミルファを視て、一瞬双眸を翳らせたが、すぐに明るさを取り戻す。
『いいや、違う。お前、アイツ違う。アイツ、葬邪神。お前、骸邪神。邪神でも違う。なら良い。あぁ可愛い』
近付いた弟の頭をよぉしよぉしと撫でながら、小さな神の大きな眼がグルグルと場を一巡した。
『可愛い同胞たち。焔神フレイム様。濁縁神アリステル・ヴェーゼ・レシス。清縁神フルード・セイン・レシス。燁神アマーリエ・ユフィー・サード。雫神リーリア・レアナ・ファルム。……最後の雛、一度名前変わってる。前、アヴェント』
「貴き神にお答え申し上げます。故あって家名が変わりましてございます」
リーリアが滑らかに応じるが、その声は明らかな緊張を孕んでいる。
アヴェント家から除籍されたリーリアの父ヘルガは、自身で新たな家を立てることが認められた。長年神官として勤め続け、テスオラ神官府の主任を背負っていることを鑑みての処置だった。彼が興したのがファルム家だ。
なお、ヘルガが廃嫡された時、彼の妻であるリーリアの母もまとめてアヴェント家から除籍された。夫婦で再出発することもできると提案したヘルガだが、彼女は自身の生家に戻る道を選択したため、そのまま離縁となった。一方のリーリアは、父と同じ姓になることを選んだ。
『そう。ま、人間の家名、どうでも良い。さあ、遊ぼう。痛いこと、たくさんしてあげる。嬉しいだろ』
聖威師たちが一斉に首を横に振った。魔神が困り果てた顔で子どもを見ている。
『ああ、違う違う。ダメダメダメ、それ違う』
少年神がちっちっちと指を振る。
『お前たち、被虐趣味』
「「違います!」」
魔神がそろりと幼子に声をかける。
『ほれこの通り、違うと申しておるのですから……』
だが、甲高い声はあっけらかんと切り捨てる。
『違うない。我の言葉、真理』
フレイムが眉間に皺を寄せて言った。
『つまり……自分がお前たちは被虐趣味なんだって言ったら、当事者が否定しようが事実がどうだろうが関係なく、それが正解で真実になると?』
『そう。焔の雛、賢い。偉い偉い』
とんだ自己中野郎である。言葉を失くすアマーリエたちに、小さな神が嗤う。
『痛いのが好きな同胞たち、生まれたばかり。とってもとっても小さな雛。まだ決まり、分かってない。小さいから仕方ない。教えれば良い。教える、年長者の役目』
ウンウンと頷き、ピッと自分を指差す。
『うたた寝中に考えた。我、理性ある。会話通じる。いきなり暴れる、良くない。我、ちょっぴり反省済み』
そして、今度はアマーリエたちを指す。
『神で大事なの、何? ――神格。神格が全て。優劣、上下、強弱、高低……全部神格一つで決まる。他の要素、関係ない』
『フレイムは自分より神格が低い妻や弟に全く頭が上がりませんがね』
『お前だってセインには傅く勢いだろ!』
婉曲に反論するフレイムとラミルファだが、幼い神は気にも留めない。
『それ、焔神様とラミルファの温情。温情、任意。かけるかけない、自由。焔神様とラミルファ、かける。我、かけない』
まろい頰が笑みをたたえて揺れる。魔神が少年より一歩下がり、聖威師たちを見つめると、口の動きだけで言葉を伝えて来た。
――逃げろ。逃げろ
『痛いの大好きな雛たち。我、お前たちより神格上。つまりお前たち、拒否権ない。一切ない。我が黒と言えば黒、白と言えば白。被虐趣味と言えば被虐趣味。分かった? もちろん、はい以外の答え、禁止』
とんでもない神だ。ラミルファが小さく舌打ちし、フレイムが頰をヒクつかせてアマーリエたちを背後に庇う。
《おい、コイツやべえぞ。マジでやべえ。何が話はできるだよ、狼神様のホラ吹きめ》
《ああ、悪神らしい悪神だ。まるで善性部分を一切合切取っ払った一の兄上だよ。僕など足元にも及ばない》
《ユフィーたちは逃げろ、俺とラミルファが引き付けて……》
ダン、と音が響いた。
『ユフィー、リーリア、俺の後ろに!』
『下がれセイン、ヴェーゼ』
二神が聖威師たちを庇って一点を見据える。視線の先にあるのは、庭園の散策道だ。裏庭とは違い、何本もの街灯霊具に照らされている。
その照明の中に、ボテンと転がるように落ちて来たのは、小さな少年だった。ウェイブよりもさらに幼い。クラーラと同じくらいの――まだ7歳ほどに見える。そして、もう一柱。
『うぅ~すまぬのぅ、雛たちよ。説明はしたのじゃが』
先ほどまで話していた魔神だ。濃青の長髪をかき上げ、黒みを帯びた紫紺の瞳を少年に向けて困った顔をしている。
『この御仁に遊んでいたつもりはなかったようでの。此方の手伝いをしただけだと仰せなのじゃ~』
『そうそう。我、遊ぶない。我がしたの、クロウの手伝い。我、遊ぶのこれから』
地面を幾度かコロコロした子どもが、フワリと浮き上がった。可愛らしい顔立ち。ぷにぷにした頰。そして、零れ落ちそうに大きな瞳。
「あっ……!」
数瞬の既視感の後、アマーリエは息を飲んだ。脳裏に閃光が走り、記憶の残像が結ばれる。
「あなた――照覧祭でワイマーさんと一緒に並んでいた男の子……」
『クロウ、人間化ける。面白そう。我、真似っこ』
少年が丸い目をくりくりさせ、無邪気に手を叩く。
『面白い、面白い。ああ面白い。我、愉しいこと好き。退屈、嫌い』
空中でクルンと回転し、ケラケラ笑う幼子が、ふと笑みを曇らせた。
『でも、すぐ飽きた。人のフリ、そんなに愉しくなかった。もう飽きた。別の遊び、する。痛いの大好きな雛たち、我と遊ぶ』
『違いますよ二の兄上、この子たちは被虐趣味ではありません。痛いことも嫌いですよ。魔神様からお聞きになられませんでしたか? ……ほら、君たちは焔神様の所に行きなさい』
小さな手を差し出してにっこり笑う少年に、同じく笑顔のラミルファが足を踏み出した。だが、その目は怖いほど真剣だ。二番目の兄を見つめたまま、フルードとアリステルをフレイムの方へと押しやる。
『おお、弟よ!』
幼児がギュルンと目玉を回した。比喩表現ではなく、本当に眼球が白目の中で回転していた。
『お前、我が弟。神威で判る』
『はい。禍神が末子、ラミルファと申します』
ラミルファが、兄の注意を自分に引き付けるように前に出る。
『弟。我の弟。可愛い、可愛い。さっき見付けてから、話したかったよ』
おいでおいで、と、小さな手がヒラヒラ揺らされる。
『神格、何? ……邪神か』
じっとラミルファを視て、一瞬双眸を翳らせたが、すぐに明るさを取り戻す。
『いいや、違う。お前、アイツ違う。アイツ、葬邪神。お前、骸邪神。邪神でも違う。なら良い。あぁ可愛い』
近付いた弟の頭をよぉしよぉしと撫でながら、小さな神の大きな眼がグルグルと場を一巡した。
『可愛い同胞たち。焔神フレイム様。濁縁神アリステル・ヴェーゼ・レシス。清縁神フルード・セイン・レシス。燁神アマーリエ・ユフィー・サード。雫神リーリア・レアナ・ファルム。……最後の雛、一度名前変わってる。前、アヴェント』
「貴き神にお答え申し上げます。故あって家名が変わりましてございます」
リーリアが滑らかに応じるが、その声は明らかな緊張を孕んでいる。
アヴェント家から除籍されたリーリアの父ヘルガは、自身で新たな家を立てることが認められた。長年神官として勤め続け、テスオラ神官府の主任を背負っていることを鑑みての処置だった。彼が興したのがファルム家だ。
なお、ヘルガが廃嫡された時、彼の妻であるリーリアの母もまとめてアヴェント家から除籍された。夫婦で再出発することもできると提案したヘルガだが、彼女は自身の生家に戻る道を選択したため、そのまま離縁となった。一方のリーリアは、父と同じ姓になることを選んだ。
『そう。ま、人間の家名、どうでも良い。さあ、遊ぼう。痛いこと、たくさんしてあげる。嬉しいだろ』
聖威師たちが一斉に首を横に振った。魔神が困り果てた顔で子どもを見ている。
『ああ、違う違う。ダメダメダメ、それ違う』
少年神がちっちっちと指を振る。
『お前たち、被虐趣味』
「「違います!」」
魔神がそろりと幼子に声をかける。
『ほれこの通り、違うと申しておるのですから……』
だが、甲高い声はあっけらかんと切り捨てる。
『違うない。我の言葉、真理』
フレイムが眉間に皺を寄せて言った。
『つまり……自分がお前たちは被虐趣味なんだって言ったら、当事者が否定しようが事実がどうだろうが関係なく、それが正解で真実になると?』
『そう。焔の雛、賢い。偉い偉い』
とんだ自己中野郎である。言葉を失くすアマーリエたちに、小さな神が嗤う。
『痛いのが好きな同胞たち、生まれたばかり。とってもとっても小さな雛。まだ決まり、分かってない。小さいから仕方ない。教えれば良い。教える、年長者の役目』
ウンウンと頷き、ピッと自分を指差す。
『うたた寝中に考えた。我、理性ある。会話通じる。いきなり暴れる、良くない。我、ちょっぴり反省済み』
そして、今度はアマーリエたちを指す。
『神で大事なの、何? ――神格。神格が全て。優劣、上下、強弱、高低……全部神格一つで決まる。他の要素、関係ない』
『フレイムは自分より神格が低い妻や弟に全く頭が上がりませんがね』
『お前だってセインには傅く勢いだろ!』
婉曲に反論するフレイムとラミルファだが、幼い神は気にも留めない。
『それ、焔神様とラミルファの温情。温情、任意。かけるかけない、自由。焔神様とラミルファ、かける。我、かけない』
まろい頰が笑みをたたえて揺れる。魔神が少年より一歩下がり、聖威師たちを見つめると、口の動きだけで言葉を伝えて来た。
――逃げろ。逃げろ
『痛いの大好きな雛たち。我、お前たちより神格上。つまりお前たち、拒否権ない。一切ない。我が黒と言えば黒、白と言えば白。被虐趣味と言えば被虐趣味。分かった? もちろん、はい以外の答え、禁止』
とんでもない神だ。ラミルファが小さく舌打ちし、フレイムが頰をヒクつかせてアマーリエたちを背後に庇う。
《おい、コイツやべえぞ。マジでやべえ。何が話はできるだよ、狼神様のホラ吹きめ》
《ああ、悪神らしい悪神だ。まるで善性部分を一切合切取っ払った一の兄上だよ。僕など足元にも及ばない》
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