バトンタッチした話

加速・D・歩

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・本編

24 競技大会、今度は真面目にね

 2年になってあの大会が始まる──競技大会
 1年のときはサボってたからほぼ参加しなかったけど、真面目ちゃんになってるしちゃんと参加するよ。やる気はあんま無いけどまた解放の日楽しみにしてるしね。


「今回も晴天だ」
「マルが出るのなんなんだ? 試合は出る?」
「出る~。出るだけでいいよね、優勝しなくても」
「優勝したら解放の日が明日になる、とかならど?」
「えー、マジ? でも強い人達が居るから優勝は無理じゃない?」

 優勝は無理でも上位3位内に入ればOKと言われた。それなら、やってみるか。


 とりあえずやるのが、弓の的当て能力テストね。いつもは赤点ギリ回避しかしてなかったけど、目の前には表示されたり消えたり、空に浮かんでる的とか計50。矢はプラス10で60本。

「弓技能2年ワィーレ・マルゥメ、よーい始めッ」

 3本指で握った弓矢を出ては消える的へ向けて狙いを定めつつ弓の弦を引く──パスッと乾いた音と共に矢は弧を描きながら的の真ん中にトスと当たると当たった的は消滅。矢を放った時に次の矢も撃っていて、別のにそれが3本目も。全部当たり、その流れのまままた指に装備した矢で左の方から空へ向かって飛び出てくる的を狙う。障害物に隠れるからその前か後出てきた瞬間を狙い撃ち抜く。
 厄介な的を消化したあとは出っぱなしかつ、動かない的を無駄なく消していくと最後モンスターを模した的が出てくる。何処が弱点なのか──このモンスター授業でやったな『迷宮を護るゴーレムには数カ所、例えば見えてない部分の足の裏や首の後ろなんかに魔石がハメられておりそこを壊すと機能が停止する為──……』とかなんとか。
 モンスター的に関しては立ち位置を変更して撃っても良いと言うことで観察。足の裏は地面に立ってるから分からないな。数カ所に小さな魔石が嵌められていて、膝をつかせられれば見えるかもしれない。
《聖魔法》の攻撃技《ホーリーアロー》を使う。ここまで無駄打ちはしなかったけど、魔石の数と矢が合わない為、《ホーリーアロー》ならチャージ無しなら複数に当たる技になる。マナを練り込むチャージ技だと威力は強いが単体にしか当たらないからな。
 普通の矢が光り輝く、《聖属性付与》された矢。

「行け、《ホーリーアロー》」
「まだか、なら《天使の涙》」

《天使の涙》はもっと細かくマナを降らせる攻撃、ダメージが入るというよりスリップダメージタイプの技でゲームで言うところの毒や出血に近い。モンスターの真上に《聖属性》の矢を撃つ。すると高く撃ち上がったマナは光の雨となって降り注ぐ。ちなみにパーティーメンバーには《回復付与》にもなる。不思議。

 キラキラした光の粒が的に降り注ぎ上の見える範囲の魔石を壊した。まだ矢は余裕がある。ん、あれって。

「《浄化の矢》ッ」

 闇の存在を浄化する胸にあるやや大きい魔石が黒ずんでいて気になった。それで、この技を使って撃ち抜くとモンスター的は膝をついた。
 よし、後ろにまわって見てみると──足の裏には魔石があってそれを壊すと「2年ワィーレ・マルゥメ合格」と聴こえた。よし。

 クラスは変わってしまったリーナ達のを見に行く。イデチャンはさっき瓦割りみたいな競技をしていた。力自慢みたいな?
 ユーくんは空を飛んで障害物を避ける競技に参加してたし、種族によって色々と参加できて面白いなぁ。
 意外と観るだけでも楽しいんだ。
 歓声が上がる。

 歩いてるとヌヌにぶつかった。わ、久しぶりと思ったけど相手は分からないか。

「ごめんね?」
「僕もごめん、」

「ヌーちゃんはやくー!」
「ま、待ってよ~っ!」

 友達に呼ばれて俺の横を通り過ぎるヌヌ。ま、元気そうにやってて良かった。
 友達と合流した彼は笑いながら談笑してるのが見える。

 
「見に来るのが遅いですよ」
「あー……ゴメン。結構急いできたんだけど」
「ま、合格でした」
「へぇ良かったじゃん俺も弓合格~っ!」
「それで次は何をするんです?」
「多分、《聖魔法》のチームで技能……ダンスだっけななんかやる」
「ふうん、まぁ観に行ってあげますよ」
「おー、んじゃ頑張るわ」

【大会会場】が広いせいで着いたと思ったらリーナのやつが終わってた。彼になんの技能やってたのか聞いても無視された。まぁ俺は俺で《聖魔法》というか《光魔法》を使える人たちが【集まる会場】へ向かって走った。

「はあはあ、遅くなった」
「マルくん大丈夫ですよ、こっちも集まってきた所ですので。では衣装をコレとコレに着替えてください。マルくんはメインで踊るからよろしくね」
「はいよ。」

 着替えたのは男のチャイナ服みたいな白いゆったりとしたズボンに前と後ろが垂れてる限りなく白に近い薄黄緑の服。んー……なんか乳首透けてない……? まぁ花の刺繍があって目立ちはしないけども。

 ある程度の段取りをリハして本番。白い丸いステージの上で優しい曲調が流れると《光魔法》を使いながら他の子達が踊る。軽やかに飛んだり跳ねたりしながらステージを移動する。

「マルくん、行って」
「はいよ」

 曲調に歌が入ってきて歌詞は少し寂しい感じの、それに合わせて踊る。裸足でステージ内を歩き、ステップを踏み流れるような動作をしつつ、手からは《聖魔法》の優しい光を放つ。

 そんな感じで他の子と光のシャワーを作ったり、その光の跡を残したまま鳳凰みたいな鳥を描きフィニッシュ。
 終わった後の歓声が凄くてやって良かったな、と思った。他の属性達は《木属性》は森を作ってそこで劇をしたり《火属性》も激しい系のダンスだった。他は時間的に見れなかったんだけども。




「2年ワィーレ・マルゥメ、対、1年レコッタ・フフィ、試合始めッ」

 ダンス衣装のまま試合なう。あげるから汗で汚れた体操着くれって言われてしょうがないなーと。相手も遠距離からで避けつつ《ホーリーアロー》でけん制しつつ、《天使の羽》《守護の矢》《聖なるバリア》を使って護る。《天使の羽》は移動速度アップ《守護の矢》はファンネルを飛ばし相手を攻撃したり攻撃が来た場合は盾になってダメージを防ぐ。《聖なるバリア》そのまんま《バリア》をはる。

 あっちも似たような護りに入ってる。地面から草が生え蔦が巻き付きそうになるのを避け、エロ展開なら捕まってたけど。

 真上に《天使の涙》を打つと光が降り注ぐ。相手みたいな対象を足止めする技……あ。《光の矢》を使う。相手に向かって光の玉が飛んでいくと目の前で弾ける。眩惑効果で足が止まった相手に向けてチャージ無しの《ホーリーアロー》からの《神の一撃》マルの必殺技を撃ち──

「2年ワィーレ・マルゥメが勝ち、次も頑張れよ」
「はぁーい」

 フィールドを降りる。ふう、疲れた。寝たい。ふあっ、むう。
 順番が来るまでそこのベンチで寝よ。


「ワィーレ・マルゥメ!」
「2年のワィーレ・マルゥメ! 早くフィールドに上がれ!」

・・・んぅ、近くで「起きて、試合始まるよ」って声でベンチから起き上がると俺の名前を呼ぶ声が聴こえた。まだ眠い……と目を擦りながらもフィールドに上がった。

「では、3年コ・ペリギィナ、対、2年ワィーレ・マルゥメ、試合始めッ」

 開始の合図とともに頬が切れて血が出る。何かと思えば投げナイフか。それと《水属性》が乗ってて切れ味が良くなってる。ポイポイ投げられるナイフを掻い潜りながらさっきの《護りの3つ》を使って防御する。

 服がナイフで破ける、太腿も切れたので《回復》する。
《天使の涙》を3回ぐらい連続で使うと光の雨が土砂降りになって俺の姿を見失った相手に《光の矢》を撃ち眩惑させたあと《神の一撃》で仕留める。

「2年ワィーレ・マルゥメの勝利、次も頑張れよ。あと時間になったら早くフィールドに上がってこい」
「ふぁーい」

 怪我は《回復》して綺麗さっぱり服についた血も《生活魔法》でもとに戻す。切れた部分は、まぁいいか。そのあと何戦かして、本戦へ。

1年スルゥリ・メ・トマリァ∶ノーム∶杖∶水、炎、草、土魔法
1年サッラ・カカッハ∶鼠獣人∶剣∶闇魔法
1年トドッ・リパャゼ∶ドワーフ∶ハンマー∶草魔法
2年リ・ウェディ∶ダークエルフ∶ナイフ∶土魔法
2年マ・ゲィマァメメ∶吸血鬼∶杖∶闇、炎魔法
2年ヨヲ・ワ・ゲェイデ∶オーク∶拳∶土魔法
2年コ・カメイメ∶人間∶剣∶風魔法
2年ワィーレ・マルゥメ∶人間∶弓∶聖魔法
3年ゴルリャ・ハッドヤ∶猫獣人∶ハンマー∶水魔法
3年ヤゴリ・カ・ドッパ∶人間∶槍∶草魔法

 前回の優勝者が3年で卒業しちゃったけど、居たらシード権枠だった。ま、出るのがこんな感じで対戦相手を決める。

・3年ヤゴリ・カ・ドッパ対1年スルゥリ・メ・トマリァ
・2年ワィーレ・マルゥメ対2年リ・ウェディ
・2年コ・カメイメ対3年ゴルリャ・ハッドヤ
・1年サッラ・カカッハ対2年ヨヲ・ワ・ゲェイデ
・1年トドッ・リパャゼ対2年マ・ゲィマァメメ

 5つのフィールドで試合が始まる。俺の相手はウーくん。いきなり当たるかぁ。ま、戦ってみよ。
 フィールドに上がると目の前にウーくんが。彼も俺の事は知らないからなぁ。まぁその方が戦いやすいか……?

「2年ワィーレ・マルゥメ対2年リ・ウェディ、試合始めッ!」

 本戦前にナイフの相手と戦ってた経験もあって避ける事が出来るが、同時に小石が投げられ全部を避ける事が難しい。《防御》を使って石の衝撃を減らし、こっちも矢を撃つが土壁に阻まれる。
《守護の矢》に《祝福の矢》を付与し、俺がタゲを取ってる間に後ろから攻撃してもらった。
 《祝福の矢》は相手に呪いをかける技でランダムに状態異常が出る。今回は目眩と氷結だった。そこに必殺を撃って勝ち上がる。


・3年ヤゴリ・カ・ドッパ○対1年スルゥリ・メ・トマリァ●
・2年ワィーレ・マルゥメ○対2年リ・ウェディ●
・2年コ・カメイメ○対3年ゴルリャ・ハッドヤ●
・1年サッラ・カカッハ○対2年ヨヲ・ワ・ゲェイデ●
・1年トドッ・リパャゼ●対2年マ・ゲィマァメメ○

 んで1回戦はこんな結果(ルーレット使用)イデチャン負けちゃったのか、残念~っ。

・2年マ・ゲィマァメメ対1年サッラ・カカッハ
・2年ワィーレ・マルゥメ対2年コ・カメイメ
・3年ヤゴリ・カ・ドッパ対↑の勝者達と

 メイチャンと戦う事に。フィールドに上がるとすでに彼は立っていて他の人から見たら爽やかに笑ってるけど目は完全に俺を殺そうといや、嬲り殺そうとする目をしていてゾクゾクする。けど、勝たないとね、3位内に入らないといけないから。

「2年ワィーレ・マルゥメ対2年コ・カメイメ、試合始めッ!」

 初手、メイチャンにヤラれる。俺が《防御》をかける前に詰められて胸に一閃され大量の血が流れ落ちる。すぐに《回復》からなんとか(防御)3つをかけるが、素早い剣捌きで容赦なく痛めつけられる。《守護の矢》のガードが間に合ってない、が攻撃にしてメイチャンの気をそらした所で《天使の涙》で《回復付与》と範囲攻撃をして、《守護の矢》を掛け直してファンネルを増やす。その隙に《祝福の矢》を付与した《ホーリーアロー》で範囲攻撃をするが背中を剣の柄で強打され地面に転がされ、彼の目を見ると馬乗りされたまま剣を振るわれ服が血染めになりながら斬り刻まれる。公開ボコスカ状態だけど、コレで──俺を嬲り倒そうしてる彼の背中がガラ空きだぜ……!


「2年ワィーレ・マルゥメの勝利! 大怪我だが大丈夫か?」
「《回復》使えるんでへーきです」
「マル、大丈夫か?」
「やった本人がそういうならもっと手加減してよ」
「悪い悪い、興奮すると視野が狭くなるんだ。前もそれで負けちまって」

・2年マ・ゲィマァメメ○対1年サッラ・カカッハ●
・2年ワィーレ・マルゥメ○対2年コ・カメイメ●
・3年ヤゴリ・カ・ドッパ対↑の勝者達と

《全回復》したあと、ボロボロの布切れになった服は駄目になっちゃったので、真新しい体操服に着替えた。その場で。もちろん。 

──なんだあの乳首
──デケェ、俺よりデカチンじゃん
──その場で着替えるんか

 吸われすぎて前よりも黒くなった乳首を見られながらメイチャンには呆れられたけど、でもほぼ身体の関係をもった生徒達の前だし? これで3位は確定だし解放の日にもっと参加したいって人も増えるかも? って期待。

 最後はフィールドに3人。三つ巴対決。

2年ワィーレ・マルゥメ∶人間∶弓∶聖魔法
2年マ・ゲィマァメメ∶吸血鬼∶杖∶闇、炎魔法
3年ヤゴリ・カ・ドッパ∶人間∶槍∶草魔法

 の3人。メメとも初めまして。前は血吸われたなぁ。

「……試合始ッ!!」

 先輩の槍が連続突きをして来るのを避け《防御》と《天使の涙》を展開。するとメメが辛そうにする。そのまま先輩の突き技でフィールドから出され脱落。吸血鬼だから《聖魔法》苦手だったんだろうな。にしても、先輩速ッメイチャンの剣も速かったけど周りもよく見てる、ファンネルを全て落として槍の中心を持ってグルグルと回すと雨がかき消された。それに気を取られ足に絡みついた蔦に雁字搦めをされたままフィールドの外へポイとやられた。3年生強いなー。てかエロ展開は?!

「3年ヤゴリ・カ・ドッパ勝利!!」
「「ワー!!」」

 大きな歓声で結果はこう

1位∶3年ヤゴリ・カ・ドッパ
2位∶2年ワィーレ・マルゥメ
3位∶2年マ・ゲィマァメメ

 2位~やったー! 明日は解放の日だー!


メモ
《天使の涙》範囲技ダメージよりスリップダメージタイプ、仲間には《回復付与》
《ホーリーアロー》チャージアリで重い一撃、ナシで範囲技
《光の矢》光の力を宿した矢で、敵を眩惑させる効果がある。
《癒しの弓》矢を放つことで、味方のHPを回復する技。
《聖なるバリア》弓を使って周囲に聖なる障壁を形成し、味方を守る。
《浄化の矢》闇の存在を浄化する特別な矢。
《天使の羽》矢を放つことで、一定時間味方の移動速度を上げる。
《祝福の矢》矢が命中した敵に呪いをかけ、ダメージを与える。
《聖光の射手》一定時間、弓の攻撃力を強化する技。
《神の一撃》矢を放つことで、敵に致命的な一撃を与える。
《守護の矢》矢が味方の周りを回り、一定のダメージを吸収したりファンネルが相手を攻撃する。

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