バトンタッチした話

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・本編

75 偽りのダンジョンへようこそ!(基本ルーレット使用)

──此処何処だよ!
──だ、誰あんた達!
──獣耳生えてるヒトが居る?!
──えーん、帰りたいよー!
──お、マル達じゃねーか!

 日々の日常から──ふとした瞬間には【何処かの部屋】に居た。
 そこには100人ぐらい居て、俺……田中たなか太郎たろうは人混みの中にいた。色とりどりの髪の色に、ゲームで見た事のある服装をした人達。ここはコスプレ大会か? だとしたら何で俺はここに居るんだ?


『はいはーい。マイクテス、聴こえるかな? おーい上だよ。見えてる?』

「なんだ、あれ」
「ヒトが浮いてる?」

『パパっと説明すると、この【マヌ゙ン・コッカソ】から50人ほどと【異世界】から50ほど合わせて100人ちょっとの参加者でデスゲームを開催しまーす! どんどんパフパフ!』

──で、デスゲーム……って、ふざけるなよ!
──私達戦えないわ!
──完全に負けフラグなう

 空中に浮いてる人が言ったのは“デスゲーム”そんなの小説とか妄想の中でしか聞かない言葉を聞く事になるなんて!
 それに、いわゆる【ファンタジー世界】の住民と俺ら【別の世界】から来た者達、俺なんか体育の成績だって悪いのに! 戦い慣れてる彼らとどうやればいいのか、他の人達が言ってるように即殺される未来しか見えない。


『それについても、ちゃんとやってるから話聴いてね』

 浮いてる男がいわゆるGMゲームマスターなんだろう。彼の説明ではこう言ってた。

 俺らみたいなタダの人間でもこの【場所】で体にマナを巡らせ《魔法》を使える様にしてあると、各自腰にある鞄の中に[学生証]サイズみたいな石板が入ってた。真ん中に石が嵌められてて、指で触れると目の前に青い画面が出てきた。ゲームウィンドウみたいだ。

──うわ、なんだこれ?!
──わ、《水魔法》?!
──え、てか俺以外に見えてない?!

 周りの感じで自分のは自分しか見えてない、らしい。こーいうのって周りに言わない方がいいんだよな。
 俺、田中たなか太郎たろうのは、《草魔法》に適性武器は鞭。名前とレベルは1、他は鞄に入ってる物が見えるらしいけどまだ石板しか入れてないからな。
 男は『そっちの娯楽に合わせたから使いやすいでしょ』っていう、ゲーム感覚で《魔法》を使えってこと? でも今の時点ではほとんどグレーになってて押せないんだけど!

 それでマップを鞄に転送される。真ん中が広くてそこから放射線に【各7つのエリア】が広がってるその先に【試練】という場所があって、そこを突破すると水晶玉が貰える。7の水晶玉……?

──誰かギャルのパンティー願えよ!
──マジそれな!
──てか、なんでも叶うのか?
──つーか、最終的に5人って……100以上居るのに?!
──さっきの説明なら、勝ち残って、全員蘇生したらいけるんじゃない?
──それしか無いよね、お願い! 蘇生を願って!

 うーん、蘇生ねぇ。善人が勝ち残ってくれればいいけど、さ。
 これって一応単独より集団行動をした方が良いってことだよな、誰か俺と組んでくれる人居ないかな。
 とキョロキョロ目だけを動かす。

『あーで、色んな説明はしたけど、首についてるのは[呪いの首飾り]っていって無理に外そうとすると──はい、そこのキミ。』
「うわ、なんだ──っ、グ、ゥ゙」
『こんな感じで即死するから気をつけてね。あ、今から首に圧をかけたらビリっとくるようにしたから、自殺もなしね。てか、異世界人さ、お前ら呼ぶ為に大量の生贄が消費されんだから、ちゃんと踊ってよね』

 色んな事を言われて脳内が忙しい。

──の、呪いの首飾りってコレかよ、こんなもの付けられるなんて……
──ね、さっきの人、死んじゃったの、そんな、
──怖くて触れないよ、

 今居る【中央エリア】にある不気味な檻にさっきの人の人影が見える。にしても俺らを呼ぶ為にどれだけの犠牲者が──ああ、考えを放棄したい。
 周りもお通夜ムードの中、デスゲームが始まった。


『【ニィネ・偽りレェヲ・レーマ迷宮】にようこそ!』

 GMの言葉と同時に──その場から《転移》した。




 そう分かったのはさっきまで居た【薄暗い部屋】とは違って草原と森が見える場所だった。
 鞄にはとりあえずの武具やアイテムが入ってて、装備する。小さなナイフと小手と胸当てみたいなもの。アイテムはロープと煙幕玉と水筒。
 はあ、これで生き残れる自信がないな。

──ガサッ

 だ、誰か居るのか?! 草が揺れるのを見て咄嗟に隠れる。物陰から様子を見た……

「あ、あの、誰か……居ますか、わたし、戦いが出来なくて……もし、良かったら一緒に行動してくれませんか?」
「ああ、良かった。俺も! と、俺も戦えなくて、一緒に行動してくれると、助かる。」

 物陰から声だけが聴こえて、その人に合わせて近づくとウサ耳の少女がいた。
 俺を見て目を見開く、ああ、【別の世界】から来たから見慣れないのかな。とりあえず、敵意はないと手を前に見せてジェスチャーするとウサ耳の子は俺に近づいてきた。

「俺の名前は田中たなか太郎たろう
「たーな、たろー? さん? 私の名前は、ラッゲリ・メラットリです、よろしくね」
「たろーで良いよ。メーリさんでいい?【こっち】の人の名前言いづらいね、ってお互い様かな」
「はい、そうですね、発音難しいです」

 持ってるアイテムは同じもので武器だけ彼女は剣だった。俺のナイフを見るとそっちの方が使いやすいって事で交換。

田中たなか太郎たろう∶E剣
ラッゲリ・メラットリ∶Eナイフ

 俺らみたいな仲間を集める為に警戒しながら進む事になった。彼女の故郷は森の中って事で森の中を移動する。途中に真っ赤なプチトマトみたいな食べ物があってそれを「食べても大丈夫か?」と聞くと「痺れ毒が入ってるからやめた方がいいよ」と言われる。安易に異世界の果実に手を出したら良くないんだな。
 そういう意味ではメーリと会えてラッキーだった。

「に、しては【ココ】って【ダンジョン】の中、何だよな……青空だし、草原だし……めっちゃ外じゃね?」
「ここは、マップでいう【レハッコ草原レーマ迷宮】……【草原の迷宮】だよ」

 彼女は異世界語で言ったあともう一回口に出してくれたそっちの方はちゃんと【草原のダンジョン】と聞き取れた。
 草原部分が広い、そして穏やかに感じる。【ダンジョン】のイメージって薄暗くてジメジメしてて、いきなりモンスターに襲われたり、トラップを踏んで嫌な思いをしたりでも最後には宝箱がある、みたいな。
 なんか思ってたのと違うな。彼女の後ろを警戒しつつついていく。モンスターとか出るのかな。


「お、そこの君たち!」
「「誰ですか」」
「いきなり飛ばされて参ったね、人影が見えたから話しかけちゃったよ、ああ、攻撃しようとは思ってないよ、ほら」
「俺達も戦闘をする気は、ないです」
「ほんと? なら良かった! じゃあさ、一緒に行動しねぇ? オレの名前はマーゥゲラ・ニォェテック。知り合いからはテックって呼ばれてるよ。君達は?」
「俺の名前は田中たなか太郎たろうでこっちはメーリ」
「ラッゲリ・メラットリです、メーリってたろーから呼ばれてます」
「へぇ、君稀人なんだ。たろー、メーリよろしくね!」

 ピンク色の髪に赤と青のオッドアイって派手な優男が現れた。少しチャラい気もするけど、仲間になってくれるなら心強い。テックは知り合いと別の場所に《転移》したってことでその人達と合流するのが目的らしい。
 
「へぇ、働いてる所のオーナーさんなんだ」
「そーそー、2人とも俺の大事なヒトでさ」
「早く会えるといいですね」
「だよな、とりあえず【ココ】から出ないとな。」
「っても駄々広いだけで何もないですよ?」
「んー、そうかな」

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