バトンタッチした話

加速・D・歩

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・本編

91 何度目?

「おい! いつまで引きこもってんだ!」
「ぐ、殴るなよ……」
「俺だって、マルの見た目してるお前を殴りたくねぇんだ。だけど、あれから、お前【俺のDM部屋】で引きこもりやがって……外出て遊んでこいよ!」
「いやだ。」

 
《任意やり直し・スタート》をしたけど即、俺は《模倣体》のマルを出して抱きつき謝った。
 だけど、彼はキョトンとして何も覚えてなかった。いいんだ、良いはずなのに心が痛くて、また《任意やり直し・スタート》を使った。今度は俺が前みたいにマルになった。これなら別の場所で知らない事が起こらない。
 マルに平和に生きてもらいたくて、ごくごく普通に家族とも過ごしてエロなしでね、ちゃんと普通に恋愛もして結婚もした。

 だけど、【隣国】が攻めて来て家族共々死んだ。マルでも戦ったけど、30代で死ぬ。目の前で子供も殺されて、何度かやり直しして、【隣国】やまた別の勢力の関係も攻めてこないようにしても、【この国】に攻めてくるなら【別の地域】に引っ越そうとした人生も上手くいかなかった。

 何が原因でダメなのか分からなくて、心が疲れた。そんな時、《一部引継ぎ》で持ってきた【エロダンジョン】の【DM部屋】に暫く滞在する事になった。


「【部屋】の隅で三角座りしやがって、うじうじウゼェんだよ!」
 
 彼は俺。圭介の見た目で怒ってる。なんか自分に怒られてるの新鮮だな。

「な、何キョトンとしてんだよ」
「言葉遣い悪くて草。俺そんな言葉遣いしないよ?」
「……個性、だろ。」

 彼は自分の髪を乱暴に掻きながら、バツが悪そうにそういう。《模倣体》ってそういうものなのかな。
 確かに、3人目として放流してた彼も彼なりに人生を歩んでたし、そこで歩んできた道や出会った人で変わるのかも知れない。

 だから、あの時出したマルがキョトンとしてたのも……悪いことしちゃったな。
 
「分かった。やり直すよ。」
「まぁ、出ていく気になってくれてよかったよ。それで、次の人生は?」
「もう一度マルで、【BL学園】で卒業を目指すよ」
「ん。頑張れよ」

 去る瞬間──彼の声「ヤバくなったらいつでも帰ってこいよ」って聴こえて微笑む。
 自分自身に励まされるのは不思議な感覚だ。

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