バトンタッチした話

加速・D・歩

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・本編

93 風呂はいいぞ

「おはよ、マルくん」
「ん、おはよ」

 少し寝ぼけ眼で半分寝ながら【登校】
 メョンミくんに挨拶されて俺もする。

 彼に「協力する」って言ってもらって少しだけ頑張ろうって思った。まだやれるぞ、って。だから色々考えてたら夜更かししちゃって眠い。

「眠そうだな」
「うん。」
「先生来るまで寝てな、起こすから」
「うん。」

 机に突っ伏して寝る。悪夢から醒めれれば──悩む事なんて無いのに。

 数十分程して彼に起こされて目を開けると丁度、先生がやってきた。
 授業をこなして、真面目にノートに書き出す。
 今、考えてるのは《使役》で使えるモンスター達を実験して《結界》を強固にする計画。でもそれだと──……


「まる、マルくん、」
「ん、?」
「授業終わったぞ。飯行こうぜ」
「うん。ありがとう」

 彼に飛ばしてた意識を戻してもらってからメョンミくんの後をついていきいつもの【中庭】へ。[お弁当]を持っていって食べる。
 
「な、それ何。いつも白いの入ってるよな」
「ん、大事なもの」
「俺にも一口頂戴、」
「ダメ。人間には食べれないから」
「え、」

 そういえば諦めると思ったのにしつこく心配そうに聞くから、友達もやめるかもしれないけど話す。

「これ精液を固めたものだから。ね、君には食べさせないよ」
「なんで、そんなもの。」

 いつもの話をすると、彼は「分かった」とだけ言って黙った。

「友達もやめていいよ。嫌でしょ」
「そんな事! 、そんな事ねぇよ、……その精液って誰の、」
「君には関係ないでしょ」
「っ、な、いけどっ!」

 メョンミくんがそこまでしつこくするのが懐かしくて、でもどの回答を選んでも面倒なことになりそうで黙った。
 
「せめて、人間の精液か教えてくれ」
「違うよ。モンスターの精液。」
「は、マジかよ」
「うん。」

《召喚使役》の子の精液を小分けにして冷凍して[お弁当]に入れてる。少量でも取れば十分だって知ってるから。
 彼は難しい顔で唸ったあと、また飯を食べ始める。普通《魅了》にかかってないのによく一緒に居ようと思うよな。不思議なヤツ。今回は真面目に生きるって決めてるから《魅了》はオフにしてる。

 午後の【授業】を受け、帰りにメョンミくんに「一緒に帰ろう」って言われた。特に断る理由が無いから横に並んで帰るけど終始無言。ま、いいけど。




「あのさ、」
「ん?」
「俺の事、どう思ってる?」
「ん、友達? メョンミくんは?」
「お、俺か? そりゃあ……友達だよ。」
「なら良かった」
「だな、……そうだよな」

 彼と別れて【部屋】に戻る。昼飯の時に友達関係終わったかなぁって思ったけど、良かったな。友達って思ってくれてて嬉しい。
 いつもの俺なら即エロい事に巻き込むけど、今回は無いからな。
 冷蔵庫を開けて瓶から白い液体──牛乳を1杯飲む。さすがに同室がいる場所で精液そのまま保存はしないし……《魔法鞄》の中でも確かに良いんだけど、それやると歯止めがかからなくなりそうで。
 未だに今回は、自慰すらした事がない。洗うけどそれだけ。

 
 久しぶりに【大浴場】に来た。というか今回は初めて。たまには良いじゃん。入るだけだし。

 体を洗って【ジャグジー風呂】に入る。本来なら気持ちいいーんだろうけど、《感覚遮断》してるからなんか泡出てんなぁ~ぐらいにしか感じない。

「ま、マルくん?!」
「さっきぶり~……」
「って、こんな所で寝るな!」

「溺れるぞ!」って声が聴こえる……

「あれ? メョンミくん、近いね。どうしたの?」
「お前、なんも覚えてないのか?」

 心配そうに覗き込むメョンミくん。彼の肩に寄っかかりながらもボコボコ泡が噴き出す【風呂】を堪能する。
 
「ん、何かあった?」
「いや、覚えてないなら、いい」
「ん。」

 そろそろ出るかー、と【風呂】のフチに足をかけ上がろうとすると、大きな水音がして振り返ると、タオルを広げて顔を背ける彼。何してんだ、と思いつつも一声かけてそのまま出た。
 ふうー、久々に大きなお風呂に入れて満足。

【サウナ】に入ろうか迷ったけど、良いや。そのまま着替えて【部屋】に戻ってすやぁ。

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