バトンタッチした話

加速・D・歩

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・本編

122 ──コトを選んだのに──ない

──やめろ、ケースケっ!

 遠くでカレンの声が聴こえる。

──貴方! 何してるのっ!

 マルに似た人が叫ぶ

 俺は──そこで意識が途切れた。








 はあ。なんとか、彼が死ぬのを防ぐ。
 まさかこんなに強固な意志があるとは。ただのビッチじゃなかったのね。『彼』に推薦されたけど、もうケースケを番にするのは諦めたわ。
 それに、こんな彼を勧めてきた『彼』に仕返ししないと気がすまないわ。
 お腹の子はまだ大丈夫ね、《霊子転移》でいったんカレンの中に移動させる。彼なら喜んで世話するでしょ。
 で、ケースケの意思や身体を弄る。こんな出来損ない壊れても良いわよね。ふふ、こうして、ああして……

 そうだ、私の【創る新しい世界】のサンドバックにしましょう! それは名案ね。
 それと、主人公は──二人にして……
 ふふ、楽しくなりそうだわ。








『やっと帰ってきたね。おかえり、ケースケ。彼女は『俺』にやり返したつもりなんだろうけど、あは、全てが『俺』のルートなんだよ。でも、手間がはぶけた。じゃ、あとは頼んだよ。』
「ああ、……オメガバースはいったんやめて、普通の世界にするぞ」
『あとは好きにヤッちゃって』

 トーチヴォンに意識を失ってる彼を抱えさせる。血の気がないね。彼女の【世界】での出来事は消去させ、『コッチ』で少々《加筆修正》。
 で、また普通の世界観で【BL学園】の生徒として、ああ、マルも復活させないと。
 ま、このルートのあと、どっすかなぁ。
 てか、ここまで来るのにめっちゃ時間かかって草。

 ま、気長にやりますかぁ。



 
・・・僕が目を醒ますと隣にはケースケがいた。
 意識が無くてもなんとなく、彼を通して感じてた。
 彼はただ気持ちいい事を求めて、それだけで生きて生きたかっただろうに、巻き込んでごめんなさい。
 また目醒めた時は今の気持ちを忘れるだろうけど、それでも君と一緒に居るから、悲しませる事がないように、頑張るから──




『男』から手渡されたケースケの身体は前に抱き上げた時よりも軽かった。顔も青白く生気がない。それはただ意識を失ってるだけじゃない。
『男』を通してセリァナラが作った【世界】を観てたが、酷いもんだった。生きる全ての者が物として、彼女の──いや、彼女が創り出した主人公によって、俺も、俺として居た者もその主人公を愛していた。
 吐き気がする。今こうやって思考してるのは、俺自身だ。
 だが、……はあ。こうやって、思考してる俺も──……

・・・今は圭介の事だ。
 俺はコイツに恋愛感情なんかなかった。
 身体の相性とか、無駄に懐いてくるコイツだから相手にするのは悪くなくて、だから、【オメガバース世界】でも運命の番になってやった、ってだけだ。
 でも、こうやって死んでる様な姿をみるとどうも中がざわつく。
 はあ。とにかく、次の人生に行くぞ。

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