バトンタッチした話

加速・D・歩

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・本編

123 8回目 学校へ行こう!∶中等部1年生

「ケース、明日から【学校】だよ! 楽しみだね」
「うん。でも、俺も行っていいのかな、金持ちの【学校】なんだろ、マルはともかく、俺なんてさ」
「良いに決まってる! だって、僕達兄弟だよ!」
「うん、ありがとう」

 マルは兄弟だって言ってくれたけど、本当は少し違う。
 マルと出会ったのは──7年前ぐらい。
 俺はこの【世界】の人間じゃなくて、別の──【地球】がある所から来た。

 小さい頃に気づいたらこの【屋敷】の近くの【森の中】に居たらしい。親の顔も忘れてる、名前は圭介けいすけだけど、この【世界】の人は俺の名前をケースとしか呼べない。逆に俺も【コッチ】の人達の名前が言いづらくてあだ名呼びになっちゃうんだけどさ。
 兄弟のように育ってきたから、マルが「兄弟だ」って言ってくれるのは嬉しい。
 マルは貴族の子で、彼には姉と兄、弟が居る。その両親だって見ず知らずの子供が近くに居たからといって養子にして、ちゃんと育ててくれたのは感謝しかない。
 そんで、家族全員仲が良くって彼らに拾われて良かった。

 明日から行く【学校】は【BL学園】っていう、貴族達や有名な親の子しか入れない【山奥】にあるどデカい敷地内にある。
 ちな、全員そこの【寮】で生活することになる。
【小等部】から入れるけど、マルは産まれつきこの【世界】の人間だから《聖魔法》を覚えて、弓も小さい頃からしてたから凄い使い方が上手いけど、俺は《魔法》がない【世界】から来たし、多分平和な所から来たから武器の扱いなんかやった事が無かった。

 だから、マルは入れた筈なのに、俺に「一緒に入るんだ」って言って、俺が何かしら覚えるのを手伝ってくれた。
 目の前にズラーッと置かれた各武器、剣や杖とかまあ、様々。で、剣とか近接武器を持とうとしたら、柄の部分さえ持ち上がらなかった。
 で、そこですっ転んで足を切って、マルに心配されつつすぐに《回復》をかけてもらったから、酷い怪我にはならなかったけど、マルが過保護になって、結局、色々と試したけどマルと同じ弓を使うことにした。

 んで、彼に使い方を教えてもらう。マル自身の武器だから教えるのも上手くて、最初は1mぐらいしか飛ばなかった、というか弧を描くようにポトと落ちただけというか。でもその後練習したら的に当たるぐらいにはなったし! 
 そしたらマルが凄い喜んでくれて嬉しかった。
 マルは『《魔法》も使える様になったら矢を消費するのを抑えられるんだけど』ってマナの使い方を教わる。
 俺には無いと思ってたマナは、マルと夜に寝る時に抱き枕のように抱きついてくるなかで、マナを俺の方にジワジワと渡してくれたらしい。
 あとは自分で、オニギリを作る時みたいに手をこう、やって、その中にマナを練るようにする練習をしてた。

 その結果、俺も微量だけど、《聖魔法》が使えるようになった。マルみたいな《回復》とかは得意じゃないんだけど、《矢生成》が出来るようになった。
 
 はあ、ドキドキするな。友達出来ると良いんだけど……
 あと家族と離れるのも寂しいなぁ、たまに手紙を送ろうと。すやぁ。




「長期休暇には帰ってくるのよ」
「楽しんでこいよ、二人とも」
「手紙楽しみにしてるわ」
「誰かにイジメられたら俺が懲らしめてやるからな!」
「マルにい、ケーにい、またね……っ!」

 家族総出で見送られながら【学校】行きの【馬車】に乗る。【馬車】には御者と護衛が4人。馬に乗って付いてくる。
 マルと俺はドンドン小さくなってく家族の姿、住み慣れた長閑な【領地】が遠くなっていくのが不安で、ずっと、手を繋いでいた。

 休憩を挟みながら、昼過ぎには【王都】について、そこから【BL学園】近くの【街】に【馬車】ごと《転移》で飛んで、そこからはすぐ──

「わあ! お城みたい!」
「聴いてた通りでっかいな!」

 見えてきたのは白い高い塀に囲まれてもなお、大きな白いお城のように見える【中等部の校舎】だった。
【高等部】はもっとデカいと聴いてる。やばいな。

【門】で御者が警備兵と会話をすると【大きな門】が開き──長い道の先に【校舎】が見えた。両横には【庭園】とかあって季節の花々が咲き誇っていた。

 俺達みたいな【馬車】は少なくて、殆どの子が【小等部】からなんだなぁ。と緊張気味。

【馬車】から降りると、御者や護衛さん達に別れを言って見送ったあとは、【校舎】横にある塔みたいな【寮】に向かう。ある程度の荷物は先に送っといたし寮長と【部屋】の[鍵]を受け取って……

「マルと同じ【部屋】が良かったな」
「僕も。離れるの寂しい……【部屋】に遊びにきてよ」
「うん、俺の方にもな!」

【廊下】でマルと抱き合う。出会った時から一緒の【部屋】で過ごして寝る時も【同じベッド】で寝てた。
 後ろ髪が引かれる思いで──俺は【203】マルは【204】に入った。
 隣部屋だけど、寂しい!

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