バトンタッチした話

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・本編

141 しまにあそびにいく(ルーレット使用)

「距離が遠い【場所】……だからこの[転移魔道具]で飛ぶね?」
「おー! 楽しみすぎる!」
「忘れ物ないー?」
「じゃ、行くよー」

 メメちゃんが[転移魔道具]を使うと全員が入った魔法陣が少し光ったと思ったら一瞬にしてメメちゃんちが所有する【島】に俺らは居た。

──パリン

「えっ、嘘……」
「え、こ、壊れた?! これ大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないよ、【船】も無いし近くに【島】も無いから助けとか……どうしよう……っ」

 到着した瞬間──メメちゃんが両手で持ってた[転移魔道具]が割れてしまった。
 彼曰く家族や【学校】にはこの【島】に来てる事は言ってあるけど6日以降すぐに探してくれるか分からないらしい。
 オロオロしてるメメちゃんと、心配そうにしてるリーナやヌヌくん達その中で──リィちゃんは呑気に?

「腹減ったー、なんか食おうぜ!」
「あんたねぇ、こんな時に呑気な……」
「だってさ、何するにも腹が減っては~なんたらって言うんだろ、【東の国】のコトバ? ってやつでさ」

 確かに朝、【洋館】でご飯食べるつもりだったからお腹は空いてる……、よし。
【島】の真ん中に建ってるメメちゃんちの【別荘】──かなり古い建築らしく? 灰色の煉瓦の外壁に所々吸血鬼が好みそうな装飾──ガーゴイルの石像とかがあって【窓】の装飾も派手赤いカーテンが見え、どう見ても【お化け屋敷】感が凄い。
 
『やーい、お前んちおばけやしきー!』が脳内に……懐かしい。

 定期的に掃除や整備に来てるらしくて中は普通に豪華な内装だった。ふう、これならオバケは出ない、よな……?
 本当は貴族だし使用人たちも来て料理とか作ってもらえる筈だったんだけど、あっちはそういう大荷物を【船】に運んでから来る予定だったらしい。

「ウチらが【屋敷】に入った瞬間どしゃ降り、しかもアッチ見て!」
「うわ、なんだよこれ……マナが荒ぶってる? なぁ、俺たち【ココ】から帰れるのかよ……?」
「ぷぷぷぷぷ……ぅ」

 来た時は快晴だったのに、【屋敷】に全員が入った瞬間──ザッー!! という滝のような豪雨。リィちゃんが【窓の外】を指さすと海の波も信じられないぐらい高波になって荒れて、周囲のマナがなんか空気が重く感じて……魔力に敏感な妖精族やエルフ族のモチくんやワーチャンは眉をひそめてシンドイ感じに。

「【ココ】では良くあるのか?」
「いえ、私や家族でもこんな事になったのは初めてで……みんなを楽しい夏休みにしたかったのですが……っ」
「メメちゃん大丈夫だよ! まだ1日目だし、晴れるかもだし!」
「そうそう、使用人たちが今日来るのは無理かもしれないけど俺らが【ココ】に居るのは知られてるんだからさ!」
「ありがとう、みんな……、そうだね、とりあえず【部屋】や色々と紹介するね」

 メメちゃんも戸惑うよな、ま、こんだけ人数が居るんだしなんとかなるっしょ!
 
 ちな今回のメンバー
 俺(ケース)、マル、ワーチャン……あ、メモ書いたから出そう。

プキュギ
ワィーレ・ケース∶人間∶弓∶聖
ワィーレ・マルゥメ∶マル∶人間∶弓∶聖
トィン・ヌルィニ・ワグーッツン∶ワーチャン∶エルフ∶剣∶水
コ・カメイメ∶メイチャン∶人間∶剣∶光
マ・ゲィマァメメ∶メメちゃん∶吸血鬼∶魔石∶水、血
オィエモ・ハ・ヌヌ∶豚獣人∶太鼓∶光
ヨヲ・ワ・ゲェイデ∶イデチャン∶豚獣人∶拳∶雷
グリィ・タンリィ∶リィちゃん∶犬獣人∶剣∶炎
ガラ・ユーラタ∶ユーくん∶鴉獣人∶爪∶風
ラゲ・キリィナ∶リーナ∶狐獣人∶杖∶炎
ラリレ・レベィモチャ∶モチ∶妖精∶魔石∶火、草

 11人と1匹で来た。てかさっきからプキュギ、なんかいつもと違うような? やっぱそこは敏感なんかね。
 メメちゃんに【各部屋】を教えてもらいながら、全員個室分の量があったけど、リィちゃん達が「こういう時は一緒に寝ようぜ!」って事でさすがに全員雑魚寝は出来ないってことで【ベッド】が複数入る少し【大きな部屋】にクジを引いて……と3班に分かれる。班行動だな。
 
1∶リーナ、俺(ケース)、マル、リィちゃん
2∶ヌヌくん、メメちゃん、メイチャン、ワーチャン
3∶モチくん、イデチャン、ユーくん

「マルと同じ【部屋】は嬉しいけど、メイチャンと離ればなれかー。マルもワーチャンと一緒が良かったね」
「う、うん。」

──あいつら一緒にしたら【同室】になった奴が気の毒だろ
──ずーっとイチャイチャしてるしなぁ

 2班の、メメちゃんと俺がテレコになっただけやん! えー、そんなに偏る? まぁ、メメちゃんヌヌくんとも仲いいし良いけどさぁ。
 で、5日間暮らす【部屋】は──……と、おお結構広いな。【ベッド】は4つあって【窓】からはまだ大荒れの嵐しか見えないけど! でも眺めも良さそうだ。ちな3階に【部屋】がある。

 
「マルー一緒に寝よ~」
「うん、いいよー」
「あんた達、別々の【ベッド】使いなさいよ、」
「だって【家】では一緒だったんだもん」
「リーナ、俺たちも一緒に寝ようぜ!」
「コッチ来んなッ」
「仲いいね~」
「どこがよ! はぁ~あんた達と話してると疲れるわよ」

 壁側の【ベッド】にマルと一緒に寝ようとするとリーナが呆れて、それをみたリィちゃんがリーナに抱きつこうとして怒られてた。獣ベースの犬と狐の獣人だから見ててほのぼのするけど、リーナはなんかピリピリしてる?


「ぷきゅ……ぷう」
「プキュギ、大丈夫かぁ? なあ、2人はプキュギの言ってること分かんない?」
「この子の種族が分かんないし、苦しそうぐらいしか分からないわ」
「うん。イヌ科なら言ってること分かるんだけどなー」
「そっか。マルとりあえず、マナだけ与えてみよう」
「うん、そうだね」

 獣人は動物と話せたりコミュニケーションがとれるから、プキュギの言ってるの分かるのかなぁ、と思ったら同じ種族? 犬獣人はイヌ科とかなら分かるらしいけど他はニュアンスしか分からないらしい。
 プキュギは一応ウサギっぽいから今度、ウサギの獣人に会ったら聞いてみようかな。
 とりあえず俺とマルでプキュギを撫でながら《聖属性》のマナを彼女の中に流しておく。

──トントン
──『荷物置いたら【食堂】に集合だってさ!』

「お、そろそろ行くか。」
「そうだね……」
「ん、リーナも具合悪い?」
「ええ、少し休んでても良いかしら?」
「うん、あ、プキュギも良い? 寝かせてあげたいんだ」
「ええ、見てるわ」

 俺とマルとリィちゃんの3人で【食堂】に向かった──
 

「お、来たか。ラゲは?」
「具合悪いから休んでるってさ」
「あー、この荒れ模様じゃな……」
「お大事にです」
「ありがとう、あとで伝えとくよ」

【食堂】に続く大きな【キッチン】には保存食があったらしくて今日はそれを食べようとお皿に中身を取り出して、調味料をちょっと付け加えてから質素だけどなんだかんだワイワイ食べるのは楽しかった。

「先に【お風呂】の準備するね」
「【大浴場】に湯を張るならオレも手伝うよ」

 先に食べ終わったメメちゃんとイデチャンとワーチャンが手伝いに【席】を立つ。
 準備できたら【部屋に来る】って言ってたから、俺らも食べ終わって「リーナ達寝てるかな?」なんて話をしながら戻った。




「あれ、【ドア】が開いてる……?」
「リーナ、出てるのかな?」
「って、【窓】も開いてるっ!」

【部屋】に戻ると【ドアと窓】が開いてて【窓】からは雨風が吹き込んでカーテンが大きく波打っていた。
 リーナも居ないし、プキュギの姿も……!
 3人顔を見合わせ、何か嫌な予感に【廊下】を走る。
 とりあえず探さなきゃって!


「【お風呂】の用意が出来たよ、ってどうしたの?」
「り、リーナが! プキュギが!」
「落ち着いて! 落ち着いて、とりあえず一から説明して」

【部屋】に来たヌヌくんに説明してると、他の人達もなんだなんだと集まってきたからもう一回説明すると──

「【トイレ】に行ってるだけじゃ?」
「風で【窓】が開いただけかもしれない」

 って、全然勘違い説を言ってくる。本当に? なんか、みんないつもと違くない……? 変な違和感がさっきよりも……と思ってる所に、ユーくんが「ラゲさんをさっき見かけたよ、あの白いのを抱きかかえて……確か【玄関】の方にフラフラしながら行ってたから、変だなと思ったんだけど……」って!

 ユーくんの言ってた方へ、俺とマルが走るとワーチャンとメイチャンが止めた。「外は危ないから」って、でも具合が悪い2人が外に居るとしたら気が気じゃなくて……

「ボクの精霊を使って探索してみるよ、こんなに天気が荒れてると上手く行くか分かんないけど」
「うん、私の風精霊にも」
「俺の水精霊も探索にだ出す。お前たちは合図するまで【ココ】で待機しろ」
「うん、分かったよ」
「ありがとう、みんな……」

 モチくん、ユーくん、ワーチャン達で探してくれる。イデチャン達も一応【屋敷内】を見てくれて……でも、居なかった。
 やっぱり外なんだ、ってマルと手を握り合いながら待ってると、モチくんたちの精霊に反応があったらしい。

「見つけたよ! ……これは、マズイかも、ゲェイデくん、ボクの言った所に急いで」
「イデチャン俺達も連れてってくれ!」
「お願いします!」
「さすがにふたりはな、ケースだけ連れてく、他来たいやつはオレについてこい!」

 イデチャンの腕に俵持ちみたいに抱えられて彼の《雷魔法》で電光石火の移動で【崖】近くにものの数秒でたどり着いた。

【林】の拓けた場所に人影が、イデチャンが俺を地面に落としてからまた電光石火でリーナを止めた!
 両手にはプキュギが居て、リーナがプキュギを【崖】から落とそうとしてるように見えて、信じられない気持ちでなんで?! って混乱する。

 前にマルにプキュギを預かってもらった時も同室の皆から可愛がってもらえてたって話を聴いてたから、だからさっき、リーナに預けてたら安心できるって思ってたのに──

「おいっ! ラゲ! しっかりしろッ!! く、なんて力なんだ……ケース、コイツを止めろッ!」
「ああっ、うん!!」

 地面に落ちた衝撃ですぐに立てない俺にイデチャンは羽交い締めにされても抵抗してるリーナに立ち上がって彼の手からプキュギを救出──あ。
【崖】ギリギリの所だったからプキュギを取ったは良いものの、俺の体はぐらつき、下に落ち──……走ってくるメイチャンの顔が見え──

──たく、世話が焼けるな。お前らは


 あ、あれ? 俺達いったい……【崖】から落ちそうになった俺はもう駄目だと諦めていた。
 けど、いつの間にか、プキュギもリーナも俺達もみんな【屋敷内】に居た。
 

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