バトンタッチした話

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151 メイチャンち

「わー! 遅刻遅刻~っ、いっ、つう……っ」
「大丈夫か? 無理させすぎた……これじゃあ【馬車】に間に合わないか」
「でも、今日間に合わないと、いけないんだよね」
「・・・占いなんてどこまで信じられるか分かんねぇし」

 昨日の夜には【馬車】に乗って出る所が、寝過ぎて起きたのが次の日の昼間……ああ、ヤバい! って慌てても今から出ても数十時間はかかる【メイチャンち】……絶望的だ。と項垂れる俺達の横をメメちゃんが通った。


「あれ? 2人とも【馬車】で行ったんじゃ……?」
「メメちゃん、実は──……」

 昨日、皆に明日メイチャンの【家】に行く事を話してた。

『急だな』
『急ぎなん?』
『へぇ、気をつけて行ってこいよ』

 夜出れば、メイチャンの【家】は【王都】近くの【領土】を持ってるから、【山道】を走らなくていいし、明るい。
 
「そうなんだ……あ、そうだ。[コレ]直ったから2人に渡すね。急いで行ってきて」
「良いの? マジ心の友よ!」
「わっ、ぷ?!」
「ゲィマァメメが潰れてるぞ。ありがとな、よし、使うぞ」


──【地名】を言って[転移魔導具]を使うと──……




「お。本当に【俺の家】の前だ。」
「わ、【ココ】がメイチャンの【家】……」

 少し、日本家屋っぽい見た目の【屋敷】だった。
 メイチャンの後をついていく。


「ただいま戻りました。」
「お、お邪魔します……」
「あら、カメちゃんもう着いたの? 早かったわね!」
「え、えっと、」
「俺の母さん。名前は──」
「コ・リンネェイよ。貴方がワィーレ・ケースくんね。ウチの息子から聞いてて、あらあら早く上がって頂戴!」
「あ、はい、お邪魔します!」


 貴族っぽく無い、なんてか友達のお母さんみたいな、彼女に招かれて【リビング】に案内される。

「すぐに夫が来ますわ、お茶と菓子を」
「はい。只今」

 うん、ちゃんと使用人に命じてる所をみると貴族だ。
 その後すぐにヒョロくて眼鏡の男性がやって来た。

「俺の父さん」
「コ・トルメディです。君の事は[手紙]で知ってるよ。会えて良かった。」
「ええ、そうよね。会える日を楽しみにしてたんだもの。」

 彼の父、トルメディさんはくすんだ茶髪に碧眼、母、リンネェイさんは金髪に黒目で2人の髪と目をメイチャンは受け継いでるのが分かる。
 
「私のご先祖様に勇者様がいてね、カメちゃんが持ってる剣も[聖剣]で、私の目が黒いのも勇者様の遺伝子らしいの。ケースくんは髪も目も黒よね、貴方のご先祖様も?」
「調べたことがないので……そうなのかな?」
「絶対にそうよ! ふふ、共通点があって嬉しいわ」
「リン、そこまでにしないと彼がすごい緊張してるよ」
「あら、ごめんなさいね。カメちゃんの話だけど──」

「僕「私達はむしろ、息子をよろしくお願いします。」だよ」
「え、こんなにアッサリ?」
「んだね。ちゃんと少し急だったけど事前に[手紙]で来ることをしれたし、息子がこんなにも誰かを好きになってるのは初めてだったからね。」
「ほんと、そうなのよ。うちの子ってみんなそうだから。1つのことに集中すると周りが見れなくなっちゃうのよ。でもね、ケースくんを護るって決めたならそれは良いことなのよ」

 メイチャンの両親から彼の小さい頃の話を教えてもらって少し緊張が解れた頃に、彼は恥ずかしそうに【メイチャンの部屋】に手を引いて向かう。
【中庭】が見える内側の【回廊】を抜けて──


──ねぇ、行っちゃだめなの?
──わたしも行きたかったのに
──今回は2人とも大事な日だから駄目よ。また今度ね

 
「ふう、俺の家族って少し変わってるから、あんま話したこと無かったんだけど、」
「そんなこと無いよ。二人ともすごく楽しい話してくれたし。」
「後でまた【夕飯】の時に報告する。ちょっと眠いから、寝るぞ」
「うんっ、」

【ベッド】に一緒に寝る。
 誰かのキャッキャと遊ぶ声が聴こえながら──1回寝るすやぁ。




 夕飯の準備が出来たと起こされてからメイチャンと2人で【席】につく。
 彼の両親が先に座ってて食事が運ばれる──見た目は日本食っぽい、[煮魚][ご飯][お味噌汁][小鉢]他にもちょいちょいと。

「【東の国】でもこういう料理は多いとか。彼女の先祖が残したレシピを参考にして作ってるんだ」
「作物も畑を作って育ててるのよ」
「へー! 凄いです、俺こんなに[お米]が食べれるの感動で……」

 貴族の食事ってかなり静かに食べることが多いけどメイチャンちは喋りながら食べていいみたいで再びメイチャンの事を喋りながら話題に花を咲かす。


「父さん。母さん。俺、【BL学園】を卒業したら──ケースと結婚します。」
「あの、改めてよろしくお願いします!」

 真剣な声色で話す彼を見ながら前に座る彼らに目を向けて頭を下げた。
 すると2人はにこやかな表情で、俺達を祝福した。

「ええ、とても楽しみにしてるわ」
「また色々と決まったら息子を通じて決めよう」
「ケースくんのお家に挨拶に行く日も待ち遠しいわ」

 今日はこのまま泊めて貰いまた[魔道具]で帰る事に。

【お風呂】もなんだか懐かしい丸い形に青いタイルが貼ってあるタイプでメイチャンと入る。

「ふう、まだやっぱ緊張してるみたい」
「ま、初日だからな。これから慣れてけばいいさ。両親はフレンドリーな方だし」
「うん、そうだね。んっ、まって、【ココ】でシちゃ……ぁ、」
「【ココ】俺達で使うって言ってるから気にすんな」

 声が響かないように、我慢してるのにメイチャンは何時もより激しく交わった。
 

──変な声聴こえるよ?
──ほんとだー、あ、昼間来てた人だ
──にいにと仲良し?
──うんうん、なかよし

 
 のぼせてメイチャンに抱きかかえられたまま、【彼の部屋】に運ばれて寝かせられる。
 ぼ~っと頭がボヤボヤしてる……[冷たい水]を飲ませられて少し落ち着く。

「毎回、わりぃな。」
「う、ん……ちょっと、ぼーっとしてるから、目ぇとじてるね。」
「ああ。」




 手を伸ばしても──届かなかった。あの日、あの炎の中で──……


「と、目醒めたか」
「ん、なんか……寝言言ってた?」
「いや? 普通に寝てたぞ。なんだ変な夢でも見たのか?」
「……んん、なんも覚えてないけど、なんか見たのかなぁ~って思っただけ。」
「そっか、また朝には戻るから寝とけ」
「ん、おやすみ」
「ああ、おやすみ」

 いい夢が見れますように。すやあ。


──あの日を思い出したのか。
──まぁ、お前が体験した記憶だからな。これも女神の影響か。

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