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・本編
164 4月魔力特性診断と新技練習
(. ❛ ᴗ ❛.)下の方の技一覧はhttps://www.alphapolis.co.jp/novel/348562813/242003161/episode/10768659 ココに。まぁ、実際作ったのはGeminiさんだけど、話の中ではカッチャンって事にしときます!
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4月は【魔力特性診断】
自分の《属性》のマナ力を量ったり、新たな気づき? みたいのを再度見る為にやるらしい。
「それではこの[魔塩]を舐めてからお願いしますね。全力のマナをココに入れるようにしてください。終わったらまた[魔塩]を舐めてからそこの椅子で休憩をとってから部屋を出て行ってくださいね」
「「はーい!!」」
ワイワイガヤガヤ、クラス毎に集まって【診断室】に入っていく。俺達はまだだから【廊下】で待ってるんだけど、終えた人達の会話が聴こえたりする。
──前よりマナ量少なくなったって……前日に体調整えれば良かった。
──あー、それあるあるだよな。俺もそんなに変わってないかもな
──《水》以外の《属性》があるかもって!
──え、複数持ち?! 凄いじゃん!
──彼ピッピの特訓のお陰かな~
──のろけ~!
──ねぇ聴いた?
──うん?
──《太陽》と《月》だって
──うんうん、聴いたよ~。大昔に居た英雄様のでしょ?
──そうそう、凄いよね~
──前衛クラスと、中衛クラスに一人づつ現れたって
──あ! イノー! お前《太陽》だって? すげーじゃん!
──なー! 今度の訓練で技見せろよな!
──僕、そんなんじゃ……、ああ、うん、いいよ。
「次のクラス~入って~」
「行こう、マル」
「うん!」
【診察室】に入ると[魔塩]を1人ずつに配られて、それを舐めてから机の上にある[魔力計量器]に両手で包むようにしてマナ注入すると自分の《属性》の色で輝く……俺のは隣に居るマルと同じ《聖魔法》で、なんなら彼のマナを持ってる。
でも、彼より少ないと思ってた。
──すごい、光り方……
──2人とも神々しいね
──《聖魔法属性》なんて珍しいもんね
俺の注入したマナは隣で光ってるマル並に光ってた。
あれ? そんなに……? 自分でこんなに輝くのが不思議でならない。
「ケース、……良かったね」
「へ?」
「だってずっと、悩んでたよね。僕のマナを入れてたけどケースはうまく使えないからって」
「あ、うん……確かに。」
「でもこんなに輝いてるなら──どんな事があってもケースは大丈夫。自分で、みんなもだけど……言葉が、えっとね」
「マルがそうなるの珍しいな。分かってる、どんな事があっても俺は負けないから。マルもそんなに心配すんなよ!」
「ふふ、そうだね」
もしかしたら苦手だって感じてた《治療》とかも上手くいくかも? って思ったけどなんか直感? 的に俺は攻撃の方が向いてる気がして……
その後は1月にやった参拝の運試しみたいななんだっけ、祝福のやつで、俺えーっと、不老の祝福だっけな。マルは豊穣の祝福~みたいな感じでもらったんだけど、それでなんか新しい技とか考えられねぇかなーって思ってさ。
技っていったらカッチャンかな、って思って行ったら。
『ほう、面白そうだな。我に任せよ!』って快く考えてくれて──イツメンで集まった時にこんな技があったら良いんじゃないかって事で教えてもらってモノにするために練習する日々!
ちな、全員分のメモしたけど多すぎてまたどっかで言うわ!
とりあえず俺のは──カッチャンが言うには、えーっと、不死=時計だから相手や味方の時間を停める……? うーん、難しい! マルは《回復》多めの技だったからすぐに上達すると思うけど……!
《クロノ・アロー》…マナの矢を放つ。着弾した部位の時間を一瞬だけ「停止」させ、敵の動きを物理的に阻害する。
《レイ・リス》…分けてもらったマナを光の弾丸として乱射する。一発一発は小さいが、連射速度が非常に高く、現代のガトリング砲のような弾幕を張る。
《エタニティ・ヴァル》…巨大な光の杭を放つ。この矢に貫かれた敵は、不老の力による「固定」を受け、一定時間一切の回復や自己再生ができなくなる。
《ステイシス・ヴァル》…自身や仲間に光の膜を張る。数秒間だけ「肉体の時間を固定」し、その間に受けたダメージを全て無効化する。
《エル・ラスト・レクイエム》…射線上の時間を消失させ、「着弾した結果」だけを引き寄せる回避不能一撃。
カッチャンが俺用に考えてくれたやつなんだけど、ええっ、って感じで最後のは必殺技! みたいな感じで詠唱もあってさ、これも覚えるのが大変だし、と、とにかく頼んだからにはモノにしなきゃな!
ちな、カッチャンは《全ての技》に詠唱をつけていつも通りだった。
【練習場】にある的に向って……弓を引く、とりあえず《クロノ・アロー》の練習。これさえ出来ればなんかコツが掴めるかも。一瞬だけでも良いから相手の時間をとめる、的は動くタイプのにした。
あっちこっちに逃げる的に、そもそも時間って……《聖魔法》は《回復》が主で、不老=時間だろ、んー……俺自身が加速すると相手はゆっくり見える……? か。ん……? あれって、
「ユーくんっ!」
「君も来てたんだ」
「カッチャンに考えてもらってたからね! で、でさユーくんって家加速系の技教えてもらってたよね?!」
「え、う、うん。味方にマナを《付与》した羽をくっつけると回避と移動が速くなる、だっけな。それで?」
「俺につけてくれない? めっちゃ悩んでてさ!」
「あー……ケースの難しそうだもんな。いいよ」
「やった! お願いします!」
《アクセル・フェザー・リス》…自身の羽を周囲に散らす。その羽に触れた仲間の肉体は風のように軽くなり、移動速度と回避率が大幅に上昇する。
とりあえず、可能性があるならそれっぽい事を試してみて、色々と試してみる事に!
「《アクセル・フェザー・リス》っ! ……どう? 速くなったかな?」
「おお?! す、すげー! ほら、反復横跳び!!」
「ふふ、凄い動きで笑っちゃうよ」
ユーくんが《風マナ》を《付与》した羽を服に付けると身体全身をマナが覆って、なんかこう! 横移動した時めっちゃ速い!
ユーくん曰く出来るようになったけど効果時間が短いって事でその練習も兼ねて付き合ってくれてる。けど……
「そんなに羽消費して大丈夫なの? は、ハゲない……?」
「大丈夫。換羽期があるから。それに多分慣れれば羽型のマナにしてみんなに《付与》とか出来そうだし」
「へえええ! すげー!」
「ほら、ケースも練習!」
「おおう! ありがとな!」
とりあえず素早く移動しながら動く的に向けて《マナ矢》を撃つ! 撃つ! 撃つ!!
「はあ、はあっ、はあ」
「見てて思ったんだけど、矢のマナ密度を凝縮させた方がいいかも。その時に純粋な、属性がない感じで……やってみたらどうかな?」
「わ、わかった……よいしょ、」
マルからもらった《聖魔法》のマナをもっと、純粋なマナに近づけさせる……イメージで、なんとなく。弓を引いて……放つ──ッ!
「あ、今あの的止まったように見えたよ。一瞬だけどね」
「ほんと?! やったー! ユーくんのおかげだよ、ありがとう!」
「んじゃあ、今の感覚を忘れないように、練習続行だね」
「……ユーくんの鬼教官~!!」
彼は本を広げながら俺の練習に付き合ってくれた。
本を読み終える頃には──……
「《クロノ・アロー》ッ!!」
目の前で動く3つの的全てにあてて、かつ、5秒間だけだけど動きを止めれるようになった!
5秒? って思われそうだけど隙を作れるなら5秒でも十分なんだよ。でももうちょっと秒数は伸ばしたいし、うん。練習だな!
その後はユーくんと【寮】に帰ってきて、【部屋】にはまだ誰も帰ってきてなくて今日はメイチャンも係の仕事してるって言ってたしまったり過ごそうかな。
本棚から【図書館】で借りてきた、えーっと、適当に選んだからなぁ。
ん、パサと落ちてきた本を拾う。
[勇者は稀人聖者と恋に落ち、悪逆非道な婚約者を追放した~]
・・・? こんな本借りたっけ? 誰かが借りたやつ?
なんとなく本をペラペラと捲る。
うーん、なんかうーん……って感じの話。
あらすじはなんとなく読めるんだけど、聖者の性格が好きになれないってか、なんか強引だし、悪逆非道な婚約者って言われてる方はやってる事正論ってか、聖者がその2人を引き裂いてるようにしか見えないんだけど、勇者さんも聖者に対して甘い言葉?『子鹿ちゃん、あんなのは放っといてオレの家族に会ってくれ』みたいなセリフがあってなんだかなぁ~みたいな。なんか内容に入っていけない……まぁ、こういうのが好きな読者も居るんだろうから良いんだけど。
本を棚に戻して【ベッド】に寝っ転がってるとヌヌくんが帰ってきた。
「ただいま~ってあれ、ケースくんだけ?」
「そうー、二人とも仕事中~。てか、ヌヌくん最近本借りた?」
「へ? いきなりだね。僕は借りてないよ」
「そう、なんだ?」
あの本を借りたのヌヌくんじゃないんだ。
ちな、プキュギは【マルの部屋】に行ってる。
じゃあメイチャンかワーチャン……? ワーチャンだったら合わなさすぎて笑っちゃうけど!
ヌヌくんにさっきの本の話をしたら読んでみたいっていうから、本棚を見てるんだけど……あれ、
「あれ、おかしいな……この辺に戻したはず……」
「書いてた作者は?」
「それ、書いてなかったんだよな、今考えてみたらおかしいな」
「狐につままれた気分って感じ、だね」
「ほんとだ。タイトル覚えてるのになー、」
「ケースくん、【図書館】に行ったらその本のタイトル調べてみたら良いんじゃない?」
「そうだな、調べてくるよ!」
その後、メイチャンとワーチャンに聞いても、マル達の皆に聞いても、【図書館】の石版を見てもそんなタイトル……[勇者は稀人聖者と恋に落ち、悪逆非道な婚約者を追放した~]の本は類似すらなかった。
タイトルも話の内容も覚えてるのに……えーっと。
ある所に歴代勇者の家系の男とそこに嫁ぐ男がいました。
ある日、稀人が落ちてきて勇者の男はその稀人に恋をしました。稀人もその勇者に恋に落ちて2人は幸せでしたが、そこに嫁ぐ予定の男は激怒し、稀人に向かって相手を責め立てる男。
しかし、勇者と稀人の絆につけ入る隙がないと分かった男は聖者についた稀人に向かって音も葉もない言いがかりをつけ陥れようとしたり、事故を装って怪我させたりと酷い目に合わせました。
周りからも婚約者の非道な行動が目に余り、ついには勇者の家系は彼に婚約破棄をし、国からも追放させました。
それでも男は諦めず、勇者がいる所に現れて許しを請うようにするが、勇者は稀人しか目に入らない。
男はそんな2人をみて──中略──最後には処刑される日、稀人の合図で彼はこの世を去ることになりました。
これで二人の邪魔をするものは居なくなりハッピーエンドへ! めでたしめでたし。
みたいな話だった。思い出すだけでも時間かかったし、無駄に長い。
でもどう見たって、なあ。
もし、メイチャンの前にそういう相手が現れたら──俺だったらどうするんだろ。なんか考えるのも嫌になるな。
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4月は【魔力特性診断】
自分の《属性》のマナ力を量ったり、新たな気づき? みたいのを再度見る為にやるらしい。
「それではこの[魔塩]を舐めてからお願いしますね。全力のマナをココに入れるようにしてください。終わったらまた[魔塩]を舐めてからそこの椅子で休憩をとってから部屋を出て行ってくださいね」
「「はーい!!」」
ワイワイガヤガヤ、クラス毎に集まって【診断室】に入っていく。俺達はまだだから【廊下】で待ってるんだけど、終えた人達の会話が聴こえたりする。
──前よりマナ量少なくなったって……前日に体調整えれば良かった。
──あー、それあるあるだよな。俺もそんなに変わってないかもな
──《水》以外の《属性》があるかもって!
──え、複数持ち?! 凄いじゃん!
──彼ピッピの特訓のお陰かな~
──のろけ~!
──ねぇ聴いた?
──うん?
──《太陽》と《月》だって
──うんうん、聴いたよ~。大昔に居た英雄様のでしょ?
──そうそう、凄いよね~
──前衛クラスと、中衛クラスに一人づつ現れたって
──あ! イノー! お前《太陽》だって? すげーじゃん!
──なー! 今度の訓練で技見せろよな!
──僕、そんなんじゃ……、ああ、うん、いいよ。
「次のクラス~入って~」
「行こう、マル」
「うん!」
【診察室】に入ると[魔塩]を1人ずつに配られて、それを舐めてから机の上にある[魔力計量器]に両手で包むようにしてマナ注入すると自分の《属性》の色で輝く……俺のは隣に居るマルと同じ《聖魔法》で、なんなら彼のマナを持ってる。
でも、彼より少ないと思ってた。
──すごい、光り方……
──2人とも神々しいね
──《聖魔法属性》なんて珍しいもんね
俺の注入したマナは隣で光ってるマル並に光ってた。
あれ? そんなに……? 自分でこんなに輝くのが不思議でならない。
「ケース、……良かったね」
「へ?」
「だってずっと、悩んでたよね。僕のマナを入れてたけどケースはうまく使えないからって」
「あ、うん……確かに。」
「でもこんなに輝いてるなら──どんな事があってもケースは大丈夫。自分で、みんなもだけど……言葉が、えっとね」
「マルがそうなるの珍しいな。分かってる、どんな事があっても俺は負けないから。マルもそんなに心配すんなよ!」
「ふふ、そうだね」
もしかしたら苦手だって感じてた《治療》とかも上手くいくかも? って思ったけどなんか直感? 的に俺は攻撃の方が向いてる気がして……
その後は1月にやった参拝の運試しみたいななんだっけ、祝福のやつで、俺えーっと、不老の祝福だっけな。マルは豊穣の祝福~みたいな感じでもらったんだけど、それでなんか新しい技とか考えられねぇかなーって思ってさ。
技っていったらカッチャンかな、って思って行ったら。
『ほう、面白そうだな。我に任せよ!』って快く考えてくれて──イツメンで集まった時にこんな技があったら良いんじゃないかって事で教えてもらってモノにするために練習する日々!
ちな、全員分のメモしたけど多すぎてまたどっかで言うわ!
とりあえず俺のは──カッチャンが言うには、えーっと、不死=時計だから相手や味方の時間を停める……? うーん、難しい! マルは《回復》多めの技だったからすぐに上達すると思うけど……!
《クロノ・アロー》…マナの矢を放つ。着弾した部位の時間を一瞬だけ「停止」させ、敵の動きを物理的に阻害する。
《レイ・リス》…分けてもらったマナを光の弾丸として乱射する。一発一発は小さいが、連射速度が非常に高く、現代のガトリング砲のような弾幕を張る。
《エタニティ・ヴァル》…巨大な光の杭を放つ。この矢に貫かれた敵は、不老の力による「固定」を受け、一定時間一切の回復や自己再生ができなくなる。
《ステイシス・ヴァル》…自身や仲間に光の膜を張る。数秒間だけ「肉体の時間を固定」し、その間に受けたダメージを全て無効化する。
《エル・ラスト・レクイエム》…射線上の時間を消失させ、「着弾した結果」だけを引き寄せる回避不能一撃。
カッチャンが俺用に考えてくれたやつなんだけど、ええっ、って感じで最後のは必殺技! みたいな感じで詠唱もあってさ、これも覚えるのが大変だし、と、とにかく頼んだからにはモノにしなきゃな!
ちな、カッチャンは《全ての技》に詠唱をつけていつも通りだった。
【練習場】にある的に向って……弓を引く、とりあえず《クロノ・アロー》の練習。これさえ出来ればなんかコツが掴めるかも。一瞬だけでも良いから相手の時間をとめる、的は動くタイプのにした。
あっちこっちに逃げる的に、そもそも時間って……《聖魔法》は《回復》が主で、不老=時間だろ、んー……俺自身が加速すると相手はゆっくり見える……? か。ん……? あれって、
「ユーくんっ!」
「君も来てたんだ」
「カッチャンに考えてもらってたからね! で、でさユーくんって家加速系の技教えてもらってたよね?!」
「え、う、うん。味方にマナを《付与》した羽をくっつけると回避と移動が速くなる、だっけな。それで?」
「俺につけてくれない? めっちゃ悩んでてさ!」
「あー……ケースの難しそうだもんな。いいよ」
「やった! お願いします!」
《アクセル・フェザー・リス》…自身の羽を周囲に散らす。その羽に触れた仲間の肉体は風のように軽くなり、移動速度と回避率が大幅に上昇する。
とりあえず、可能性があるならそれっぽい事を試してみて、色々と試してみる事に!
「《アクセル・フェザー・リス》っ! ……どう? 速くなったかな?」
「おお?! す、すげー! ほら、反復横跳び!!」
「ふふ、凄い動きで笑っちゃうよ」
ユーくんが《風マナ》を《付与》した羽を服に付けると身体全身をマナが覆って、なんかこう! 横移動した時めっちゃ速い!
ユーくん曰く出来るようになったけど効果時間が短いって事でその練習も兼ねて付き合ってくれてる。けど……
「そんなに羽消費して大丈夫なの? は、ハゲない……?」
「大丈夫。換羽期があるから。それに多分慣れれば羽型のマナにしてみんなに《付与》とか出来そうだし」
「へえええ! すげー!」
「ほら、ケースも練習!」
「おおう! ありがとな!」
とりあえず素早く移動しながら動く的に向けて《マナ矢》を撃つ! 撃つ! 撃つ!!
「はあ、はあっ、はあ」
「見てて思ったんだけど、矢のマナ密度を凝縮させた方がいいかも。その時に純粋な、属性がない感じで……やってみたらどうかな?」
「わ、わかった……よいしょ、」
マルからもらった《聖魔法》のマナをもっと、純粋なマナに近づけさせる……イメージで、なんとなく。弓を引いて……放つ──ッ!
「あ、今あの的止まったように見えたよ。一瞬だけどね」
「ほんと?! やったー! ユーくんのおかげだよ、ありがとう!」
「んじゃあ、今の感覚を忘れないように、練習続行だね」
「……ユーくんの鬼教官~!!」
彼は本を広げながら俺の練習に付き合ってくれた。
本を読み終える頃には──……
「《クロノ・アロー》ッ!!」
目の前で動く3つの的全てにあてて、かつ、5秒間だけだけど動きを止めれるようになった!
5秒? って思われそうだけど隙を作れるなら5秒でも十分なんだよ。でももうちょっと秒数は伸ばしたいし、うん。練習だな!
その後はユーくんと【寮】に帰ってきて、【部屋】にはまだ誰も帰ってきてなくて今日はメイチャンも係の仕事してるって言ってたしまったり過ごそうかな。
本棚から【図書館】で借りてきた、えーっと、適当に選んだからなぁ。
ん、パサと落ちてきた本を拾う。
[勇者は稀人聖者と恋に落ち、悪逆非道な婚約者を追放した~]
・・・? こんな本借りたっけ? 誰かが借りたやつ?
なんとなく本をペラペラと捲る。
うーん、なんかうーん……って感じの話。
あらすじはなんとなく読めるんだけど、聖者の性格が好きになれないってか、なんか強引だし、悪逆非道な婚約者って言われてる方はやってる事正論ってか、聖者がその2人を引き裂いてるようにしか見えないんだけど、勇者さんも聖者に対して甘い言葉?『子鹿ちゃん、あんなのは放っといてオレの家族に会ってくれ』みたいなセリフがあってなんだかなぁ~みたいな。なんか内容に入っていけない……まぁ、こういうのが好きな読者も居るんだろうから良いんだけど。
本を棚に戻して【ベッド】に寝っ転がってるとヌヌくんが帰ってきた。
「ただいま~ってあれ、ケースくんだけ?」
「そうー、二人とも仕事中~。てか、ヌヌくん最近本借りた?」
「へ? いきなりだね。僕は借りてないよ」
「そう、なんだ?」
あの本を借りたのヌヌくんじゃないんだ。
ちな、プキュギは【マルの部屋】に行ってる。
じゃあメイチャンかワーチャン……? ワーチャンだったら合わなさすぎて笑っちゃうけど!
ヌヌくんにさっきの本の話をしたら読んでみたいっていうから、本棚を見てるんだけど……あれ、
「あれ、おかしいな……この辺に戻したはず……」
「書いてた作者は?」
「それ、書いてなかったんだよな、今考えてみたらおかしいな」
「狐につままれた気分って感じ、だね」
「ほんとだ。タイトル覚えてるのになー、」
「ケースくん、【図書館】に行ったらその本のタイトル調べてみたら良いんじゃない?」
「そうだな、調べてくるよ!」
その後、メイチャンとワーチャンに聞いても、マル達の皆に聞いても、【図書館】の石版を見てもそんなタイトル……[勇者は稀人聖者と恋に落ち、悪逆非道な婚約者を追放した~]の本は類似すらなかった。
タイトルも話の内容も覚えてるのに……えーっと。
ある所に歴代勇者の家系の男とそこに嫁ぐ男がいました。
ある日、稀人が落ちてきて勇者の男はその稀人に恋をしました。稀人もその勇者に恋に落ちて2人は幸せでしたが、そこに嫁ぐ予定の男は激怒し、稀人に向かって相手を責め立てる男。
しかし、勇者と稀人の絆につけ入る隙がないと分かった男は聖者についた稀人に向かって音も葉もない言いがかりをつけ陥れようとしたり、事故を装って怪我させたりと酷い目に合わせました。
周りからも婚約者の非道な行動が目に余り、ついには勇者の家系は彼に婚約破棄をし、国からも追放させました。
それでも男は諦めず、勇者がいる所に現れて許しを請うようにするが、勇者は稀人しか目に入らない。
男はそんな2人をみて──中略──最後には処刑される日、稀人の合図で彼はこの世を去ることになりました。
これで二人の邪魔をするものは居なくなりハッピーエンドへ! めでたしめでたし。
みたいな話だった。思い出すだけでも時間かかったし、無駄に長い。
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もし、メイチャンの前にそういう相手が現れたら──俺だったらどうするんだろ。なんか考えるのも嫌になるな。
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※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。