バトンタッチした話

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・本編

169 7月2日目──臨海学校と基礎・自然魔力

「2日目は基礎・自然魔力、朝の瞑想、魔力感知、島のエネルギーを観察し自然マナを学習する。」
 
 使用人達が料理してくれる食材には[魔塩]が使われてて疲労回復効果もあって、昨日あんなにしたのに……全然疲れてない!
 海で採れる魚介料理がメインで【メメちゃんの島】で作った料理も美味しかったけど、こっちも毎食凝ってて、例えば昨日の夕飯はでっけー[魚の頭煮]がデンッ! てテーブルの上に置かれて、好きなところを取って食べたり、[骨汁]は旨味がすごかったり、[骨煎餅]とか! 普段食べない料理も多くてビックリしながら食べたらパリパリ食感で美味しかった!

 で、朝起きたら【砂浜】に集合してから、皆と輪になって座りながら数十分の深呼吸しながら瞑想して。それから朝食を食べて、ヴォン先輩とカッチャンから【魔法基礎講義】初心を忘れべからずって事で丁寧に教えてもらう。
 マルからずっと教えてもらって【学校】に入ってからは授業で一通り覚えたけど、まだまだ使い方や実践は不慣れな所があるから。

「ケースくん、僕も《太陽》使い慣れてないから、一緒にいいかな」
「あっ、私も!《月》っていまいち分かんないんだよね」
「うん、いいよ! 一緒にやろ!」

 俺達とルナは不慣れコースって事でヴォン先輩に教えてもらう。メイチャンも一緒にやりたかったみたいだけど、この前の【水上魔球大会】でめっちゃ新しい技が使えてたし、本人はまだ効果時間が~とか言ってたけど、それでもあんなに使えてたんだから凄いよ! って事でカッチャン達と実戦でスパーリングみたいな感じのをやってる。トマ先輩も《防御》タイプでみんなの練習台になってくれるし、あっちの方激しいなー!


──闇の螺旋は我が不落の城塞。触れるもの全てを夜の塵と化せ。《シャドウ・スラッシュ・リス》!
──ふっ、かかってこい!《ダーク・リフレクト・リス》!
──あたしのトマッバ様に触れるんじゃないわよ!!《クリスタル・ガーディアン・ヴァル》!!

 カッチャン、トマ先輩の《防御》にチッチ先輩が周りに氷の《防御》をかけて護ってる……うわ、色んな攻撃を受けてもびくともしなさそう。

──んじゃいくぞー!《バーニング・テイル》!
──う、うんっ《ブラッド・スピア》!
──《アクア・ニードル》っ!!

 リィちゃんとメメちゃん、エマ達の《攻撃》は3人の《防御》の前では触れた瞬間消えてしまう。

──ぼ、僕達の《補助魔法》で!《アンサンブル・ヴァル》♪
──《羽根のマナ生成》……《アクセル・フェザー・リス》!
──《ルート・エナジー・リス》!

 ヌヌくん、ユーくん、ヤイの《補助》でスパーリングしてる皆の技が洗練されていく……

──くっ、やるな!《アビス・サンクチュアリ・ヴァル》!
──あたしのトマッバ様に触るなああ!!《ダイヤモンド・ダスト・ヴァル》!!

 トマ先輩の《防御》がおされると、チッチ先輩が怒って少し本気? の《攻撃》を出すと皆は──

──《ミスティック・ドーム・ヴァル》!
──ワグーッツン、ありがとう!
──ボクの花火受けてみよ!《チャーム・フレア》!
──ぼくのも痺れちゃえ!《ボルト・スプラッシュ》!
──オレについて来い!《プロテクト・フレア・リス》
 
 ワーチャンの《水壁》でチッチ先輩の《攻撃》を防いで、モチくんとメレくんの《状態異常付与》を3人にして、ルイが前に出てチッチ先輩の《攻撃》を《炎壁》で吸収する。

──《ナイト・シェイド》! 今のうちにみんな!
──《アイビー・スネア》! 足止めは任せろッ
──《狐火・リス》燃えなさい!
──やるな……くく、跪け、愚かなる者よ。星の重圧こそが我の加護。逃れられぬ絶望に沈め。《グラビティ・バインド・ヴァル》!
──カメイメ行くぞッ!《プラズマ・チャージ・ヴァル》!!
──おう!《グランド・クロス・ヴァル》!!

 ヤマの《防御》にゲッちゃんパイセンが3人の《足止め》をして、リーナが激しい《攻撃》をしてカッチャンが再度《防御》をかけると、イデチャンとメイチャンが大技を繰り出した──……


「こら。お前らあっちばっかり見てるんじゃねぇ。こっちに集中しろ」
「わ、だって凄いんだもん」
「僕達みんなみたいに出来るかな……」
「あれで1割の力なんて……自信なくすよね。」
「はあ。プキュギ来てくれ」
「プキュ?」
「「なんでプキュギ」ちゃん?」
「お前らは集中が足りないからな。プキュギ教えてやれ」
「プップ、プキュー!」まかせなさーい!

 皆のスパーリングに見入っちゃってたらヴォン先輩に怒られる。そりゃ怒られるのは分かってるんだけどさ。
 戦闘終わりにマル達から《回復》をうけてからまたやり始めて凄いな……って。俺達も頑張らないとなって思うんだけど……って4人で思ってたら特別講師? としてヴォン先輩はプキュギを抱えてきた。なんか不思議な組み合わせだ。でもプキュギもやる気があって、ヴォン先輩がいうにはプキュギを4人でマナを纏った手で撫で回すこと、らしい。

「お前らは《太陽》《月》《聖》《光》だからな。普通の自然エネルギーとは違う。このプキュギは──女神……神聖なものだからなお前らにピッタリだろ。で、自身のマナを通してプキュギの体内でマナの調整またお前らに循環させる。」
「「な、なるほど……」」
「分かってねぇ顔だな。まぁ、しばらく撫で回しては4人で手を繋いで《マナ球生成》して1時間以上維持する球を作れ」
「「分かりました!」」

 ヴォン先輩はスパーリング終わりのトマ先輩になんかキラッとしたモノを渡しながら肩を叩いてた。
 ええっと、俺らはとりあえず両手に自分のマナを《付与》した手をプキュギに触れるとなんか静電気みたいなパチパチ? プチプチ? した感じで手が入ってく……いつもはそんなの無いから不思議だ。他の3人も不思議そうにしてる。

「パチパチするよ! ケース様!」
「だな、これってマナのせい?」
「普段からもマナを通ってるけど、こんなに強めに纏ってるから私達の方にも伝わってるのかな」
「プキュギちゃんは痛くない……?」
「プキュ! プップ、プキュー!」痛くも痒くも無いですわー!
「「あはは、大丈夫みたいだね」」

 数十分間プキュギを撫で回してから俺、カレー、ユーキ、ルナで手を繋ぎながら輪っかになってから真ん中にはプキュギが見守ってるなか、真ん中に《4属性マナ球》を作る。
 ぶよぶよ、とマナが真ん中に集まって、集中はしてるけど、すぐに拡散してマナが飛び散る。

「またプキュギ無でよっか」
「だね」

 またモチャモチャと撫で回される彼女。気持ちよさそうに目を細めてるな。


 それから3回、4回と《マナ球》を作っては段々と球の形状維持は出来るようになったけど……数十分持つのはまだ無くて……

「時間かかるって言ってましたし、雑談でもします?」
「そうだな。」
「ウチ聞きたいことがあるんだけど」
「ルナさんなんですか?」
「みんなの将来の夢ってなんですか?」
「え、いきなりだな……俺はメイチャンと婚約する予定だけどそしたら【領地管理】とかかな」
「へー! 凄いですね、私は旅にでも出ようかなぁって」
「冒険者とかでもなく?」
「うん。前から旅をするのが好きでよく愛馬に乗ってブラブラとしてたんですよ。」
「旅かぁ、僕は家を継ぐことになりそうかな。商人の子だからね」
「そうなんだ、意外」
「ケース様には先生になってほしかったなー」
「え、俺が? こんな基本基礎やってる時点で無理じゃない?」
「無理じゃないよ! だって、……ウチらケース様の事が好きだから!」
「「凄い慕われ方ですね」」
「あはは、ありがとうな。じゃあ、未来の子供達の為に頑張って球作ろうか!」
「「そうだな!」」
「プキュ!」




 空には3連の月と色とりどりに煌めく星々、周りの星や惑星の様々なマナを感じながら練る。 
 みんな見守ってくれてたけど、ヴォン先輩が【屋敷の中】へ入れって言っちゃったから、俺達の4人と1匹と虫の声しか聴こえない。
 集中、集中……

──オオォォオンン

 今なんか目の端に『白い狼』が映ったような──? いやいや海の上で有り得ない……集中、集中……

「プキュ!」


「ヴェールを剥ぎて、理を識れ。満ちゆく星の雫、ここに顕現せよ」
「アムリタ・マナ、光の種よ」
「凝縮せよ、マナの核よ」
「「《星球》――集え、蒼き星々の軌跡!」」

 頭の中に星が落ちてくるみたいに言葉が降りてきて《合唱魔法》の詠唱が口から自然に出る。
 3人も最後の節を揃えていうと俺達の頭の上には《水球》に煌めく星のようなマナがキラキラしてる物体が浮かんでいた。

「わっ、綺麗。」
「これ、成功……?」
「ケース様!」
「でき、出来た……!」

「プキュー、プキュキュッ! プンプン、プキュ!《プキュ・──・──》!」

 煌く球に感動してるとプキュギがつけてる[黄色いリボン]がシュルシュルと解けて、その球に巻き付き上の方にプキュギが乗るとそのまま《結界》のテッペン近くまで浮上する。
 落ちても大丈夫なのか不安げに見てるとプキュギの一声が聴こえて、球が神々しく光った。
 太陽のような光に目を細めるとプキュギじゃない女性のシルエットがあって──……

+メモ──
《シャドウ・スラッシュ・リス》…鎖を自らの周囲に高速回転させ、盾としながら敵を切り刻む。
「闇の螺旋は我が不落の城塞。触れるもの全てを夜の塵と化せ。《シャドウ・スラッシュ・リス》!」
《ダーク・リフレクト・リス》…闇の盾を複数展開し、飛来する魔法を吸収する。吸収したエネルギーを即座に闇の刃として拡散・放射し、敵を撃退する。
《クリスタル・ガーディアン・ヴァル》…守るべき対象の周囲に、巨大な氷の結晶体を展開する。あらゆる物理攻撃を跳ね返し、魔法攻撃を屈折させて無効化する「加護」の城壁。
《バーニング・テイル》…剣と自身の尻尾に炎を纏わせる。攻撃範囲が広がり、触れた敵を浄化の火で怯ませる。
《ブラッド・スピア》…魔石から放たれる魔力で、血と水を混合した鋭い槍を形成し射出する。着弾した敵から微量の魔力を吸い取り、自身の活力に変える。
《アクア・ニードル》…ペンダントから高圧の水の針を連射する。迅速の祝福により、一秒間に百発以上の射出が可能。敵の装甲の隙間を的確に穿つ。
《アンサンブル・ヴァル》…仲間全員の心拍と太鼓の音を完全同期させる。全員の傷が少しずつ回復し、さらに攻撃のタイミングが自動で最適化される「連携特化」バフ。
《アクセル・フェザー・リス》…自身の羽を周囲に散らす。その羽に触れた仲間の肉体は風のように軽くなり、移動速度と回避率が大幅に上昇する。
《ルート・エナジー・リス》…地面に触れた足元から瞬時に無数の根を広げる。敵の足を止めるだけでなく、敵のマナを吸収して自身の、あるいは仲間のスタミナへと変換する。
《アビス・サンクチュアリ・ヴァル》…守護の祝福を最大限に引き出し、周囲一帯を「不可侵の闇」で包み込む。範囲内の仲間はあらゆる物理・魔法ダメージから守られ、同時に精神的な平穏を得る。
《ダイヤモンド・ダスト・ヴァル》…杖を一振りし、周囲を極低温の世界へと変える。敵の肺さえも凍りつかせる猛烈な吹雪を巻き起こし、自分たちの領域に踏み入る者全てを氷像に変える。
《ミスティック・ドーム・ヴァル》…「数秒後の攻撃」を予知し、その軌道に合わせて超高圧の水壁を展開する。マルや仲間を包み込み、あらゆる物理衝撃を無効化して跳ね返す。
《チャーム・フレア》…火のマナを宿した魔石を放つ。着弾時に美しい火花が散り、ダメージとともに敵の「回避率」を大幅に低下させる。
《ボルト・スプラッシュ》…雷を帯びた水の弾丸を放つ。敵を濡らすことで雷の伝導率を上げ、確実に「痺れ(麻痺)」を付与する。
《プロテクト・フレア・リス》…眩い炎の壁を拡散させ、敵の注意を自分に引きつける(ヘイト集め)。壁に触れた敵の攻撃力を削ぎ落とし、仲間に向けられた刃を自身が肩代わりする。
《ナイト・シェイド》…ペンダントから影の弾丸を放つ。敵の魔力を侵食し、受けたダメージをじわじわと拡大させる。
《アイビー・スネア》…足元に目立たない蔦を設置する。敵が踏んだ瞬間に「知性の祝福」が最適なタイミングを計算して締め上げ、長時間拘束する。
《狐火・リス》…意思を持つ無数の白い火の玉を放つ。敵を自動追尾し、邪悪な気配を察知して焼き尽くす。
《グラビティ・バインド・ヴァル》…加護の祝福を乗せた超重量の闇鎖を召喚。敵の攻撃を地面に引き寄せて無効化し、そのまま敵を押し潰す。
「跪け、愚かなる者よ。星の重圧こそが我の加護。逃れられぬ絶望に沈め。《グラビティ・バインド・ヴァル》!」
《プラズマ・チャージ・ヴァル》…自身を巨大な雷球と化して突進する。オークの突進力にプラズマの破壊力が加わり、城門や巨大な魔物さえも一瞬で粉砕する。
《グランド・クロス・ヴァル》…聖剣を十字に振り抜き、巨大な光の十字架を敵に叩きつける。着弾と同時に聖なる爆発を引き起こし、邪悪な存在を蒸発させる。
《プキュ・──・──》…プキュギからの──幻影として顕現。黄色いリボンが銀河のように広がり、邪悪な支配から除ける。

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