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・本編
197 8月行事──【夏季特別講習】フェーズ2
8月行事──【夏季特別講習】フェーズ2
はあ。・・・はい、俺です。目黒です。帰ろうとしたらまた『あの人』達から招集がかかってですね。
なんでも、『やっぱお前の目が必要すぎ~』って、『あの人』達ほんと酷くないですか?
はあ、帰ったら一人お肉パーティーしようと思ってたのに。
えー、と何々……【夏季特別講習】フェーズ2、あ、1はもうやってる?
・・・把握。ヴォン先輩が【講堂】で全生徒を集めてこの【世界】の歴史を改めて教えて、才能があるものを見極めようとした──か。
じゃあ、【フェーズ2:ゲッちゃんパイセンのデバッグ】でも見に行きますか。予定は『あの人』達から渡されてるんで。
【講堂】でヴォン先輩が話した“歴史”に違和感を持った生徒は数十人いた、と報告されてる。
その中でもヴォン先輩と同じ生徒会をしてる狼獣人の彼──ゲッちゃんパイセン。
彼はその話を聴いたあと、【学園内∶図書館∶資料室】に来ていた。
耳につけたカフスがキラリと窓からさす西日で光る。
彼は黙々と、この【世界】について書いてある本を開いてはまた別の本を読む。
その中でピタと、手を止めた。
──『ミナート、先ほど送った資料と、この本の資料を照らし合わせてくれ』
──『了解! 任せて!』
ゲッちゃんパイセンはカフスに触りながら、此処には居ない“誰か”と話す。
ゲッちゃんパイセンはヴォン先輩が使っていた古文書を先ほどやり取りをしてたミナートから送られてきた《解析魔法》でスキャンをすると違和感に気づく。
「……やっぱりおかしい。文字の表面には『神聖な魔力』がコーティングされているけれど、その下の層に、全く別の『どす黒い支配の術式』が眠ってるな。」
「それに、この『光の守護天使』に関する記述……。インクの成分は数千年前のものなのに、その上にかけられた《隠蔽魔法》の術式構成が、妙に“近代的”だ。 まるで、つい最近誰かがメンテナンスしたかのように……」
「ミナート、聞こえるか? この古文書の隠蔽術式のパターンを解析してくれ。『彼』から送られてきた『真実の歴史』のログと照らし合わせるぞ!」
『はいはーい了解! ゲッちゃん! データをスキャン中……あぁっ、これだ! この術式のクセ、『クロくん』が広めた聖塔教のプロモーション用スクリプトと同じだよぉ! 本物の歴史の上から、キラキラしたフィルターを上書きしてるんだねっ!』
お。『あの人』達──『クロくん』達の話だね。
そうそう、前に【ファンタジー世界】には聖塔教があるって話したよね。あれを建ててるのが『クロくん』達ね。
あの宗教がある場所には『彼ら』が行き来できるようになるんだ。
むしろ、それを嫌がって【世界】を任された神々は高度な術式(笑)を使って『クロくん』達の侵入を防ごうとするんだ、けどね。
・・・ま、この話は追々。
「やっぱり……。消された『ルナ──アンナ』の本当の記述、復元できるか?」
『うんうん!……よし! 出来たよ!本物の記述は……『裏切り者の道化』じゃなくて、『真実を叫び、女神に唾棄した唯一の光』……。ルナくんは、仲間を救うために自分を泥に塗ったんだ!』
ゲッちゃんパイセンが会話してるミナートって子優秀だね。俺からは彼の姿が見えないから『クロくん』達の【理】より外れた人物なんだな。
そういや、『あの人』達『今度さぁ、祭りをしようと思うんだよね! ド派手なヤツ! で、その時も目黒くんにぃ目やって欲しいんだ。どうせ暇でしょ?』
・・・マジ『あの人』達の人を好き勝手呼びつけやがって……!
俺だって色々録画とか見るもの溜まってて消化の日々ですよ! そりゃ生きてた頃に比べたら衣食住整ってますけど……!
・・・はあ、『あの人』達をマトモに相手してたらキリがない。
──翌日の講習。昨日と引き続き全生徒達が集まる中、ヴォン先輩が教壇に立とうとした瞬間、ゲッちゃんが資料を叩きつけて立ち上がる。
「……もうその『綺麗な嘘』はやめろ、トーチヴォン。あんたが持っているその本、ただの歴史書じゃない。“誰か”が都合よく書き換えた『ただの女神を絶賛する本』だ!」
「皆、騙されるな! 女神セリァナラが俺達に愛をくれた……? 冗談じゃねぇ。そこに隠されているのは、俺達を数ある駒にしか思ってない、近年の[マネヌーン]の事件覚えてるか? 女神が俺達を護るならあんな事が起こるなんてあり得ない! 確実に俺達を間引いて自分の“使える駒”だけを選別してる。あるのは、アルファの傲慢な支配欲だけ。……そして、歴史から消されたルナがなぜ『道化』と呼ばれたか知ってるか? 彼は裏切ったんじゃない。女神の『性格の悪さ』に真っ向から逆らって、この世界の運命をデバッグしようとした、私たちの唯一の希望だったんだ!」
──彼はいったい何の話を……?
──アルファ。なんだそれは、
──いやいや、女神信仰以外に何を信じれば
──俺の所は別の神様もいるけど、全種族がそうじゃないからなぁ。
ざわつく【会場内】ただ、ゲッちゃんパイセンはヴォン先輩だけをみて《咆哮》するような気迫で彼らが調べた真実を話す。
俺も貰った資料を見てるけど、まあ結構良い線いってんじゃない? あのミナートって人物のおかげだね。
今ってさ、ケースの数字が付いてる《やり直し》8回目なんだよね。その前がオメガバースって世界7回目の時で、ヴォン先輩が話してるこの世界の女神セリァナラと彼らの因縁があった。
この話を見てる他の人からすれば、人物によって言ってる事が違う、どれが本当の事なんだ……って混乱するよね。
全部本当かもしれないし、高次元どもによって書き換えられてる可能性もある。
俺が今、本当の事を話しても多分都合が悪い事はやられちゃうかもね。
でもまぁ、『クロくん』が管理する【世界】の人々はどんな事があっても“生きてる”から。
ちゃんと彼らが歩んできた歴史があって、今がある。
一応、『あの人』達が話すから信じられるかは別だけど『ああ、8回目? そうそう、《未来予知》がハッピーエンドがいいって言うからさぁ、んじゃあ良いよぉって! え、珍しい?『俺達』全員悪いやつって思うなよ~!!』って。
って事で各々思惑はあるだろうけど、『あの人』達がそういうなら、“どんな事”があっても最後にはハッピーエンドになる筈だよ。
ちなみに、今回の歴史書の中で騎士が5人登場する。
ルナ、ルイ、エマ、ヤマ、ヤイ。
ケースの1個下の後輩達、彼らはその7回目の時代に女神セリァナラ×稀人の間に産まれた兄弟だった。
その彼が推してたバンドメンバーが5人だったから、アンナ、ユイ、トーマ、ユーマ、レイとつけた。
その後この【世界】に馴染むようにと『あの人』達が、アィーンルナ、ユゥールルイ、トルーェマ、ユガゥヤマ、レュヤイと名付けた。
その後はケースが今のあだ名をつけた。
彼らの種族は天使。守護天使と呼ばれる存在。
一応、今までの話を読むとその稀人の回想が一番合ってるかな。
セリァナラは稀人2人を孕ませたがその子供達に愛情を向けることはなかった。
彼女は誰相手でもそうなんだよ。そこの感情が欠けてるのかな。
で、思い通りにならないケースを廃人にさせたのも、孕ませたが、正気に戻ったケースが、自害しようとして、その時腹の中にいた彼の子ロメマィンをもう一人の稀人の腹の中に移し代理出産と子育てをさせる。
彼は自分の子と彼女を同じように愛情を持って子育てした。
徐々に自分達の立場が危うくなるのを感じ、ロメマィンを【別次元】に移したあと、彼の子供達を箱に《封印》して飛ばす。
彼はただ、彼らの幸せを願って──……
まぁ、セリァナラは全てお見通しだったけどね。天使種だとロメマィンは女神だからまだ良いんだけど、彼らルナが《光属性》持ちだから他の4人より女神の侵食に抵抗してるけど、少しずつ影響は受けてきてるね。
特に1番侵食を受けてるのがエマ、ヤイ、ヤマの順で次がルイ。
ルイは最近、音楽隊──『ルミナス・ビート・アンサンブル』に入って周りに《光属性》が居る環境になったから、ゆっくりになってるよ。
まぁ、来たる災厄が来るときにはどれぐらい侵食されちゃうかは分かんないけど。
俺の役目はただ、見るだけだからな。
《光属性》のルナは今までも足掻こうとしてるけど、彼もどうなる事やら。
はあ。・・・はい、俺です。目黒です。帰ろうとしたらまた『あの人』達から招集がかかってですね。
なんでも、『やっぱお前の目が必要すぎ~』って、『あの人』達ほんと酷くないですか?
はあ、帰ったら一人お肉パーティーしようと思ってたのに。
えー、と何々……【夏季特別講習】フェーズ2、あ、1はもうやってる?
・・・把握。ヴォン先輩が【講堂】で全生徒を集めてこの【世界】の歴史を改めて教えて、才能があるものを見極めようとした──か。
じゃあ、【フェーズ2:ゲッちゃんパイセンのデバッグ】でも見に行きますか。予定は『あの人』達から渡されてるんで。
【講堂】でヴォン先輩が話した“歴史”に違和感を持った生徒は数十人いた、と報告されてる。
その中でもヴォン先輩と同じ生徒会をしてる狼獣人の彼──ゲッちゃんパイセン。
彼はその話を聴いたあと、【学園内∶図書館∶資料室】に来ていた。
耳につけたカフスがキラリと窓からさす西日で光る。
彼は黙々と、この【世界】について書いてある本を開いてはまた別の本を読む。
その中でピタと、手を止めた。
──『ミナート、先ほど送った資料と、この本の資料を照らし合わせてくれ』
──『了解! 任せて!』
ゲッちゃんパイセンはカフスに触りながら、此処には居ない“誰か”と話す。
ゲッちゃんパイセンはヴォン先輩が使っていた古文書を先ほどやり取りをしてたミナートから送られてきた《解析魔法》でスキャンをすると違和感に気づく。
「……やっぱりおかしい。文字の表面には『神聖な魔力』がコーティングされているけれど、その下の層に、全く別の『どす黒い支配の術式』が眠ってるな。」
「それに、この『光の守護天使』に関する記述……。インクの成分は数千年前のものなのに、その上にかけられた《隠蔽魔法》の術式構成が、妙に“近代的”だ。 まるで、つい最近誰かがメンテナンスしたかのように……」
「ミナート、聞こえるか? この古文書の隠蔽術式のパターンを解析してくれ。『彼』から送られてきた『真実の歴史』のログと照らし合わせるぞ!」
『はいはーい了解! ゲッちゃん! データをスキャン中……あぁっ、これだ! この術式のクセ、『クロくん』が広めた聖塔教のプロモーション用スクリプトと同じだよぉ! 本物の歴史の上から、キラキラしたフィルターを上書きしてるんだねっ!』
お。『あの人』達──『クロくん』達の話だね。
そうそう、前に【ファンタジー世界】には聖塔教があるって話したよね。あれを建ててるのが『クロくん』達ね。
あの宗教がある場所には『彼ら』が行き来できるようになるんだ。
むしろ、それを嫌がって【世界】を任された神々は高度な術式(笑)を使って『クロくん』達の侵入を防ごうとするんだ、けどね。
・・・ま、この話は追々。
「やっぱり……。消された『ルナ──アンナ』の本当の記述、復元できるか?」
『うんうん!……よし! 出来たよ!本物の記述は……『裏切り者の道化』じゃなくて、『真実を叫び、女神に唾棄した唯一の光』……。ルナくんは、仲間を救うために自分を泥に塗ったんだ!』
ゲッちゃんパイセンが会話してるミナートって子優秀だね。俺からは彼の姿が見えないから『クロくん』達の【理】より外れた人物なんだな。
そういや、『あの人』達『今度さぁ、祭りをしようと思うんだよね! ド派手なヤツ! で、その時も目黒くんにぃ目やって欲しいんだ。どうせ暇でしょ?』
・・・マジ『あの人』達の人を好き勝手呼びつけやがって……!
俺だって色々録画とか見るもの溜まってて消化の日々ですよ! そりゃ生きてた頃に比べたら衣食住整ってますけど……!
・・・はあ、『あの人』達をマトモに相手してたらキリがない。
──翌日の講習。昨日と引き続き全生徒達が集まる中、ヴォン先輩が教壇に立とうとした瞬間、ゲッちゃんが資料を叩きつけて立ち上がる。
「……もうその『綺麗な嘘』はやめろ、トーチヴォン。あんたが持っているその本、ただの歴史書じゃない。“誰か”が都合よく書き換えた『ただの女神を絶賛する本』だ!」
「皆、騙されるな! 女神セリァナラが俺達に愛をくれた……? 冗談じゃねぇ。そこに隠されているのは、俺達を数ある駒にしか思ってない、近年の[マネヌーン]の事件覚えてるか? 女神が俺達を護るならあんな事が起こるなんてあり得ない! 確実に俺達を間引いて自分の“使える駒”だけを選別してる。あるのは、アルファの傲慢な支配欲だけ。……そして、歴史から消されたルナがなぜ『道化』と呼ばれたか知ってるか? 彼は裏切ったんじゃない。女神の『性格の悪さ』に真っ向から逆らって、この世界の運命をデバッグしようとした、私たちの唯一の希望だったんだ!」
──彼はいったい何の話を……?
──アルファ。なんだそれは、
──いやいや、女神信仰以外に何を信じれば
──俺の所は別の神様もいるけど、全種族がそうじゃないからなぁ。
ざわつく【会場内】ただ、ゲッちゃんパイセンはヴォン先輩だけをみて《咆哮》するような気迫で彼らが調べた真実を話す。
俺も貰った資料を見てるけど、まあ結構良い線いってんじゃない? あのミナートって人物のおかげだね。
今ってさ、ケースの数字が付いてる《やり直し》8回目なんだよね。その前がオメガバースって世界7回目の時で、ヴォン先輩が話してるこの世界の女神セリァナラと彼らの因縁があった。
この話を見てる他の人からすれば、人物によって言ってる事が違う、どれが本当の事なんだ……って混乱するよね。
全部本当かもしれないし、高次元どもによって書き換えられてる可能性もある。
俺が今、本当の事を話しても多分都合が悪い事はやられちゃうかもね。
でもまぁ、『クロくん』が管理する【世界】の人々はどんな事があっても“生きてる”から。
ちゃんと彼らが歩んできた歴史があって、今がある。
一応、『あの人』達が話すから信じられるかは別だけど『ああ、8回目? そうそう、《未来予知》がハッピーエンドがいいって言うからさぁ、んじゃあ良いよぉって! え、珍しい?『俺達』全員悪いやつって思うなよ~!!』って。
って事で各々思惑はあるだろうけど、『あの人』達がそういうなら、“どんな事”があっても最後にはハッピーエンドになる筈だよ。
ちなみに、今回の歴史書の中で騎士が5人登場する。
ルナ、ルイ、エマ、ヤマ、ヤイ。
ケースの1個下の後輩達、彼らはその7回目の時代に女神セリァナラ×稀人の間に産まれた兄弟だった。
その彼が推してたバンドメンバーが5人だったから、アンナ、ユイ、トーマ、ユーマ、レイとつけた。
その後この【世界】に馴染むようにと『あの人』達が、アィーンルナ、ユゥールルイ、トルーェマ、ユガゥヤマ、レュヤイと名付けた。
その後はケースが今のあだ名をつけた。
彼らの種族は天使。守護天使と呼ばれる存在。
一応、今までの話を読むとその稀人の回想が一番合ってるかな。
セリァナラは稀人2人を孕ませたがその子供達に愛情を向けることはなかった。
彼女は誰相手でもそうなんだよ。そこの感情が欠けてるのかな。
で、思い通りにならないケースを廃人にさせたのも、孕ませたが、正気に戻ったケースが、自害しようとして、その時腹の中にいた彼の子ロメマィンをもう一人の稀人の腹の中に移し代理出産と子育てをさせる。
彼は自分の子と彼女を同じように愛情を持って子育てした。
徐々に自分達の立場が危うくなるのを感じ、ロメマィンを【別次元】に移したあと、彼の子供達を箱に《封印》して飛ばす。
彼はただ、彼らの幸せを願って──……
まぁ、セリァナラは全てお見通しだったけどね。天使種だとロメマィンは女神だからまだ良いんだけど、彼らルナが《光属性》持ちだから他の4人より女神の侵食に抵抗してるけど、少しずつ影響は受けてきてるね。
特に1番侵食を受けてるのがエマ、ヤイ、ヤマの順で次がルイ。
ルイは最近、音楽隊──『ルミナス・ビート・アンサンブル』に入って周りに《光属性》が居る環境になったから、ゆっくりになってるよ。
まぁ、来たる災厄が来るときにはどれぐらい侵食されちゃうかは分かんないけど。
俺の役目はただ、見るだけだからな。
《光属性》のルナは今までも足掻こうとしてるけど、彼もどうなる事やら。
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※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。