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223 4月──高等部入学式∶高等部1年生【入学式】


画像が中等部の時なんで、屋根が緑色だけど、高等部なので屋根は赤色。

 4月──高等部入学式∶高等部1年生【入学式】

 ロッグです。最初、ケース視点で見てたんだけどやっぱ俺が呼び出されました。まぁ、最初からそのつもりでカメラとか持ってきたんで。
 俺が居るのは【講堂】の2階から目下にはまだ入学式準備で忙しそうにしてる先生達が忙しなく動いていた。

 時間的にはケース達はまだ自己紹介中……かな。
 先生達には俺が2階に居るのは認識されてないからまったり待つ事にしよう。
 高等部になっても敷地の大体の建物の位置は変わらない。
 お、2年生、3年生達が入ってきた。
 3つの大陸から生徒が来るから色んな種族が居る、まさにファンタジー世界を感じられる場所でもあるのかな。
 講堂の後ろの方の席に彼らは座って、しばらく待つと魔導具で演奏する無人の楽器達……宙に浮くハープや、独りでに鍵盤が踊るピアノ、そして光る弦を弾く魔法楽器の楽団が、新入生を歓迎する壮大な序曲を奏でているね。
 新入生の入場~と共に彼らは講堂に入ってきた。
 B組に居るヌヌくんと仲良くなったヤッシーくんが魔導楽器の演奏を耳や指先でリズムを取ってるのが見えたよ。


 ケース達はA組で、ケースの前にマル、隣にワーチャン、ケースの隣にはメイチャン。
 2年、3年の姿を見て新入生達は緊張してる子が多いね。
 まぁ、無駄にプレッシャーかけてるマナ圧やつも居るからね。
 俺みたいに数人姿を見せてない先輩も居るか。

 席は前列にワーチャン、マル、ケース、メイチャン、その後ろにイデチャン達が座る。
 
──((……いい音だなぁ。でも、この音にはもっと『力』を乗せられる。中等部のルミビの熱狂……あの興奮を、この高等部でも再現したい! メンバーを集めて、もっとデカい鼓動を響かせてみたい!))

──((……ブラザーのルミビの話面白そうだ。でも、オイラのこの『ボイパ』を魔法増幅器で歪ませて、もっと攻撃的なバンド・サウンドにするのも捨てがたい……。ヌヌくんをドラムに引き抜くか? それとも、伝統のルミビをオイラが変えてやるか……?))

──((……なんだ、この落ち着かない音は。四方八方から魔法の残響が聞こえる……。どこに敵が潜んでいるか分かりゃしない。……クソ、あのカカッハとかいう鼠の男も変なポーズをしてるし、この学校は隙だらけのようで、一番気が抜けない……))

──((ついに高等部……。マル、ワーチャン、メイチャン……。みんなと一緒に、この門を潜れてよかった。……絶対に、最高の3年間にしてみせる!))

 それぞれの思いを胸に、入学式が始まった。
 パッと会場の照明が落ち、【ステージ上】に黄金の粒子が舞い上がると、壇上には人知を超えた神々しいオーラを纏うロメマィン様の姿が──生徒達にはシルエットとなって人型は見えてて誰? ってなってる。プキュギはマルの膝の上で寝てる。
 彼女も少しずつ力を取り戻してるのかこんな事も出来るようになったらしい。

 口を動かすことなく、全生徒の脳裏に、深く、優しく、そして逃れられないほど重厚な声が響き渡ります。

『……若き魂たちよ。この学園へようこそ。ここは、単に技術を磨く場ではない。君たちが背負う「種族の宿命」、抱える「愛の執着」、そして心の奥底に秘めた「闇の渇望」……。そのすべてをさらけ出し、己が何者であるかを証明する戦場だ。誰かを愛する重みが、世界を救う盾となることもある。誰かを憎む怒りが、未来を切り拓く刃となることもある。ここにある「自由」は、甘い蜜ではない。己の選択に全責任を負うという、最も過酷な試練だ。迷え、抗え、そして……愛せ。君たちの刻む一歩一歩が、この世界の新しい神話となることを、私は期待している。』


『己の選択に責任を持て』っていう言葉、皆それぞれに刺さりそうだね。部活を立ち上げるのか、自分の過去と向き合うのか、生徒一人一人に自分の選択をさせる、か。
 目の前のロメマィン様の姿がパアっと光の粒となって消えると、プキュギは欠伸をしながら起き周りをキョロキョロ見渡しながら体勢を変えてまた座り直す。


【在校生歓迎の辞:生徒会「四天王」の降臨】

 ステージ上にパッと真紅の絨毯が敷かれ、爆炎と共に四人の影が浮かび上がり、会場の2年、3年の主にチワワ系生徒達からキャーキャー声が響く。
 鞭の柄を肩に担ぎ、不敵な笑みを浮かべて全校生徒を見下ろすのはヴォン先輩。

「……学園長様の有り難いお言葉の後に、オレが喋るのも野暮だが歓迎するよ、お前ら。ここは『自由』を謳歌する場所だが、それは同時に『強さ』がすべてを支配する場所でもある。オレに跪くか、それとも牙を剥くか……。どちらにせよ、精々この3年間、オレを退屈させないでくれよ?」

 漆黒の魔剣を腰に差し、氷のような視線で会場を一掃するトマ先輩。

「……会長、あまり脅すな。新入生が縮み上がっている。諸君、規律は守れ。……と言っても、この学園の規律は一つだけだ。『弱者は強者に従え』。それができないと言うのなら、いつでも生徒会室へ来い。……叩き直してやる。」
 
 いつも超優しいトマ先輩がこんな事言うなんて……いや、この場は少し厳し目に言うのが彼なりの優しさか……?

 人一倍真面目な……彼はゲッちゃんパイセン。

「予算の無駄遣いだけするな。部活を立ち上げたい奴、備品を壊す奴、全部俺が『胞子』で監視してるからな」

 小柄ながら、周囲の空気を凍てつかせるほどの冷気を纏ってるチッチ先輩。

「トマッバ様と一緒にお仕事……最後なんですね。そこの妖精の双子……コッチでも任せたわよ。いい? くれぐれもトマッバ様に迷惑かけない事ね!」

 生徒会役員達の言葉に大盛り上がりした後は──


【新入生代表誓いの言葉∶ワィーレ・ケース】

 ケースが座ってると後ろの席に居たリーナに背中をドンの小突かれ、「えっ、ちょっ、ええええ!?」ってなりながら壇上に上がるケース。

 「あんた、バシッと決めてきなさいよ!」

 リーナの活を入れられ登壇するケース。会場からは「あ、あっちの中等部の英雄だ」「でもなんかオドオドしてない?」って周りから聴こえる。
 ケースも少し青い顔しながら緊張してる姿にマルは(大丈夫だよ)と視線を送ってるのをみたケースは一呼吸してから──……

「……っ。し、新入生代表、ワィーレ・ケース。……誓いの言葉。」

「……僕たちは、今日、このBL学園高等部の門を潜りました。中等部で学んだことは、力だけではなく、仲間を信じる心、そして『自分たちが何を守るべきか』という意志でした。高等部という新しいステージでは、さらに過酷な試練や、まだ見ぬ強敵が待ち受けているかもしれません。……でも、僕たちは恐れません。ここにいる仲間たちと共に、互いの背中を預け合い、時にはぶつかり合いながらも、それぞれの『正義』と『愛』を貫き通すことを誓います。……未熟な僕たちですが、先輩方、先生方……そして、学園長様。僕たちの『これから』を、どうか見守っていてください。新入生代表、ワィーレ・ケース。」

 最後、ビシッと一礼。会場は一瞬の静寂の後、割れんばかりの拍手に包まれる。
 マルやワーチャンならそつなくこなすだろう。だけど、今は、ケースの言葉で皆感動していた。
 一人だけ、ケースに鋭い視線を送ってる子は居るけど、彼もどうなっていくのか……


【高等部1年:担任・専科講師発表】

1年A組 担任:マーゥゲラ・ニォェテック∶テック先生
 * 種族: 淫魔
 * 担当: 運命学

「【コーカ人々中等部】の生徒は知ってるな、それ以外の学校から来たやつはま、よろしく~。こう見えてオレは甘くはしねぇから、まぁ、お前らの運命をみてやるし、相談は受け入れてやる」

 テック先生は打倒来たる災厄に入ってるから高等部でも続投らしい。

1年A組 副担任:ガスト・レポルタ∶ガスト先生
 * 種族: 幽霊
 * 担当: 魔法薬学・毒物学

「……ヒッヒ。テックの補助をするガストだ。……あ、そこの生徒、今『透けてる』って思ったろ?……正解だ。オレの授業で居眠りしたら、魂ごとフラスコに詰め込んで、最高級のポーションの材料にしてやるからな……覚悟しな……。」

 常に浮遊していて、壁から急に現れるので、生徒たちの心臓に悪い先生でイタズラも大好きらしい。


1年B組 担任:クルルイ・ユイルト∶ユイ先生
 * 種族: 魔造人形(ゴーレム
 * 担当: 実戦・音楽

「キミ達は僕ト、リズムを刻んで、行こう。」

 ユイ先生はスリープモードに入ったのかその場で急停止したのをテック先生が抱えてステージ横に持っていく。


1年B組 副担任:バラデ・ヴォルグ∶バラデ先生
 * 種族: ミノタウロス(の血を引く半獣人)
 * 担当: 実戦武術・タクティカル演習

「ユイの論理についていけない筋肉バカは、俺が直接相手をしてやる。……武器は何でもいい。俺の拳をかすめることができたら、単位をくれてやる。……かかってこい、ヒヨッコども!!」

 2メートル超えの巨躯。ユイ先生の「静」に対して、圧倒的な「動」の熱血先生だね。


全体専科:ロレ・ミゥ・シグレ∶シグレ先生
 * 種族: 夢魔(サキュバス・男性体)
 * 担当: 精神操作防御・学園史

「……ふふ、初々しい魂の香りがするねぇ。僕はシグレ。君たちが戦場……あるいは色恋沙汰で心を壊さないよう、『精神の守り方』を教えるよ。……もし僕の瞳を見て3秒以上意識を保てたら、特別授業は免除してあげようかな?」

 テック先生とはまた違う、大人の色香で新入生を骨抜きにする危険な先生で結構な頻度で保健室にも居るらしい。
 

 その後は入学式は無事終わり──


 あ、そういえばB組の自己紹介見てなかったから振り返るか。


「【コーカ人々中等部】から来ました、豚獣人、オィエモ・ハ・ヌヌって言います! 中等部の時は【アルカディア・オリンピア】でルミビをやってたんだ。光の導きと太鼓のリズムで、クラスを盛り上げていきたい、よろしくね!」
1年B組∶光∶太鼓∶豚獣人∶ヌヌくん∶オィエモ・ハ・ヌヌ

 ヌヌくんは太鼓でリズムを取りながら自己紹介。そのリズムに合わせて──

「──プツ、カッ、チキ、プンッ!……へへっ、いいリズムだね、ブラザー! オイラはヤッシー。ハーフドワーフさ! ブラザーの太鼓、魂に響くいい音だ。オイラのボイパと合わせたら、最強の応援歌ができると思わないか? あ、ちなみに【ネリレ太陽中等部】から来たぜ!」
1年B組∶音振動∶拡声器∶ハーフドワーフ∶ヤッシーくん∶YMDHZS・ヤッシ

 ヤッシーくんがヌヌくんの太鼓に合わせながらボイパでセッションしたあとお互いに顔を見合わせて笑いながら、グータッチ!

「おっ! 良いじゃん! お前ら最高に良いコンビじゃん! 俺はグリィ・タンリィ。犬獣人! ヌヌと同じ中等部から! よろしくな!」
1年B組∶炎∶剣∶犬獣人∶リィちゃん∶グリィ・タンリィ

「マ・ゲィマァメメよ。吸血鬼だけど、変に怖がらないで。水と血を操るけれど、不必要な争いは好まないよ。……でも、私の仲間に手出しする不作法な人には、それ相応の対価を払ってもらうから覚悟して」
1年B組∶水血∶魔石∶吸血鬼∶メメちゃん∶マ・ゲィマァメメ

 相変わらず元気なリィちゃんのおかげでクラスが明るい雰囲気に、メメちゃんも普段見慣れない種族達に釘を差す。


「……フッ、騒がしいな。光に浮かれる有象無象どもが。我が名はサッラ・カカッハ……だが、その名は仮初めの殻に過ぎん。我が真名は『断罪の黒鎖』……。この右腕に巻き付く闇の鎖は、一度解き放てば因果の理を侵食し、不浄なる魂を奈落の底へと引きずり落とす。鼠の姿は、溢れ出す魔力を封印するための『枷』だ。良いか……。戦場において、決して我が『左目』の包帯には触れるな。そこに宿る漆黒の劫火が、この世界を灰燼に帰すその日まで……。……ククク。頼むぜ、虚無に抗う同胞たちよ。」
1年B組∶闇∶魔刀∶鼠獣人∶カッチャン∶サッラ・カカッハ

 カッチャンは相変わらずの中二病ムーブだね、彼を知らない生徒達は少し戸惑ってるけどリィちゃんがカッチャンの肩を抱き寄せて「コイツの個性だからっ、よろしくな!」ってニカッと笑いながらその後もカッチャンの凄さをアピール!
 カッチャンは照れくさそうに、よせやい! と振りほどいてたけど満更でも無さそうだね。

「鴉獣人。ガラ・ユーラタだ。風を操り、空からみんなをサポートする。よろしく」
1年B組∶風∶爪∶鴉獣人∶ユーくん∶ガラ・ユーラタ 

 ユーくんは本を読みながら短めに話す。この前の【忘却の渓谷】の事を知ってる他の生徒からは憧れの視線が……!

「チャ! ハーフフット、ニニ・ピポ、ポムポム!!」
1年B組∶霧草罠∶弩∶ハーフフット∶ニニくん∶ニニ・ピポ

 ニニくんの地元では略語で話すらしい。ポムポムは元気やワクワクする意味みたいだ。

「僕の名前はイノー・ユーキ、フォルム人だよ。よろしくね」
1年B組∶太陽∶盾∶人間フ∶ユーキくん∶イノー・ユーキ

「私はサーバル人のハブーサ・カレーよ、ユーキと同じくよろしくね」
1年B組∶月∶魔銃∶人間サ∶カレーくん∶ハブーサ・カレー

 2人が挨拶した後は~……

「ボクは~……レベィモチャ!」
「ぼくは~……チャィメレベ!」
「「さあ! どっちがどっちでしょう!!」」
「ボクが右」
「ぼくが左」
「「でした!」」
1年B組∶火草∶魔石∶妖精∶モチくん∶ラリレ・レベィモチャ
1年B組∶水雷∶魔石∶妖精∶メレくん∶ラリレ・チャィメレベ

 モチくんとメレくんがケース直伝のどっちがどっちを披露してクラスを盛り上げる!
 彼らは高等部に入って数ある生徒の中から1年生で生徒会入りするから注目の的らしい。
 
 無表情で教壇に立ち、首をカクン、カクンと左右に傾けて関節を鳴らすユイ先生。

「……起動。高等部、1年B組。担任。僕の名前は、クルルイ・ユイルト。ユイ、と呼んで。種族は、魔造人形。心臓は動いてい。でも、プログラムは……キミたちの、導きを、最優先事項に、設定している。教えるのは、実戦。キミたちが、戦いの中で、自分の名前さえ……『忘却』しても、僕の『糸』が、キミたちを、生還させる。死なせない。それが、僕の、論理。」

 その時、ヌヌの太鼓とヤッシーのボイパのリズムがユイ先生の自己紹介に合わせて聴こえたのか。

「……。……。……いい、周波数リズム。」

「この、ビート……嫌い、じゃない。授業の、効率が、上がる。……さあ、始めよう。キミたちの、魂を、震わせる……最初の、プログラムを。」

 ゴーレムだからか無表情のまま、指先をピコピコと動かして、膝で「トントン」と完璧な拍子を取り始めるユイ先生は静かにだけど、自分の受け持つ生徒達を歓迎してるようだった。

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