8回目終∶バトンタッチした話

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237 7月──【魔導研究リゾート∶バカンス編】1日目夜→2日目

 7月──【魔導研究リゾート∶バカンス編】1日目夜→2日目

 話は1日目の船での部屋割りが決まった頃に戻る。

【6リーフィ先輩】
3年E組∶大森林結界∶杖∶マリー∶花∶エルフ1∶リーフィ先輩∶リーフィ・グラス
2年A組∶草胞子透過∶短剣∶狼獣人∶ゲッちゃんパイセン∶ラギペッラ・ダナェゲル
1年B組∶霧草罠幻葱∶弩∶ハーフフット∶ニニくん∶ニニ・ピポ
1年A組∶炎神焔∶杖∶狐獣人∶リーナ∶ラゲ・キリィナ
1年B組∶火草幻夢∶魔石魔導具∶妖精∶モチくん∶ラリレ・レベィモチャ
1年A組∶闇重力∶短剣柱∶使い魔∶アム∶ギガント∶ガドくん∶ガドル・ベルク

 各ベッドの上で荷物整理をするなか、マリーはリーフィ先輩の手伝いをしてると視界にリーナの持ってきた色とりどりの水着や服が目にはいる。
 彼女は10日間といえど、持ってきすぎでは……? とリーナに話しかけると、リーナは少しモジモジしながら『見せたい相手が居るのよ』とだけ。それだけでマリーはピンと来て『是非その話kwskですわっ!』と詰め寄りリーナはリィちゃんに片想いをしてる事を知る。

 そして、彼女の脳内……? に彼らのある未来が走馬灯のような速さで駆け抜けるが──

『このままでは私がドライフラワーになってしまいますわ!!!!』と絶叫をしたのちに、題して【マリーの黒柴タンリィの略大作戦】が始まった。

 彼女が見た未来は、リーナがジレジレ片想いをしたままリィちゃんがその想いに気づく事なく学園を卒業したあと、リーナは独身をつき、リィちゃんは異性と結婚し、子供が育ち妻は先に旅立ち、お互い交流を取らずに60代になってから同窓会で再び会う。そして、なんやかんやありながらも付き合う時にリーナが『遅いのよ、バカ』という瞬間までを見たと。
 そりゃ、ドライフラワーになっちゃうね。と言うことでそんな未来はぶっ壊して早々に2人をくっつけたいマリーはあの手、この手を使い始める。

 そもそも、リィちゃんは普段、高等部になって人型になってるけど、元気いっぱいの黒柴わんこな性格のまま。みんな大好き! 遊ぼう! 走ろう! 音楽最高! 肉美味え!! な行動原理しかしていない。
 そんな彼に恋愛を自覚させる事が出来るのか……? 
 

【“特別”を物理的に刷り込む】

「リーナ、タンリィ様は動くものと美味しいものにしか興味がありませんわ! 水着の色を変えるだけではダメです。……ほら、リィ様の好きな[骨の形をした髪飾り]を付けなさいな。あと、彼の鼻先にこの[高級花の蜜]を塗りたくって、貴方を『一番いい匂いのする友達』だと認識させるのですッ!」

【ハプニングの演出(という名の突き落とし)】
「あら、いけない! 手が滑りましたわッ!」と言いながら、甲板でリィちゃんの横を歩くリーナの足をツタで引っ掛け、リィちゃんの胸の中にダイブさせる。

【マリーの代弁(直球)】
 リィちゃんが「おー、リーナ、大丈夫か?」と支えた瞬間に、マリーが「あらあら、タンリィ様。こんなに可愛い子が真っ赤になって貴方を見つめているのに、助けてあげるだけなんて“オス”として失格ではなくて?」と、リーナの言いたいことを全部ぶちまける。

 ……マリーに操られて、顔を真っ赤にしながらリィくんに抱きついているリーナを連写しながら。あはは、マリーは容赦ないね。リーナの心拍数がレンズ越しに伝わってきそうだよ。……でも、抱きつかれたリィちゃん、尻尾を激しく振って『リーナは温かいな!』って無邪気に笑ってる……。これは長期戦になりそうだね。ちなみに蜜の匂いを嗅いで『美味しそうな匂いがするな!』っていって舐めようとして真っ赤な顔したリーナがリィちゃんを黒焦げにしようとして周りの人達が止めたよ。危なかったね。



 マリーは手強すぎるリィちゃんに対して自分1人で作戦を考えるのは無謀だと察し、イツメンの彼らの協力をあおいだ。

「40年も待つなんて、私のリーフィ様の美学に反しますわ! そんなの、お花が枯れてドライフラワーになってしまいますわよッ! 今ここで、この黒柴の鈍い鼻を叩き起こして差し上げますわ!」

 そうマリーがさっき見た未来? の内容を話すと──

「40年?! 長すぎんだろ! 俺とマルを見習って、今すぐガッといけよ!」

 ワーチャンも本来の君は他人事じゃないよ? ケースがあってこそだからね?

「……まあ、リィちゃんのペースもあるだろうけど。リーナが報われないのは、見ていて少し胸が痛むね。星の導きを少しだけ、彼らの上に引き寄せてあげようか」

 ケース達も協力してくれる事に! 2大カップルの協力……これは心強いとマリーは思ったに違いない。

「爆音恋愛ソングで、タンリィのハートをシェイクしてやるぜ、ブラザー!!」
「ライブでは最高に盛り上げるね!」

 ヌヌくん達の協力も!

「ん、私達も彼には笑っててもらいたいもの。」
「そうだよね、メメちゃん」
「料理の時の飾り付けにハートいっぱいに、するね?」

 リーナと仲良いメメちゃんやカレーくんたちも協力する事に!
 ドンドンみんなで鈍感すぎるリィちゃんがリーナに気づくキッカケを与える為に動き出したのであった。


【リィちゃんの“恋愛概念”アップデート作戦!】
 目の前でワーチャンとマルが、メイチャンとケースがイチャイチャしても……『今日もみんな仲良しで最高だな!!』
 うむむ、手強い。

「タンリィ様、あの方たちは『お友達』以上の、魂を分け合う関係なんですわ。……貴方にとって、リーナもただの遊び相手ではなく、そういう『特別』になりたいと思っている……とは考えられなくて?」
「えっ? 魂を分ける?……リーナと合体魔法でも打つのかな? かっこいいな!!」

「「・・・(……違う、そうじゃない!!)」」

 * 物理的な「ドキドキ」を教える:
   ヴォン先輩の魔導具の出番っしょ!
「お前、この『恋心シミュレーター』を付けてみろ。リーナが近くに来た時、お前の心臓の音がドラムみたいに鳴るはずだ!」
「おー! リーナが来ると楽しくて心拍数上がるぞ! ヌヌの太鼓みたいだ!」

 水着お披露目会のあと、珍しくリィちゃんがドキドキしてるその後、ユイ先生がリィちゃんの腕を掴んでリーナが居るステージに無理やり押し上げられた。リィちゃんははっと、したあといつもの調子でリーナくんに向かって『俺のこのサファイア色、リーナのピンクと並ぶと最高にかっこいいだろ?!』って無自覚な爆弾発言を投下して、会場がヒューヒュー盛り上がってたよ。
   
【エモーショナル・スプラッシュの洗礼】
 1日目の昼、オイルハプニング後。

「友情と愛の強度を測る噴水だ!」とヴォン先輩がスイッチオン。

 * ワーチャン&マル / メイチャン&ケース: 手を繋いだ瞬間、噴水がバァァァァァン!!!!と七色の虹を描き、周囲から「ヒューヒュー!」「お熱いねぇ!」と野次が飛ぶ。

 * リーナ&リィちゃん: マリーの策略で並ばされた二人。リーナが「もう、しょうがないわね……」と震える指先でリィちゃんの手に触れた瞬間──。

 * 結果: 噴水は、夕陽のような鮮やかなオレンジから虹色へ!
「うおぉ! 虹だ! リーナ、俺たちサイコーの相性だな! やっぱ親友だなっ!!!!」
「(……親友……っ)……そ、そうね。あったりまえじゃない……(顔真っ赤)」

 ライブで肩を抱かれてリィちゃんがノリノリになって左右に動くのに合わせて固まりながらも動くリーナに、その後の食事でもリィちゃんの無自覚攻めにリーナがタジタジ。
 マリーは次にどうするかと考え──……


 マリーはマルと部屋に帰ろうとするワーチャンを捕まえ。

「ワグーッツン様! あなたのその『マルゥメ様への愛』を、この鈍感すぎるわんこに叩き込んで差し上げて! リーナが不憫で、私、枯れてしまいそうですわ!」
「・・・」

 ワーチャンは無言のままマルの肩を抱き帰ろうとするのをマルが止めて、マリーに協力するように話すと、ワーチャンは険しい表情をしながら──

「マルゥメと離れるなんて一分1秒でも惜しい。しかし、マルゥメの頼みだ。感謝しろ」

 と高圧的にマリーに話しかけるワーチャン。マリーは気にする事もなくそのままリィちゃんを呼びに行って、2人を夜の甲板へ向かわせた。


【1日目・深夜:【甲板の熱弁と、完敗の寝顔】

 静まり返った夜の海。夜は少しの時間だけカストスが漁のために少し離れる。ザザンと波音だけが響く甲板に、マリー様に「強制連行」されたワーチャンとリィちゃんが並びます。

 ワーチャンは一刻も早くマルの元へ戻りたい一心で、最短ルートでリィを「自覚」させるべく口を開きます。

「……聞け。マルゥメがいかに素晴らしいか、俺が語ってやる。……エルフの俺にとって、人間のマルの時間は短い。だから俺は、1秒たりとも無駄にできないんだ。……奴の寝顔、指先の温度、たまに見せる拗ねた顔……。愛する者が隣にいる。その尊さを、お前は分かっているのか?」

 月明かりの下、氷の瞳を潤ませながら、種族の寿命差まで持ち出してガチすぎる愛を語るワーチャン。

「(……ふわぁ……)。……おー。……すごいなー……。ワーチャン、マルが……大好きなんだなー……(ウトウト)」
「大好き? そんな言葉では足りない。俺の魂の一部だ。……おい、聞いてるのか? あの時、マルが俺の杖を……(以下、30分経過)」


「……というわけだ。お前も、失ってからでは遅い。リーナという存在が、お前にとって……おい」

 熱弁していて気がつくと、リィちゃんはワーチャンの膝を枕にして「ムニャムニャ、リーナ……うめぇ……」と幸せそうに爆睡中!

「(影から見ていて)……完敗ですわ。愛が重すぎて、子守唄になってしまいましたわ……!」

ワーチャンは溜息をつき、リィをひょいっと肩に担ぎ上げそのまま7班の部屋へリィを放り込み、一目散にマルの待つ1班の部屋へ!

「……マルゥメ。……今戻った。……1時間も離れた。……今すぐ、補充させてくれ……(即・抱きつき)」
「わわっ、おかえり。ワーチャン、お疲れ様」

 その後はワーチャンとマルのイチャイチャタイムが始まって俺も退散!

 愛が激重のワーチャンの惚気を子守唄代わりにしちゃうなんて~~とハンカチを噛み締めながらマリーのリィちゃんの恋の自覚大作戦はまだまだ続くのであった~……

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