不定期∶王道無糖

加速・D・歩

文字の大きさ
26 / 123
本編

18 試練4回目:赤

しおりを挟む
「──っ!!」

 ハーブ男が走っていくから何かと思ったら“誰か”が倒れてるのが見えた。

「え、これ貴方の仲間ですか?」
「はい、仲間の一人です……このバッジは仲間の証で服装からして──です」
「……にしても、これは……」

 うーん、干からびてるな。ハーブ男が言うには体感だったが5日内の話の筈。サキュバスが出る地下層とはいえ、干からび方が尋常ではないね。少しでも触れれば砂になって消える、そんな感じだ。亡骸を移動させれないので結界だけ張って他の仲間を探す事に。

 妙な緊張感のもと、試練はどんななのかと考えてると──




「この辺りの……あっ、これです。このトラップにやられて……」

 ハーブ男が指をさすのは色とりどりに分かれた床がある場所だった。
 床前にはパネルがあってソユラのネックレスをはめる場所があった。

「トラップではなく試練の場所でしたか」
「試練ですか……?」

 ハーブ男に僕達の話をすると驚かれた。のと同時にだから何も無い自分達は罠に殺られたのかと。
 それは知らんけど、とりまソユラがネックレスをはめると色が4色赤、青、緑、黄色の4つが光る。

「この場所に乗れ、ということですか?」
「でも乗ったら彼らみたいになるんじゃ?」

 よく分からないなこれ。説明プリーズ。単なる戦闘が良かったな。




 色々考えた結果とりあえず、僕達で乗ってみることに。赤だけの床に5人乗る。が、特に何も起きない。他の色にも全員で乗ってみたが特になし。
 4つの床に各々分かれて乗ってみる。
 僕は赤、ソユラは青、ピーチは緑、ペラルタは黄色。リジュはピーチと同じ緑に乗ると少し発光した。

「別れて乗る、は正解?」
「あとは何が?」

「え、俺らも?」
「ここに来たみんなも乗るって事?」

 各パーティーとハーブ男もバラバラで床に乗るとだいたい5、6人で分かれる事に。するとさっきよりも強い光が光ったと思ったら瞬間で別のところに飛ばされた。


「ここは……」
「他の皆は?」


 グオオォォオオッ────!!

 戸惑う赤チームの前に黒いドラゴンが咆哮を上げる。即座に武器を構える。念の為前衛後衛バランスよく分かれてて良かった。ドラゴンの吐く《炎ブレス》息が続く限り吐き続けるのを避け足元に入るが《ストンプ》で踏みつけてくるのをこの前もらった盾で防ぎつつ距離を取る。

 距離を取るとブレスか尻尾が来るから近づきたい。そういや、ドラゴンの弱点は首下辺りに逆鱗っていうのがあってそこを攻撃すると大ダメージになるって聞いたことあるな。一応、《弱点解明》を使うと逆鱗らしき場所と他にも部位破壊っぽいのがちらほら見える。

 一回、狙ってみるか。

「ドラゴンを一瞬でも止める方法持ってる人ー?」
「自分、草や蔦が出せます……けど、相性が……っ」
「燃えるよね。」
「《ライト》で目眩ましはどうでしょうか?」
「うん、じゃ一回やってみて。準備できたら突っ込むから」

 後衛2人に《ライト》の準備をしてもらいつつ前衛と協力して再び首下に移動する。合図が来て一瞬だけ目を瞑ると、ドラゴンはふらっとよろけるのを感じ目をあけて逆鱗を狙うが──


「かてぇ。」
「駄目でしたか」
「《わりと回復》!」

 ソユラが使う回復のをしてもらいつつ、弱点だけあってただ斬りつけるだけじゃ駄目だった。しょうが無い……

「部位破壊をやる」
「部位破壊ですか、……うまくいきますかね?」
「まぁ、動けなくするならこれしかないでしょ」

 後衛の1人にスピードのバフをかけてもらって、《ブレス》が来ると同時に後衛の子に《なんかめっちゃ水魔法》をぶつけて水蒸気で目眩ましのうちにドラゴンの下に潜り込んだあと、[水属性付与油]でコーティングした剣でもう一人の前衛と一緒に尻尾を斬り落とす。

 ドンと床に音をたてながら落ちる尻尾。根元は巨木の丸太ぐらいある。尻尾を切ったことで痛さに暴れるドラゴンを避けつつ距離を取る。

 後衛の一人がダメ元で蔦で羽交い締めにしようとするが瞬間でブチブチと切れてなかなか動きは止められなかった。

「あとは脚や翼とかも破壊対象なんだよな」
「もう一回《ライト》を当ててみます!」

 後衛の2人が詠唱をし、光る玉をドラゴンにぶつけ前衛2人であっちこっち脚と翼を攻撃し、ドラゴンは立てなくなって横に倒れる。

「よし。やっと落ち着いたか。トドメを──」


 逆鱗に攻撃する瞬間、元の4色の床の所に戻ってきた。ここに戻る瞬間、声が聞こえた様な。

『俺の大事なトカゲを殺されては困る』

 ってさ。うーん、なんか聴いた事があるような。他のメンバーも突然戻ったことに戸惑ってる。回復の子が忙しなく回復をして回ってる。
 他のソユラ達は戻ってきてないか。






+メモ

試練4…いつメン以外ともと戦えるか。色別の敵と即座に戦う。

赤:ドラゴン…ブレス技以外に爪や尻尾でも攻撃してくる。それなりに賢い。
《炎ブレス》…炎の魔力を体内で練って吐き出す。赤い火より青い炎よりなのでかなりの高威力技
《ストンプ》…踏みつけ攻撃、地面が割れる威力
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...