22 / 31
和解
しおりを挟む
「タオ殿! レイア嬢が! 早く!!」
目を開けないレイアに寄り添い、必死にタオを呼ぶも、
「そんなに慌てなくても大丈夫だよ。レイアお姉さんの気ははっきりと感じられるでしょ?」
そう言ってこちらに近づいてくるタオの落ち着いた様子を見て、アンドレも少しだけ冷静さを取り戻す。
確かに、感覚を研ぎ澄ませば、レイア嬢の気をしっかり感じ取ることができる。
「ちょっとごめんね」
レイアの側を離れようとしないアンドレを押しのけ、レイアの丹田に手を添えると、タオはレイアの体内にゆっくりと自分の気を流し込んでいく。
体内の乱れた気が整い、レイアがゆっくりとその瞼を開ける。
「⋯⋯タオ、ちゃん?」
自分を上から覗き込むタオを見たレイアが自分の体を起こそうとするも、全身を走る激しい痛みに思わずうめき声を上げる。
「まだ動かない方がいいよ。何本か骨が折れてるからね」
そんなタオの言葉に痛ましそうな目を向けるアンドレと、黙って自分の体内に意識を向けるレイア。
がぁおお~~~
そこに響き渡る獅子の咆哮。
はっと息を呑むアンドレ。
忘れていた訳では無い……忘れていた訳では無いが!
先ほど黄金の獅子に叩き込んだ渾身の一撃には、確かな手応えがあった。
自分の剣も折れてしまったが、恐らく獅子の足も折れている。
その確信があったからこそ、こうしてレイア嬢の側にいるのだ。
これだけ距離が離れていれば、前足の折れた黄金の獅子は襲ってこられない。
それに、この状況で仮に襲ってきたとしても、ここにはタオ殿もいる。
さすがに、この状況でもう一度戦えとは言わないだろう……言わないよなぁ?
そんなことを頭の片隅で考えていたのだが⋯⋯。
((…………!!??))
まるでネメア平原全体を包み込むかのような強大な気配。
先ほどまで戦っていたネメアの獅子などとは比較にならない強い存在感に、知らずアンドレの足は震え、レイアは再び意識を手放しそうになる。
(随分と無様にやられたな)
先ほどまで戦っていた黄金の獅子の隣に現れたのは、黄金に輝く巨大な獅子。
まるで、大人と子供⋯⋯。
いや、文字通り、あの獅子の親なのだろう。
つまり、あれが本物のネメアの獅子で、先ほどまで戦っていたのはネメアの獅子の子供に過ぎなかったということ。
まかりなりにも、あの伝説の魔獣と互角の戦いができたと自惚れていた自分を、殴り飛ばしたい。
これはダメだ……相手が悪すぎる。
この化け物が相手では⋯⋯いくらタオ殿でも、手負いのレイア嬢を庇いながらで、どこまで戦えるか⋯⋯?
(父よ。あの人間どもが! こともあろうにワレの前足に怪我を! 敵を討ってください!)
そんな声が、頭に響いてくる。
ネメアの獅子は、ちゃんと言葉がしゃべれるのだなぁ。
現実逃避気味にそんなことを考えていると⋯⋯。
(この馬鹿者が!!)
まるで雷でも落ちたかのようなネメアの獅子の怒鳴り声に、タオを除く全員が震え上がる。
「まぁまぁ、そんなに怒鳴らなくても。その子だって人間にやられたのは初めてなんだし、仕方ないよ」
(むぅ……。お前もこれで人間の恐ろしさが少しは理解できたであろう。
人間の中にも強い者はいる。そして、この世には我らなどより余程恐ろしい方も数多おるのだ。
東方では、お前のような奴を井の中の蛙大海を知らずという。
これを機に少しは己の分を弁え、無闇に他者を襲うような真似は控えるのだぞ)
そうネメアの獅子が教え諭すものの、息子の方はただ不貞腐れた様子で……。
(……確かに今回はワレも遅れをとりましたが、次は負けません! 第一、今回だって、ワレは女の方を仕留めてますし、男の方にはもう武器もありません。
怪我を押して戦いを続ければ、ワレが勝っていたのです。
決してワレが人などに負けたわけではありません)
そう言ってなおも反発する息子に、怒りを通り越して呆れ果てるネメアの獅子は……。
(わかった。お前がそこまで言うのなら、このまま戦いを続けるがいい。その代わり、たとえお前が殺されるようなことになったとしても、ワレは決して手を貸さぬぞ)
(勿論です。前足の怪我ももう癒てきましたし、怪我人と武器無しを屠るくらい、前足一本あれば十分ですから)
「あれ? 敵は二人だけじゃないよ。ボクのことを忘れてない?」
と、そこにタオが割って入る。
(フッ、お前のような弱々しい子供など、何人いようが何も変わらぬ。二人を倒した後、一緒に喰らってやるから、そこで大人しくしているがいい)
先ほどから、怖いもの知らずにもワレと父との話に首を突っ込んでくる人の子供に、若干の苛つきを持って答えるネメアの獅子ジュニアと、
(この、馬鹿が……)
そう言ってため息を吐くネメアの獅子。
次の瞬間、タオが己の内に抑えていた仙気を解放すると、途端に大気は震え、暴風が巻き起こり、稲妻が鳴り響く。
ネメアの獅子が放つ覇気とタオの放つ仙気がぶつかり合い、天変地異もかくやという状況が巻き起こる。
「では、はじめようか」
そう言って、巾着から太陽の炎を纏った火尖剣を取り出して構えるタオの姿に、思わず耳を伏せて小さく縮こまってしまうネメアの獅子ジュニア。
慌てて逃げようにも、既に周囲はタオの放つ仙気に満たされており、少しでも動けばそれらは万の雷霆と変わり己の肉体を刺し貫くだろう。
どのような剣でも傷つけられぬ無敵の毛皮?
そんなもの、目の前の少女が気まぐれに剣を振るえば、仙術を使えば、それだけでズタズタに斬り裂かれるに決まっている!
それが、本能でわかってしまう。
父は……助力してくれる気配はない。
人になど負けるはずがないと……死んでも文句は無いと……父の助力など必要ないと……父の忠告を無視してそう言い放ったのは自分なのだ。
(あぁ、ワレはここで死ぬのだな……)
思えば、ちょっと前までの自分は随分と思い上がっていたものだ。
自分は死ぬはずがないと、根拠もなくそう考えていた。
自分から手を出した人間に怪我を負わされたにも関わらず、次は負けないだの、そのまま続けていれば勝てただのと……。
弱肉強食が常の自然界において、本来負ければ次などないというのに。
ワレは自分の力に自惚れ、そのような当たり前の危機意識すら失っていたのだな。
「まぁ、この辺でいいかな」
(はい、タオ殿。お陰様で助かりました)
その瞬間、互いに牽制するかのように荒れ狂っていたタオの仙気とネメアの獅子の覇気は消え去り、平原には心地よい風が流れ出す。
「こちらこそ、弟子たちもいい勉強をさせてもらったし、何よりタダってわけでもないしね」
(ええ、お約束通り、ワレの爪は差し上げましょう。ですが、本当にこんなものでよろしいのですか?
ワレとしては、爪研ぎの手間が省けて、逆に助かるくらいなのですが……)
そうにこやかに話すネメアの獅子とタオに、アンドレとレイア、そしてネメアの獅子ジュニアが怪訝な顔をする。
「えっと、もしかして、タオちゃん、ネメアの獅子と知り合いなの?」
そう尋ねるレイアに、
「うん、前に一度だけ会ったことがあってね」
(ワレがヘラ……昔の知り合いの共で東国に行った時に少しな。あの頃から才気あふれる子供だったが、見違えましたぞ)
「そう?」
(ええ、もうワレでは相手にならぬでしょうな)
「そんなことないと思うよ」
和気藹々と話す1人と1匹に、死闘を繰り広げた2人と1匹は揃って脱力するのだった。
目を開けないレイアに寄り添い、必死にタオを呼ぶも、
「そんなに慌てなくても大丈夫だよ。レイアお姉さんの気ははっきりと感じられるでしょ?」
そう言ってこちらに近づいてくるタオの落ち着いた様子を見て、アンドレも少しだけ冷静さを取り戻す。
確かに、感覚を研ぎ澄ませば、レイア嬢の気をしっかり感じ取ることができる。
「ちょっとごめんね」
レイアの側を離れようとしないアンドレを押しのけ、レイアの丹田に手を添えると、タオはレイアの体内にゆっくりと自分の気を流し込んでいく。
体内の乱れた気が整い、レイアがゆっくりとその瞼を開ける。
「⋯⋯タオ、ちゃん?」
自分を上から覗き込むタオを見たレイアが自分の体を起こそうとするも、全身を走る激しい痛みに思わずうめき声を上げる。
「まだ動かない方がいいよ。何本か骨が折れてるからね」
そんなタオの言葉に痛ましそうな目を向けるアンドレと、黙って自分の体内に意識を向けるレイア。
がぁおお~~~
そこに響き渡る獅子の咆哮。
はっと息を呑むアンドレ。
忘れていた訳では無い……忘れていた訳では無いが!
先ほど黄金の獅子に叩き込んだ渾身の一撃には、確かな手応えがあった。
自分の剣も折れてしまったが、恐らく獅子の足も折れている。
その確信があったからこそ、こうしてレイア嬢の側にいるのだ。
これだけ距離が離れていれば、前足の折れた黄金の獅子は襲ってこられない。
それに、この状況で仮に襲ってきたとしても、ここにはタオ殿もいる。
さすがに、この状況でもう一度戦えとは言わないだろう……言わないよなぁ?
そんなことを頭の片隅で考えていたのだが⋯⋯。
((…………!!??))
まるでネメア平原全体を包み込むかのような強大な気配。
先ほどまで戦っていたネメアの獅子などとは比較にならない強い存在感に、知らずアンドレの足は震え、レイアは再び意識を手放しそうになる。
(随分と無様にやられたな)
先ほどまで戦っていた黄金の獅子の隣に現れたのは、黄金に輝く巨大な獅子。
まるで、大人と子供⋯⋯。
いや、文字通り、あの獅子の親なのだろう。
つまり、あれが本物のネメアの獅子で、先ほどまで戦っていたのはネメアの獅子の子供に過ぎなかったということ。
まかりなりにも、あの伝説の魔獣と互角の戦いができたと自惚れていた自分を、殴り飛ばしたい。
これはダメだ……相手が悪すぎる。
この化け物が相手では⋯⋯いくらタオ殿でも、手負いのレイア嬢を庇いながらで、どこまで戦えるか⋯⋯?
(父よ。あの人間どもが! こともあろうにワレの前足に怪我を! 敵を討ってください!)
そんな声が、頭に響いてくる。
ネメアの獅子は、ちゃんと言葉がしゃべれるのだなぁ。
現実逃避気味にそんなことを考えていると⋯⋯。
(この馬鹿者が!!)
まるで雷でも落ちたかのようなネメアの獅子の怒鳴り声に、タオを除く全員が震え上がる。
「まぁまぁ、そんなに怒鳴らなくても。その子だって人間にやられたのは初めてなんだし、仕方ないよ」
(むぅ……。お前もこれで人間の恐ろしさが少しは理解できたであろう。
人間の中にも強い者はいる。そして、この世には我らなどより余程恐ろしい方も数多おるのだ。
東方では、お前のような奴を井の中の蛙大海を知らずという。
これを機に少しは己の分を弁え、無闇に他者を襲うような真似は控えるのだぞ)
そうネメアの獅子が教え諭すものの、息子の方はただ不貞腐れた様子で……。
(……確かに今回はワレも遅れをとりましたが、次は負けません! 第一、今回だって、ワレは女の方を仕留めてますし、男の方にはもう武器もありません。
怪我を押して戦いを続ければ、ワレが勝っていたのです。
決してワレが人などに負けたわけではありません)
そう言ってなおも反発する息子に、怒りを通り越して呆れ果てるネメアの獅子は……。
(わかった。お前がそこまで言うのなら、このまま戦いを続けるがいい。その代わり、たとえお前が殺されるようなことになったとしても、ワレは決して手を貸さぬぞ)
(勿論です。前足の怪我ももう癒てきましたし、怪我人と武器無しを屠るくらい、前足一本あれば十分ですから)
「あれ? 敵は二人だけじゃないよ。ボクのことを忘れてない?」
と、そこにタオが割って入る。
(フッ、お前のような弱々しい子供など、何人いようが何も変わらぬ。二人を倒した後、一緒に喰らってやるから、そこで大人しくしているがいい)
先ほどから、怖いもの知らずにもワレと父との話に首を突っ込んでくる人の子供に、若干の苛つきを持って答えるネメアの獅子ジュニアと、
(この、馬鹿が……)
そう言ってため息を吐くネメアの獅子。
次の瞬間、タオが己の内に抑えていた仙気を解放すると、途端に大気は震え、暴風が巻き起こり、稲妻が鳴り響く。
ネメアの獅子が放つ覇気とタオの放つ仙気がぶつかり合い、天変地異もかくやという状況が巻き起こる。
「では、はじめようか」
そう言って、巾着から太陽の炎を纏った火尖剣を取り出して構えるタオの姿に、思わず耳を伏せて小さく縮こまってしまうネメアの獅子ジュニア。
慌てて逃げようにも、既に周囲はタオの放つ仙気に満たされており、少しでも動けばそれらは万の雷霆と変わり己の肉体を刺し貫くだろう。
どのような剣でも傷つけられぬ無敵の毛皮?
そんなもの、目の前の少女が気まぐれに剣を振るえば、仙術を使えば、それだけでズタズタに斬り裂かれるに決まっている!
それが、本能でわかってしまう。
父は……助力してくれる気配はない。
人になど負けるはずがないと……死んでも文句は無いと……父の助力など必要ないと……父の忠告を無視してそう言い放ったのは自分なのだ。
(あぁ、ワレはここで死ぬのだな……)
思えば、ちょっと前までの自分は随分と思い上がっていたものだ。
自分は死ぬはずがないと、根拠もなくそう考えていた。
自分から手を出した人間に怪我を負わされたにも関わらず、次は負けないだの、そのまま続けていれば勝てただのと……。
弱肉強食が常の自然界において、本来負ければ次などないというのに。
ワレは自分の力に自惚れ、そのような当たり前の危機意識すら失っていたのだな。
「まぁ、この辺でいいかな」
(はい、タオ殿。お陰様で助かりました)
その瞬間、互いに牽制するかのように荒れ狂っていたタオの仙気とネメアの獅子の覇気は消え去り、平原には心地よい風が流れ出す。
「こちらこそ、弟子たちもいい勉強をさせてもらったし、何よりタダってわけでもないしね」
(ええ、お約束通り、ワレの爪は差し上げましょう。ですが、本当にこんなものでよろしいのですか?
ワレとしては、爪研ぎの手間が省けて、逆に助かるくらいなのですが……)
そうにこやかに話すネメアの獅子とタオに、アンドレとレイア、そしてネメアの獅子ジュニアが怪訝な顔をする。
「えっと、もしかして、タオちゃん、ネメアの獅子と知り合いなの?」
そう尋ねるレイアに、
「うん、前に一度だけ会ったことがあってね」
(ワレがヘラ……昔の知り合いの共で東国に行った時に少しな。あの頃から才気あふれる子供だったが、見違えましたぞ)
「そう?」
(ええ、もうワレでは相手にならぬでしょうな)
「そんなことないと思うよ」
和気藹々と話す1人と1匹に、死闘を繰り広げた2人と1匹は揃って脱力するのだった。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
裏切り者達に復讐を…S級ハンターによる最恐育成計画
みっちゃん
ファンタジー
100年前、異世界の扉が開き、ハンターと呼ばれる者達が魔物達と戦う近未来日本
そんな世界で暮らすS級ハンターの
真田優斗(さなだゆうと)は異世界の地にて、仲間に裏切られ、見捨てられた
少女の名はE級ハンターの"ハルナ•ネネ"を拾う。
昔の自分と重なった真田優斗はハルナ•ネネを拾って彼女に問いかける。
「俺達のギルドに入りませんか?」
この物語は最弱のE級が最強のS級になり、裏切った者達に復讐物語である。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる