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王女様! 転生者?
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そうかぁ……。
レイ、王女様だったんだね。
いつも颯爽としていて、食事の所作とかは上品だし、まるで王子様みたいって思ってたんだけど……。
そうかぁ、王子様ではなく、王女様だったかぁ……。
そうなると、やっぱりレイとは距離を置くべき?
わたしが転生者だってこと、王家にバレるわけにはいかないし……。
あれ? でも、レイって、無理やり結婚させられそうになって、家出してきたって言ってたような……。
レイの言う“よくある家庭の事情”がまさか、ノーム王国の王位継承問題だったとは……。
でも、それなら、仮にレイにわたしが転生者だってバレても、レイの口から王家に通報されちゃうことはないってことだよね。
なら、安心……だよね?
せっかくできた友達だし、できればレイとは今後も仲良くしたいと思っている。
王家に囲われちゃうのはごめんだけど、冒険者としてレイと異世界を旅するって未来は……ありだよね!
よし、そのためにも、がんばって王家流武術を覚えよう!
休憩時間を終えたわたしは、こうして再び本の世界に没頭していくのだった。
ノーム王家流正統武術は、当然剣術や魔術といった戦闘技能がメインだけど、実はそれだけではない。
ノーム王家流正統武術なんて偉そうな名前がついてるけど、元をただせばユーヤのチート武器がユーヤに授けたサバイバル技術だからね。
転生者のユーヤが過酷な異世界の環境で死んでしまわないように、剣とか魔法とか様々な知識や技能を剣がユーヤに教え込んで、それがノーム王家流正統武術として後世に伝えられたってわけ。
結局、何が言いたいかっていうと、本来のノーム王家流正統武術には、直接的な戦闘技術以外の、いわゆるサバイバル技術全般も含まれているってこと。
大樹海での野営の仕方、索敵の仕方、安全確保の仕方、そういったサバイバル技術全般についても、この本には詳しく書かれていた。
あっ、魔物解体は別ね。これについてだけは、今のわたしは神レベルだから、書かれている内容は基本中の基本にしか見えなかった。
でも、そう考えると、かなり詳しく書かれているように見える他のサバイバル技術も、やっぱり技術としては基本中の基本なのかもしれない。
こんなに覚える必要があるの? ではなく、死にたくなければこのくらいは知っとけってレベルなのかも……。
講習の最後には野外実習もある。
手を抜かずに、戦闘技術以外のところも、しっかりと勉強しておこう。
………………
こうしてまた、長~~~~~~い時間をかけて新たに戦闘スキルを習得したわたしは、感覚的には随分と久しぶりの冒険者ギルドの寮に戻って、いつぶりかの安眠を貪るのだった。
>
その頃、リコと別れて寮の自室に戻ったレイは、改めて今日のリコの様子に思いを巡らせる。
本当に、今日のリコには驚かされた。
まさか、リコにあれほどの解体技術があったとは思わなかったな。
そもそも、過去に保護されたほとんどの転生者は、あの解体現場に耐えられなかったと聞いていたのに……。
なんでも、転生者たちの住んでいた国では、一部の専門職を除けば、一般人が生き物の腹を割くなどの作業をすることはまずないらしい。
王侯貴族ならともかく、それで一般人がどうやって生活できるのかは謎だが、とにかく、ほとんどの国民は小動物の内臓すら取り出した経験を持たないという。
そんな世界から来た彼らだから、戦闘技術云々に関係なく、大抵の転生者は初めて見る解体の様子に耐えられないそうだ。
だからこそ、魔物解体の実習は転生者かどうかを見定める一つの目安となる……なるのだが!
なんなんだ、あの技術は!?
解体のときに見せたあのナイフ捌きは、既に達人といっていいレベルだった。
もしかしたら、ナイフの扱いに特別な加護を持っているのか?
たとえそうだとしても、技術的に可能かどうかと生理的に受け付けるかどうかは別のはずだ。
確かに、実際に解体をしたのは今日の話で、昨日の段階ではリコは見学に徹していた。
それでも、他の解体職人の仕事ぶりを見つめる目は真剣で、そこに嫌悪感のようなものは見られなかったと思う。
であれば、単なる私の思い過ごしで、リコは転生者ではないのか?
ガイ先生が指摘していた通り、何処かで解体に関わる仕事をしていて、何かの事情で我が国にやって来たということか?
確かにそれでも辻褄は合うが、やはり違和感を感じる。
解体実習の後、リコに頼まれて付き合った訓練棟での自主練。
付き合ったといっても、実際に訓練をしたのは私だけで、リコはずっと私の訓練を見学しているだけだったが……。
当初、明日に備えて剣術を教えて欲しいと言い出したリコに応えて、訓練棟に行ったわけだが……。
今日、私はリコに剣術の手解きをすることを早々に諦めた。
リコは、剣を怖がっていたから。
剣とは凶器だ。扱いを間違えば簡単に自分自身をも傷つける。
だから、武器を扱い慣れていないものが、本能的に武器に恐怖心を持つのは当然なのだが……。
それでも、この世界の人間にとって、剣は日常的に存在するものだ。
冒険者や兵士はもちろん、それが戦闘とは関係ない一般家庭であっても、万が一の護身用にと、家に剣が置かれていることは決して珍しくはない。
それなのに、リコは剣を怖がった。
別に自分に剣が向けられたわけでもなく、ただ私が剣を鞘から抜いて、刀身を眺めているだけの状態でだ。
そんな状態だったから、まずはリコに剣というものに慣れてもらおうと、殺傷行為を連想しにくい“剣舞”というかたちで、剣の扱いを見てもらったのだが……。
あの怖がりようも、特に女性の転生者にはよく見られる特徴なのだが……。
いや、一部の女性転生者の中には、初めから刀剣に異常に興味を持つ者もいたそうだから、これは転生者に共通する特徴というわけでもないのか……。
リコが転生者であるかは不明だが……。
いずれにせよ、リコを放っておくわけにはいかない。
王家の責務云々ではなく、どうも放って置けないのだ。
言葉の端端からは教育の高さが窺われ、内向的ではあるが非常にしっかりしている。
それなのに、私にはリコが非常に危なっかしくも見えるのだ。
それが転生者故なのか、元々のリコの気質なのかはわからないが……。
とにかく! リコの面倒は私がしっかり見ていかないと。
レイ、王女様だったんだね。
いつも颯爽としていて、食事の所作とかは上品だし、まるで王子様みたいって思ってたんだけど……。
そうかぁ、王子様ではなく、王女様だったかぁ……。
そうなると、やっぱりレイとは距離を置くべき?
わたしが転生者だってこと、王家にバレるわけにはいかないし……。
あれ? でも、レイって、無理やり結婚させられそうになって、家出してきたって言ってたような……。
レイの言う“よくある家庭の事情”がまさか、ノーム王国の王位継承問題だったとは……。
でも、それなら、仮にレイにわたしが転生者だってバレても、レイの口から王家に通報されちゃうことはないってことだよね。
なら、安心……だよね?
せっかくできた友達だし、できればレイとは今後も仲良くしたいと思っている。
王家に囲われちゃうのはごめんだけど、冒険者としてレイと異世界を旅するって未来は……ありだよね!
よし、そのためにも、がんばって王家流武術を覚えよう!
休憩時間を終えたわたしは、こうして再び本の世界に没頭していくのだった。
ノーム王家流正統武術は、当然剣術や魔術といった戦闘技能がメインだけど、実はそれだけではない。
ノーム王家流正統武術なんて偉そうな名前がついてるけど、元をただせばユーヤのチート武器がユーヤに授けたサバイバル技術だからね。
転生者のユーヤが過酷な異世界の環境で死んでしまわないように、剣とか魔法とか様々な知識や技能を剣がユーヤに教え込んで、それがノーム王家流正統武術として後世に伝えられたってわけ。
結局、何が言いたいかっていうと、本来のノーム王家流正統武術には、直接的な戦闘技術以外の、いわゆるサバイバル技術全般も含まれているってこと。
大樹海での野営の仕方、索敵の仕方、安全確保の仕方、そういったサバイバル技術全般についても、この本には詳しく書かれていた。
あっ、魔物解体は別ね。これについてだけは、今のわたしは神レベルだから、書かれている内容は基本中の基本にしか見えなかった。
でも、そう考えると、かなり詳しく書かれているように見える他のサバイバル技術も、やっぱり技術としては基本中の基本なのかもしれない。
こんなに覚える必要があるの? ではなく、死にたくなければこのくらいは知っとけってレベルなのかも……。
講習の最後には野外実習もある。
手を抜かずに、戦闘技術以外のところも、しっかりと勉強しておこう。
………………
こうしてまた、長~~~~~~い時間をかけて新たに戦闘スキルを習得したわたしは、感覚的には随分と久しぶりの冒険者ギルドの寮に戻って、いつぶりかの安眠を貪るのだった。
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その頃、リコと別れて寮の自室に戻ったレイは、改めて今日のリコの様子に思いを巡らせる。
本当に、今日のリコには驚かされた。
まさか、リコにあれほどの解体技術があったとは思わなかったな。
そもそも、過去に保護されたほとんどの転生者は、あの解体現場に耐えられなかったと聞いていたのに……。
なんでも、転生者たちの住んでいた国では、一部の専門職を除けば、一般人が生き物の腹を割くなどの作業をすることはまずないらしい。
王侯貴族ならともかく、それで一般人がどうやって生活できるのかは謎だが、とにかく、ほとんどの国民は小動物の内臓すら取り出した経験を持たないという。
そんな世界から来た彼らだから、戦闘技術云々に関係なく、大抵の転生者は初めて見る解体の様子に耐えられないそうだ。
だからこそ、魔物解体の実習は転生者かどうかを見定める一つの目安となる……なるのだが!
なんなんだ、あの技術は!?
解体のときに見せたあのナイフ捌きは、既に達人といっていいレベルだった。
もしかしたら、ナイフの扱いに特別な加護を持っているのか?
たとえそうだとしても、技術的に可能かどうかと生理的に受け付けるかどうかは別のはずだ。
確かに、実際に解体をしたのは今日の話で、昨日の段階ではリコは見学に徹していた。
それでも、他の解体職人の仕事ぶりを見つめる目は真剣で、そこに嫌悪感のようなものは見られなかったと思う。
であれば、単なる私の思い過ごしで、リコは転生者ではないのか?
ガイ先生が指摘していた通り、何処かで解体に関わる仕事をしていて、何かの事情で我が国にやって来たということか?
確かにそれでも辻褄は合うが、やはり違和感を感じる。
解体実習の後、リコに頼まれて付き合った訓練棟での自主練。
付き合ったといっても、実際に訓練をしたのは私だけで、リコはずっと私の訓練を見学しているだけだったが……。
当初、明日に備えて剣術を教えて欲しいと言い出したリコに応えて、訓練棟に行ったわけだが……。
今日、私はリコに剣術の手解きをすることを早々に諦めた。
リコは、剣を怖がっていたから。
剣とは凶器だ。扱いを間違えば簡単に自分自身をも傷つける。
だから、武器を扱い慣れていないものが、本能的に武器に恐怖心を持つのは当然なのだが……。
それでも、この世界の人間にとって、剣は日常的に存在するものだ。
冒険者や兵士はもちろん、それが戦闘とは関係ない一般家庭であっても、万が一の護身用にと、家に剣が置かれていることは決して珍しくはない。
それなのに、リコは剣を怖がった。
別に自分に剣が向けられたわけでもなく、ただ私が剣を鞘から抜いて、刀身を眺めているだけの状態でだ。
そんな状態だったから、まずはリコに剣というものに慣れてもらおうと、殺傷行為を連想しにくい“剣舞”というかたちで、剣の扱いを見てもらったのだが……。
あの怖がりようも、特に女性の転生者にはよく見られる特徴なのだが……。
いや、一部の女性転生者の中には、初めから刀剣に異常に興味を持つ者もいたそうだから、これは転生者に共通する特徴というわけでもないのか……。
リコが転生者であるかは不明だが……。
いずれにせよ、リコを放っておくわけにはいかない。
王家の責務云々ではなく、どうも放って置けないのだ。
言葉の端端からは教育の高さが窺われ、内向的ではあるが非常にしっかりしている。
それなのに、私にはリコが非常に危なっかしくも見えるのだ。
それが転生者故なのか、元々のリコの気質なのかはわからないが……。
とにかく! リコの面倒は私がしっかり見ていかないと。
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