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第1章 幼児期
第16話 天使がいてキャラが保てそうにないです
しおりを挟む「えーと、確か私が話しかけるまでは精霊魔法の練習をしようとしてたわよね?」
「ああ、そうだが」
「そのことについて少し聞きたいことがあるのだけど」
「なんだよ」
「あなたルナちゃんに早速やってみろって言ってたけどさ…精霊の力なしにどうやって精霊魔法を使わせようとしたのかしら?」
「あ、」
「あ、じゃないわよ!全く…ルナちゃん、レオちゃん私の掌に手をあわせて」
「レオちゃん……」
(お兄ちゃんがお母さん以外にレオちゃんって呼ばれてる…)
「あ、もしかして嫌だった?」
「いや、普段呼ばれないから新鮮で…えと、これでいいんですか?」
「あい!」
2人はヒーリアの掌に手を合わせた
「そうそう!じゃあ行くわよ?」
そう言ってレオルードとルナティアナの手にヒーリアは自分の魔力を移動させた
「わっわ!」
「うあ!?」
「ふふっ、びっくりした?」
2人は驚きのあまり固まった。
そして初めに我に戻ったレオルードがぽそりと静かに言った
「凄い…」
その言葉を聞いて固まったままだったルナティアナも元に戻り、段々と笑顔になってついにははしゃぎ出した
「なにこえ!しゅごーい!!」
ルナティアナは興奮してジャンプしながらレオルードの方を向いたりヒーリアの方を向いたりと、忙しなく動いていた
「でしょ?今のが精霊魔力。そしてこれは、私たち精霊が普段使っている精霊魔法を使うために必要なもの」
「「ふむふむ」」
「で、あなた達はこれを上手く自分の魔力と練り合わせないと人間が使う精霊魔法は使えない」
「なるほど」
「ねぇねぇ、しょれってむーかしぃー?」
(できるだけ早く習得すれば、なんか色々対応とかもできそうだし、それで悪役バッドエンド回避じゃ!)
「そうね。練習して使えるようになるまでは、天才の魔術師でも早くて5年、遅くて12年くらいかしら」
「「えぇ…」」
「ちなみに普通の魔術師は早いと15年、遅くて25年近くね」
「そんなに難しいの!?」
「ひえぇ…」
(天才と凡人でそんな差が出んの!?どうか自分の才能が天才の方でありますように!)
「あ、でも練習する前に、精霊と契約をするっていう条件が必要だけどね」
(そりゃ当たり前だわ)
「それは当たり前だよ」
2人はは無表情でツッコミを入れた。
ルナティアナに至っては脳内で思いっきり漫才のような動きをしてツッコミを入れていた
「まぁそうよね。ってことで」
「ってことで?」
「そこに置き去りにされてる精霊2人と一緒に精霊魔法が使えるようになるまで練習しましょ!」
「「俺(僕)は置き去りになんてされてない!」」
「あははっ!」
(あの二人ヒーリアに遊ばれてる気がする…)
「おい、そろそろ6時だぞ」
ロクーレムが2人に告げる
「え、うしょ」
「20分くらい前に確認に行ったからほんと」
「いちゅのまに…」
「ふふんっ!俺を褒めろ!」
「よしよし。よくやったな!褒めてつかわそう!」
「おいレオ!上から目線で言って欲しいなんて誰も言ってない!」
「え?じゃあ…」
唐突にロクーレムを抱き抱えて頭をわしゃわしゃかき混ぜるように撫で始めた
「よく頑張ったなーロクーレム!」
「…それならいい」
ロクーレムはふにゃっとした顔で撫でられたかと思えば、レオルードの胸に頭をグリグリとし初めた
(いいんかいっ!ってかギャップありすぎ!天使ぃっ!)
ルナティアナはそんな二人を見ていたら、後ろから何かが来る気配を感じて振り返った
「あ、にゃんらみううぇか。ろーしたょ?」
ルナティアナは先程の感情が表に出ないように必死に留めて聞いた
ミルヴェは恥ずかしそうに照れて、少し俯きながら言った
「僕もロクーレムみたいに撫でて欲しい…」
(え、川、あ、漢字間違えた。もうダメだ。可愛い天使にやられて語彙とか色々飛んでく…)
「…ねぇみううぇ…しゃんじゅっしぇんいぐあいおーきうなえう…?」
「え、うん」
そして言われた通り10センチ位だった体を大きくして計40センチ位になったミルヴェの所にルナティアナはフラフラしながら歩いていくと、ギュッと抱きしめて頭を撫でた
「……」
ミルヴェはとても満足そうな感じで、微笑みを浮かべた顔でルナティアナに抱きついた。
ルナティアナもニコニコ笑顔で抱きしめている
そこにヒーリアとロクーレムとレオルードも混ざってきた
(…神様…このお兄ちゃんとミルヴェとロクーレムとヒーリア達という可愛い癒しに合わせてくれてありがとう…)
周りはまるで花が飛んでいそうな程にほわほわとしていた
この5人のことをたまたま見かけた使用人たちは…
(((可愛い天使がいる!)))
と、バレない程度に仕事しながらガン見していた
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