誰かのミライ

ミライ

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誰かの日記

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暇な1日を
たまには大きな図書館で過ごす
社会人の男性

特に誰かとの約束もなければ
ゲームセンター等に1人で行こうと言う
そんな感情も起きないが

家で1人でいるのは寂しい

学生時代にお世話になった
図書館で思い出に浸りながら

多く並んだ本を眺めながら静かに歩く

特に調べ物も
勉強したい事も
今は何もないが
何となくで

とりあえず読む本を探す

すると視線の先で
タイトルの無い本に出会う……

その本は普通に市販されている
日記帳のようだ

夏休みの宿題で使った記憶がある

誰かの忘れ物か?本を返す時に
一緒に本棚に入れちゃったんだな……

その本を手に取り
悪いと思いながらもその場でパラパラと
簡易的にめくる

テキトーにめくったページには
日付と殴り書きした英語のような字が
書いてある

なんだコレ?と思い
次のページには

大きく書かれた謎の字の横に
これで決定!と
書かれている

どうやらサインの練習のようだ

ついその場でぷはっ!と笑ってしまった

学生あるある
将来に夢を見て
意味もなくしてしまう

今となっては誰にも見られなくない
恥ずかしい黒歴史の1つだろう

見てしまって悪いと思いながらも
見てしまった以上
もう少し見てやるか

そんな気分でその本をそのまま
テーブル席に持って行き

改めて始めから読んでみることにした

どこの誰の日記かは、わからないが
興味を持ってしまった

学生時代のノリで
友人を茶化すように
その日記を開く
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