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5話 月曜の章 「最初の試練と互いの劣等感」
ヒロタ編 1&リューマ編 1
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ーー
ヒロタ
「なぁカスミ、あいつは基本どこにいるんだ?」
ヒロタ達五人は学園を出て、道なりに歩きだす。そして、道が二手に別れたときヒロタはカスミにそう聞きだす。
すると、カスミはこう答える。
カスミ
「いつもは山の頂上に近い、人間の住みかと離れている山奥にいるんらしいんだけど、この季節は山を降りてあそこのところまで降りて来るの。私、実は...、お婆ちゃんに引き取られる前に1回だけ鬼に襲われたことがある。...5歳の時ね。」
とカスミは大きく先が尖った山の中腹より下を指さした。
そして、そのカスミの指と表情は恐怖のごとく震えていた。
カスミ
「ごめん、本当はね、もう二度と遭いたくないって思ってたんだ、...怖くて...。」
よほどのトラウマだったのだろう。ヒロタ達は皆、そう理解する。そそくさと目的地を目指しながら、ヒロタはカスミを励ます。
ヒロタ
「そうだよな、人間、怪物にでも襲われでもしたらそりゃ怖いわ。一緒に来てくれてありがとうな。」
ゲイル「...けど、引き取られる前っつうのは?」
エース「俺も初耳だ、どういうことだ?」
皆そこが気になったのか、カスミにその事を尋ねた。
カスミ
「そのときまでは孤児っていうのかな?物心ついたときはずっと一人だった。3歳の時だった...。」
四人は足を運びながら、一緒に歩いているカスミの話を聞く。
ーー
ーー
物心ついたとき、気づくと私の周りには木々たちに囲まれていた。
その物心ついた時の3歳の頃、私は気づけば丈夫にしっかりと歩けていた。
そして、あのときの自分が分からなかった滝の音が聞こえた。
いってみると綺麗だった。純粋な気持ちだった。
お腹が空いた。...水を飲もう。...飲んだ。
...また飲もう。...お腹が空いた。...また飲もう。
これを一年間繰り返していたわ。"食べ物"がわからないから...。でも、ある日、"食べ物"が何なのかを理解したの。
そのきっかけが"鬼"に襲われたことだよ、四歳の頃だった。
私、あのときは怖かったから安全なところまで逃げた。
木と木の間に私は隠れてやり過ごそうとした、
けれど、足音が迫ってきてその怪物の正体を見た。
そして、怪物と目が合った。
私が"それ"を見て目をふさいで泣き叫んでいたときふと、怪物の雄叫びが弱々しく遠ざかって行ったような気がした。
目を覆い隠した手を開いて目を開けると、そこに一人の
お婆ちゃんがいたの。
まさかお婆ちゃんが鬼を倒すなんて思わないけど、....助けてくれたの、お婆ちゃんが....。
そして、私はお婆ちゃんに拾われて、ご飯を食べさせてくれて初めて"食べ物"を知ったの。ーーー
ーーカスミが自分を育てた祖母の事を話終えると、長く話したのだろうか、時間を置いて話していたのか、いつのまにか山の中腹にたどり着いた。そして、話を知ったヒロタはカスミも同じ境遇だったんだと、とても共感した。そしてヒロタはこう言う。
ヒロタ
「その話、とても共感したぜ、...親の顔も見ずに物心ついちまったから、親の顔も知らないんだよな?俺達もそうだった。」
ゲイル
「まぁな、親の顔を知ってから入ってきたっていうやつもいるけどな....」
マリカ
「アタシも知らずに育った。...二歳の頃に同い年のケイトと1つ下のマサノリと一緒に孤児院に入ってきて、その時はヒロタもゲイルともそこで出会った。
そんで時が流れて、ルーカス、アリスとイルマ、そしてアルフレドが入ってきて、今までずっとそのメンバーで暮らしてきた。」
エース
「寮母さんとかはいたのか?」
ヒロタ
「ああ、バルスさんとユリアさん、二人とも分け隔てなく接してくれた、大切な人なんだ。」
ゲイル
「バルスさん達、今大丈夫だろうか?」
ゲイルに続いてマリカも振り返るように過去の事を話した。
そして、ゲイルの言葉にヒロタもマリカも育ての親を心配する。
そんな三人にエースはこう言う。
エース
「大丈夫、きっと無事でいるさ...俺だって信じている。行方のしれない両親達を...。」
ゲイル「あ....そうだな。」
エースの言葉にゲイルはそうだなと肯定する。
生きてるかわからない、けど生きてると信じることで力の源となる。それを理解し、五人は前へ前へと進む。すると、
リューマ「「はあああああ!!」」
??「「ごーーーー.....!!」」
突然リューマの活気ある力む声と謎の雄叫びがすぐ近くの洞窟から聞こえてきた。
マリカ「ちょ!?今の声マジなに?」
エース「もしかして、"鬼"か?」
カスミ「うん、間違いない。」
ヒロタ
「行こうぜ、リューマを助けるために!」
ヒロタがそう言うと四人は返事をして洞窟へと駆け出す。
ーー
ーー
リューマ「はぁぁぁぁぁ!!」
鬼「ごーーーー!!」
リューマ「がはぁ...!」
リューマは"鬼"という敵に遭遇し、戦っていた。
しかし、怪物相手に全く歯が立たなかった。
軽く受け流されてしまい、呆気なく大打撃を受ける。
リューマ
「畜生!全く叶わねえ、この学園でカグツチをずっと相手にできるような俺じゃないとダメなんだ!!はぁぁぁぁぁ!!」
このままではカグツチに、いや、全員に追い越されるかもしれない。そう思う度に何度も怪物に向かって駆けていく。
ーーー
ーーー
五人「はあはあはあ...」
五人がその先の奥まで走っていくと、リューマと6mを超える大きさの頭に角が二つついた、二つ出っ歯が鋭い怪物が闘っていた。
その怪物は何か理性を失っている程怒り狂っているようであった。
そんな存在に危機感を感じたのか、闘いをやめさせようとヒロタが彼の名を呼ぼうとしたその時、
シュッシャキーン
全員「!!」
ふと、何者かが手裏剣のような形の武器を使って鬼をたった1回で一刀両断にしてしまった。その発生源を見つけていくと、
リューマ「...カグツチ!」
ーーー
ヒロタ
「なぁカスミ、あいつは基本どこにいるんだ?」
ヒロタ達五人は学園を出て、道なりに歩きだす。そして、道が二手に別れたときヒロタはカスミにそう聞きだす。
すると、カスミはこう答える。
カスミ
「いつもは山の頂上に近い、人間の住みかと離れている山奥にいるんらしいんだけど、この季節は山を降りてあそこのところまで降りて来るの。私、実は...、お婆ちゃんに引き取られる前に1回だけ鬼に襲われたことがある。...5歳の時ね。」
とカスミは大きく先が尖った山の中腹より下を指さした。
そして、そのカスミの指と表情は恐怖のごとく震えていた。
カスミ
「ごめん、本当はね、もう二度と遭いたくないって思ってたんだ、...怖くて...。」
よほどのトラウマだったのだろう。ヒロタ達は皆、そう理解する。そそくさと目的地を目指しながら、ヒロタはカスミを励ます。
ヒロタ
「そうだよな、人間、怪物にでも襲われでもしたらそりゃ怖いわ。一緒に来てくれてありがとうな。」
ゲイル「...けど、引き取られる前っつうのは?」
エース「俺も初耳だ、どういうことだ?」
皆そこが気になったのか、カスミにその事を尋ねた。
カスミ
「そのときまでは孤児っていうのかな?物心ついたときはずっと一人だった。3歳の時だった...。」
四人は足を運びながら、一緒に歩いているカスミの話を聞く。
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物心ついたとき、気づくと私の周りには木々たちに囲まれていた。
その物心ついた時の3歳の頃、私は気づけば丈夫にしっかりと歩けていた。
そして、あのときの自分が分からなかった滝の音が聞こえた。
いってみると綺麗だった。純粋な気持ちだった。
お腹が空いた。...水を飲もう。...飲んだ。
...また飲もう。...お腹が空いた。...また飲もう。
これを一年間繰り返していたわ。"食べ物"がわからないから...。でも、ある日、"食べ物"が何なのかを理解したの。
そのきっかけが"鬼"に襲われたことだよ、四歳の頃だった。
私、あのときは怖かったから安全なところまで逃げた。
木と木の間に私は隠れてやり過ごそうとした、
けれど、足音が迫ってきてその怪物の正体を見た。
そして、怪物と目が合った。
私が"それ"を見て目をふさいで泣き叫んでいたときふと、怪物の雄叫びが弱々しく遠ざかって行ったような気がした。
目を覆い隠した手を開いて目を開けると、そこに一人の
お婆ちゃんがいたの。
まさかお婆ちゃんが鬼を倒すなんて思わないけど、....助けてくれたの、お婆ちゃんが....。
そして、私はお婆ちゃんに拾われて、ご飯を食べさせてくれて初めて"食べ物"を知ったの。ーーー
ーーカスミが自分を育てた祖母の事を話終えると、長く話したのだろうか、時間を置いて話していたのか、いつのまにか山の中腹にたどり着いた。そして、話を知ったヒロタはカスミも同じ境遇だったんだと、とても共感した。そしてヒロタはこう言う。
ヒロタ
「その話、とても共感したぜ、...親の顔も見ずに物心ついちまったから、親の顔も知らないんだよな?俺達もそうだった。」
ゲイル
「まぁな、親の顔を知ってから入ってきたっていうやつもいるけどな....」
マリカ
「アタシも知らずに育った。...二歳の頃に同い年のケイトと1つ下のマサノリと一緒に孤児院に入ってきて、その時はヒロタもゲイルともそこで出会った。
そんで時が流れて、ルーカス、アリスとイルマ、そしてアルフレドが入ってきて、今までずっとそのメンバーで暮らしてきた。」
エース
「寮母さんとかはいたのか?」
ヒロタ
「ああ、バルスさんとユリアさん、二人とも分け隔てなく接してくれた、大切な人なんだ。」
ゲイル
「バルスさん達、今大丈夫だろうか?」
ゲイルに続いてマリカも振り返るように過去の事を話した。
そして、ゲイルの言葉にヒロタもマリカも育ての親を心配する。
そんな三人にエースはこう言う。
エース
「大丈夫、きっと無事でいるさ...俺だって信じている。行方のしれない両親達を...。」
ゲイル「あ....そうだな。」
エースの言葉にゲイルはそうだなと肯定する。
生きてるかわからない、けど生きてると信じることで力の源となる。それを理解し、五人は前へ前へと進む。すると、
リューマ「「はあああああ!!」」
??「「ごーーーー.....!!」」
突然リューマの活気ある力む声と謎の雄叫びがすぐ近くの洞窟から聞こえてきた。
マリカ「ちょ!?今の声マジなに?」
エース「もしかして、"鬼"か?」
カスミ「うん、間違いない。」
ヒロタ
「行こうぜ、リューマを助けるために!」
ヒロタがそう言うと四人は返事をして洞窟へと駆け出す。
ーー
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リューマ「はぁぁぁぁぁ!!」
鬼「ごーーーー!!」
リューマ「がはぁ...!」
リューマは"鬼"という敵に遭遇し、戦っていた。
しかし、怪物相手に全く歯が立たなかった。
軽く受け流されてしまい、呆気なく大打撃を受ける。
リューマ
「畜生!全く叶わねえ、この学園でカグツチをずっと相手にできるような俺じゃないとダメなんだ!!はぁぁぁぁぁ!!」
このままではカグツチに、いや、全員に追い越されるかもしれない。そう思う度に何度も怪物に向かって駆けていく。
ーーー
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五人「はあはあはあ...」
五人がその先の奥まで走っていくと、リューマと6mを超える大きさの頭に角が二つついた、二つ出っ歯が鋭い怪物が闘っていた。
その怪物は何か理性を失っている程怒り狂っているようであった。
そんな存在に危機感を感じたのか、闘いをやめさせようとヒロタが彼の名を呼ぼうとしたその時、
シュッシャキーン
全員「!!」
ふと、何者かが手裏剣のような形の武器を使って鬼をたった1回で一刀両断にしてしまった。その発生源を見つけていくと、
リューマ「...カグツチ!」
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