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5話 月曜の章 「最初の試練と互いの劣等感」
リューマ編 4&ヒロタ編 3
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ーー夜になり寮はすっかりと暗くなった。
3階にあるバルコニーに入ってその左右後ろに屋上へと伝う階段があり、その屋上は中心に大きいベルが飾られている。
まさに憩いの場所にピッタリなスポット。
そう思い屋上に行ったことがないリューマはカグツチと共に、自分の部屋から屋上へとたどり着いた頃だった。
バルコニーの出入り口の上にある屋上の白い手すりにビシッと立ったまま空を眺めていたリューマ。
カグツチ「...考え事でござるか?」
リューマ「!カグツチ...。」
そこにリューマからみて右側の階段からカグツチの声が聞こえた。リューマの隣に寄り添うと、カグツチはリューマに改まって言葉を紡ぐ。
カグツチ
「...本当は某も悔しかったのですぞ、
そなたの覇気の前では到底、な...。」
リューマ「?どういうことだ?」
カグツチ
「リューマ殿は剣術に対して非常に熱心であらせられる。その奮えたるその魂、その信念。某はその力にやむ無く負けてしまった。しかし、某も同じ力を持っていたとしたら某は勝っていたでしょう。けれどそうならなかった理由は..。」
先程まで空を眺めていたカグツチは言い終わると同時に
今度はバルコニーを覗いて次々と言葉を紡ぐ。
カグツチ
「その心の力がそなたより劣っていた。気のもちようではあるのだが、それなりに情熱と言うものはしっかりと持っていたつもり..、なぜ負けたのか。..今までそんなことを嫉妬しながら考えていた。」
またカグツチは掴んでいた白い手すりに手を離し、今度は真正面を向いて話す。
カグツチ
「けれど、カスミ殿とあの怪物の話し合いを聴いて考えを変えたのだ。...相手は相手、自分は自分..時に
リューマ殿、"剣術には個性はないのか?"某は在っても良いと思うた。..これからも手合わせ願いたい。」
そして体ごとリューマの方を向き直り、
カグツチ
「"リューマ殿のすべてを超える"ではなく、自分なりの業で...自分なりの信念で同等に勝負していく、カグツチという男として!」
というカグツチの一縷の想いを聞いてどこか吹っ切れたリューマ。
リューマはその後やややる気な表情でカグツチにこう言う。
リューマ
「そっか、悔しかったのはお前も一緒なんだな。見直した、お前の事、憧れじゃなくライバルとしてこれから見ていこう。もう見失わねぇ!俺はいつかお前という存在を超えて!信念だけで勝ってる俺じゃないってことを証明するぜ!」
カグツチ
「リューマ殿..!それでこそ"好敵手"でありまする。」
リューマ「これからよろしくな、俺の宿敵。」
カグツチ「こちらこそ、我が宿敵。」
互いに握手する二人のやや微笑んだ顔に誇り高い笑顔と共に星空がやや明るくなったような気がした。
ーー
ーー 一方ヒロタの部屋でゲイル、ルーカス、マサノリの四人は話をしていた。
ヒロタ
「.....。叔父さん、叔母さん、元気かな?もう1ヶ月か...。長かった。」
ルーカス
「...せやな~、連絡もできひんし、バルスはん達とは1回も喋れてへん。」
ゲイル
「...なあ、"あれ"はいつ決行するんだ?」
マサノリ
「...お、おい!やめろよ!今そんな事...。」
ヒロタ
「シー!、けどなゲイル、悪いがまだすべてを"把握"出来てる訳じゃない...。もう少し待ってくれ。」
ゲイル「...わかった。」
そうして観念したのか部屋を出ようとドアノブを握った瞬間、
ゲイル「...けど、時は待ってくれないぞ?今のうちに考えとけよ?」
ゲイルはそう言って部屋を出ていった。
ヒロタ
「...わかってるよ。...ぐっ、だから迷ってんだよ...!」
頭を抱えて感情的になりながらもヒロタは静かに想いを嘆いた。
ーー
3階にあるバルコニーに入ってその左右後ろに屋上へと伝う階段があり、その屋上は中心に大きいベルが飾られている。
まさに憩いの場所にピッタリなスポット。
そう思い屋上に行ったことがないリューマはカグツチと共に、自分の部屋から屋上へとたどり着いた頃だった。
バルコニーの出入り口の上にある屋上の白い手すりにビシッと立ったまま空を眺めていたリューマ。
カグツチ「...考え事でござるか?」
リューマ「!カグツチ...。」
そこにリューマからみて右側の階段からカグツチの声が聞こえた。リューマの隣に寄り添うと、カグツチはリューマに改まって言葉を紡ぐ。
カグツチ
「...本当は某も悔しかったのですぞ、
そなたの覇気の前では到底、な...。」
リューマ「?どういうことだ?」
カグツチ
「リューマ殿は剣術に対して非常に熱心であらせられる。その奮えたるその魂、その信念。某はその力にやむ無く負けてしまった。しかし、某も同じ力を持っていたとしたら某は勝っていたでしょう。けれどそうならなかった理由は..。」
先程まで空を眺めていたカグツチは言い終わると同時に
今度はバルコニーを覗いて次々と言葉を紡ぐ。
カグツチ
「その心の力がそなたより劣っていた。気のもちようではあるのだが、それなりに情熱と言うものはしっかりと持っていたつもり..、なぜ負けたのか。..今までそんなことを嫉妬しながら考えていた。」
またカグツチは掴んでいた白い手すりに手を離し、今度は真正面を向いて話す。
カグツチ
「けれど、カスミ殿とあの怪物の話し合いを聴いて考えを変えたのだ。...相手は相手、自分は自分..時に
リューマ殿、"剣術には個性はないのか?"某は在っても良いと思うた。..これからも手合わせ願いたい。」
そして体ごとリューマの方を向き直り、
カグツチ
「"リューマ殿のすべてを超える"ではなく、自分なりの業で...自分なりの信念で同等に勝負していく、カグツチという男として!」
というカグツチの一縷の想いを聞いてどこか吹っ切れたリューマ。
リューマはその後やややる気な表情でカグツチにこう言う。
リューマ
「そっか、悔しかったのはお前も一緒なんだな。見直した、お前の事、憧れじゃなくライバルとしてこれから見ていこう。もう見失わねぇ!俺はいつかお前という存在を超えて!信念だけで勝ってる俺じゃないってことを証明するぜ!」
カグツチ
「リューマ殿..!それでこそ"好敵手"でありまする。」
リューマ「これからよろしくな、俺の宿敵。」
カグツチ「こちらこそ、我が宿敵。」
互いに握手する二人のやや微笑んだ顔に誇り高い笑顔と共に星空がやや明るくなったような気がした。
ーー
ーー 一方ヒロタの部屋でゲイル、ルーカス、マサノリの四人は話をしていた。
ヒロタ
「.....。叔父さん、叔母さん、元気かな?もう1ヶ月か...。長かった。」
ルーカス
「...せやな~、連絡もできひんし、バルスはん達とは1回も喋れてへん。」
ゲイル
「...なあ、"あれ"はいつ決行するんだ?」
マサノリ
「...お、おい!やめろよ!今そんな事...。」
ヒロタ
「シー!、けどなゲイル、悪いがまだすべてを"把握"出来てる訳じゃない...。もう少し待ってくれ。」
ゲイル「...わかった。」
そうして観念したのか部屋を出ようとドアノブを握った瞬間、
ゲイル「...けど、時は待ってくれないぞ?今のうちに考えとけよ?」
ゲイルはそう言って部屋を出ていった。
ヒロタ
「...わかってるよ。...ぐっ、だから迷ってんだよ...!」
頭を抱えて感情的になりながらもヒロタは静かに想いを嘆いた。
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