メイスオブクリスティア

桜bysen

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10話 月曜の章「表面化する青春の絆と険悪な関係」

エース編&ヒロタ編&ユキムラ編

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ーー

エンリル
「てぃやあああぁぁぁぁぁ!」

スレイ
「はぁぁぁぁぁあ!」

ジェニファー
「....っ!ささやかなる祈りを、ライトキュアー !」

セスルが仲間の戦う意志、行動や自分を助けてくれた優しさに心を開き、仲間と共闘することを認め、再び怪物と戦うこと約1時間。

エース達7人全員は怪物の伸びた爪を何度も切断したり、その肉体に激しくダメージを与えたり、ジェニファーの白魔術で援護をして貰い挑むものの、やはりすぐに傷の修復をされ、完全に元の状態へと何度でも戻ってしまう。これにはさすがにと彼らも体力の限界であった。一番躍起になっていたセスルも疲労と嫌悪感が混ざりあった表情で愚痴を吐く。

セスル
「もう!...はぁはぁぁ、全く何なのよこの怪物!全然ビクともしないわ。お願いだから...はぁ、早く倒れて..はぁ..はぁ...。」

クラウザー
「はぁはぁ...、やっぱり一筋縄ではいかないか。はぁ、闇雲に戦ってたら、はぁ、きりがない...、他に方法は...ん?」

突如雷の音が鳴り、クラウザーは思わず言葉を止めた。

そして、それは何度も鳴り続ける。

エース「え?雨?」

そんなどしゃ降りの雨はまるでシャワーのように休みなく流れ続けていくのだ。

ジェニファー「お兄様!...あちらを!」

ーー




ーー同じくして、ヒロタ達の方にも、雷が鳴る。

ケイト
「たぁぁぁぁぁぁ!...ふぃぃッッ!?」

それは怪物へと駆け抜けていくケイトの目の前に下へと衝撃波を打ったのだ。
それに対してケイトは驚きのあまりに後ろへと倒れ、尻餅をついた。

一旦全員は怪物から一定の距離まで離れて、警戒をしながら空の様子を見上げると同時に勢いよくどしゃ降りの雨が降り注いだ。
しかも、今踏んでいる地面は岩石で雨のせいで滑りが良くなっており、不幸にもその淵には滝が流れており、その溜まり場までの深さは落ちると命の保障がないという程深いものだった。
カグツチは取り敢えず一旦気を落ち着かせ、今日知った天気の予報についてを思い出した。

カグツチ
「...確か、午後辺りで酷い大雨が降るとティレイ=ムービーの天気予報で言っていた筈でござる。それに雷も...。」

ヒロタ
「くっ...しかも激しいくらいに酷い。この状態じゃあ戦えそうにねえ....。一体どうすれば...。」

とブレードを持っていない左手で頭を抱えていると、マリカははっと目を見開きある一点を指差しヒロタに示す。

マリカ
「...あ!見てくんないヒロタ!あの怪物の胸で赤く光っているあれ!」

ヒロタ(あ!...あれは!?)

ーー


ーー

ボウォーーン!!パチーン!

午後2時頃、宿泊コテージの西側にある温泉所の北隣の丸太のみで建てられた無人本部小屋で、生徒達が帰ってくるのを木製の辺鄙な椅子に座りながらずっと待つ教官達。
突然耳が壊れるか壊れないか位の雷が外から聞こえ、次第に無慈悲で激しい雨粒の大合唱が聞こえてくる。

しばらくその音を聞くと、今まで黙っていた6人の中で一番の最年少であるミラが一番に口を開く。

ミラ
「...え?...はぁ、大きい雷に酷い雨、この調子じゃ生徒達は帰ってくるのが遅くなるどころか、命の危険が起こることさえも目に見えます。」

ユーレン
「確かに。どうしましょうね?」

ユーレンがそういうと、ユーレンからみて隣にいるレオンハルトと木製のテーブルを通り越して、斜め右で座っているナオマサが無意識に口を揃えてこう言った。

ナオマサ&レオンハルト
「ここは生徒達の身の安全を考え、ここは救助”ヘイリット”を政府に依頼して、生徒達を捜索して貰うのが一番かと...ええい!、俺に合わせるな!鬱陶しい!」

アユミ「あらあら♪」

お互いが声をふいに合わせていることに気が付くと、やめてほしいと言う風に言うがまたしても言葉が合わさってしまう。

アユミが右手を口元に添えてやや嬉しそうに笑った。

ミラは「私が呼びます。」とユキムラに言って了承してもらった後にテーブルの真ん中に置いてあるダイヤル=フォンの受話器を手にとってダイヤルを回して耳に当てる。

やがて繋がり通話をし始めた後、ユキムラがやれやれと、ニコッと盛大に微笑みながら図ん体の大きな二人に、

ユキムラ「君達、コンビ組みたがっているのは分かるけど後にしてくれ。」

というと、

ナオマサ&レオンハルト
「え!?ご冗談を...ッ...!ふんっ!」

と、鼻を鳴らす所までもが、まるで双子の兄弟だと言うようにぴったりと息があってしまう。

しばらくすると、ミラは受話器を元の所に戻して、ユキムラに終わったことを報告する。

ミラ
「....呼びました。40分後したら生徒たちのいるエリアに到着します。」

ユキムラ「おう、サンキュー!」

そして、ユキムラもアユミも気持ちを切り替えて本題へ移る。

ユキムラ
「まあ、君達の言うとおり、その方が一番正しい無難な対応だな。」

アユミ
「助けを呼んでからそれからどうしますか?、20分後に来るとは言え、私達が何もしないというのはあまり良くないとは思いますけれど...。」

ユキムラ
「...まぁ、まだまだ第1学年は実力がひよっこレベルだからな。心配だが、逆に俺達が遭難にでも遭ったら逆に救助隊の迷惑にもなる。大人しく待っていた方が確実だろう。」

ユーレン
「僕もその方が良いと思います。その都度確認の連絡をして...。」

ユーレンがそういいかけた途端、

??
「「救助隊なんて必要ねぇ、俺らに任せろ~、俺らが頑張って助けて殺るぜぇ~~..!いっひひひひ♪」」

??
「「そうよ~、だからガキ共なんて忘れてさっさと眠りなさ~~い...♪」」

レオンハルト
「なっ、何者だ!正体を表せ!」

館内放送が鳴るかのように室内に響き渡る。

教官達は意地悪く、残忍な声色のその声の主達を探すが、何処に居るかが全く見当がつかない。レオンハルトの呼び掛けにも同様、しかし、そんなことをしなくてもユキムラとミラはおおよそ見当がつく。

ユキムラ
(いよいよ他の教官達にも直接姿を見せるか...。しかも、俺達全員の背中を天井から攻めようとしているのかな?)

ミラ
(....南南西の角側、つまりアユミ教官の目の前...。)

そして、いまどこに居るのか分からないという他の四人に対して、ユキムラとミラはそれぞれ片方の存在位置を見出だすと、今だとタイミングを見計らい、

ユキムラ&ミラ(ちょろい!)

と、二人は意志疎通しているかのように、自分の予想していた出現場所とは違うお互いの予想した出現場所へと狙いを定めた。
ミラは後ろを振り向き迅速に銃を、ユキムラはその後さらにアユミより先の距離に居る存在を見据えて、猛々しく左拳を構えながら走りだす。ーー

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