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10話 月曜の章「表面化する青春の絆と険悪な関係」
エース編 2&ヒロタ編 2
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ーー
エース
(...!?なんだ、あの赤い光...。待て、あれを砕けば...!)
エース
「ユーシス!あの光目掛けてダメージを与えられないか?」
ユーシス
「...ふん、いいだろう。」
ユーシスは”何故貴様に指図されないと”とは思いつつ、そんなことを言っている場合ではないと思ったのか、敢えて言わずに武器を構え精神を集中させる。
ユーシス
「凍てつけ刃よ、スティリアニードル!」
そう叫んで、くるっと右に一回転するとレイピアの銀色の刃が青く冷たく染まりダイヤモンドダストが出現する。くっきりと形の残る冷気は怪物の元へと徐々に早く飛び徐々にそれは氷の結晶を作り上げ、最後には標的の胸部の光にダメージを与える。しかし、それは全く効かなかった。
全く動じずに、むしろ活発に攻撃を仕掛けてきて、エンリルとスレイ、クラウザーが、攻めいる右前足を足止めすることでやっとである。
ユーシス
「...くっ、駄目か。」
エース
「...他に方法は...。...あ!そうか!」
しかし、エースの閃きにより、そんな長い戦いさえも終わるかもしれない。そんなことを考えると、
セスル「どうしたの?」
セスルに対してこう指示した。
エース
「爪だ!セスル、もう一度あの爪を切り落とすんだ!その後身動きが取れずにあれを壊せるかもしれない、一か八かだ、出来るか?」
セスル
「勿論、1度は出来たんだから2度だってできるわ!!はぁぁぁぁ!」
そうはっきりと返事をすると、怪物の左前足の爪へと突っ走る。そしてそんな彼女を迎撃するかのようにそれが振り上げられると、
セスル
「っ...見切った! ウィルクネスチェイン!」
怪物の三歩手前で右方向でくるりと大きく回り、回り終わる寸前に剣の形がが鞭のように長く伸び変形、そして、その刃の一つ一つが瞬時に爪を切り裂く。
”しゃぁぁぁぁぁ!!”
そのあと麻痺するような痛みで身動きが取れそうもなく、突如、胸部の赤い光が六角形で形成された丸い宝玉のように鮮明に輝く。
セスル「今よ!」
エース
「もう一度だ!ユーシス!」
そう言うとユーシスは再び手順を踏み、
ユーシス
「...凍てる刃よ、突き刺せ。スティリアニードル!」
と、再びダメージを与える。すると、1度目の時とは違い怪物が苦しそうに激しく上体を揺らす。
”しゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!”
エース「でかした!」
切り落とした爪を見ると今までのパターンとは全く違いもう2度と爪は修復されずにそのままであった。
そしてその直後にに、エースが今だと怪物に向かって川を駆け走る。
ユーシス「今だ!トラブデン!」
エース「......ん!」
右後ろの方向で構えていたソードの刃にはやや溶けるような赤く燃え盛る炎が染まり尽くす。
エース
「赤き溶融!この御剣に宿せ!クエイデットォ!フレェイムッ!!」
エース「(これで止めだ!)はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
直接武器が肉に通るくらいの至近距離で、エースはソードを勢い良く盛大に振り上げる。
すると、底に赤い真っ直ぐの線が入り、そこから一気に溶けた炎が一直線に出現する。
その出現の仕方はまるで爆発したかのように噴き上がった。
やがてそれが完全に収まった後怪物の中心線に縦に、それは頭から腹、背中、尻尾まで真っ直ぐと切れ目が引かれる。
”しゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!.....”
すると、怪物が今までよりも一番大きな鳴き声で叫びだしたと同時にその線からはっきりと光が出現し、それは一つ一つが違う動きを見せる。
しかしそれはたったの2秒ぐらいで止まり、その直後、その中からほんの小さなオーブの数々もばらばらに体から破裂するように出て来てそれがゆっくりと上へと昇りゆっくりと消えいったのである。
スレイ「...倒した?」
やがては仰向けになって倒れ込み、左のこめかみが川の中の一つの格段大きい石に当たったその瞬間に、そこから暴発するように川の水が吹き飛ぶ。
エース達も思わず驚きで「わあッ?! 」と声を上げてしまい、目を伏せてしまうが、その後、再び顔を上げると、そこにはただ、イヤハルオオトカゲの残骸のみが残され、しばらく全員はその場に立ち尽くすのだった。
ーー
ーー両手に持っている拳銃で交互に何度も怪物の胸の赤い光目掛けて撃ち続けるケイト。
ケイト「畜生!全然傷一つ増えてねぇ...!」
一向に止めをさせず歯が立たないのか撃つのを止め、心の広いケイトでも流石にと段々とイライラが込み上げる。
カグツチ
(どうしたものか...!そういえば、某が止めを刺した時のあの反応、あの時、しばらく動かなかったことが...そうか!あれだ!)
すると、カグツチが怪物の方をじっと見ながら考えを巡らせ、マリカとヒロタに呼び掛ける。
カグツチ
「...マリカ殿!あの光は恐らく奴の傷のいち早く修復するための物だと思われる。しかし、このままでは破壊できない。某がその効力を弱めるため攻撃を与える。そののちすぐにあの光の根源の破壊を、ヒロタ殿はその隙に止めを刺すでござる!」
そんな意外と真剣な表情の二人がカグツチの顔を見て”うん”と頷くと、「うむ、...下がられよ!」と言って、自分から離れるように促す。
全員が足早にカグツチから離れた瞬間に再び手裏剣を用いると、
「....フウマ流奥義!火遁ノ十文字!!」
と言って、最初に使った時と同じ現象で、怪物の腹回り目掛けて手裏剣を飛ばし、それが徐々に変形し炎に包まれる。
そして、見事腹回りに抉るように大きく切り傷と火傷を付けた。
”ヴゥゥゥゥゥ。”
そして、戻ってきたそれをカグツチがパッと手でキャッチしてマリカに次の一手を促す。
カグツチ「今ぞ!マリカ殿!」
マリカ
「OK!....あたしの射的は世界一なんだから!ピクシーショット!」
くるりと右へと1回転しながら、ボウガンの先を額に当ててからリロードする。そして、正体を表した赤き宝玉に狙いを定め、発射すると共に矢の先にピカピカとうっすらとしたハートの形が描かれた瞬間、光っている部位の丁度に命中した。
”ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ”
パリンと割れた宝玉の欠片の輝きが消えると、段々と怪物の唸り声が大きく、長くなる。
そして、傷口が修復することもなく、動きが鈍っていることを確認すると、マリカは今だと堰を上げる。
マリカ「よし!ヒロタ!」
ヒロタ
「おう!これで終わらせるぜ!」
”ヴゥゥゥ。”
ヒロタは怪物の所までブレードをぎゅっと手に左後ろの方向でぐっと携え、足早で駆ける。そして、至近距離までたどり着いた瞬間一気に怪物に切りつける。
ヒロタ
「水神!はぁぁぁぁ!舞豪劍ッ!!」
”水”という漢字を書き順で表すように、ブレードで怪物の胴体に刻みこみ、それを右下斜めへ刻んだ後にブレードごと体を右回転させついに最後の一撃を加えたのだった。
”ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!”
最後の精一杯の叫びに近い唸り声を高々に上げると怪物は動かなくなり、その瞬間に全身が光に包まれ弾けるとそれらは天へと昇り、やがてそれは無へと化して消えていった。
そんな現象を垣間見た6人は最初、呆然な顔をして立ちすくむがそれはみるみると怪物を倒した達成感へと変わっていく。また、あまりの喜びで、
ケイト「...マジかよ、カグツチの知恵とヒロタ達の機転の効いた必殺技で、ようやく倒しちまったよ...。はは!スゲェよ!お前ら!」
ヒロタ「おう!」マリカ「まぁ、楽勝だし~♪」
ケイトはにっこり笑顔のヒロタとマリカににっと微笑みながらハイタッチを交わした。ルーカスも同じ表情でカグツチを褒める。
ルーカス
「ほんまや、それに元を正せばカグツチのお手柄やで!」
カグツチ
「いや、これもマリカ殿とヒロタ殿のお陰でござる。某はその手伝いを賜ったに過ぎぬ。...それにしても、あの怪物は一体...。」
5人「........。」
社交辞令なりの謙虚さでルーカスに言葉を返すカグツチがそう言って諸悪の権現が消えていった場所を見渡すと先程の喜び溢れる表情が疑問と言う名の表情に変わる。雨に滴る中ヒロタ達6人はその場所をしばらくずぅっと見続けているのであった。
ーー
エース
(...!?なんだ、あの赤い光...。待て、あれを砕けば...!)
エース
「ユーシス!あの光目掛けてダメージを与えられないか?」
ユーシス
「...ふん、いいだろう。」
ユーシスは”何故貴様に指図されないと”とは思いつつ、そんなことを言っている場合ではないと思ったのか、敢えて言わずに武器を構え精神を集中させる。
ユーシス
「凍てつけ刃よ、スティリアニードル!」
そう叫んで、くるっと右に一回転するとレイピアの銀色の刃が青く冷たく染まりダイヤモンドダストが出現する。くっきりと形の残る冷気は怪物の元へと徐々に早く飛び徐々にそれは氷の結晶を作り上げ、最後には標的の胸部の光にダメージを与える。しかし、それは全く効かなかった。
全く動じずに、むしろ活発に攻撃を仕掛けてきて、エンリルとスレイ、クラウザーが、攻めいる右前足を足止めすることでやっとである。
ユーシス
「...くっ、駄目か。」
エース
「...他に方法は...。...あ!そうか!」
しかし、エースの閃きにより、そんな長い戦いさえも終わるかもしれない。そんなことを考えると、
セスル「どうしたの?」
セスルに対してこう指示した。
エース
「爪だ!セスル、もう一度あの爪を切り落とすんだ!その後身動きが取れずにあれを壊せるかもしれない、一か八かだ、出来るか?」
セスル
「勿論、1度は出来たんだから2度だってできるわ!!はぁぁぁぁ!」
そうはっきりと返事をすると、怪物の左前足の爪へと突っ走る。そしてそんな彼女を迎撃するかのようにそれが振り上げられると、
セスル
「っ...見切った! ウィルクネスチェイン!」
怪物の三歩手前で右方向でくるりと大きく回り、回り終わる寸前に剣の形がが鞭のように長く伸び変形、そして、その刃の一つ一つが瞬時に爪を切り裂く。
”しゃぁぁぁぁぁ!!”
そのあと麻痺するような痛みで身動きが取れそうもなく、突如、胸部の赤い光が六角形で形成された丸い宝玉のように鮮明に輝く。
セスル「今よ!」
エース
「もう一度だ!ユーシス!」
そう言うとユーシスは再び手順を踏み、
ユーシス
「...凍てる刃よ、突き刺せ。スティリアニードル!」
と、再びダメージを与える。すると、1度目の時とは違い怪物が苦しそうに激しく上体を揺らす。
”しゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!”
エース「でかした!」
切り落とした爪を見ると今までのパターンとは全く違いもう2度と爪は修復されずにそのままであった。
そしてその直後にに、エースが今だと怪物に向かって川を駆け走る。
ユーシス「今だ!トラブデン!」
エース「......ん!」
右後ろの方向で構えていたソードの刃にはやや溶けるような赤く燃え盛る炎が染まり尽くす。
エース
「赤き溶融!この御剣に宿せ!クエイデットォ!フレェイムッ!!」
エース「(これで止めだ!)はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
直接武器が肉に通るくらいの至近距離で、エースはソードを勢い良く盛大に振り上げる。
すると、底に赤い真っ直ぐの線が入り、そこから一気に溶けた炎が一直線に出現する。
その出現の仕方はまるで爆発したかのように噴き上がった。
やがてそれが完全に収まった後怪物の中心線に縦に、それは頭から腹、背中、尻尾まで真っ直ぐと切れ目が引かれる。
”しゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!.....”
すると、怪物が今までよりも一番大きな鳴き声で叫びだしたと同時にその線からはっきりと光が出現し、それは一つ一つが違う動きを見せる。
しかしそれはたったの2秒ぐらいで止まり、その直後、その中からほんの小さなオーブの数々もばらばらに体から破裂するように出て来てそれがゆっくりと上へと昇りゆっくりと消えいったのである。
スレイ「...倒した?」
やがては仰向けになって倒れ込み、左のこめかみが川の中の一つの格段大きい石に当たったその瞬間に、そこから暴発するように川の水が吹き飛ぶ。
エース達も思わず驚きで「わあッ?! 」と声を上げてしまい、目を伏せてしまうが、その後、再び顔を上げると、そこにはただ、イヤハルオオトカゲの残骸のみが残され、しばらく全員はその場に立ち尽くすのだった。
ーー
ーー両手に持っている拳銃で交互に何度も怪物の胸の赤い光目掛けて撃ち続けるケイト。
ケイト「畜生!全然傷一つ増えてねぇ...!」
一向に止めをさせず歯が立たないのか撃つのを止め、心の広いケイトでも流石にと段々とイライラが込み上げる。
カグツチ
(どうしたものか...!そういえば、某が止めを刺した時のあの反応、あの時、しばらく動かなかったことが...そうか!あれだ!)
すると、カグツチが怪物の方をじっと見ながら考えを巡らせ、マリカとヒロタに呼び掛ける。
カグツチ
「...マリカ殿!あの光は恐らく奴の傷のいち早く修復するための物だと思われる。しかし、このままでは破壊できない。某がその効力を弱めるため攻撃を与える。そののちすぐにあの光の根源の破壊を、ヒロタ殿はその隙に止めを刺すでござる!」
そんな意外と真剣な表情の二人がカグツチの顔を見て”うん”と頷くと、「うむ、...下がられよ!」と言って、自分から離れるように促す。
全員が足早にカグツチから離れた瞬間に再び手裏剣を用いると、
「....フウマ流奥義!火遁ノ十文字!!」
と言って、最初に使った時と同じ現象で、怪物の腹回り目掛けて手裏剣を飛ばし、それが徐々に変形し炎に包まれる。
そして、見事腹回りに抉るように大きく切り傷と火傷を付けた。
”ヴゥゥゥゥゥ。”
そして、戻ってきたそれをカグツチがパッと手でキャッチしてマリカに次の一手を促す。
カグツチ「今ぞ!マリカ殿!」
マリカ
「OK!....あたしの射的は世界一なんだから!ピクシーショット!」
くるりと右へと1回転しながら、ボウガンの先を額に当ててからリロードする。そして、正体を表した赤き宝玉に狙いを定め、発射すると共に矢の先にピカピカとうっすらとしたハートの形が描かれた瞬間、光っている部位の丁度に命中した。
”ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ”
パリンと割れた宝玉の欠片の輝きが消えると、段々と怪物の唸り声が大きく、長くなる。
そして、傷口が修復することもなく、動きが鈍っていることを確認すると、マリカは今だと堰を上げる。
マリカ「よし!ヒロタ!」
ヒロタ
「おう!これで終わらせるぜ!」
”ヴゥゥゥ。”
ヒロタは怪物の所までブレードをぎゅっと手に左後ろの方向でぐっと携え、足早で駆ける。そして、至近距離までたどり着いた瞬間一気に怪物に切りつける。
ヒロタ
「水神!はぁぁぁぁ!舞豪劍ッ!!」
”水”という漢字を書き順で表すように、ブレードで怪物の胴体に刻みこみ、それを右下斜めへ刻んだ後にブレードごと体を右回転させついに最後の一撃を加えたのだった。
”ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!”
最後の精一杯の叫びに近い唸り声を高々に上げると怪物は動かなくなり、その瞬間に全身が光に包まれ弾けるとそれらは天へと昇り、やがてそれは無へと化して消えていった。
そんな現象を垣間見た6人は最初、呆然な顔をして立ちすくむがそれはみるみると怪物を倒した達成感へと変わっていく。また、あまりの喜びで、
ケイト「...マジかよ、カグツチの知恵とヒロタ達の機転の効いた必殺技で、ようやく倒しちまったよ...。はは!スゲェよ!お前ら!」
ヒロタ「おう!」マリカ「まぁ、楽勝だし~♪」
ケイトはにっこり笑顔のヒロタとマリカににっと微笑みながらハイタッチを交わした。ルーカスも同じ表情でカグツチを褒める。
ルーカス
「ほんまや、それに元を正せばカグツチのお手柄やで!」
カグツチ
「いや、これもマリカ殿とヒロタ殿のお陰でござる。某はその手伝いを賜ったに過ぎぬ。...それにしても、あの怪物は一体...。」
5人「........。」
社交辞令なりの謙虚さでルーカスに言葉を返すカグツチがそう言って諸悪の権現が消えていった場所を見渡すと先程の喜び溢れる表情が疑問と言う名の表情に変わる。雨に滴る中ヒロタ達6人はその場所をしばらくずぅっと見続けているのであった。
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