メイスオブクリスティア

桜bysen

文字の大きさ
94 / 106
10話 月曜の章「表面化する青春の絆と険悪な関係」

ゴードル編

しおりを挟む
ーー午後七時頃、ダーキル城に戻ってきたヤヌスとレヴィアユーレはゴードルの居る王座から適度な距離で二人は主と次のようなやりとりをする。


ゴードル
「ssrリボルバーの居所は掴めたか?」


レヴィアユーレ
「いいえ、けれど目星はついていますわ。」


ゴードル「...答えよ。」


ヤヌス
「その前に俺から言わせろ。まず、クリスティア学園、1学年class1担任のユキムラは...。」




ーーユキムラ
「...悪いが覚えも無いし持ってもないな。けどお前達が悪目立つしたから、目的の物もカルマ城にあるんじゃないか?」ーー




ヤヌス
「って言ってたが、はっははははは!残念だったな~♪そうやって俺達を誘導しようと思っていたんだろうが、生憎そのカルマ城へはとっくにあらかた全部調べ終わって無かったことが証明されちまった。」


やってやったぞと言わんばかりの勝ち誇った表情でそう言うとやや疑わしいと言いたげな表情も含めて、声色が変わることなく今度はこう話を続ける。


ヤヌス
「実際、ってのは本当なんだろうけど覚えがないと言うのは引っ掛かる。知らねぇなら知らねぇって簡単にそう言えばいいだけの話だ。にも関わらずあのまどろっこしい言動でああ答えると言うことは...。」


すると、ゴードルはヤヌスの言葉を確信したと言った感じで遮ると、


ゴードル
「他でもない、奴等が必ずしている。そして、問題は何処にあるか...。」


と言いながら仮面の顎部分を親指と人差し指で擦る。


その後、レヴィアユーレが声を発し、


レヴィアユーレ
「それならば一番若い小娘の教官が言っていたわ。これこそ私が言う”目星”ですわ。」


自分の観点で考えたその”目星”の内容を伝える。




ーーミラ
「例え知ってたとしても...”学園の中にも、ましてや生徒寮、教官寮の中に隠した訳でもない”。」ーー




レヴィアユーレ
「って、...これを聞いてどう聞き取れる?」


ヤヌス
「んーーー、でもなぁ、あの嬢ちゃん嘘を付くのが上手そうだから、嘘じゃないのか?普通は学園長様のオフィスの隠し部屋にリボルバーがあるってのが一般論じゃねーのか?」


ゴードル
「?つまり何が言いたい?」


あまりに分からないと言わんばかりにそんな態度と表情が表に出る。その状態をみてレヴィアユーレは自慢げにクスッと笑うと突然、ゆっくりと歩き始め、二人の間を通り抜けるように歩きながら自身の見解を次のように話し出す。


レヴィアユーレ
「ふふ、甘いわね、これだから男は...、そんな馬鹿なヤヌスでも分かりやすそうな所に隠そうなんて思うかしら?」


ヤヌス「んだと!?」


レヴィアユーレ
「それで私思ったの~♪あの女は嘘はついていない。これは信じられる。だってあの返答に何か意図が読めるのよ~。”学園の中にはないけど外にはあるわよ”って~。」


ヤヌス
「でも、ありそうな所はもうあらかた全部調べた。もう中にしかねぇんじゃ?」


そして、二人の間を通り抜けてしばらく歩くレヴィアユーレはやがてヤヌスがそう問うと、その瞬間ピタリと足を止め、


レヴィアユーレ
「じゃあ、学園周辺にある建物は?探してみればあるんじゃないかしら?中の方は。」


と平然と飄々とした感じでそう言った。


ゴードル「...ん?何事だ?」


すると、骸骨の外見の伝令兵がゴードルの元へと駆け足で駆け寄り、


”しゃうぃしゃうぃしゃうぃ”


と言葉にならない骨同士がかち合ったような声で帝王に耳打ちをする。そんな言葉にならない声でも何を言っているのかが分かっているのか、ゴードルは伝令兵が言い終わった後にすんと頷くと、「良いだろう」と言って幹部の二人に視線を戻した。


ゴードル
「ヤヌス、レヴィアユーレ、リボルバーの件は後回しだ。エクロリアが国境付近まで攻め寄せて来ているようだ。」


ヤヌス
「マジかよ...?はぁ、めんどくせ...。」


レヴィアユーレ
「無礼よヤヌス、承知致しましたわゴードル様。すぐに出陣を。」


ヤヌス「終わったら休みくれよな~。」


ゴードル「...ふん、無論だ。」


そんなやりとりしたあと、ヤヌスに赤色のレヴィアユーレに青色の竜巻模様のエフェクトが巻き上がる。
所謂、転移魔法だ。瞬間移動をするときに用いるそのダーキル帝国幹部専用の転移魔法により、彼らはダーキル城にて姿を消した。


とてつもなく高い天井を見上げる一人の帝王。


やがては、一人取り残されているのも気にせず、まっすぐに天井に向けて手を伸ばし、野心高くその先その先へと上を見据えたのであった。


ゴードル
「...これで我の理想に一歩近づいた。」

ーー

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

元恋人が届けた、断りたい縁談

待鳥園子
恋愛
シュトルム辺境伯の末娘ソフィに隣国の帝国第二皇子から届けられた『縁談』の使者は、なんと元恋人のジョサイアだった。 手紙ひとつで別れることになったソフィは、素直になれずジョサイアから逃げ回る。 「私に届けなければ、彼は帝国に帰ることが出来ない」 そう思いようやく書状を受け取ろうと決意したソフィに、ジョサイアは何かを言い掛けて!?

ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように

柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」 笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。 夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。 幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。 王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

処理中です...