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10話 月曜の章「表面化する青春の絆と険悪な関係」
ウルム編
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ーー午後6時を過ぎた頃、他の生徒達も教官達も皆、ごくありふれたイヤハルの郷土料理、イヤハル鍋を中心にテーブルを囲んで、他愛もないスキンシップをしたり楽しそうに会話を弾ませながら深々とその鍋の味を堪能する。
...ウルム達四人もそうである筈であった。
アルフレド
「まさかの2日目の夕食でイヤハル鍋を堪能出来るなんて至福のひとときだよ♪...うーーん、デリシャス♪」
エイト
「飯盒でカレー作りから急遽イヤハルの郷土料理に変わったからな、理由はどうあれ、それを自分達で作って食べれる訳だし。」
ウルム
「まぁな、あん。....ん?」
それぞれ箸を手に取り、具材をかき集めて味わっていると、ウルムはふと、アギトの方をみて箸を止めた。
エイト
「あーん、....!このイヤハルスッポン、ぽん酢で食うと結構美味いな。」
アルフレド
「んー♪この”白滝”と言うのも実に美味なお味だよ♪」
アギト「.....。」
エイトとアルフレドは鍋の味をとことんに堪能しているのに対して、アギトは箸も持たずにじっと膝に置いた両手を俯くように見つめている。
また、食欲がないのか一切箸を持たずに鍋の中の食材に手をつけようとしなかった。
アルフレド
「エイトぉ?バランス良く栄養取ったほうが”ええよー”?」
エイト
「はは、おい駄洒落のつもり...ってやめろ!白菜何回も投入してくるな!ほんとに一番嫌いな奴だから~!」
そうして彼らが楽しそうに戯れていたその時、彼は椅子から立ち上がり、そこ目の前にいるウルムの後ろ方向のベッドのある寝室へと移動しようと歩き出す。すると、
ウルム
「もう食わねぇのかよ。まだ5分しか経ってないぞ。せめて少し位話の輪に入っても...。」
そう未だに椅子に座り続ける上で相手の顔をみて言うと、アギトはそんな彼を通り越した直後に動きを止める。するとその瞬間、
アギト「やってられないね。」
ウルム&アルフレド&エイト「!?....。」
と言い切り捨てた。しかし、それだけに留まらずアギトは3人の方へと振り返り、テーブルに置いてある鍋を指を指すと、これでもかというくらい淡々と冷酷に、無礼講な言動でさらに切り捨てる。
アギト
「僕にはこんな底辺な鍋料理は本当に食べられない。こんな不味そうな救いようのない物を食べろと?ふざけるのもほどほどにしてもらえる?
それになんで君達と一緒の輪に入らないといけないんだい?
はっきり言って不愉快だ、どうしても僕に一口でも食べてほしいと言うなら、もっと上品に神がかった料理にするべきだね。
けどまぁそこまで出来たとしても底辺な君達の料理なんて一切食べたくないけどね。
ごちそうさま、もう欲しくないからベッドに戻るさよなら。」
そう言って再び振り返りベッドへと戻ろうとしたその時、ウルムが椅子から立ち上がり、アギトの方へと体を振り向かせ、大激怒寸前な表情でこう吐露した。
ウルム
「...おい、撤回しろ、底辺はないだろ!...関係壊したくないと思って今日の今日まで我慢してたけど、もう我慢できねぇ。
...謝れよ、俺らと鍋に謝れよ!俺が料理下手くそってのは認めるし言い返す権利はない、けどこいつらは一生懸命に飯を準備したんだ!
なのに、てめぇは何もせずにただぼーっと突っ立ってただけじゃねーか!その上、手を一切つけなかった挙げ句食う前に文句ばかり!...そのいい加減な態度をセンコー達に伝えて...。」
といいかけた途端、彼が遮るように、
アギト
「ふっ、無駄だね。いいかい?僕は学年トップの優等生、君達はとんだ能天気の馬鹿...今言った事を理解したかい?いや、...その腐った脳でも理解することはできたかい?」
ウルム「は?お前なッ...!」
さらに小馬鹿にするような挑発的な言葉に対して、ウルムが真に受け、これでもかというくらいに言い返そうとさら声を張り上げかけたその瞬間、
アギト
「...それに、今のお前の顔を見たり声を聞くだけでも目障りなんだよ、虫酸が走る。これ以上僕に”2度と”話しかけるな。この底辺がッ。」
ウルム「...ッ!てめぇ!!」
最後にそんな耐え難い貶し言葉を強調して放った瞬間、すぐに彼は衝動に身を任せ、アギトに殴りかかろうと左腕をぐっと構えるが、その腕を終始、呆然と眺めていたエイトが瞬時に掴み、取り抑える。
アギト
「殴る気かい?いいよ、どうせ暴力沙汰で責められるのは君だろうけどね。君ら二人がフォローしたとしても、僕の演技力にかかればそんな事は無駄だよ。」
これ以上険悪な状況になるのは良くないと判断したのか、アルフレドもすかさずそんな彼らの間に入り、アギトをずっと睨み付けて未だに怒り狂っているウルムの目の前に立って、落ち着かせる。
アルフレド
「だめだよウルム、堪えて!」
エイト
「アギトもあまり挑発すんな...!」
二人がそう言うと、アギトはふんと鼻を鳴らし、寝室へと移動し、その寝室の扉を開けて入ると、ばたんと閉めていった。
ウルム「...くっ、クソッ!!」
アルフレド&エイト「..........。」
ウルムは未だに沸き上がる怒りのあまりに嘆き叫んだ。
アルフレドもエイトもただ呆然とその扉の方を見つめ続ける。その表情は当然、困惑気味に気まずそうな表情であった。
ウルム(...ちっ、なんなんだよ、あいつ...。)
そう思いながらもウルムはこれ以上は近くにいる彼らの気分を悪くしたくないと、やがては落ち着きを取り戻し、後にアルフレドに”食事を続けよう”と言われるまではしばらく扉の方をすっと見続けていたのであった。
ーー
...ウルム達四人もそうである筈であった。
アルフレド
「まさかの2日目の夕食でイヤハル鍋を堪能出来るなんて至福のひとときだよ♪...うーーん、デリシャス♪」
エイト
「飯盒でカレー作りから急遽イヤハルの郷土料理に変わったからな、理由はどうあれ、それを自分達で作って食べれる訳だし。」
ウルム
「まぁな、あん。....ん?」
それぞれ箸を手に取り、具材をかき集めて味わっていると、ウルムはふと、アギトの方をみて箸を止めた。
エイト
「あーん、....!このイヤハルスッポン、ぽん酢で食うと結構美味いな。」
アルフレド
「んー♪この”白滝”と言うのも実に美味なお味だよ♪」
アギト「.....。」
エイトとアルフレドは鍋の味をとことんに堪能しているのに対して、アギトは箸も持たずにじっと膝に置いた両手を俯くように見つめている。
また、食欲がないのか一切箸を持たずに鍋の中の食材に手をつけようとしなかった。
アルフレド
「エイトぉ?バランス良く栄養取ったほうが”ええよー”?」
エイト
「はは、おい駄洒落のつもり...ってやめろ!白菜何回も投入してくるな!ほんとに一番嫌いな奴だから~!」
そうして彼らが楽しそうに戯れていたその時、彼は椅子から立ち上がり、そこ目の前にいるウルムの後ろ方向のベッドのある寝室へと移動しようと歩き出す。すると、
ウルム
「もう食わねぇのかよ。まだ5分しか経ってないぞ。せめて少し位話の輪に入っても...。」
そう未だに椅子に座り続ける上で相手の顔をみて言うと、アギトはそんな彼を通り越した直後に動きを止める。するとその瞬間、
アギト「やってられないね。」
ウルム&アルフレド&エイト「!?....。」
と言い切り捨てた。しかし、それだけに留まらずアギトは3人の方へと振り返り、テーブルに置いてある鍋を指を指すと、これでもかというくらい淡々と冷酷に、無礼講な言動でさらに切り捨てる。
アギト
「僕にはこんな底辺な鍋料理は本当に食べられない。こんな不味そうな救いようのない物を食べろと?ふざけるのもほどほどにしてもらえる?
それになんで君達と一緒の輪に入らないといけないんだい?
はっきり言って不愉快だ、どうしても僕に一口でも食べてほしいと言うなら、もっと上品に神がかった料理にするべきだね。
けどまぁそこまで出来たとしても底辺な君達の料理なんて一切食べたくないけどね。
ごちそうさま、もう欲しくないからベッドに戻るさよなら。」
そう言って再び振り返りベッドへと戻ろうとしたその時、ウルムが椅子から立ち上がり、アギトの方へと体を振り向かせ、大激怒寸前な表情でこう吐露した。
ウルム
「...おい、撤回しろ、底辺はないだろ!...関係壊したくないと思って今日の今日まで我慢してたけど、もう我慢できねぇ。
...謝れよ、俺らと鍋に謝れよ!俺が料理下手くそってのは認めるし言い返す権利はない、けどこいつらは一生懸命に飯を準備したんだ!
なのに、てめぇは何もせずにただぼーっと突っ立ってただけじゃねーか!その上、手を一切つけなかった挙げ句食う前に文句ばかり!...そのいい加減な態度をセンコー達に伝えて...。」
といいかけた途端、彼が遮るように、
アギト
「ふっ、無駄だね。いいかい?僕は学年トップの優等生、君達はとんだ能天気の馬鹿...今言った事を理解したかい?いや、...その腐った脳でも理解することはできたかい?」
ウルム「は?お前なッ...!」
さらに小馬鹿にするような挑発的な言葉に対して、ウルムが真に受け、これでもかというくらいに言い返そうとさら声を張り上げかけたその瞬間、
アギト
「...それに、今のお前の顔を見たり声を聞くだけでも目障りなんだよ、虫酸が走る。これ以上僕に”2度と”話しかけるな。この底辺がッ。」
ウルム「...ッ!てめぇ!!」
最後にそんな耐え難い貶し言葉を強調して放った瞬間、すぐに彼は衝動に身を任せ、アギトに殴りかかろうと左腕をぐっと構えるが、その腕を終始、呆然と眺めていたエイトが瞬時に掴み、取り抑える。
アギト
「殴る気かい?いいよ、どうせ暴力沙汰で責められるのは君だろうけどね。君ら二人がフォローしたとしても、僕の演技力にかかればそんな事は無駄だよ。」
これ以上険悪な状況になるのは良くないと判断したのか、アルフレドもすかさずそんな彼らの間に入り、アギトをずっと睨み付けて未だに怒り狂っているウルムの目の前に立って、落ち着かせる。
アルフレド
「だめだよウルム、堪えて!」
エイト
「アギトもあまり挑発すんな...!」
二人がそう言うと、アギトはふんと鼻を鳴らし、寝室へと移動し、その寝室の扉を開けて入ると、ばたんと閉めていった。
ウルム「...くっ、クソッ!!」
アルフレド&エイト「..........。」
ウルムは未だに沸き上がる怒りのあまりに嘆き叫んだ。
アルフレドもエイトもただ呆然とその扉の方を見つめ続ける。その表情は当然、困惑気味に気まずそうな表情であった。
ウルム(...ちっ、なんなんだよ、あいつ...。)
そう思いながらもウルムはこれ以上は近くにいる彼らの気分を悪くしたくないと、やがては落ち着きを取り戻し、後にアルフレドに”食事を続けよう”と言われるまではしばらく扉の方をすっと見続けていたのであった。
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