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11話 火曜の章「少しずつ浮かび始める苦杯と火種達」
セスル編&ダーキル幹部編&エース編
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ーー
部活動を終えた頃、セスルはその後一人、少しだけやることをした後に学園長室に行く。
トントン
セスル「失礼します!」
とノックをして学園長室へと入る。
そこではきちんとした姿勢で座って待ち構える学園長が。
レヴァニス学園長
「おお、セスルか。例の物は無事かの?」
セスルが足を止めるの待つことなく、目の前の彼が安らぎ豊かな表情でそう聞いてくる。
セスル
「はい、学園長。特に触れられた痕跡はありませんでした。安心してください。」
レヴァニス学園長
「そうかそうか、よかった...。」
元はそれを報告するために学園長室に足を踏み入れたに過ぎない。その用件をたった今伝えると、学園長は安心した表情でほっと胸を撫で下ろした。
レヴァニス学園長
「セスルよ。どうじゃ、学園生活は?」
セスル「ええ、おじいさ...学園長。」
レヴァニス学園長
「畏まらんでもよい。」
呼び方を言い直すセスルを少し微笑ましそうに見つめてそう言う学園長。
セスル
「え、ええ、お祖父様。」
そう言ってくれた祖父に、再び名を呼び直した。そして、合宿の時を思いだし、その体験談を語る。
セスル
「最初は不安だったけど、私が命の危機に瀕した時に助けてくれたんです。仲間が...彼が。」
レヴァニス学園長
「エース・トラブデン君。アシュタロテ君から聞いたぞ。」
セスル「エンリルが?」
レヴァニス学園長
「アシュタロテ君を守ったお前が、襲われていた所をトラブデン君が助けてくれ、そして他の皆も協力してお前と共闘してくれて、...とても良い子達じゃな。強くて優しい子達じゃ。」
自分が語るよりも早く孫娘の言う事を微笑ましくさらりと語る祖父。
セスル「...。」
そのレヴァニスがエース達の事を褒め称えてくれた。それが何よりも嬉しいと思うセスルだが、それと共に何かぐっと心に来るのを感じた。
それはきっと自身と同じclassの仲間を称えてくれた祖父にしっかりと認めてくれたんだと思う気持ちだったんだとセスルはそう思う。
そして、その祖父は少し改まった態度で言葉を続ける。
レヴァニス学園長
「セスル、学園長の後継者に相応しい振る舞いを心掛ける為に、学園で人一倍頑張り、引っ張って行くのも良いが、たまに仲間達の意思も大事にしてほしい。そんな絶妙な信頼関係が将来、後々生徒達と関係を作るのに必要な事なのじゃ。」
セスル「信頼関係...。」
今後の自身について学園長からそう一つ助言を貰ったセスルは、"今の仲間達"と"将来の生徒達"にどう関係があるのか、その言葉の中の意味に意義を感じとってみる。しかし、その中の事あるごとに深く真なる意味を探ろうとしても理解が出来ずに。
そして、その上で自身がどう感じる気づけばいいのかを分からずにいる。
そんな自身をよそに、
レヴァニス学園長
「そうじゃ、たとえ喧嘩をしても、別れて会えなくなっても信頼があればそれはずっと仲間である印なのだから...。」
セスル
「...そうね。ありがとう、お祖父様。お陰で実務訓練も自信を持ってやれる。」
まだ完全に理解しがたくそのやり方も思い付かないセスル、とりあえずと助言をしてくれたことに感謝の気持ちを伝えたのだった。
レヴァニス学園長
「それはよいことじゃ。くれぐれも体に気をつけて...。『"愛をもて 勇気をもて 希望をもて"』...頑張ってくるんじゃぞ。健闘を祈る...。」
そう言って応援の言葉を掛けてくれた祖父を見つめ、やがて、自分なりの決意を己の胸にしっかりと刻んでいくのであった。
(お祖父様、私は決して素直じゃない底意地の固い人間だけど...。私なりに大切な仲間達と共に歩んでいこうと思います。ずっと...。)
ーー
死地・東ダークルリムスに侵攻してきたエクロリアの勢力に軽々と応戦する亡骸の骸のダーキル兵士達。
エクロリア兵士1
「グアァァァァァァァッッッッ!!」
ダーキル兵士に力で圧倒され、やがて数千人以上のエクロリア兵士がなぶり殺され、肉体が残る新たな亡骸へと化した。
エクロリア兵士2
「なんという力なのだこの者達は!?」
エクロリア兵士3
「今まで弱かった前の奴らとは....。」
エクロリア兵士4「全然違う...。」
エクロリア兵士5
「これは撤退するしか....ッ!!?」
最前線にいる仲間達の現在の惨状を目の当たりにした自身らはもうどうすることも出来ないとそう確信したのか、まだ善戦している者もいるなか、各々撤退を始める。
その光景も含め、少し離れた所で悠々と眺めていたダーキルの幹部の二人。
ヤヌス
「あ~あ。弱ぇ弱ぇ。こんな雑魚兵士程度で死ぬなんてな。このまんま残りも殺しとけよ~。」
レヴィアユーレ
「本当よ~。面白味も何もない。けど...特別なパワーが注がれた我が軍の兵士達には、さぞ手も足も出ないでしょうね♪」
暇そうに欠伸をしながらお気楽にそう声にし合う。
ヤヌス
「長年俺達をコケにしてきた奴らを、全員殺す。」
レヴィアユーレ「そうよねぇ...。」
レヴィアユーレ&ヤヌス
「あなた達?」
そう言って後ろを振り向いて見つめた先は、大男や少女など、個性的溢れるダーキル帝国の幹部達6人。
瞳の奥は見えづらいものの、その6人の口先はニヤッと卑しい笑みを浮かべたのだ。
すると、しばらくして突然、
赤髪の男性指揮官「やっと見つけた。」
ヤヌス&レヴィアユーレ「!?」
北東方面からやや離れた先には兵の柱とも言える一人の男がエクロリア兵士数千人率いて、彼らの前に現れた。
自身らはその男をみて、焦りと焦燥感を失う。
赤髪の男性指揮官
「この者達が敵勢力の幹部。...一気に仕留めておくれ!」
サーヴァルディアの兵士達
「イエッサー!」
冷静な反応とは言えない彼らの様子を見据えて、やがて男は自身の率いた兵士達に突撃指令を下したのであった。
ーー
いよいよ、この日が...、
重要恒例行事である実務訓練の期間当日。
今日はその初日。
全校生徒58名は出発式として、大聖堂で学園長の話を聞くことに。
そして、そんな学園長の話もそろそろ...。
学園長
「...話は以上です。全校生徒の皆、実務訓練で大いに活躍すること、生きて帰還することを心から祈ります。」
ーー
出発式を終え、全校生徒は西門東門各々に止まっている9台程のカーバスに各々異なる行き先のバスに分かれて乗車していく。
エースやジェニファーら4人も自らの訓練先である中央サーヴァル行のカーバスへ...。
エース「....いよいよか。」
ヒロタ「あのカーバスで行くんだな。」
カスミ「皆、各々行く場所がバラバラだし、フライヤ達とはもう会えないかもだけど、皆で生きて帰れるように頑張ろう。」
ヒロタ「当然!」
エース
(....これで父さんと母さんに会える。そのステップを今踏めてる。大丈夫だ。)
ジェニファー
「....。」
各々皆、震えが収まらない手を必死に抑えながら、次々とカーバスに乗り込んでいく。エースとジェニファーもその最後尾で皆に特にヒロタとカスミの後ろについていく形で乗り込む。
ーー
不運なことに移動中、風の荒い、激しい大雨が降りだした。
それが不安を掻き立てるのか。
皆、この中では一言も会話を交わさず、ただ黙って目的地に着くのを待っている。
エース
(静かだな。いつもは明るく元気な雰囲気で駄弁っているのに...。)
それを気にするエースは、ふとキョロキョロと同乗している9人の様子を伺う。
そして、最後に左隣にいるジェニファーを見つめて、
エース
(当然だ。最初の一週間は軍事基地で本格的に鍛練をした後に、下手すれば命を狩られる程の本物のモンスターと戦うことになるのだから....。)
自身に目を向けたジェニファー。
と思えばゆっくりとエースの左肩にズンと頭を乗せてくる。兄に甘えて安心したいという気持ちか...。
エースは右手で右ももに置かれたそのジェニファーの左手を握り温もりを与えてやる。
エース
(合宿の時のイヤハルオオトカゲ、あの時は数時間の戦いで済んだ。でも今回は訳が違う。今回は一週間、モンスターを相手していかないといけない。勿論夜と朝はその日の度に軍事基地に連れ帰ってくれるが、それでもあの時より長い戦いになる。)
すると、ジェニファーも手を握り返してきた。
温もりを感じ、エースはとても安心する。そんな気持ちにさせる。
やはり兄妹だからか。お互い手を握ったり、スキンシップは慣れているはずなのに、何故かこの時間だけ温もりとよりひとときの幸せを感じた。
エース
(...上手く出来るのか?俺は...。いや、やって見せる。父さんと母さんの顔を見るために入学してきたんだ。ジェニファーも、ヒロタ達も不安がってるんだ、俺がしっかりしなきゃ。)
そう、ジェニファーも勿論、他のメンバーの様子を見て、そう感じたエース。
皆を励まそうと、この静かな空間で一人口を開いた。
エース
「大丈夫。今の俺達はモンスターなんかより強いよ。生きて帰れるさ...きっと...。」
しかし、その口調は言葉とは逆にとても弱々しいと思えるものであった。
口ではこう言ってるのに、そんな自身はもっと震えていた。
ジェニファーにも感じ取られたのだろう。
ジェニファー「...お兄様...。」
と、少し震えた声で兄の名を呼ぶ。
そして、心配そうに見つめる眼差しで手を握り続けてくれる。
そして、エースは大丈夫だと言わんばかりにそんなジェニファーの左肩をさすって見せるのだ。
エース
(俺は...諦めたくない。逃げたくないのに....怖い。逃げたい。この半端な気持ち、震えた手を...俺はどうすればいいんだ....どうしたら....。)
エース達はやがて約四時間程、目的地までカーバスの中で、少し暗い面持ちで過ごしていくのであった。
ーー
部活動を終えた頃、セスルはその後一人、少しだけやることをした後に学園長室に行く。
トントン
セスル「失礼します!」
とノックをして学園長室へと入る。
そこではきちんとした姿勢で座って待ち構える学園長が。
レヴァニス学園長
「おお、セスルか。例の物は無事かの?」
セスルが足を止めるの待つことなく、目の前の彼が安らぎ豊かな表情でそう聞いてくる。
セスル
「はい、学園長。特に触れられた痕跡はありませんでした。安心してください。」
レヴァニス学園長
「そうかそうか、よかった...。」
元はそれを報告するために学園長室に足を踏み入れたに過ぎない。その用件をたった今伝えると、学園長は安心した表情でほっと胸を撫で下ろした。
レヴァニス学園長
「セスルよ。どうじゃ、学園生活は?」
セスル「ええ、おじいさ...学園長。」
レヴァニス学園長
「畏まらんでもよい。」
呼び方を言い直すセスルを少し微笑ましそうに見つめてそう言う学園長。
セスル
「え、ええ、お祖父様。」
そう言ってくれた祖父に、再び名を呼び直した。そして、合宿の時を思いだし、その体験談を語る。
セスル
「最初は不安だったけど、私が命の危機に瀕した時に助けてくれたんです。仲間が...彼が。」
レヴァニス学園長
「エース・トラブデン君。アシュタロテ君から聞いたぞ。」
セスル「エンリルが?」
レヴァニス学園長
「アシュタロテ君を守ったお前が、襲われていた所をトラブデン君が助けてくれ、そして他の皆も協力してお前と共闘してくれて、...とても良い子達じゃな。強くて優しい子達じゃ。」
自分が語るよりも早く孫娘の言う事を微笑ましくさらりと語る祖父。
セスル「...。」
そのレヴァニスがエース達の事を褒め称えてくれた。それが何よりも嬉しいと思うセスルだが、それと共に何かぐっと心に来るのを感じた。
それはきっと自身と同じclassの仲間を称えてくれた祖父にしっかりと認めてくれたんだと思う気持ちだったんだとセスルはそう思う。
そして、その祖父は少し改まった態度で言葉を続ける。
レヴァニス学園長
「セスル、学園長の後継者に相応しい振る舞いを心掛ける為に、学園で人一倍頑張り、引っ張って行くのも良いが、たまに仲間達の意思も大事にしてほしい。そんな絶妙な信頼関係が将来、後々生徒達と関係を作るのに必要な事なのじゃ。」
セスル「信頼関係...。」
今後の自身について学園長からそう一つ助言を貰ったセスルは、"今の仲間達"と"将来の生徒達"にどう関係があるのか、その言葉の中の意味に意義を感じとってみる。しかし、その中の事あるごとに深く真なる意味を探ろうとしても理解が出来ずに。
そして、その上で自身がどう感じる気づけばいいのかを分からずにいる。
そんな自身をよそに、
レヴァニス学園長
「そうじゃ、たとえ喧嘩をしても、別れて会えなくなっても信頼があればそれはずっと仲間である印なのだから...。」
セスル
「...そうね。ありがとう、お祖父様。お陰で実務訓練も自信を持ってやれる。」
まだ完全に理解しがたくそのやり方も思い付かないセスル、とりあえずと助言をしてくれたことに感謝の気持ちを伝えたのだった。
レヴァニス学園長
「それはよいことじゃ。くれぐれも体に気をつけて...。『"愛をもて 勇気をもて 希望をもて"』...頑張ってくるんじゃぞ。健闘を祈る...。」
そう言って応援の言葉を掛けてくれた祖父を見つめ、やがて、自分なりの決意を己の胸にしっかりと刻んでいくのであった。
(お祖父様、私は決して素直じゃない底意地の固い人間だけど...。私なりに大切な仲間達と共に歩んでいこうと思います。ずっと...。)
ーー
死地・東ダークルリムスに侵攻してきたエクロリアの勢力に軽々と応戦する亡骸の骸のダーキル兵士達。
エクロリア兵士1
「グアァァァァァァァッッッッ!!」
ダーキル兵士に力で圧倒され、やがて数千人以上のエクロリア兵士がなぶり殺され、肉体が残る新たな亡骸へと化した。
エクロリア兵士2
「なんという力なのだこの者達は!?」
エクロリア兵士3
「今まで弱かった前の奴らとは....。」
エクロリア兵士4「全然違う...。」
エクロリア兵士5
「これは撤退するしか....ッ!!?」
最前線にいる仲間達の現在の惨状を目の当たりにした自身らはもうどうすることも出来ないとそう確信したのか、まだ善戦している者もいるなか、各々撤退を始める。
その光景も含め、少し離れた所で悠々と眺めていたダーキルの幹部の二人。
ヤヌス
「あ~あ。弱ぇ弱ぇ。こんな雑魚兵士程度で死ぬなんてな。このまんま残りも殺しとけよ~。」
レヴィアユーレ
「本当よ~。面白味も何もない。けど...特別なパワーが注がれた我が軍の兵士達には、さぞ手も足も出ないでしょうね♪」
暇そうに欠伸をしながらお気楽にそう声にし合う。
ヤヌス
「長年俺達をコケにしてきた奴らを、全員殺す。」
レヴィアユーレ「そうよねぇ...。」
レヴィアユーレ&ヤヌス
「あなた達?」
そう言って後ろを振り向いて見つめた先は、大男や少女など、個性的溢れるダーキル帝国の幹部達6人。
瞳の奥は見えづらいものの、その6人の口先はニヤッと卑しい笑みを浮かべたのだ。
すると、しばらくして突然、
赤髪の男性指揮官「やっと見つけた。」
ヤヌス&レヴィアユーレ「!?」
北東方面からやや離れた先には兵の柱とも言える一人の男がエクロリア兵士数千人率いて、彼らの前に現れた。
自身らはその男をみて、焦りと焦燥感を失う。
赤髪の男性指揮官
「この者達が敵勢力の幹部。...一気に仕留めておくれ!」
サーヴァルディアの兵士達
「イエッサー!」
冷静な反応とは言えない彼らの様子を見据えて、やがて男は自身の率いた兵士達に突撃指令を下したのであった。
ーー
いよいよ、この日が...、
重要恒例行事である実務訓練の期間当日。
今日はその初日。
全校生徒58名は出発式として、大聖堂で学園長の話を聞くことに。
そして、そんな学園長の話もそろそろ...。
学園長
「...話は以上です。全校生徒の皆、実務訓練で大いに活躍すること、生きて帰還することを心から祈ります。」
ーー
出発式を終え、全校生徒は西門東門各々に止まっている9台程のカーバスに各々異なる行き先のバスに分かれて乗車していく。
エースやジェニファーら4人も自らの訓練先である中央サーヴァル行のカーバスへ...。
エース「....いよいよか。」
ヒロタ「あのカーバスで行くんだな。」
カスミ「皆、各々行く場所がバラバラだし、フライヤ達とはもう会えないかもだけど、皆で生きて帰れるように頑張ろう。」
ヒロタ「当然!」
エース
(....これで父さんと母さんに会える。そのステップを今踏めてる。大丈夫だ。)
ジェニファー
「....。」
各々皆、震えが収まらない手を必死に抑えながら、次々とカーバスに乗り込んでいく。エースとジェニファーもその最後尾で皆に特にヒロタとカスミの後ろについていく形で乗り込む。
ーー
不運なことに移動中、風の荒い、激しい大雨が降りだした。
それが不安を掻き立てるのか。
皆、この中では一言も会話を交わさず、ただ黙って目的地に着くのを待っている。
エース
(静かだな。いつもは明るく元気な雰囲気で駄弁っているのに...。)
それを気にするエースは、ふとキョロキョロと同乗している9人の様子を伺う。
そして、最後に左隣にいるジェニファーを見つめて、
エース
(当然だ。最初の一週間は軍事基地で本格的に鍛練をした後に、下手すれば命を狩られる程の本物のモンスターと戦うことになるのだから....。)
自身に目を向けたジェニファー。
と思えばゆっくりとエースの左肩にズンと頭を乗せてくる。兄に甘えて安心したいという気持ちか...。
エースは右手で右ももに置かれたそのジェニファーの左手を握り温もりを与えてやる。
エース
(合宿の時のイヤハルオオトカゲ、あの時は数時間の戦いで済んだ。でも今回は訳が違う。今回は一週間、モンスターを相手していかないといけない。勿論夜と朝はその日の度に軍事基地に連れ帰ってくれるが、それでもあの時より長い戦いになる。)
すると、ジェニファーも手を握り返してきた。
温もりを感じ、エースはとても安心する。そんな気持ちにさせる。
やはり兄妹だからか。お互い手を握ったり、スキンシップは慣れているはずなのに、何故かこの時間だけ温もりとよりひとときの幸せを感じた。
エース
(...上手く出来るのか?俺は...。いや、やって見せる。父さんと母さんの顔を見るために入学してきたんだ。ジェニファーも、ヒロタ達も不安がってるんだ、俺がしっかりしなきゃ。)
そう、ジェニファーも勿論、他のメンバーの様子を見て、そう感じたエース。
皆を励まそうと、この静かな空間で一人口を開いた。
エース
「大丈夫。今の俺達はモンスターなんかより強いよ。生きて帰れるさ...きっと...。」
しかし、その口調は言葉とは逆にとても弱々しいと思えるものであった。
口ではこう言ってるのに、そんな自身はもっと震えていた。
ジェニファーにも感じ取られたのだろう。
ジェニファー「...お兄様...。」
と、少し震えた声で兄の名を呼ぶ。
そして、心配そうに見つめる眼差しで手を握り続けてくれる。
そして、エースは大丈夫だと言わんばかりにそんなジェニファーの左肩をさすって見せるのだ。
エース
(俺は...諦めたくない。逃げたくないのに....怖い。逃げたい。この半端な気持ち、震えた手を...俺はどうすればいいんだ....どうしたら....。)
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