laugh~笑っていて欲しいんだ、ずっと~

seaco

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「俺……低レベルだな…」

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慶が寝てるかも知れないから、静かに玄関の鍵を開けた。

余り音を立てないようにドアを開けて中に入る。
静かに靴を脱いで静かに廊下を歩き、静かにリビングへ…。


ソファ横の肘掛けから、家用のモコモコした靴下を履いた慶の足が見えた。

そっと近付いてみると……ソファで寝てる。
布団代わりにかけてるのは、俺が家でいつも着てるフリースのジップアップ。
鼻が隠れるまで上に引き上げて被ってる。

そのおかげで腰から下は全部出てんだけど……
まぁ……暖房点けてるから、寒くはないか……


少し、ソファ越しに慶を眺める。


疲れたんだろうな……初日で、緊張して。
このまま、寝かせてやりたい気もするけど……ソファで朝まで寝たら確実に風邪引くだろう。

可哀そうだけど、一回起こしてベッドで寝させるか…。


「…慶」

小さく呼んでみると……少しして、モソモソとフリースの中で慶が動く。

「……………おかえり」

小さく掠れた声が聞こえた。

「……ただいま」

寝起きの慶が嬉しそうに笑う。
……それだけで…こんなに、気持ちがフワッとするんだからすげぇよ…。

「寝てた…」

目をグリグリ擦りながら言う。

「それ、布団代わり?」
「あ、んふふ…」
「何だよ」
「侑利くんの香水の匂いする」

フリースをクンクン匂う。
…犬みてぇ。

「何時?」
「1時半」

のそのそと上体を起こす。

「ほんとにこんな時間まで働いてるんだね」
「始まるのが遅いからな」

もう風呂も済ませて、すっかりオフモードの慶の柔らかい焦げ茶の髪をグシャッと撫でる。

「わ、」

もぉ~、とか言ってる。
やっぱり……可愛いわ…。

などと考えながら、冷蔵庫へ。
何となく飲みたくなって小さな缶のビールを開ける。

「どうだった?初日」

慶は立ち上がり、う~~ん、と伸びをしてる。
大きく上げた手のせいで上がった服の裾から、薄い脇腹が少し見える。

俺の方へ近づいて来て、慶も冷蔵庫の飲み物を物色。

「緊張したよぉ~~、もう早く終われ~って思ってた」

どれにしようか迷ってたけど、結局、ミネラルウォーターのペットボトルを開ける。

「まぁ、初日だしな。そんなもんだよ」
「全く慣れないまま終わったんだけど…」
「よしよし、頑張ったな」

頭を撫でてやる。

「1ヵ月くらい続けないと慣れないってリーダーが言ってた」
「リーダーが居んの?」
「うん、26歳の男の人でね、高卒で就職したからもう8年目だって」
「その人がリーダー?」
「うん。今日はずっと付いて教えて貰ってた」

……ずっと付いて?26歳の男が?
……何だろう……ちょっとイラッと来たわ。

俺の、慶への愛が強すぎるが故の嫉妬だって事は、当然ながら自覚してる。

「26歳で製造部全体のリーダーやってるんだって、凄いよね」

…何か、微妙にカチンと来る。

「8年も勤めてたらリーダーなれるんじゃねぇの?」
「えー、だって何年勤めてたって何にもなれない事もあるじゃん。従業員の数も多いのに、その中でリーダーってなったらやっぱ凄いんだよ、きっと」

………他に適任が居なかったからそうなっただけかも知れねぇじゃん……とか思ってしまう俺の黒い心。

すげぇな……重いわ…。


「出来る男なのかも~」


…………ムカつく。

今、話で聞いただけのリーダーになのか、出来る男を褒める慶になのか分かんねぇけど……

「出来る男、好きなの?」
「え?」

こんな些細な事でも許せねぇなんて、俺、けっこう歪んでんな…。
とにかく、慶に、俺の知らねぇ奴の話をして欲しくないって言う、完全な俺の我儘と独占欲。

「別に好きじゃないよ」
「そ?なら良いけど」

缶ビール片手に、ソファへ移動すると、後ろからペットボトルを持って慶が付いて来る。

「何なに、どしたの?」

隣から俺を覗き込んで来る。

「別にどうもしねぇよ」
「…何か機嫌悪い」
「別に普通」


沈黙…。


「何か怒ってる?」
「怒ってねぇよ」
「怒ってるよ」
「怒ってねぇって」
「怒ってるじゃん」


……ヤバい雰囲気。
しょうもない、俺の嫉妬心が……この何とも言えない微妙な空気を生んだ…。

慶は…ペットボトルを握りしめて、俯いてしまった。
こんな事する為に起こした訳じゃないのに。


「……俺が…悪かったわ……ごめん」


そう思ったから、素直に謝った。
俺ってこんな素直に謝れるんだな………

ごめん、なんてさ……今まで付き合って来た相手と、どのシーンでも言った事ねぇわ。

「俺も……ごめん」

慶が謝る必要ねぇんだけどさ…

「お前に謝られたら、何か、余計罪悪感ある」

……俺の前で他の男の話してごめん、って事だろ?それ。
別に良いんだよ…それはそれで。
動揺した俺が悪い。

「俺……低レベルだな…」

言った瞬間、慶に横から抱きしめられた。
フワリと慶の匂いが香る。

奏太に貰ったオイルの匂い…甘い柑橘系の…。

「そんな事ない」

優しい…いつもの口調。

「嫉妬してくれたの?」

改めて聞かれたら、すんげぇ恥ずい………チラッと慶を見て、すぐ目を逸らす。

「侑利くん大好き」

慶の腕に力が篭る。

「侑利くんに勝てる人なんて、俺には居ないよ」

良い感じに俺を煽って来る、色んな意味で。

「さっき……侑利くんがごめんって言ってくれたの、すごく嬉しかった。……ケンカしちゃうのかなって思って辛かったから…………すごく……可愛いって思っちゃった…へへ」

へへ、って…。
俺は、けっこう単純で……我儘に出来てんだな…。

それでも、可愛い、だの、カッコいい、だの、大好き、だのと言ってくれるお前が好きだよ。

慶の方に向き直り、キスをした。
短めのを、何度も。


「俺は…お前が思ってるよりずっとお前の事が好きでさ………ちょっとの事で嫉妬もするし、けっこう束縛もするし………とにかく……独占欲がすげぇ」

「性欲もね」

フフ、と笑って言った慶に、やっぱり単純に欲情する。

「…もう、遅いよ?」

時計は深夜2時前をさしている。

「…でも、してぇ」

ソファに押し倒して深いキスをすると……慶が抵抗もせずそれに応えて……結局、どっちも止まらなくなるんだ…。






~~~~~~~~


眉間の辺りを突かれてる感覚で目が覚めた。

あれから、ソファで行為に没頭してたんだけど、そのまま寝室になだれ込み……最後はベッドで。

……久々の仕事だったし、慶も初めてのバイトで、絶頂を迎えた後はさすがに疲れて……そのまま雑に処理しただけで、爆睡した。

「お腹空いた~」

緊張感のない声が、覚醒したばかりの俺の耳に届く。
相変わらず眉間はツンツンされてる感じ…。

薄く目を開けると、視界に慶の指先が映る。
やっぱり……キレイな長い指で俺の眉間を突っついてる。

「やっと起きた~」

薄く開けてた目を再び閉じる。

「あ~、二度寝ダメだよ~、俺お腹空いちゃった」

えい、という掛け声と共に、瞼をグイッと上げられた。

「あはは、変な顔」
「…お前がやってんだろ」
「あははは、だって」
「……痛ぇし……」
「あ、ごめんごめん」

やっと離された瞼を数回手で擦って、もう一度目を開ける。

昨日は…上の服は脱がないでやってしまったから……俺も慶も、下だけ裸だ。
全裸じゃないのが妙にそそって……何か、そのまま最後まで行ってしまった。

慶の…女の人みたいに滑らかな足が俺に絡んでる。
…体毛とか…そもそも無ぇのな、お前って…。

や、全く無い訳では無いんだけど…すんごい薄い。
俺も濃い方じゃねぇけど…俺と比べても断然薄い。

まぁ……この顔で、めっちゃ濃くても逆に困るから良いんだけど………って、こんな話はどうでも良くて……

さっきから「お腹が空いた」を連発してる慶に聞いた。

「お前…昨日、晩飯どうしたの?」
「……うーん…食べてない」

出た。
食べないクセ。

「お前なぁ、」
「昨日は緊張しててあんまり食欲無かったんだよ」
「終わった後なら食えんだろ」

そりゃ、腹減るわな…。
そんであんな体力使う事してさ……

「何か食いに行くか」

嬉しそうな顔で頷いてる。
とりあえず……やりっ放しのこの状態を何とかしないとな…。





慶が、腹減ったを頻発するから、時間短縮の為に2人で風呂に入った。

慶とこんな風に……一緒に風呂に入る日が来るなんてさ……全くの予想外だわ…。
「一緒には入るけど絶対しないからねっ」と念を押されたから、ちゃんと守ったし。


今は、車の助手席に慶を乗せてマンションを出たとこ。

「何か食いたいもんある?」

慶のリクエストを尋ねる。

「うーーーん……あっ、俺、回転寿司行ってみたいっ」

その感じは行った事ねぇんだな、きっと。
慶には初体験な事が沢山ある。

親と住んでた時には…到底叶わなかった事だ。
誕生日やイベントの時も…1人置き去りにされた。
居ない者とされて……話もしてくれない……家族なのに。

自分を置いて出て行く家族を見送って1人で過ごす時間は……どんなだったんだろう…。

その頃に出会ってたら……もっと違う今があったのか……
その頃に出会ってたら………守ってやれたのに。

「侑利くん?聞いてる?」
「え、あぁ、回転寿司ね」

そんな事を考えてたら、ボーッとしてたわ…。

「おっけ」

回転寿司なら少し走ったところに幾つかある。
競い合ってるから、割と近い範囲に何軒も。

その中から、一番人気店っぽいとこに行先を定める。


「そういえばさぁ…あれ、決めた?」
「何?」

慶が目をパチパチさせて言う。

「温泉」
「あーー、今ね2つで悩んでる」

決めかねてんだな。

「1つはメインが温泉で泊まるのが旅館なんだ~。もう1つは温泉もあるんだけど、近くにテーマパークがあってそこも見れるプランで泊まるのはホテル」

なるほどな。

「旅館も良いよね~~」
「メインが温泉だったら色んな種類があるんじゃねぇの?」
「そうっ!すごく人気なんだって」

温泉でゆっくりも良いな…。
浴衣とか着るんだろうか……だとしたらポイント高ぇよ。

「テーマパークも楽しそうなんだよ~、夜は花火とかあるみたいだし~」
「お前が行きたい方で良いよ」

俺は、結局どこだって良いんだよ。
お前さえ居てくれたら、それで良い。

俺をこんなどうしようもない依存症にしてくれた責任取って欲しいわ、マジで。

「うーーーん、決められなーいっ」

優柔不断かっ。

「でも、侑利くんと旅行なんて……楽しみすぎる~」

……可愛い発言。
俺と出かけんのがそんなに楽しいの?

「休み合わせないとね~」

嬉しそうに言ってんじゃねぇよ、バーカ。


信号が赤になり、ゆっくりと車を停止させる。

「あっ、侑利くんっ、あそこあそこ」
「ん?」

慶が指さした先には、幾つかショップなどが並んでる。

「あのリベルテって書いてるとこ」
「あぁ、」
「あそこだよ、俺が髪切ったの」

ここからは少し離れてるけど、キレイな造りってのは外観で分かる。
まだ数年しか経ってない感じの。

「あれ?」

慶がそう言ったかと思うと……行き成り窓を開けた。
そっちを見ると、笑顔で手を振りながら近付いて来る男。


「羽柴さんっ!?」


…………え……


「やっぱり羽柴さんだ」

男は助手席側の歩道から慶に声をかけてる。

「この間はどうも」


…………………誰だよ。


「ヘアサロンの美容師さんだよ、カットモデルの声かけてくれた三上さん」

慶が俺を振り返って説明すると、その三上という男は「まだ美容師見習いですけど」と付け足して、少し腰を屈め慶の向こうから俺に軽く会釈した。

とりあえず、俺も会釈。

信号が青に変わり、先頭の車から走り出す。

「あ、じゃあまた」
「あっ、羽柴さん、バイト受かったんですか?」
「え、あ、はいっ」
「良かった!じゃあ、また」

そこまでで俺は車を発進させた。

慶は窓から少し顔を出して、三上に緩く手を上げた。
ミラーで見ると、三上は慶にブンブン手を振ってる。

慶がバイトに受かろうが落ちようがお前に何の関係があるんだよ。
「良かった」じゃねぇだろ。

………………俺の嫉妬深さを反省したばっかだけど………そんなに直ぐに性格が直るハズも無く、やっぱり今、俺の知らねぇ奴と話してんの見たら…ちょっと気持ちが穏やかじゃねぇわ…。

「カットモデルしてくれる人をああやって探してんだよ、街歩いてる人に声かけて」
「あぁ、」
「俺もあの辺で声かけられた」
「へぇ」
「大変だよね、みんな昼間は忙しくしてるからなかなか掴まんないんだって」
「そう」

特にコメントねぇわ。

「ん?」

慶が俺を覗き込んで見上げて来る。

「何」
「…別にぃ~」

バレてんだろうな、きっと…。
俺……コイツに遊ばれてんのかな…

「あっ、ここ?」
「え、あぁ、そう」

うっかり、目当ての回転寿司を通り過ぎるとこだったじゃん。

「もぉ~~、侑利くん、ボーッとしないでよぉ~」
「…別にしてねぇけど」
「俺、侑利くんしか見えてないよ?」

俺の脇腹をツンツン突っつきながら、業とらしく可愛い顔作って見上げて来る。
…やっぱ、遊んでんだな、俺捉まえて。

平日だけど昼飯時だから思ったより車が多くて、少し端のフェンス沿いの空いてる駐車場に停めた。

「初回転寿司~」とか言いながらドアを開けようとしてる慶の腕を掴んで、降りるのを阻止する。

「ぁ、」

驚いた顔で俺を振り返った慶の唇を塞いでやった。
途端に慶は力が抜けたように、シートに凭れかかった。

俺は、それでも攻める。

これ以上やると寿司なんか食ってる場合じゃねぇ、ってなる一歩手前のとこまで。


「…んっ、」

小さく、慶が声を漏らす。

「これは…俺の独占欲」

そう言って半開きになってる慶の、下唇を軽く噛んだ。

「………侑利くんのバカ」
「何で?」
「……お寿司食べに来たのにぃ」
「だから止めたじゃん」

そう言うと、慶にもう1度「バカ」と言われた。
……まぁ、良いよ、バカでも何でも。


「もう独占してるじゃん」


慶からキスされる。
軽いやつを。


「足んねぇの」


俺も相当恥ずかしい事言ってんな、これ。

「え…」
「まだ足んねぇ」

今度は俺から。
平日の昼間に寿司屋の駐車場でするやつじゃねぇだろ、ってぐらいのキスを。

終わった後は、また「バカ」と言われ今度はマジで殴られた。

いい加減……バカだよ。
俺もお前も。
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