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第八章 さけたなか 湯けむりはれる 魔界旅
第128話 水と酒の守り神?
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さて、ちょっとしたトラブルもあったけど、それよりもそばだ。
俺は、ざるそばとカレーライスを注文した。
そば屋のカレーって、出汁とかが効いていておいしいんだよな。
この店も、店内に出汁の香りがしているから、きっとおいしいと思うんだよな。
実際、俺が注文した時はマーフォーク夫婦からそれもおすすめだ、と言われたしな。
それと、アキナからは何となく、やるわね、みたいな視線を感じた。
……そば屋のカレーは結構定番だと思うんだけど、異世界だと違うのだろうか。
マーフォーク夫婦はそれぞれがかつ丼と海鮮丼、それにもりそばをシェアして食べるみたいだ。
アキナはなぜか、ざるそばともりそばを一つずつ、レイとリューナは天ぷらそばを頼んでいた。
……それと、レイは追加で日本酒も。
通な人は、まずはそばをそのまま食べるみたいだけど、俺は気にせずにつゆをつけてそばをすすった。
すると、鼻を抜けるそばの香りがしっかり感じられ、歯ごたえとのど越しも抜群だった。
つゆは、やや辛口ながら上品な味で、もちろん出汁もしっかり感じられた。
それに、そばの香りに負けないくらい、こちらのつゆからも香りがして、そばとも相まってとてもおいしかった。
……まさか魔界で、ここまでおいしいそばを食べられるとは思わなかったな。
ふと気になってアキナの様子を見ると、案の定まずはそばをそのまま食べていた。
そして、次は備え付けの塩で一口、そしていよいよつゆにつけて、と思ったが、もりそばとざるそばのつゆをそれぞれ用意していた。
薬味ありとなし、とかで食べるのかな? なんて考えたけど、どちらも薬味を入れず、それぞれを一回ずつ食べ、うなずいた。
……うーん、理由を聞いてみようかな?
「なあアキナ。どうしてわざわざ両方のつゆを用意して食べたんだ?」
「ハクトは迷わずざるそばを選んだから、てっきり知っているのかと思ったわ。……それよりも、先に感想を言ったほうが良さそうね。……ハクト、翻訳よろしく」
そう言ったアキナの視線の先を見てみると、少し離れたところから店主が、アキナの様子を伺っていた。
それと、マーフォーク夫婦もなんとなく気にしている感じだった。
ということで、またマーフォーク三人、いや、何となく他のお客さんからの視線も感じながら、アキナの言葉を翻訳、というか復唱した。
アキナ曰くここのそばは、今まで食べた中でも一位二位を争う味だったようだ。
水がいいことはわかっていたが、そば粉やつゆにもこだわりを感じられたそうだ。
しかも、もりそばとざるそばでつゆをきちんと変えていて、前者はさっぱりめ、後者は濃厚な味付けになっていたこと、その上でどちらにもこだわりが感じられたとのことだ。
……もりそばとざるそばの違いって、のりがあるかないか、ってだけじゃなかったのか。
それを聞いた店主は、ここの水に合うそばの実を探すのが大変だったこと、魔界のとある場所で栽培されている実をようやく見つけたこと、それに負けないようつゆも研究したこと、そして、それらすべてをわかってもらえてとても嬉しい、と感激しながらアキナにお礼を言っていた。
そんな場面もありながらも、ざるそばにカレーライス、そば湯までおいしくいただいた。
おいしいそばを食べたいと思う度に来たい、そう思えるお店だった。
ごちそうさまでした!
◇
「それにしても、驚いたわ。まさかこの街に、こんなにおいしいそば屋があるなんてね。……久しぶりに、あちこちのお店を巡ってみるのもよさそうね。二人とも、いいお店を紹介してくれてありがとう」
と、レイはマーフォーク夫婦にお礼を言っていた。
「あれ? そういうのって、レイは全然把握していないのか?」
あちこちの店を巡る、って言っていたし、全く把握していない感じだよな?
「そうね。基本的にこの街は、マーフォークたちに管理を任せているわ。何か問題が起きたり、困ったことがあれば、私が介入する感じね」
君臨すれども統治せず、ってやつかな?
「ただ、ここの水とお酒に関しては私が管理を行っているわ。どちらも、この街の根幹に関わる物だから、他の誰かに任せるわけにはいかないもの」
この街にとって水は最重要なものだし、そうだよな。
…それに、元々この場所での目的はお酒造りだったし、そっちも最重要か。
その後は船を曳く担当を交替し、再度街を巡った。
そんな中、話題はやはりそば屋の話になった。
カレーがおいしかったとか、丼物や天ぷらもおいしかった、今度また来たら食べてみたい、なんて話をしていたら、先導するマーフォークの旦那さんから、あの店でのまかないを裏メニューとして頼める、といった情報を聞くことができた。
……また、すぐにでも行きたくなってしまったな。
それからもマーフォーク夫婦は、船の操縦を交替しつつ、景観の良い場所や噴水、途中お茶のできるお店など、街の様々な名所を周ってくれた。
それと、アキナがこの街の水の供給方法について質問したところ、水路の水を浄化の魔法で綺麗にし、利用しているようだ。
不純物が多い水を大量に浄化する場合には相応に魔力が必要らしいが、ここの水は魔力を含み、さらにとても綺麗な状態なため、微量な魔力で浄化が行えるようだ。
そんなこんなで楽しく街を巡っていると、気づけば日がかなり低くなっていた。
それを確認した、現在先導をしていた奥さんが、
「それじゃあそろそろ、最後の目的地に案内しようかね」
と言いつつ、旦那さんに指示を送った。
そうして辿り着いたのは湖の中心、水の湧き出る場所だった。
夕暮れに染まる湖と、水が生み出される様子を見ていると、ついに日が水平線に差し掛かった。
すると、湖に沈む夕日が水面に反射するだけでなく、魔力の影響かキラキラとした光が湖の一面に広がっていた。
「……きれいね。こんな光景、初めて見たわ。他にも、色々と貴重な経験ができたし、この場所に旅行に来れて、本当によかったわ」
「そうだな。……それに、商人のアキナとしても、収穫があったようだしな」
「ふふっ、そうね。……それに、ここに案内してくれマーフォークの二人、それにレイにも感謝ね」
「どういたしまして。楽しんでくれたなら、なによりよ」
「……私は、何もないですね」
「えっ!? も、もちろん、リューナにも感謝してるわ! 色々と細かい部分をサポートしてもらえたから、旅行が快適だったわ」
「いえ、冗談です」
あ、アキナが驚いている。
最近、リューナはこうした冗談を言うことが増えたよなぁ。
……これも、リューナなりの新しい交流、ってことかな?
それに対してアキナがリアクションを返したり、その様子をぽかんと見ていたマーフォーク夫婦に通訳をしたりしながらも、夕日が沈む様子を見ていた。
◇
日がほとんど沈んだ辺りで、完全に暗くなる前にそろそろ移動する、と言われた。
そうして船が動き出したのだが、今までと違いかなりのスピードだった。
話を聞くと、荷物を運ぶときは普段からこれくらいの速度らしい。
今までは、街を見渡せるようにと、遅めに移動してくれていたようだ。
……そういった気遣いは、すごくありがたいな。
最初に船に乗り込んだ場所に着き、お礼と別れの挨拶をして、マーフォーク夫婦とは別れた。
そして今晩もまた、シーラの所にお世話になった。
シーラの酒ハウスに戻ると、ほろ酔いなシーラに出迎えられた。
話を聞くと、シーラは今日一日中、手元にあるお酒すべてで炭酸化を試していたらしい。
炭酸の強さや、ブレンドなど、思いつく限り色々とやってみたようだ。
……やっぱり、シーラのお酒に対する探究心はすごいな。
そして夕食の際は、そんな中でも本人が太鼓判を押す完成度のお酒を、いくつかおすすめされた。
炭酸が入っているからか、勧められたお酒はどれも飲みやすく、結構な量を飲んでしまった。
あのシーラが太鼓判を押すお酒というのもあって、どれもおいしかったしな。
……そして案の定、かなり酔っぱらってしまった。
ということで、今日もまた外で酔いを醒ましてくることにした。
……目の前にお酒があると、なんだか気になってくるし。
もしかして、俺も飲兵衛になりかけてる? いや、まさかな……、なんて考えつつも、建物の外へと出た。
俺は、ざるそばとカレーライスを注文した。
そば屋のカレーって、出汁とかが効いていておいしいんだよな。
この店も、店内に出汁の香りがしているから、きっとおいしいと思うんだよな。
実際、俺が注文した時はマーフォーク夫婦からそれもおすすめだ、と言われたしな。
それと、アキナからは何となく、やるわね、みたいな視線を感じた。
……そば屋のカレーは結構定番だと思うんだけど、異世界だと違うのだろうか。
マーフォーク夫婦はそれぞれがかつ丼と海鮮丼、それにもりそばをシェアして食べるみたいだ。
アキナはなぜか、ざるそばともりそばを一つずつ、レイとリューナは天ぷらそばを頼んでいた。
……それと、レイは追加で日本酒も。
通な人は、まずはそばをそのまま食べるみたいだけど、俺は気にせずにつゆをつけてそばをすすった。
すると、鼻を抜けるそばの香りがしっかり感じられ、歯ごたえとのど越しも抜群だった。
つゆは、やや辛口ながら上品な味で、もちろん出汁もしっかり感じられた。
それに、そばの香りに負けないくらい、こちらのつゆからも香りがして、そばとも相まってとてもおいしかった。
……まさか魔界で、ここまでおいしいそばを食べられるとは思わなかったな。
ふと気になってアキナの様子を見ると、案の定まずはそばをそのまま食べていた。
そして、次は備え付けの塩で一口、そしていよいよつゆにつけて、と思ったが、もりそばとざるそばのつゆをそれぞれ用意していた。
薬味ありとなし、とかで食べるのかな? なんて考えたけど、どちらも薬味を入れず、それぞれを一回ずつ食べ、うなずいた。
……うーん、理由を聞いてみようかな?
「なあアキナ。どうしてわざわざ両方のつゆを用意して食べたんだ?」
「ハクトは迷わずざるそばを選んだから、てっきり知っているのかと思ったわ。……それよりも、先に感想を言ったほうが良さそうね。……ハクト、翻訳よろしく」
そう言ったアキナの視線の先を見てみると、少し離れたところから店主が、アキナの様子を伺っていた。
それと、マーフォーク夫婦もなんとなく気にしている感じだった。
ということで、またマーフォーク三人、いや、何となく他のお客さんからの視線も感じながら、アキナの言葉を翻訳、というか復唱した。
アキナ曰くここのそばは、今まで食べた中でも一位二位を争う味だったようだ。
水がいいことはわかっていたが、そば粉やつゆにもこだわりを感じられたそうだ。
しかも、もりそばとざるそばでつゆをきちんと変えていて、前者はさっぱりめ、後者は濃厚な味付けになっていたこと、その上でどちらにもこだわりが感じられたとのことだ。
……もりそばとざるそばの違いって、のりがあるかないか、ってだけじゃなかったのか。
それを聞いた店主は、ここの水に合うそばの実を探すのが大変だったこと、魔界のとある場所で栽培されている実をようやく見つけたこと、それに負けないようつゆも研究したこと、そして、それらすべてをわかってもらえてとても嬉しい、と感激しながらアキナにお礼を言っていた。
そんな場面もありながらも、ざるそばにカレーライス、そば湯までおいしくいただいた。
おいしいそばを食べたいと思う度に来たい、そう思えるお店だった。
ごちそうさまでした!
◇
「それにしても、驚いたわ。まさかこの街に、こんなにおいしいそば屋があるなんてね。……久しぶりに、あちこちのお店を巡ってみるのもよさそうね。二人とも、いいお店を紹介してくれてありがとう」
と、レイはマーフォーク夫婦にお礼を言っていた。
「あれ? そういうのって、レイは全然把握していないのか?」
あちこちの店を巡る、って言っていたし、全く把握していない感じだよな?
「そうね。基本的にこの街は、マーフォークたちに管理を任せているわ。何か問題が起きたり、困ったことがあれば、私が介入する感じね」
君臨すれども統治せず、ってやつかな?
「ただ、ここの水とお酒に関しては私が管理を行っているわ。どちらも、この街の根幹に関わる物だから、他の誰かに任せるわけにはいかないもの」
この街にとって水は最重要なものだし、そうだよな。
…それに、元々この場所での目的はお酒造りだったし、そっちも最重要か。
その後は船を曳く担当を交替し、再度街を巡った。
そんな中、話題はやはりそば屋の話になった。
カレーがおいしかったとか、丼物や天ぷらもおいしかった、今度また来たら食べてみたい、なんて話をしていたら、先導するマーフォークの旦那さんから、あの店でのまかないを裏メニューとして頼める、といった情報を聞くことができた。
……また、すぐにでも行きたくなってしまったな。
それからもマーフォーク夫婦は、船の操縦を交替しつつ、景観の良い場所や噴水、途中お茶のできるお店など、街の様々な名所を周ってくれた。
それと、アキナがこの街の水の供給方法について質問したところ、水路の水を浄化の魔法で綺麗にし、利用しているようだ。
不純物が多い水を大量に浄化する場合には相応に魔力が必要らしいが、ここの水は魔力を含み、さらにとても綺麗な状態なため、微量な魔力で浄化が行えるようだ。
そんなこんなで楽しく街を巡っていると、気づけば日がかなり低くなっていた。
それを確認した、現在先導をしていた奥さんが、
「それじゃあそろそろ、最後の目的地に案内しようかね」
と言いつつ、旦那さんに指示を送った。
そうして辿り着いたのは湖の中心、水の湧き出る場所だった。
夕暮れに染まる湖と、水が生み出される様子を見ていると、ついに日が水平線に差し掛かった。
すると、湖に沈む夕日が水面に反射するだけでなく、魔力の影響かキラキラとした光が湖の一面に広がっていた。
「……きれいね。こんな光景、初めて見たわ。他にも、色々と貴重な経験ができたし、この場所に旅行に来れて、本当によかったわ」
「そうだな。……それに、商人のアキナとしても、収穫があったようだしな」
「ふふっ、そうね。……それに、ここに案内してくれマーフォークの二人、それにレイにも感謝ね」
「どういたしまして。楽しんでくれたなら、なによりよ」
「……私は、何もないですね」
「えっ!? も、もちろん、リューナにも感謝してるわ! 色々と細かい部分をサポートしてもらえたから、旅行が快適だったわ」
「いえ、冗談です」
あ、アキナが驚いている。
最近、リューナはこうした冗談を言うことが増えたよなぁ。
……これも、リューナなりの新しい交流、ってことかな?
それに対してアキナがリアクションを返したり、その様子をぽかんと見ていたマーフォーク夫婦に通訳をしたりしながらも、夕日が沈む様子を見ていた。
◇
日がほとんど沈んだ辺りで、完全に暗くなる前にそろそろ移動する、と言われた。
そうして船が動き出したのだが、今までと違いかなりのスピードだった。
話を聞くと、荷物を運ぶときは普段からこれくらいの速度らしい。
今までは、街を見渡せるようにと、遅めに移動してくれていたようだ。
……そういった気遣いは、すごくありがたいな。
最初に船に乗り込んだ場所に着き、お礼と別れの挨拶をして、マーフォーク夫婦とは別れた。
そして今晩もまた、シーラの所にお世話になった。
シーラの酒ハウスに戻ると、ほろ酔いなシーラに出迎えられた。
話を聞くと、シーラは今日一日中、手元にあるお酒すべてで炭酸化を試していたらしい。
炭酸の強さや、ブレンドなど、思いつく限り色々とやってみたようだ。
……やっぱり、シーラのお酒に対する探究心はすごいな。
そして夕食の際は、そんな中でも本人が太鼓判を押す完成度のお酒を、いくつかおすすめされた。
炭酸が入っているからか、勧められたお酒はどれも飲みやすく、結構な量を飲んでしまった。
あのシーラが太鼓判を押すお酒というのもあって、どれもおいしかったしな。
……そして案の定、かなり酔っぱらってしまった。
ということで、今日もまた外で酔いを醒ましてくることにした。
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