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第八章 さけたなか 湯けむりはれる 魔界旅
第132話 温(泉)野菜
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昼食も終わったということで、午後も引き続き街を散策する……、ということにはならなかった。
「なあ、ハクト。……午後の観光なんだが、一旦待ってもらってもいいか?」
と、ホムラが話しかけて来たからだ。
……それも、少し悩んでいるような表情で。
「俺は大丈夫だけど、イズレはどう?」
「ふむ。問題ない」
「すまねぇな。……んじゃ、ちょっと連絡させてもらうぜ」
というと、ホムラはリンフォンで誰かに連絡を取った。
それが終わると、
「うっし! それじゃ、ちょっとついてきてくれ」
ということで、ホムラについて行った。
……それにしても、ホムラが悩むなんて珍しい気がするな。
何か、悪いことじゃなければいいんだけど。
◇
そして、目的地についたのだが……
「ここは、宿?」
外観は、魔界ではあまり見ない、木造の建物だった。
ここは温泉地ではあるけど、基本的に石造りの建物が多かったから、新鮮な感じだな。
……日本以外の温泉地には行ったことがないから、木造の方が見慣れているはずなんだけど、異世界での生活が長くなってきたからな。
木造建築のほうが、珍しく感じるようになってしまった。
「ここは、オレたちが泊まる予定の宿だぜ。湯治目的でここの街魔族のために、宿がいくつかあるんだ」
「なるほどな。……そういえば、前回行った水上都市には、宿らしき建物が無かった気がするな。俺も、レイの知り合いに泊めてもらったし。……けど、お酒好きの魔族が買いに来る、って言ってたし、たまたま見かけなかったとか、見逃しただけかな?」
「いんや。あの街には多分ないと思うぜ。というか、基本的に魔族は自分の住んでる場所から出ないんだ。最近はほとんどないんだが、別の魔族の縄張りに入ってしまった魔族が、そのを支配する魔族に目をつけられた結果、その魔族に従うことになってしまった、なんてことがあるからな」
ああ、そうだったな。
……そんなこともあるから、魔界は気軽に旅行できない場所になってるんだろうな。
魔皇たちは魔界のあちこちに行ってそうなイメージだったけど、それは本人たちが強いから可能、ってことだな。
「それじゃ、この街はどうして魔族が来れるんだ? 多分、ホムラが何かルールを決めているとは思うんだけど……」
「まあ、そうだな。この街はどこの魔族でも自由に行き来できること、問題を起こしたらオレが黙っていない事、この街に来たことでその魔族が従う魔族とトラブルになった時には、オレや他の魔皇が介入する、って感じだな」
最初の二つに関しては予想通りって感じだったが、最後のルールには驚いた。
けど、そのルールがあることで、安心してこの街を訪れることができるんだろうな。
……それと、困った魔族から逃げるための駆け込み寺的な感じにもなっていそうだ。
「ありがと、色々とわかったよ。……話の腰を折っちゃったけど、なんで今この宿に来たんだ?」
ホムラは悩んでいる感じだったし、何かこの宿に問題がある、とかなんだろうか?
……人間族が泊まるのは問題がある、とかじゃなければいいんだけど。
「え? ……あっ、すまん! ここに来た目的を言うのを忘れてたぜ! ……さっき、温泉ラーメンを
食っただろ? そんときに、ハクトの言ってた”地獄蒸し”のことが頭をよぎっちまってな。この温泉の蒸気を使ったらどんな上手い料理ができるのか、って考えが止まらなくなっちまったんだ」
……あー。
つまり、この宿で地獄蒸しをやってみたい、ってことか。
……取り越し苦労だったな。
いや、まあ、何か深刻な問題とかじゃなくてよかったけど。
「この宿はオレが主導で建てた宿で、色々と融通が利くんだ。それに、サウナの施設もあるし、もしかしたらできるんじゃねえか、って思ってな。それにここの源泉とあのラーメン屋で使ってる温泉も共通だしな」
「うーん。……実は、地獄蒸しについてなんだけど、実際に体験したことはないんだ」
テレビで映像は見たことがあるんだけど、その施設がある温泉には行った事がなかった。
「ああ、それなら問題ないぜ! さっき、色々とできる奴に連絡しておいたからな。多分、もう来ると思うぜ」
と言うか言わないかの内に、転移で誰かがやって来た。
「ホムラの姉御、来たっすよ! 特殊な調理場を作ってほしい、ってことっすけど……、って人間族の人がいるっす! どうも、こんにちわっす!」
現れたのは、黒いショートヘアの少女だった。
年齢は高校生くらいに見えるけど、魔族は見た目と年齢が一致しないからなぁ。
まあ、転移を使えることだし、魔族っぽい年齢だと思っておこう。
「こんにちは。えっと、俺の名前はハクト。それで、こっちは」
「イズレンヴェだ。言いにくければ、イズレ、と呼んでもらって構わない」
……そういえば、イズレってそういう名前だったな。
「よろしくっす! われ、わたしのことは、……うーん。今日は案内をするわけじゃないっすし……。とりあえず、便利屋とでも呼んで欲しいっす」
今、われ、って言いそうになってたな。
……もしかしたら、普段は誰かを従えている魔族とかなのかな?
まあホムラが呼んだ魔族だし、悪い魔族ではないだろうけどさ。
◇
その便利屋の魔族と一緒に宿の管理者に会い、ホムラが、サウナの蒸気を利用した調理場を作りたい、建築等はこっちでやる、と説明していた。
その管理者は、やれやれ、といった表情をしつつも、サウナの機能に影響がなければ大丈夫、と許可を出していた。
……あの感じ、ホムラが度々急なお願いとかをしている、とかだろうな。
「それで、ホムラの姉御。実際にどんな調理場を作るっすか?」
「ああ、それはハクトに聞いてくれ」
「あー。ホムラには説明したんだけど、そんなに詳しくは知らないんだ。温泉の蒸気を利用して、野菜や肉、魚介とか、色々な物を蒸していた、っていうのはわかっているんだけど」
「ふんふん。……何となくのイメージは持ってそうっすね。それなら、この魔道具を使うっす!」
と、いつもの五感を共有する魔道具を収納魔法で取り出した。
彼女に魔道具で地獄蒸しのイメージを伝えると、
「これなら、火が暮れる前にはできそうっすね! どうもっす! それじゃあ、さっそく取り掛かるっす!」
と、すぐに作業に入った。
……あれだけで作れるなんて、便利屋って名前に相応しい感じだな。
「んじゃ、よろしく頼むな! 俺たちはこの街を観光してくるぜ!」
ということで、当初予定していた観光に戻った。
◇
そして夕暮れ時、宿に戻ってくると
「あっ、お帰りなさいっす! ちょうど蒸し上がったところっすよ!」
と、便利屋の魔族が、蒸した野菜を取り出しているところだった。
「おっ、無事できたか! それじゃ、さっそく味見させてもらうぜ」
「タレも用意してるっすよ! どうぞっす」
と、全員にタレの入った小皿を渡してくれた。
……これは、マヨネーズかな?
食べやすい大きさに切ってあるキャベツをつまむと、タレにつけて食べてみた。
「うまっ! タレも、普通のマヨネーズかと思ったけど、にんにくとかが入ってて、これもおいしいな」
「ふむ。温泉の塩味が、野菜の旨味を引き出しているな」
「本当にな! それに、これを使った料理がどうなるかも楽しみだぜ。そんじゃ、宿の料理人に使い方を教えに行かねぇとな!」
「あっ、それもやっといたっすよ! それじゃ、わたしは別の依頼が来たので行くっすよ! またっす!」
「おう、助かった! ありがとうな!」
便利屋の魔族は、ホムラのお礼を聞くや否やどこかへ転移していった。
「あっ、俺もお礼を言いたかったけど、行っちゃったな。……あんなに色々できるから、あちこちで重宝されているんだろうな」
「……ああ、まあ、そうだな」
歯切れが悪いのが気になったけど、ホムラのことだし何かあるなら後で話してくれるだろと思い、聞かないことにした。
「なあ、ハクト。……午後の観光なんだが、一旦待ってもらってもいいか?」
と、ホムラが話しかけて来たからだ。
……それも、少し悩んでいるような表情で。
「俺は大丈夫だけど、イズレはどう?」
「ふむ。問題ない」
「すまねぇな。……んじゃ、ちょっと連絡させてもらうぜ」
というと、ホムラはリンフォンで誰かに連絡を取った。
それが終わると、
「うっし! それじゃ、ちょっとついてきてくれ」
ということで、ホムラについて行った。
……それにしても、ホムラが悩むなんて珍しい気がするな。
何か、悪いことじゃなければいいんだけど。
◇
そして、目的地についたのだが……
「ここは、宿?」
外観は、魔界ではあまり見ない、木造の建物だった。
ここは温泉地ではあるけど、基本的に石造りの建物が多かったから、新鮮な感じだな。
……日本以外の温泉地には行ったことがないから、木造の方が見慣れているはずなんだけど、異世界での生活が長くなってきたからな。
木造建築のほうが、珍しく感じるようになってしまった。
「ここは、オレたちが泊まる予定の宿だぜ。湯治目的でここの街魔族のために、宿がいくつかあるんだ」
「なるほどな。……そういえば、前回行った水上都市には、宿らしき建物が無かった気がするな。俺も、レイの知り合いに泊めてもらったし。……けど、お酒好きの魔族が買いに来る、って言ってたし、たまたま見かけなかったとか、見逃しただけかな?」
「いんや。あの街には多分ないと思うぜ。というか、基本的に魔族は自分の住んでる場所から出ないんだ。最近はほとんどないんだが、別の魔族の縄張りに入ってしまった魔族が、そのを支配する魔族に目をつけられた結果、その魔族に従うことになってしまった、なんてことがあるからな」
ああ、そうだったな。
……そんなこともあるから、魔界は気軽に旅行できない場所になってるんだろうな。
魔皇たちは魔界のあちこちに行ってそうなイメージだったけど、それは本人たちが強いから可能、ってことだな。
「それじゃ、この街はどうして魔族が来れるんだ? 多分、ホムラが何かルールを決めているとは思うんだけど……」
「まあ、そうだな。この街はどこの魔族でも自由に行き来できること、問題を起こしたらオレが黙っていない事、この街に来たことでその魔族が従う魔族とトラブルになった時には、オレや他の魔皇が介入する、って感じだな」
最初の二つに関しては予想通りって感じだったが、最後のルールには驚いた。
けど、そのルールがあることで、安心してこの街を訪れることができるんだろうな。
……それと、困った魔族から逃げるための駆け込み寺的な感じにもなっていそうだ。
「ありがと、色々とわかったよ。……話の腰を折っちゃったけど、なんで今この宿に来たんだ?」
ホムラは悩んでいる感じだったし、何かこの宿に問題がある、とかなんだろうか?
……人間族が泊まるのは問題がある、とかじゃなければいいんだけど。
「え? ……あっ、すまん! ここに来た目的を言うのを忘れてたぜ! ……さっき、温泉ラーメンを
食っただろ? そんときに、ハクトの言ってた”地獄蒸し”のことが頭をよぎっちまってな。この温泉の蒸気を使ったらどんな上手い料理ができるのか、って考えが止まらなくなっちまったんだ」
……あー。
つまり、この宿で地獄蒸しをやってみたい、ってことか。
……取り越し苦労だったな。
いや、まあ、何か深刻な問題とかじゃなくてよかったけど。
「この宿はオレが主導で建てた宿で、色々と融通が利くんだ。それに、サウナの施設もあるし、もしかしたらできるんじゃねえか、って思ってな。それにここの源泉とあのラーメン屋で使ってる温泉も共通だしな」
「うーん。……実は、地獄蒸しについてなんだけど、実際に体験したことはないんだ」
テレビで映像は見たことがあるんだけど、その施設がある温泉には行った事がなかった。
「ああ、それなら問題ないぜ! さっき、色々とできる奴に連絡しておいたからな。多分、もう来ると思うぜ」
と言うか言わないかの内に、転移で誰かがやって来た。
「ホムラの姉御、来たっすよ! 特殊な調理場を作ってほしい、ってことっすけど……、って人間族の人がいるっす! どうも、こんにちわっす!」
現れたのは、黒いショートヘアの少女だった。
年齢は高校生くらいに見えるけど、魔族は見た目と年齢が一致しないからなぁ。
まあ、転移を使えることだし、魔族っぽい年齢だと思っておこう。
「こんにちは。えっと、俺の名前はハクト。それで、こっちは」
「イズレンヴェだ。言いにくければ、イズレ、と呼んでもらって構わない」
……そういえば、イズレってそういう名前だったな。
「よろしくっす! われ、わたしのことは、……うーん。今日は案内をするわけじゃないっすし……。とりあえず、便利屋とでも呼んで欲しいっす」
今、われ、って言いそうになってたな。
……もしかしたら、普段は誰かを従えている魔族とかなのかな?
まあホムラが呼んだ魔族だし、悪い魔族ではないだろうけどさ。
◇
その便利屋の魔族と一緒に宿の管理者に会い、ホムラが、サウナの蒸気を利用した調理場を作りたい、建築等はこっちでやる、と説明していた。
その管理者は、やれやれ、といった表情をしつつも、サウナの機能に影響がなければ大丈夫、と許可を出していた。
……あの感じ、ホムラが度々急なお願いとかをしている、とかだろうな。
「それで、ホムラの姉御。実際にどんな調理場を作るっすか?」
「ああ、それはハクトに聞いてくれ」
「あー。ホムラには説明したんだけど、そんなに詳しくは知らないんだ。温泉の蒸気を利用して、野菜や肉、魚介とか、色々な物を蒸していた、っていうのはわかっているんだけど」
「ふんふん。……何となくのイメージは持ってそうっすね。それなら、この魔道具を使うっす!」
と、いつもの五感を共有する魔道具を収納魔法で取り出した。
彼女に魔道具で地獄蒸しのイメージを伝えると、
「これなら、火が暮れる前にはできそうっすね! どうもっす! それじゃあ、さっそく取り掛かるっす!」
と、すぐに作業に入った。
……あれだけで作れるなんて、便利屋って名前に相応しい感じだな。
「んじゃ、よろしく頼むな! 俺たちはこの街を観光してくるぜ!」
ということで、当初予定していた観光に戻った。
◇
そして夕暮れ時、宿に戻ってくると
「あっ、お帰りなさいっす! ちょうど蒸し上がったところっすよ!」
と、便利屋の魔族が、蒸した野菜を取り出しているところだった。
「おっ、無事できたか! それじゃ、さっそく味見させてもらうぜ」
「タレも用意してるっすよ! どうぞっす」
と、全員にタレの入った小皿を渡してくれた。
……これは、マヨネーズかな?
食べやすい大きさに切ってあるキャベツをつまむと、タレにつけて食べてみた。
「うまっ! タレも、普通のマヨネーズかと思ったけど、にんにくとかが入ってて、これもおいしいな」
「ふむ。温泉の塩味が、野菜の旨味を引き出しているな」
「本当にな! それに、これを使った料理がどうなるかも楽しみだぜ。そんじゃ、宿の料理人に使い方を教えに行かねぇとな!」
「あっ、それもやっといたっすよ! それじゃ、わたしは別の依頼が来たので行くっすよ! またっす!」
「おう、助かった! ありがとうな!」
便利屋の魔族は、ホムラのお礼を聞くや否やどこかへ転移していった。
「あっ、俺もお礼を言いたかったけど、行っちゃったな。……あんなに色々できるから、あちこちで重宝されているんだろうな」
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