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第八章 さけたなか 湯けむりはれる 魔界旅
第134話 早すぎたmein Sohn(まいんぞん)、ではなく再会
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ホムラに会うことを伝えると、すぐにリンフォンで連絡をした。
そして、
「向こうも大丈夫みたいだな。んじゃ、行くか」
と、いつも通り転移させられた。
◇
転移した場所は、いつものホムラの土地だった。
「それで、会わせたい魔族は、ホムラが迎えに行くのか?」
「いんや、あいつも転移が使えるからな。少し待てば来るはずだぜ」
転移が使えるってことは、強い魔族ってことだよな。
最近会う魔族のほとんどが転移を使えるから、忘れがちになるけど。
「おっ、来たみたいだぜ」
俺も魔力を感知したので、その方向を見てみると……、
「……便利屋の魔族?」
そこには、昨日出会った、便利屋を名乗る魔族がいた。
「昨日ぶりっすね。今日もよろしくっす!」
「えっと、よろしく? あっ、昨日言おうと思っていたんだけど、温泉で蒸した野菜とタレの相性が抜群で、すごくおいしかったよ! ごちそうさま」
ちょっと混乱しつつも、せっかく彼女に会えたということで、昨日言えなかったお礼を伝えておいた。
「よろこんでもらえてよかったっす!」
お礼を言えたのはいいけど、そもそもなぜ今、ホムラは彼女と俺を会わせたのだろうか
……色々器用にできるようだし、俺の試練を手伝ってくれる、とかかな?
けどそれなら、態々旅行中に会わなくてもいい気もするけど……。
というか、昨日の時点で軽い打ち合わせをしてもよかった気がする。
……うーむ。
わからないなら聞いてみるか。
「それでホムラ。どうして今日、彼女と会って欲しいと言ったんだ? 昨日も会ったし、そこで済ませられない用事だとは思うんだけど……」
「あー。まずそもそも今回の旅行では、ハクトが問題なければ今日会ってもらう予定でいたんだ。だから、昨日こいつを呼ぶか、かなり悩んだんだよなぁ。……結局は、温泉で蒸した料理を食いたい、って欲に負けちまったぜ」
だから、珍しくあんなに悩んでいる感じだったのか。
……結局は、食欲に負けてたけど。
「んで、わざわざ今日も会ってもらった理由だけど……」
「ホムラの姉御、説明は自分がするっすよ。……まずは、わたしの正体を話しておかないとっすね。……実はわたし、いや、我は、人間界で魔王と呼ばれている存在なんすよ」
……まおう?
魔王って、あの魔王?
人間界に乗り込んで、勇者にボコボコにされた、あの?
「ええーっ!!」
思わず、ユズばりに驚いてしまった。
「昨日は黙っていて、申し訳なかったっす。……正体を明かすと、怖がらせてしまうと思ったんすよ」
「うーん。今みたいに驚きはしただろうけど、理由もなく怖がる、とかはないかな? それに、ホムラが呼んだってことは、少なくとも、こちらに危害を加えるような魔族、ってことはないだろうしな」
俺が怖がらない、と言った時は驚いた表情をして、ホムラの下りを話すと納得した表情になった。
けどな、
「それと、温泉で蒸した野菜の件もあるな。味がおいしかったのはもちろん、食べる人のことを考えてるように感じたよ」
味を確かめるだけなら、蒸した野菜を渡すだけでもよかったはずだ。
けど、食べやすい大きさに切ってくれたり、その野菜のおいしさをより感じられるよう、わざわざタレを作ってくれたりと、気遣いを感じだ。
「だから、魔王、って聞いただけで怖がったりはしないよ。今の俺の認識としては、おいしい料理を作ってくれる、色々と器用な魔族、って感じかな」
「ほらな? だから言っただろ、大丈夫だって」
「……本当だったっすね。けど、ホムラの姉御は結構大雑把な時もあるから、やっぱり心配だったっす」
「お前自身が信じられなかっただけだろう? まあ、オレが大雑把なのは否定しないが」
あ、そこは認めるんだ。
そして、人間界で魔王と呼ばれている彼女は、人間界に乗り込んだ時の説明をし始めた。
まず、魔界と人間界が繋がったことを気づいたのは彼女自身だったようだ。
そして、自分の配下である四人の魔族と相談したところ、その世界でなら魔王になれるかも、他の魔族が気づく前にすぐに行こう、ということになり、人間界へと転移したようだ。
……四人、ってことだけど、まさか四天王とか名乗ってたりしないよな。
そして、転移先で魔力を感知し、近くにいた強い魔力を持つ者に対して勝負を挑み、勝利したところで、そちらが従う存在はいるか、いないのであればこちらに従え、と翻訳魔法で告げたようだが拒否されてしまったようだ。
他にも話をしようとしたようだが、話が全然通じなかったために、翻訳の魔法が上手く働かなかったと考えたみたいだ。
……後でわかったことだが、翻訳の魔法が原因ではなく、魔界と人間界のルールや環境が違うことによるすれ違いだったようだ。
そして、少し悩んだ彼女とその取り巻きは、一番強い存在、つまり一番偉いはずの人に勝ってから考えよう、という結論になったようだ。
……なんというか、脳筋すぎる考え方だな。
その後は、より強い存在を見つけては勝負を挑んだり、一番強い存在は誰だ? といった質問を周囲にしていたようだが、最終的に駆けつけた勇者によってボコボコにされたようだ。
勇者に負けた彼女は、負けたのでそちらに従うが、その前に現在自分が従っている魔族、つまりホムラに話をしてからにしてほしい、と提案したようだ。
話を聞いた勇者は混乱しつつも、まずはその存在に会おう、ということで彼女を伴って魔界へと転移したようだ。
勇者と魔皇たちとの話し合いが終わった後で、彼女はホムラに怒られたようだ。
ただ、怒られた内容は、未知の世界へと、自分に報告する前に勝手に行った事に関してだった。
ホムラ曰く、その理由は
「その当時の魔界の常識からすれば、他の魔族も同じように行動する可能性が高かったんだ。それと、悪い魔族が先に行動していた場合は、もっと最悪な事態に発展していたかもしれねぇんだ。だから、その点に関しては怒れなかったんだ」
とのことだった。
……魔界の常識を考えると、むしろ最初に人間界に乗り込んだのが、ホムラに従っている彼女でよかった、って見かたもできるもんなぁ。
ちょっと、いや、かなり考え無しなしの行動ではあったけど、彼女も悪意があったって感じではないしなぁ。
ある意味、不幸な出来事だったとも言えるのか。
とはいえ、何もお咎めなし、ってのは被害を受けた人間界側へ示しがつかない。
ただ、魔界と人間界では常識もルールも違うため、どうすればよいかは魔皇側も悩んだようだ。
そんな時、勇者が魔界と人間界側の間を取り持ってくれることになったようだ。
勇者からはまず、人間界側は魔界と敵対する意思がないことを告げられたそうだ。
勇者の個人的な見解として、魔族が全力で人間界に攻め入ってきた場合、人間界側は太刀打ちできないからだと思う、と言われたようだ。
……異世界から来たとはいえ、その勇者は色々と正直すぎるな。
それと、勇者が持ち帰った魔界の情報を聞いた人間界側の代表から、交易などをしていきたい、といった提案があったと告げられたらしい。
……実際、魔界の食材はかなりおいしかったしな。
それに、魔界でしか取れない、魔力が籠った素材とかもあるのだろう。
そういったこともあって、それぞれが穏便な形で終れるよう、人間界側での発表では、勝手に魔王を名乗った魔族とその取り巻きが乗り込んだこと、その魔族は魔界のルールで裁かれた、ということにしたようだ。
もちろん、魔界にはそんなルールはないので、本当に形だけ、という感じだったようだけど。
逆に魔界側では、人間界側には勇者という強い存在がいること、この件は魔皇が取り組むことを通知した程度だった。
……魔界は強い者に従うって環境だから、それで問題なかったようだ。
______________________________________
魔王、というと、RPGのラスボスというイメージが強いですが、ゲーテ(シューベルト)の魔王なども思い浮かびます。
曲の最初にある馬が駆けるような部分と、Mein Vater、と父親に助けを求めたり、Mein Sohn、と息子をなだめる部分がかなり印象的でした。
そして、
「向こうも大丈夫みたいだな。んじゃ、行くか」
と、いつも通り転移させられた。
◇
転移した場所は、いつものホムラの土地だった。
「それで、会わせたい魔族は、ホムラが迎えに行くのか?」
「いんや、あいつも転移が使えるからな。少し待てば来るはずだぜ」
転移が使えるってことは、強い魔族ってことだよな。
最近会う魔族のほとんどが転移を使えるから、忘れがちになるけど。
「おっ、来たみたいだぜ」
俺も魔力を感知したので、その方向を見てみると……、
「……便利屋の魔族?」
そこには、昨日出会った、便利屋を名乗る魔族がいた。
「昨日ぶりっすね。今日もよろしくっす!」
「えっと、よろしく? あっ、昨日言おうと思っていたんだけど、温泉で蒸した野菜とタレの相性が抜群で、すごくおいしかったよ! ごちそうさま」
ちょっと混乱しつつも、せっかく彼女に会えたということで、昨日言えなかったお礼を伝えておいた。
「よろこんでもらえてよかったっす!」
お礼を言えたのはいいけど、そもそもなぜ今、ホムラは彼女と俺を会わせたのだろうか
……色々器用にできるようだし、俺の試練を手伝ってくれる、とかかな?
けどそれなら、態々旅行中に会わなくてもいい気もするけど……。
というか、昨日の時点で軽い打ち合わせをしてもよかった気がする。
……うーむ。
わからないなら聞いてみるか。
「それでホムラ。どうして今日、彼女と会って欲しいと言ったんだ? 昨日も会ったし、そこで済ませられない用事だとは思うんだけど……」
「あー。まずそもそも今回の旅行では、ハクトが問題なければ今日会ってもらう予定でいたんだ。だから、昨日こいつを呼ぶか、かなり悩んだんだよなぁ。……結局は、温泉で蒸した料理を食いたい、って欲に負けちまったぜ」
だから、珍しくあんなに悩んでいる感じだったのか。
……結局は、食欲に負けてたけど。
「んで、わざわざ今日も会ってもらった理由だけど……」
「ホムラの姉御、説明は自分がするっすよ。……まずは、わたしの正体を話しておかないとっすね。……実はわたし、いや、我は、人間界で魔王と呼ばれている存在なんすよ」
……まおう?
魔王って、あの魔王?
人間界に乗り込んで、勇者にボコボコにされた、あの?
「ええーっ!!」
思わず、ユズばりに驚いてしまった。
「昨日は黙っていて、申し訳なかったっす。……正体を明かすと、怖がらせてしまうと思ったんすよ」
「うーん。今みたいに驚きはしただろうけど、理由もなく怖がる、とかはないかな? それに、ホムラが呼んだってことは、少なくとも、こちらに危害を加えるような魔族、ってことはないだろうしな」
俺が怖がらない、と言った時は驚いた表情をして、ホムラの下りを話すと納得した表情になった。
けどな、
「それと、温泉で蒸した野菜の件もあるな。味がおいしかったのはもちろん、食べる人のことを考えてるように感じたよ」
味を確かめるだけなら、蒸した野菜を渡すだけでもよかったはずだ。
けど、食べやすい大きさに切ってくれたり、その野菜のおいしさをより感じられるよう、わざわざタレを作ってくれたりと、気遣いを感じだ。
「だから、魔王、って聞いただけで怖がったりはしないよ。今の俺の認識としては、おいしい料理を作ってくれる、色々と器用な魔族、って感じかな」
「ほらな? だから言っただろ、大丈夫だって」
「……本当だったっすね。けど、ホムラの姉御は結構大雑把な時もあるから、やっぱり心配だったっす」
「お前自身が信じられなかっただけだろう? まあ、オレが大雑把なのは否定しないが」
あ、そこは認めるんだ。
そして、人間界で魔王と呼ばれている彼女は、人間界に乗り込んだ時の説明をし始めた。
まず、魔界と人間界が繋がったことを気づいたのは彼女自身だったようだ。
そして、自分の配下である四人の魔族と相談したところ、その世界でなら魔王になれるかも、他の魔族が気づく前にすぐに行こう、ということになり、人間界へと転移したようだ。
……四人、ってことだけど、まさか四天王とか名乗ってたりしないよな。
そして、転移先で魔力を感知し、近くにいた強い魔力を持つ者に対して勝負を挑み、勝利したところで、そちらが従う存在はいるか、いないのであればこちらに従え、と翻訳魔法で告げたようだが拒否されてしまったようだ。
他にも話をしようとしたようだが、話が全然通じなかったために、翻訳の魔法が上手く働かなかったと考えたみたいだ。
……後でわかったことだが、翻訳の魔法が原因ではなく、魔界と人間界のルールや環境が違うことによるすれ違いだったようだ。
そして、少し悩んだ彼女とその取り巻きは、一番強い存在、つまり一番偉いはずの人に勝ってから考えよう、という結論になったようだ。
……なんというか、脳筋すぎる考え方だな。
その後は、より強い存在を見つけては勝負を挑んだり、一番強い存在は誰だ? といった質問を周囲にしていたようだが、最終的に駆けつけた勇者によってボコボコにされたようだ。
勇者に負けた彼女は、負けたのでそちらに従うが、その前に現在自分が従っている魔族、つまりホムラに話をしてからにしてほしい、と提案したようだ。
話を聞いた勇者は混乱しつつも、まずはその存在に会おう、ということで彼女を伴って魔界へと転移したようだ。
勇者と魔皇たちとの話し合いが終わった後で、彼女はホムラに怒られたようだ。
ただ、怒られた内容は、未知の世界へと、自分に報告する前に勝手に行った事に関してだった。
ホムラ曰く、その理由は
「その当時の魔界の常識からすれば、他の魔族も同じように行動する可能性が高かったんだ。それと、悪い魔族が先に行動していた場合は、もっと最悪な事態に発展していたかもしれねぇんだ。だから、その点に関しては怒れなかったんだ」
とのことだった。
……魔界の常識を考えると、むしろ最初に人間界に乗り込んだのが、ホムラに従っている彼女でよかった、って見かたもできるもんなぁ。
ちょっと、いや、かなり考え無しなしの行動ではあったけど、彼女も悪意があったって感じではないしなぁ。
ある意味、不幸な出来事だったとも言えるのか。
とはいえ、何もお咎めなし、ってのは被害を受けた人間界側へ示しがつかない。
ただ、魔界と人間界では常識もルールも違うため、どうすればよいかは魔皇側も悩んだようだ。
そんな時、勇者が魔界と人間界側の間を取り持ってくれることになったようだ。
勇者からはまず、人間界側は魔界と敵対する意思がないことを告げられたそうだ。
勇者の個人的な見解として、魔族が全力で人間界に攻め入ってきた場合、人間界側は太刀打ちできないからだと思う、と言われたようだ。
……異世界から来たとはいえ、その勇者は色々と正直すぎるな。
それと、勇者が持ち帰った魔界の情報を聞いた人間界側の代表から、交易などをしていきたい、といった提案があったと告げられたらしい。
……実際、魔界の食材はかなりおいしかったしな。
それに、魔界でしか取れない、魔力が籠った素材とかもあるのだろう。
そういったこともあって、それぞれが穏便な形で終れるよう、人間界側での発表では、勝手に魔王を名乗った魔族とその取り巻きが乗り込んだこと、その魔族は魔界のルールで裁かれた、ということにしたようだ。
もちろん、魔界にはそんなルールはないので、本当に形だけ、という感じだったようだけど。
逆に魔界側では、人間界側には勇者という強い存在がいること、この件は魔皇が取り組むことを通知した程度だった。
……魔界は強い者に従うって環境だから、それで問題なかったようだ。
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