異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~

やとり

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最終章 前編でした 案の定

第175話 従者主従一蹴 すぐ武具保守照会

 マオが去った後、

「と、とりあえず、説明を続けるわね」

 と、レイは武具の説明に戻ることにしたようだ。
 
 ちなみに、レイのコレクションにはクレアよりもメアリさんの方が興味を示していた。
 それに、知識に関してもすごくて、レイの知らない情報なんかも色々と話していた。

 一方でハヤテはかなり暇そうにしてるな、なんて考えていると、

『ちょ、ちょっと、ハクトの兄貴! 王女様がこの城に来ているなんて聞いてないっすよ!? ヒカリさんからは、午前中に招待客用の区画を使用するので、午後以降で掃除をしに来て欲しい、としか聞いてないっす! どういうことっすか!?』

 と、どこからかマオの声が聞こえてきた。
 思わず驚いてしまったけど、クレアとメアリさんはレイの説明を聞いてたようで気づかれなかったみたいだ。
 ……がっつり見たハヤテは、笑いをこらえているけど。

 いや、それよりも、この声にはどうやって返事をすればいいのだろうか?

『……ハクトの兄気? あ、もしかして、ハクトの兄貴は通信魔法を使ったことがないっすか? ……うーん、そうっすね。この声に返事をするイメージで、魔力を放出してみてほしいっす。今の状態であれば、それで返事ができるはずっす』

 返事をするイメージか……。
 うーん、こう、か?

『マオ、聞こえてる?』

『ばっちりっす! すぐに成功するなんて、流石はハクトの兄貴っす!』

 お、届いたみたいだな。
 ちょっと集中する必要はあるけど、。

『どちらかというとチートのおかげだろうな。それより、これって他の人に伝わったりしないのか?』

『それは問題ないっす! 簡単に言うと、今は魔力の線みたいなもので、お互いが繋がっている感じなんすよ。ちなみに、線を繋げる状態にするには、相手の魔力を感じ取る必要があるっす。なので、基本的には近距離でしか使えないっすが、結構便利っすよ!』

 相手の魔力を感じ取るって言うのが難しそうだけど、確かに使えると便利そうだな。
 ……こっそりとリューナに相談する時とか。

『確かに便利そうだな。……そういえば、前に念話の魔法ってのを聞いたことがあるけど、それとは違うのか?』

『おお、いいところに気が付いたっすね! 原理は似てるっすが、念話は相手を目視しながら使用する感じで、こっちの方が簡単なんすよ。……って、そうじゃなかったっす! さっきの質問の答えが欲しいっす!』

 あ、そういえばそうだった。

『あー、すまない。えっとだな……』

 と、クレアがこの場所を見学したいと言った事と、ついでにその時のヒカリとのやり取りを伝えた。
 ……多分、そのことで動揺した結果、マオに連絡を入れ忘れているんだろう。

『……そういうことだったんすね。ヒカリさんから何も連絡が来ていない理由も、おそらくはそれが原因みたいっすね。……ハクトの兄貴と話していたら、気持ちがちょっと落ち着いたっす。流石はハクトの兄貴っすね! それじゃあ、こっちの掃除が終わった後で、また向かうっす!』

 いや、それは俺のが理由ではないんじゃないかな? なんて返事をしようとしたが、その前に念話が切れたような感覚があった。
 ……まあ、落ち着いたならいいか。

「……さん。ハクトさん、どうしたのですわ?」

 おっと、マオとの話に集中していたら、クレアから話しかけられていたのに気づかなかった。
 考え事をしていた、と誤魔化すか?

 いや、内容をぼかしつつ伝える方がいいな。

「さっき出ていったマオと、通信魔法で会話をしていたんだ。王族の人が魔皇の城に留まっているのに、それを知らせる連絡がヒカリから来ていなかったのを疑問に思い、俺に連絡してきたんだ。普段であれば、予定が変更になると必ず連絡をくれるはずなのに、って。それで、ヒカリがここを出発するまでの流れを話したところ、理由はそれだろう、と納得していたよ。あ、それと、掃除が終わった後でまたこっちに来るみたいだよ」

「そういうことだったのですわ。ハクトさんは、そんなマオさんとどこで出会ったのですわ?」

 ホムラが引き合わせた、って言うと、その理由まで説明しないとだよな。
 返答に困って、ちらっ、とホムラの方を見ると、まかせた! って感じのアイコンタクトをされてしまった。
 えー。

 ……あ。
 そういえば、最初に会ったのはその前だったっけ。

「えっとだな。マオと最初に会ったのは、ホムラが案内してくれていた、温泉街での旅行中だな。そこで、温泉の蒸気を利用した調理法について話したんだけど、それは魔界では普及していない方法だったんだ。けど、ホムラがそれにかなり興味を示してな。結果として、その施設をマオに作ってもらったんだ」

「ほえー、そうだったのですわ。マオさんにもですが、その調理法も気になるのですわ!」

「ボクもボクも! というか、なんでホムラは教えてくれなかったの!? あの街は何度か行った事があるし、教えてくれたらすぐに食べにいったのに~!」

「いや、説明しただろ? オレが主導で建てた宿で、温泉を使った蒸し料理を始めたって」

「ハクトから教わった異世界の調理法、とは聞いてないよ~! それで、ハクト。どんな感じだったの? 温泉を使うと、どうおいしくなるの!?」

「えっとだな……」

 と、地獄蒸しについてと、あの温泉の蒸気を使った時の味の変化について説明した。

「なんだかおいしそう~。うん、後で食べに行かなくちゃだね!」

「料理もですが、魔界の温泉街というのも気になるのですわ~。それと、このお城の掃除といい、マオさんという方はとても器用な方なのですわ?」

「そうだな。それに魔界中で、困っている人を助けたりしているみたいなんだ。ちなみに、人間界からの観光客の案内人もしている、とも言っていたな」

「それはすごいのですわ! ……なるほど、わかったのですわ! そうした人助けの活動をしていたところ、魔皇の誰かの目に留まり、今ではこのお城の掃除も任されることになった、ということですわね!」

「あー、えっと……」

 残念ながら、全然違うんだよなぁ。
 うーん、どう説明するか……。

 なんて悩んでいると、

「終わったっす!」

 と、マオが戻って来た。
 え、流石に早すぎないか?

 理由を聞いてみると、

「掃除自体は魔法で簡単に終わるっす。それと、さっきは説明しなかったっすけど、魔道具とかの施設の点検もあったっす。今回は特に何もなかったっすけど、何か違和感がある時は、動作確認や修理に時間が必要っすね」

 なるほどな。
 掃除だけでなく、そうした点検とかもあるから、ヒカリは色々と器用なマオにお願いした、ってことか。

 俺への説明を終えた後、クレアに向き直り

「先ほどは、失礼したっす。改めて、挨拶させてほしいっす。私の名前はマオ、と言うっす。こういった手伝いをしたり、人間族の方がよく観光に来る街で案内をしたりしてるっす」

 と、再度自己紹介をしていた。

「それでは、こちらももう一度挨拶するのですわ。わたくしはクレアと言うのですわ。王女という立場ですが、こうした場ではもっと気楽に接して欲しいのですわ。それと、質問さ――」

「メイドのメアリです。先ほどレイ様からお聞きしたのですが、マオ様はレイ様の武具に関して、よく調整をお願いされるとか」

 あ、メアリさんが割り込んで来た。

「え? あ、ああ、そうっすね。自分で言うのもあれっすが、私は手先が器用なほうなので、頼まれることが多いと思うっす」

「それはそれは。……実は、折り入ってお願いしたいことがございまして」

「ちょ、ちょっと待つのですわ! まだわたくしの話の途中なのですわ!」

「少々特殊な武器を入手したのですが、懇意こんいにしている職人では調整や手入れが難しい、とのことなのです。そこで、マオ様に一度見ていただけたらと思いまして」

「聞いていないのですわ!」

「え、ええと。実物を見てみない事には安請け合いできないっすが、私で可能な範囲であれば大丈夫っす」

 マオは、クレアをちらちら見つつ、メアリさんに返答しているな。
 ……メアリさんとクレアの普段の関係について知らなければ、まあそうなるよな。

「そうですか。連絡はハクト様経由で大丈夫でしょうか?」

 あ、何か勝手に俺を中継にされたな。
 ……まあ、いいんだけどさ。

「それは、大丈夫っすけど……」

「では、よろしくお願いいたします」

「終わったのですわ? それじゃあ、わたくしの番なのですわ!」

 ……さっきマオが驚いたのを気にして、場を和ませようとしてるとか、かな?
 いや、これは素だな、うん。
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タイトルで噛みまみた()
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