異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~

やとり

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第三章 要するに この章ほとんど デートかい

第37話 魔界全席?

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 残るメンバーからヒカリの武勇伝(?)を聞いていると、その本人が転移で戻ってきた。

「ふぅ、ただいま戻りました。ハクトさん、途中で退席してしまいすみません」

「いいや。皆から聞いたけど、何かトラブルがあってそれを解決していたんだよね? それなら仕方ないよ。それより、戻ってきたってことは、問題は解決したのか?」

「ええ、そちらは大丈夫です。ありがとうございます」

 ヒカリは、壁にある時計を確認し、

「……あら? もうこんな時間なのね。早く昼食の準備をしないと。すみませんが、また席を外しますね」

 と、部屋から出て行った。
 調理場に行くんだろうな。

「あ、ボクも手伝うよ~」

「私も、食材を切るのを手伝うわ」

 ハヤテとレイもヒカリに続いて出て行った。
 レイは刀を持って行ったけど、やっぱり大事なものなのかな?

「ハヤテは前に聞いたけど、レイも料理をするってことかな? それと、ヒカリはよく皆の食事を作るの?」

 ヒカリは皆の姉って言っているくらいだし、昔からその理論(?)で料理とかも作っていそうだ。

「あー……。まず、レイのやつだが、食材を切る手伝いだけだな。食材を投げて、空中で切るやつが好きで、よく料理の時にやってるな」

 えっ。何そのアニメとかでしか見ないやつ。
 普通に見てみたいんだが。

「んで、ヒカリの方だな。さっきの話から察しただろうが、昔はよくオレらの世話を焼いていてな。今でもその名残で、皆で集まると率先して料理を作ってくれるんだ。ちなみにハヤテは、ヒカリが色んな料理を作るのに興味を持って、手伝いだしたって感じだな」

 やっぱり、ヒカリは予想通りだったな。

 その後は、アオイに魔道具の進捗を聞いたり、メイにゴブリンの物語について面白かったと感想を伝えたりして、料理ができるのを待っていた。

 メイは、「……ありがと」、と少し照れくさそうにお礼を言っていた。



 そんなこんなで雑談をしていると、ハヤテが

「ご飯ができたよ~! 食事をする部屋に準備してあるから、案内するね!」

 と呼びに来た。

 ハヤテについて行き部屋に入ると、そこには様々な料理が並んでいた。
 ざっと見、30種類以上はありそうで、俺のいた世界で食べたことのありそうな料理もいくつかあった。

「ハクトさん、いらっしゃい。今回はハクトさんがいらっしゃる、ということで、異世界の料理もいくつか用意してみました。お口にあう料理があればよいのですが……」

「見た感じどれもおいしそうだし、元居た世界では好き嫌いもそんなになかったから、大丈夫だと思う。それより、こんなにたくさんの料理を3人で作ったなんて、すごいな!」

 時間だって、一時間くらいしかたってないんじゃないか?
 
「煮込み料理など、時間のかかる物は事前に仕込んでおきましたし、レイちゃんやハヤテちゃんが手伝ってくれましたから」

「それにね、ヒカリは分身する魔法も使って調理しているんだよ! あらかじめ動きを仕込んでおくんだけど、それが難しいんだよね~」

「皆のお世話をするのに手が足りなくてね。色々工夫しているうちに、できるようになりました」

 す、すごいな、ヒカリのその技術。……あと、お世話にかける熱意も。

「それより、冷めないうちに食べようぜ!」

「それもそうだ。それじゃあ、いただきます!」



「さ、流石にお腹がいっぱいだ」

 ヒカリたちが作った料理はどれもおいしくて、つい食べ過ぎてしまった。
 和食に中華、シチューのような煮込み料理、エスニック料理みたいなものなどなど、色んな種類があった。
 本当は全部食べてみたかったけど、流石にお腹がもたないので、気になる物だけをいただいた。

「ヒカリ。それにハヤテとレイ。とってもおいしかったよ、ごちそうさまでした!」

 もし機会があったら、何度も食べたいくらいだ。

「それはよかったです」

「どういたしまして~」

「私は、切るのを手伝っただけだけど、喜んでもらえたならよかったわ」

 と、それぞれからの返事が返ってきた。

 ちなみに、ホムラはやっぱり全種類制覇していたが、なんと、メイも同じように全種類を食べていた。
 ひたすらもくもくと食べ続けていたが、小さい身体のどこに入っているのか、ちょっと不思議だ。



「さて、飯を食った後は腹ごなしだな!」

 ん? ホムラが何か言い出したぞ。

「俺、結構お腹がいっぱいで、あんまり動けないんだけど」

「なら、またゴーレムで戦おうぜ! それなら、あんま動かないしな」

「それなら大丈夫かな? 前にやった時は楽しかったし、いいかも」

「あっ! それ、ボクもやりたい! ホムラから聞いたけど、すごい面白そうだった!」

 ハヤテはこういうのに興味持ちそうだったが、すごい食いつきだな。

「それって、地属性の魔族がたまにやっているものかしら?」

「レイには言ってなかったね。以前、私とホムラ、そしてハクト君でゴーレムの実験を行ったんだ。結果として、火属性のゴーレムを作り出すことに成功したんだ」

「火属性のゴーレム? つまり、地属性以外でゴーレムを作ることに成功した、ということね。……私も、水属性のゴーレムを作れるかしら?」

 レイも興味を持ったみたいだ。
 ……メイも、何となく興味がありそうにしている。

 と、そこに後片付けを終えたヒカリが戻ってきた。
 ……すぐに戻ってきたし、また分身の魔法を使ったのだろう。

「あら? 何か、楽しそうなお話をしていたのかしら?」

「ああ。最初は腹ごなしに運動でもしようかと思ってな。そんで、……」

 と、ホムラがヒカリに経緯を説明していた。

「そういうことでしたか。皆興味がありそうですし、全員でホムラちゃんの土地にお邪魔しようかしら?」

「そうだな。んじゃ、いつものとこ行くかな!」

「……あれ? あ、しまった! 油断した!」

 満腹で少しぼーっとしていたら、ホムラに転移させられていた。



 というわけで、いつものだだっ広い土地にやってきた。
 
 まずは、火属性以外でもゴーレムが作れるか試してみた。
 どの属性も、魔石を使用することでゴーレムの形は作れたのだが……。

「うおっ! まぶしっ! ヒカリ、一旦中止!」

 目が、目がぁぁぁあっ!

「あ、あら?」

「……光属性は、やめたほうが良さそうだな」

 と、光属性のゴーレムは眩しさが問題に。
 
 闇属性のゴーレムは、

「……相手に触れられない。……残念」

 と、実体を持てず戦わせることができなかった。
 
 一方でアオイは、

「光と闇の属性は、他の属性とは違う特性なのは知っていたけれど、なるほど、こうなるのか。それなら、光属性も実体はなさそうかな?」

 と、残念そうな二人とは対象的に、興味深そうに観察していた。



 レイの方はというと、

「ふっ! せいっ! ……はぁ!」

 と、水属性のゴーレムに刀を持たせて素振りをさせていた。
 ちなみに、水属性と風属性のゴーレムは、それぞれアクアゴーレム、ウインドゴーレムと命名された。

 どうしてこうなったかというと、俺がレイの刀を見て

「ゴーレムに武器を持たせて戦わせる、とかはしないの?」

 と、ふと疑問に思ったことを聞いてみたのがきっかけだった。
 それに対し、レイは

「ゴーレムは戦闘では、身代わりや囮みたいな使い捨て前提で使用するの。だから、武器を持たせたりとか、そういったことはあまりしないのよ。……でも、そうね、それも面白そうかしら」

 なんて言うと、生成したアクアゴーレムに刀を持たせ、ひたすら素振りを始めてしまった。



 ちなみにホムラとハヤテは、

「ふふ~ん。ここまでおいで~」

「ちくしょう! 空に飛ばすなんてずるいぞ!」

 なんて、楽しそうにゴーレム同士を戦わせていた。

「風属性なのに空を飛ばないなんて、そっちの方がありえないもんね~。ほいっ、ほいっと!」

 と、風の球をホムラのゴーレムに飛ばした。
 ……あれは確かに、ちょっとずるいかも。

「これじゃ、埒があかねぇな。……これならいけるか?」

 と、ホムラはゴーレムの足から炎を噴射し、空高く舞い上がった!

「やるね! でも、空中での移動はこっちのほうが得意だよ!」

「甘いぞ! もういっちょ、いっけぇ!」

 と、今度は背中から炎を噴射し、ハヤテのゴーレムに殴りかかった。

「わぁ! ……ちょっとびっくりしたけど当たらないよ~」

 と、ハヤテはゴーレムをとっさにバックさせ、距離を取った。

「かかったな! くらえ! ファイアーロケットパンチ!」

 これがハヤテのゴーレムにある魔石に当たり、ホムラの勝利となった。

 というかそれ、俺が前にやったやつ!
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