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第三章 要するに この章ほとんど デートかい
第39話 ブレスト(インスタントじゃない方)
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本日はデート(?)一日目、アオイとベイラに会う日だな。
来たら勝手に入ってくれ、ということだったので、扉を開けて中に入った。
すると、既にアオイも来ていた。
「おう、おはよう! アオイも来てるし、魔道具について色々話そうぜ! 今日は休みにしたから、客はこないだろうしな」
「ハクト君、おはよう。そういうことだから、さっそくだけど初めてもいいかな?」
アオイの問いかけに了承し椅子に座ると、すぐに魔道具についての会話になった。
「そんじゃ、まずはこの魔道具だな! アキナから聞いたんだが、二人ともこいつを利用してくれたみたいだな」
と言いながら、ベイラが机の上に設計図を取り出した。
うーん。設計図を見ても俺には何が何だか、さっぱりわかんない。
……ってあれ? 今、まずは、って言った?
……今夜は寝かさないぜ(徹夜で議論)なんてこと、ないよな?
「これは、自動で調理をしてくれる魔道具かな? 前にホットサンドをいただいたよ」
ああ! あのレトロ自販機みたいな魔道具か!
「設計図ではわからなかったけど、その魔道具だったのか。俺はそれに加えて、ラーメンとチャーハンも食べたな。おいしかったよ」
「それはよかったぜ。まあ、それなら話は早いな。まず相談したいのは、こいつをあちこちに普及させる方法なんだ。アキナから聞いたかもだけど、いくつか問題があるんでな」
前にアキナから聞いたな。
確か、お釣りを出す機能を付けられず、お釣り担当者が必要だったり、調理や管理をする人員が必要、とかの問題があるって。
それを解決できそうなアイディア以外にも、普及させるためのアイディアや、新しいメニューの案があれば言って欲しいとのことだ。
それと、専門的で俺には難しかったが、技術的に改善したいことをベイラが挙げていった。
「うーん、そうだね。実験が必要だけど、魔法陣を新しく作れば内部は簡易化できそうかな? 帰ったら、この設計図を元にして、新しく設計図を作ってみるよ。これは借りても大丈夫かな?」
「ああ、問題ないぜ! 改善案をメモするために、何枚か複製してあるからな。ハクトの方は何かあるか?」
うーん。元いた世界のレトロ自販機で販売してたものを挙げてみればいいかな?
それと、自動販売機みたいに無人で稼働する物で、参考になりそうなものはあるだろうか。
「メニューに関しては、ハンバーガーとか焼きおにぎり、なんてのはどうだ? 俺のいた世界でも、同じような感じで売られていたはず」
「うーむ。やっぱり、手軽に食べれそうなものがいいのかねぇ。それよりも、ハクトのいた世界にも似たようなのがある、ってほうが気になるぜ」
「あー、えっとな。まず、俺のいた世界では、自動販売機っていう、この魔道具に似た機械があるんだ。それでな……」
俺は前にアキナに説明したように、自動販売機について説明してみた。
それと、うどんなどの自動販売機はレトロ自販機と呼ばれ、今は古いものが残っているくらい、というのも説明した。
「なるほどな。そっちの世界には魔法が無いから、あたしたちとはまた違った需要があるってことか。それにしても、ハクトのいた世界は色んな技術があるのに、うどんとかの自動販売機を新しく作らない、ってのが不思議だな」
「あー。うどんとかラーメンはカップ麺があるし、そこまでの需要がなさそうだから、かも?」
流石に理由までは考えたことはなかったからな。
それと、カップ麺とかを販売する自動販売機とかは今でもあるしな。
確か、ゲーセンとかで見かけた気がする。
「”カップ麺”? それはどういったものなんだい?」
「あたしも気になるな。異世界の言葉か何かか?」
ん? カップ麺が翻訳されていないのかな?
カップ麺のカップを別の単語に置き換えると、容器麺、とかになる。
うん、こっちの世界に存在せず、意味を置き換えても成立しない言葉は翻訳できないのかもな。
……まさか、無意識に喋っていた言葉が、相手に変な感じで伝わったりしてないよな?
それと、ソフィアが変な回答をするのもこれのせい、なわけないか。
他の人にも同じ感じだったもんな。
などなど、色々と考えていると、
「ハクト、どうした? そんなに説明が難しいなら、今すぐじゃなくてもいいぜ?」
「あ、ああ。いや、俺の喋る言葉は勝手に翻訳されるみたいなんだけど、変なことを喋ってないか気になって」
「ああ、さっきのやり取りで気になったんだね。うーん、そうだね。異世界でしか通じなさそうな言い回しを、いくつか挙げてみてくれないか?」
そう言われ、いくつか思いついた諺や四文字熟語を言ってみた。
すると、いくつかの諺はこっちの世界にも似たものがあり、それに置き換わって伝わったみたいだ。
それ以外の場合は日本語のままで、変な意味になってはいなさそうだ。
四文字熟語はその意味が翻訳されるみたいで、こっちも大丈夫そうだ。よかった。
「なるほど、面白いね」
「だな。……っと話がずれちまったな。それで、ハクトがさっき言っていたやつは、どういう物なんだ?」
「ああ、そうだった。簡単に言うと、乾燥した麺や具材、粉末やペースト状になったスープの素とかが入っているんだ。それにお湯を入れて待つと完成する、ってものなんだけど……」
二人を見るとすごく興味深そうにこっちを見ていた。
……しまった。
「く、詳しくはまた後で。というか、元は魔道具の話だったんだし、そっちに戻そう。ずらした本人が言うのもあれだけど」
あんまり食いつかれすぎると、カップ麺の話を延々と求められそうな気がしたので、本来の話に戻すことにした。
「そうだったな。それで、他になんかアイディアはあるか?」
「そうだなぁ。例えばなんだけど、そもそもお釣りを出さない、っていうのはどうかな? 例えば、百円玉しか受け付けないことにして、別の硬貨だったり、必要な料金以上にお金が入ったら弾くような感じにできないかな?」
「ほうほう。それは良さそうだな!」
「今の魔道具でもお金の種類は認識しているし、実装も可能そうだね」
「それと、俺のいた世界では、自動で両替してくれるやつもあったな。構造的に百円玉が数枚しか入らない、ガチャガチャ、っていうものがあるんだけど、それの横には五百円玉や千円札を、百円玉に両替してくれる機械が置いてあることもあったな」
後はゲーセンとかにも良く置いてあったな。
……千円を入れると百円玉が10枚になるから、つい使いすぎそうになるんだよな。
特に、クレーンゲームとか。
「なるほどな。入れるお金を限定しつつ、それを使えるようにする魔道具を置いておく、って感じか。面白いアイディアだな! ありがとな、ハクト」
「面白いね。それと、ハクト君が今言った”ガチャガチャ”ってやつも、後で詳しく教えてもらおうかな」
あ、しまった!
◇
その後も、魔道具についてアイディアを出したり、あると嬉しい食べ物について色々挙げていった。
ある程度アイディアが出切ったところで、カップ麺やガチャガチャについて説明した。
作り方や構造は詳しく知らないから、わかる範囲で、って感じだったけどな。
「それにしても、食べ物の話をしてたからか、腹が減ったな!」
確かに、結構お腹が空いているな、と思いながら壁についていた時計を見ると12時をとっくに過ぎていた。
「もうこんな時間だったか。そりゃ、お腹もすくな」
「話に夢中になって気づかなかったよ。話もひと段落したし、食事にしようか」
ということで、三人で昼食を食べに行くことになった。
せっかくだから魔道具に採用できそうなもの、ってことでハンバーガーを食べられるお店に来た。
ハンバーガーは素材や調理方法にこだわったバーガーだった(グルメバーガーって言うんだったかな?)。
今までチェーン店のしか食べたことがなかったけど、パティから肉汁がじゅわっと出たり、野菜がしゃっきりしていたりと、色々新鮮でとってもおいしかったです。
ちなみに料金は、「あたしが招いた側だしな!」と、ベイラが払ってくれた。
ごちそうさまです。
◇
その後はまた、ベイラの店に戻って別の魔道具についてアイディアを出すことにしたが、ある程度議論が進んだところで、お店の入口がノックされた。
ベイラが扉を開けると、そこにはなんと、アキナがいた。
「あら? アオイにハクトじゃない! こんにちは、この前ぶりね! ……ってそれどころじゃなかったわ! 申し訳ないけど、ベイラを借りていいかしら?」
なんでも、アキナの商会が持つ工場で、製造用の魔道具が故障してしまったらしい。
タイミングの悪いことに、今日はその魔道具の製造元が休日で、ベイラに修理をお願いしにきたみたいだ。
「すまんけど、流石にそっちに行かないとだな。今日は色々参考になったし、またお願いしたいぜ!」
「話の途中だったみたいで、ごめんなさいね。この埋め合わせは今度するわ!」
なんて謝られたけど、これは仕方がないもんな。
ということで、本日の魔道具についての議論は中断となった。
来たら勝手に入ってくれ、ということだったので、扉を開けて中に入った。
すると、既にアオイも来ていた。
「おう、おはよう! アオイも来てるし、魔道具について色々話そうぜ! 今日は休みにしたから、客はこないだろうしな」
「ハクト君、おはよう。そういうことだから、さっそくだけど初めてもいいかな?」
アオイの問いかけに了承し椅子に座ると、すぐに魔道具についての会話になった。
「そんじゃ、まずはこの魔道具だな! アキナから聞いたんだが、二人ともこいつを利用してくれたみたいだな」
と言いながら、ベイラが机の上に設計図を取り出した。
うーん。設計図を見ても俺には何が何だか、さっぱりわかんない。
……ってあれ? 今、まずは、って言った?
……今夜は寝かさないぜ(徹夜で議論)なんてこと、ないよな?
「これは、自動で調理をしてくれる魔道具かな? 前にホットサンドをいただいたよ」
ああ! あのレトロ自販機みたいな魔道具か!
「設計図ではわからなかったけど、その魔道具だったのか。俺はそれに加えて、ラーメンとチャーハンも食べたな。おいしかったよ」
「それはよかったぜ。まあ、それなら話は早いな。まず相談したいのは、こいつをあちこちに普及させる方法なんだ。アキナから聞いたかもだけど、いくつか問題があるんでな」
前にアキナから聞いたな。
確か、お釣りを出す機能を付けられず、お釣り担当者が必要だったり、調理や管理をする人員が必要、とかの問題があるって。
それを解決できそうなアイディア以外にも、普及させるためのアイディアや、新しいメニューの案があれば言って欲しいとのことだ。
それと、専門的で俺には難しかったが、技術的に改善したいことをベイラが挙げていった。
「うーん、そうだね。実験が必要だけど、魔法陣を新しく作れば内部は簡易化できそうかな? 帰ったら、この設計図を元にして、新しく設計図を作ってみるよ。これは借りても大丈夫かな?」
「ああ、問題ないぜ! 改善案をメモするために、何枚か複製してあるからな。ハクトの方は何かあるか?」
うーん。元いた世界のレトロ自販機で販売してたものを挙げてみればいいかな?
それと、自動販売機みたいに無人で稼働する物で、参考になりそうなものはあるだろうか。
「メニューに関しては、ハンバーガーとか焼きおにぎり、なんてのはどうだ? 俺のいた世界でも、同じような感じで売られていたはず」
「うーむ。やっぱり、手軽に食べれそうなものがいいのかねぇ。それよりも、ハクトのいた世界にも似たようなのがある、ってほうが気になるぜ」
「あー、えっとな。まず、俺のいた世界では、自動販売機っていう、この魔道具に似た機械があるんだ。それでな……」
俺は前にアキナに説明したように、自動販売機について説明してみた。
それと、うどんなどの自動販売機はレトロ自販機と呼ばれ、今は古いものが残っているくらい、というのも説明した。
「なるほどな。そっちの世界には魔法が無いから、あたしたちとはまた違った需要があるってことか。それにしても、ハクトのいた世界は色んな技術があるのに、うどんとかの自動販売機を新しく作らない、ってのが不思議だな」
「あー。うどんとかラーメンはカップ麺があるし、そこまでの需要がなさそうだから、かも?」
流石に理由までは考えたことはなかったからな。
それと、カップ麺とかを販売する自動販売機とかは今でもあるしな。
確か、ゲーセンとかで見かけた気がする。
「”カップ麺”? それはどういったものなんだい?」
「あたしも気になるな。異世界の言葉か何かか?」
ん? カップ麺が翻訳されていないのかな?
カップ麺のカップを別の単語に置き換えると、容器麺、とかになる。
うん、こっちの世界に存在せず、意味を置き換えても成立しない言葉は翻訳できないのかもな。
……まさか、無意識に喋っていた言葉が、相手に変な感じで伝わったりしてないよな?
それと、ソフィアが変な回答をするのもこれのせい、なわけないか。
他の人にも同じ感じだったもんな。
などなど、色々と考えていると、
「ハクト、どうした? そんなに説明が難しいなら、今すぐじゃなくてもいいぜ?」
「あ、ああ。いや、俺の喋る言葉は勝手に翻訳されるみたいなんだけど、変なことを喋ってないか気になって」
「ああ、さっきのやり取りで気になったんだね。うーん、そうだね。異世界でしか通じなさそうな言い回しを、いくつか挙げてみてくれないか?」
そう言われ、いくつか思いついた諺や四文字熟語を言ってみた。
すると、いくつかの諺はこっちの世界にも似たものがあり、それに置き換わって伝わったみたいだ。
それ以外の場合は日本語のままで、変な意味になってはいなさそうだ。
四文字熟語はその意味が翻訳されるみたいで、こっちも大丈夫そうだ。よかった。
「なるほど、面白いね」
「だな。……っと話がずれちまったな。それで、ハクトがさっき言っていたやつは、どういう物なんだ?」
「ああ、そうだった。簡単に言うと、乾燥した麺や具材、粉末やペースト状になったスープの素とかが入っているんだ。それにお湯を入れて待つと完成する、ってものなんだけど……」
二人を見るとすごく興味深そうにこっちを見ていた。
……しまった。
「く、詳しくはまた後で。というか、元は魔道具の話だったんだし、そっちに戻そう。ずらした本人が言うのもあれだけど」
あんまり食いつかれすぎると、カップ麺の話を延々と求められそうな気がしたので、本来の話に戻すことにした。
「そうだったな。それで、他になんかアイディアはあるか?」
「そうだなぁ。例えばなんだけど、そもそもお釣りを出さない、っていうのはどうかな? 例えば、百円玉しか受け付けないことにして、別の硬貨だったり、必要な料金以上にお金が入ったら弾くような感じにできないかな?」
「ほうほう。それは良さそうだな!」
「今の魔道具でもお金の種類は認識しているし、実装も可能そうだね」
「それと、俺のいた世界では、自動で両替してくれるやつもあったな。構造的に百円玉が数枚しか入らない、ガチャガチャ、っていうものがあるんだけど、それの横には五百円玉や千円札を、百円玉に両替してくれる機械が置いてあることもあったな」
後はゲーセンとかにも良く置いてあったな。
……千円を入れると百円玉が10枚になるから、つい使いすぎそうになるんだよな。
特に、クレーンゲームとか。
「なるほどな。入れるお金を限定しつつ、それを使えるようにする魔道具を置いておく、って感じか。面白いアイディアだな! ありがとな、ハクト」
「面白いね。それと、ハクト君が今言った”ガチャガチャ”ってやつも、後で詳しく教えてもらおうかな」
あ、しまった!
◇
その後も、魔道具についてアイディアを出したり、あると嬉しい食べ物について色々挙げていった。
ある程度アイディアが出切ったところで、カップ麺やガチャガチャについて説明した。
作り方や構造は詳しく知らないから、わかる範囲で、って感じだったけどな。
「それにしても、食べ物の話をしてたからか、腹が減ったな!」
確かに、結構お腹が空いているな、と思いながら壁についていた時計を見ると12時をとっくに過ぎていた。
「もうこんな時間だったか。そりゃ、お腹もすくな」
「話に夢中になって気づかなかったよ。話もひと段落したし、食事にしようか」
ということで、三人で昼食を食べに行くことになった。
せっかくだから魔道具に採用できそうなもの、ってことでハンバーガーを食べられるお店に来た。
ハンバーガーは素材や調理方法にこだわったバーガーだった(グルメバーガーって言うんだったかな?)。
今までチェーン店のしか食べたことがなかったけど、パティから肉汁がじゅわっと出たり、野菜がしゃっきりしていたりと、色々新鮮でとってもおいしかったです。
ちなみに料金は、「あたしが招いた側だしな!」と、ベイラが払ってくれた。
ごちそうさまです。
◇
その後はまた、ベイラの店に戻って別の魔道具についてアイディアを出すことにしたが、ある程度議論が進んだところで、お店の入口がノックされた。
ベイラが扉を開けると、そこにはなんと、アキナがいた。
「あら? アオイにハクトじゃない! こんにちは、この前ぶりね! ……ってそれどころじゃなかったわ! 申し訳ないけど、ベイラを借りていいかしら?」
なんでも、アキナの商会が持つ工場で、製造用の魔道具が故障してしまったらしい。
タイミングの悪いことに、今日はその魔道具の製造元が休日で、ベイラに修理をお願いしにきたみたいだ。
「すまんけど、流石にそっちに行かないとだな。今日は色々参考になったし、またお願いしたいぜ!」
「話の途中だったみたいで、ごめんなさいね。この埋め合わせは今度するわ!」
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ということで、本日の魔道具についての議論は中断となった。
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