異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~

やとり

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第五章 切望を 叶えた者と 挑む者

第80話 会議はランチのあとで

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 ホムラからの説明も終わり、観光の話に戻ることにした。
 それで、おすすめの場所を聞こうとしたんだけど……、

「やっぱり、妖精の谷がいいと思うよ~! ボクがよく遊ぶ子たちがいっぱいいるんだ~」

「観光と言ったら、水の都と呼ばれている街がいいわね。あの街の設計には私も関わったのだけど、素晴らしい景観になったと思うわ」

「水と言えば、温泉街もおすすめだぜ! 温泉水を利用した食べ物も色々あるしな!」

「私は、街中に魔道具を配置した都市をおすすめしたいかな? 試作したけど商品化が難しい魔道具も色々と使われているから、ぜひ一度見て欲しいね」

「……街、ではないけど、魔界中の本を集めた図書館がある。……とってもおすすめ」

 なんて感じで、五人からお勧めする場所が口々に上がった。
 その後も色々と候補が出て、収集がつかなくなりそうになった。
 なので、

「とりあえず、それぞれ一か所おすすめの場所を決めてもらおうかな。それで、その場所を案内してもらう、ってのはどうだ?」

 と提案してみた。

 するとハヤテから、

「すぐに一つに決めるのは難しいな~。お勧めな場所がいっぱいあるもん~」

 なんて意見が出た。
 他の皆も同意見のようで、ヒカリもジェスチャーで紹介したい場所がある、と主張していた。

 とりあえず今すぐ答えは出なさそうなので、決まったら連絡するということになった。



「それじゃあ、次の議題に移ろうか。そうだね、まずは簡単なところからにしようかね」

 ということで次の議題を話すことになった。
 けど、何を話すんだろう?

 俺の事について、ってのは聞いたけど、見当がつかないな。

「とりあえず次は、この城のどこにハクト君の部屋を用意する、かな?」

 ……へ?

「お、俺の部屋? この城に?」

「ああ。これからは、人間界と魔界を行き来することになるだろう? こっちにも、とりあえずの拠点があると便利だろ?」

 あっ、確かにそうだな。

「でも、いいのか? 魔皇でもない俺の部屋を用意して。それに、人間界の代表者と会談するための場所でもあるみたいだし」

 まあ、それ以前にも色々と問題がある気もするけど……。

「それなら、心配には及ばないさ。私たちが過ごす場所と招待客が過ごす場所は、完全に分離された設計になっているからね」

「つまりそれって、皆が過ごす場所に俺の部屋を用意するってことだよな? 大丈夫か?」

 別に何か悪さをするつもりはないけど、やっぱり気になるよなぁ。

「まあ、オレたちが問題なければいいんじゃねえか? それに、部屋も余ってるしな」

「ハヤテが、せっかくだし部屋をいっぱい作ろうよ~。と言ったから、たくさん用意したのよね」

「皆だって、賛成したじゃん! ホムラは、せっかくだし広くてデカほうがいいな! とか、メイは、……本を、たくさん収納したい、とかね! レイだって、余った部屋の一つに武具をいっぱい並べてるし~!」

「……まあ、そうだったわね」

 と、レイは目を逸らしつつ言っていた。
 ……多分、皆が色々な要望を言った結果、この城ができたんだろうな。

「と、とりあえず、皆が問題ないならお願いしようかな?」

 ちょっと悩んだけど、皆が賛成しているし、部屋も余ってそうだしな。
 ……何か問題があれば、その時考えればいいや、うん。

「それじゃあ、後で空き部屋に案内するよ。いくつもあるから、気に入ったところを選んでもらおうかな」

 ということで、俺の部屋をどうするかについての話が終わった。



 次の議題は、魔界での俺の肩書を考えよう、ということだった。
 
「やっぱり、ハクトも魔皇になるか? 最初は、倒して魔皇に成り上がろうとする魔族とか、反対する魔族とか、それにノリで参加した魔族が襲いかかってくるだろうがな。けど、それを撃退することでハクトの強さも広まるし、魔界で活動するのに便利だと思うぜ」

「絶対にお断りするよ! ……え、もしかしてそういった肩書がないと、魔族とはちゃんと話ができないとか?」

「んにゃ、一部の魔族以外はそんなことはねぇぞ。それに、オレたちと行動するならどっちにしろ問題ないしな」

 まあ、そうだよな。

 ……もし、魔皇とかそれに準じる肩書が必要だとしたら、遠慮したいけど、すごーく遠慮したいけど、そうもいかないよなぁ。
 
「あれ? それじゃ、肩書が必要な理由って?」

「……何か肩書があれば、魔皇のお客さんだと、思ってもらえる。……それに、名前を覚えるのが苦手な魔族も、結構いる」

 ……なるほど。

 それで、いくつか候補を出した結果、俺の出した異世界親善しんぜん大使というものに決まった。
 異世界から来たこと、友好の為に活動するってことが分かって、丁度いいかなって。

 ……ホムラが挙げた覇王とか、ハヤテの挙げた異界皇いかいこうとかに決まらなくてよかった。
 いやまあ、本人たちもふざけて提案したとは思うけどさ。



 さて次の議題に、となったタイミングでヒカリの対応が終わったようだ。
 一つが解決したと思ったらまた別の件が入ってと、今日も忙しそうだったな。

 ……遠距離で対処できるようになったから、むしろ忙しくなってたりしないかな?
 後で聞いてみよう。

「……会議に参加しようかと思いましたが、そろそろお昼の時間ですね。食事の準備をしてきますので、ハクトさんたちは引き続き会議を続けていてください」

「それなら、その間にハクト君の部屋を決めるのはどうかな? ちょうど区切りもいいし、残りの議題は食事の後にしよう。私は食事の準備は手伝えないし、皆が手伝っている間に案内するよ」

 ということで、アオイにお城の中を案内してもらうことになった。



 というわけでまずは一番近い空き部屋に案内されたのだけど

「ひろっ! というか、外から見た扉の配置を考えると、こんな広さは無いはずなんだけと……」

 多分、テニスコートくらいの広さがありそうだ。

「空間魔法で、部屋を拡張してるんだ。もちろん、加工魔法で壁とかを作って、好きなように改造して大丈夫だからね」

 ただでさえ広そうなお城を空間魔法で広げているのか……。
 それは、部屋もたくさん余りそうだ。

「加工魔法って、ベイラが前に魔道具の形作りにやっていたやつだよな?」

「そうだね。その感じだと、使い方は知らないのかな? 会議が終わった後で練習するかい?」

「ああ、お願いするよ。……ちなみに、この部屋って他の部屋と比べてどのくらいの広さなんだ」

「うーん。大体中間くらいかな?」

 こ、これで中間、だと……。
 そうだとしたら……。

「……とりあえず、一番狭い部屋に案内してもらえるか?」



 ということで、次に案内してもらった部屋を、俺の部屋にすることにした。
 ……一番狭い部屋でも二十畳はありそうだったので、それでも広かったけど。

「それと、この魔道具も渡しておくよ。この部屋は既にハクト君の部屋だからね。さっそく、登録しておくといいよ」

 と、転移の魔道具を渡された。

「登録しておくってことは、俺が自由に来ても大丈夫なのか?」

「もちろんさ。ただ、この城には侵入者用の魔道具が設置してあるんだ。もし知り合いを連れて来たいなら、まずは魔皇の誰かに連絡をしてほしいかな」

 他にも、登録してある人がいるかを感知する魔道具などもあり、今誰が城に来ているかもわかるみたいだった。

 ちなみに、前回この城に俺が招待された時に俺の魔力を読み取っていたらしい。
 そのため、この城の魔道具には既に俺の魔力が登録されているみたいだ。

 ……というか、魔皇が集まる城に侵入するなんてことを考える魔族が、果たしているのだろうか?

 それと、自分の部屋は自分で掃除するというのが決まりになっているらしい。
 掃除用に便利な魔法もあるみたいで、それも後で教えてくれるみたいだ。
 それは便利そうだし、是非とも教わりたいな。

 ちなみにそれ以外の場所は、ヒカリが魔法でぱぱっとやっているらしい。
 ヒカリが万能すぎてやばい。
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