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第四十八話 小さなアパートで大きな勇気を(5)
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「おい!だせえ店長に止められて終わりかよ!何も出来ないな!お前は!」
「……店長、離して下さい」
後輩の黒く曇った声に鳥肌が立つ。必死にしがみ付いているのが、本当に後輩なのか分からなくなりそうだった。
「……駄目!絶対離さない!」
「もう良いんです、店長と叔母様にまで迷惑かけて……。また私の居場所を取られた……。許せない」
後輩が酔ったときに話してくれた、子供の頃から成績優秀で好き勝手している姉と比べられて、親に叱られて、姉に馬鹿にされて、逃げるように一人暮らしをするためだけに、特に理由も無く専門学校に入ったことを。そして、私に出会えていなかったら、美容師になりたいと思わなかったとも、言ってくれたんだ……
本当に嬉しかったんだよ、私も。あなたが、そう言ってくれて……
ドアの軋む音と罵声、怯えるくらい震える後輩と、抑えている腕に走る鈍痛。もう何もかもが駄目になる、そう諦めながら目を強く瞑った。
コンコン
余りに場違いな軽いノックに、反射的に私達は振り返った。
カチャリと閉められている鍵が開けられる。鍵は私達しか持っていないはずなのに……
明かりも付けていない裏口に、痛いほど光が入ってきた。そして、そこに立っている人を前にして、ただ力が緩やかに抜けて行った。
「……店長、離して下さい」
後輩の黒く曇った声に鳥肌が立つ。必死にしがみ付いているのが、本当に後輩なのか分からなくなりそうだった。
「……駄目!絶対離さない!」
「もう良いんです、店長と叔母様にまで迷惑かけて……。また私の居場所を取られた……。許せない」
後輩が酔ったときに話してくれた、子供の頃から成績優秀で好き勝手している姉と比べられて、親に叱られて、姉に馬鹿にされて、逃げるように一人暮らしをするためだけに、特に理由も無く専門学校に入ったことを。そして、私に出会えていなかったら、美容師になりたいと思わなかったとも、言ってくれたんだ……
本当に嬉しかったんだよ、私も。あなたが、そう言ってくれて……
ドアの軋む音と罵声、怯えるくらい震える後輩と、抑えている腕に走る鈍痛。もう何もかもが駄目になる、そう諦めながら目を強く瞑った。
コンコン
余りに場違いな軽いノックに、反射的に私達は振り返った。
カチャリと閉められている鍵が開けられる。鍵は私達しか持っていないはずなのに……
明かりも付けていない裏口に、痛いほど光が入ってきた。そして、そこに立っている人を前にして、ただ力が緩やかに抜けて行った。
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