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第七十五話 傷物(14)
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「お姉ちゃん!」
「……な、何よ」
対照的に目線を合わせられず小さくなる後輩に、少女は力強く左手を差し出した。
「仲直り!」
「何も知らないくせに!何で私が悪者になってるのよ!」
「……ごめんなさい。でも!今度は私がお姉ちゃんを助ける番だから!」
微かに震えながら握手を待つ小さな手を前に、後輩は体を膨らますように大きな溜め息を吐いた。私はただ震え続ける後輩の背中を撫でていた。
「助けるって、小学生のあなたに何が出来るのよ!店長の前で良い格好したいだけでしょ!」
「違うもん!私もお姉ちゃんのこと好きだから!」
「じゃあ今すぐ助けてよ!小学生にすら助けを求めるような、どうしようもない馬鹿な女をさ!」
少女は怒っているような複雑な顔で、唇を噛み締めて止まってしまった。私は何か声をかけようと思いながらも、少女の真っすぐな気持ちのぶつけ方に、何かを期待して見守ってしまった。
「……な、何よ」
対照的に目線を合わせられず小さくなる後輩に、少女は力強く左手を差し出した。
「仲直り!」
「何も知らないくせに!何で私が悪者になってるのよ!」
「……ごめんなさい。でも!今度は私がお姉ちゃんを助ける番だから!」
微かに震えながら握手を待つ小さな手を前に、後輩は体を膨らますように大きな溜め息を吐いた。私はただ震え続ける後輩の背中を撫でていた。
「助けるって、小学生のあなたに何が出来るのよ!店長の前で良い格好したいだけでしょ!」
「違うもん!私もお姉ちゃんのこと好きだから!」
「じゃあ今すぐ助けてよ!小学生にすら助けを求めるような、どうしようもない馬鹿な女をさ!」
少女は怒っているような複雑な顔で、唇を噛み締めて止まってしまった。私は何か声をかけようと思いながらも、少女の真っすぐな気持ちのぶつけ方に、何かを期待して見守ってしまった。
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