75 / 105
告白
12
「それに『背に斜め十字の傷を持つ美貌の剣士』、そなたを探す良い目印にもなったぞ」
「……傷の痛みで幾晩も眠れず苦しんだ私に、それを言うのか……?」
「だから毎晩舐めに行ってやったであろう」
艶めかしく細められた眼差しに操られ、男が隠し持っていた狂気に竦んでいたにもかかわらず、全身に散る愛咬の痕が疼いたような気がした。
快楽に弱いはしたない体は、情けなくも持ち主の意志を無視して、自身を抱き翻弄する男になびこうとする──その妄執を目の当たりにしても、なお。
それでも、ただ怯え犬のように従う訳にはいかない。
いくら蹂躙され男としての自尊心を根こそぎ奪われても、梟には死ぬまで手放すことはない剣士の矜持がある。対峙する相手が正体を現しやり口を明らかにした以上、ただ背を向けて逃げるのはその矜持が許さない。
何度敗れても性懲りもなく向こうが望むなら、正々堂々剣を交え、足元に下すだけだ。
「神聖騎士がまさか花街などにいるとは思わず、見当違いの捜索をして、そなたを見つけるのに三年も掛かった。余自ら迎えに行って、声色も駆使して、近衛も巻き込んでの大捕り物だったのだぞ」
恩着せがましい言い様も、もはや梟の心には水一雫ほどの波紋も生じない。
「……傷の痛みで幾晩も眠れず苦しんだ私に、それを言うのか……?」
「だから毎晩舐めに行ってやったであろう」
艶めかしく細められた眼差しに操られ、男が隠し持っていた狂気に竦んでいたにもかかわらず、全身に散る愛咬の痕が疼いたような気がした。
快楽に弱いはしたない体は、情けなくも持ち主の意志を無視して、自身を抱き翻弄する男になびこうとする──その妄執を目の当たりにしても、なお。
それでも、ただ怯え犬のように従う訳にはいかない。
いくら蹂躙され男としての自尊心を根こそぎ奪われても、梟には死ぬまで手放すことはない剣士の矜持がある。対峙する相手が正体を現しやり口を明らかにした以上、ただ背を向けて逃げるのはその矜持が許さない。
何度敗れても性懲りもなく向こうが望むなら、正々堂々剣を交え、足元に下すだけだ。
「神聖騎士がまさか花街などにいるとは思わず、見当違いの捜索をして、そなたを見つけるのに三年も掛かった。余自ら迎えに行って、声色も駆使して、近衛も巻き込んでの大捕り物だったのだぞ」
恩着せがましい言い様も、もはや梟の心には水一雫ほどの波紋も生じない。
あなたにおすすめの小説
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 ★1000 Thank_You!!
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。