傍観者を希望

静流

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「姉さん、お茶のお代わり頂けるかな?」

「今すぐに用意するわ。同じ物でいいかしら?」

「勿論同じ物をお願い。このお茶は爽やかな香りがいいね」

「気付いてくれて嬉しいわ。ミントを利かせてみたの」

「だからスッキリとした後口なんだ。これからの季節にいいね」

「セイ様にお墨付きを頂けるなら、売れるわ」

「おや、責任重大だな。売れることを祈っておくよ」


「セイ様、甘やかしたら駄目です。これ以上つけ上がらせて如何するんです!」

「まったくだ。売れるかどうかは手腕次第。セイ様が気にする必要はない」

「大人気ない。セイ様の思う様に」

落ち込んだ姉さんを励ますつもりでお茶を頼んだのだが、茶々を入れる面々に呆れてた。こういう時には、庭師はしっかり参戦して私の方についてくれる。

「そういえば、最近薔薇の病気でも流行っているのか?」

「毎年何件かある。珍しい事ではない」

「だが、丹精込めた薔薇が元気がないと、半狂乱の様になっているようだが?」

「そういう方もいますね。我が子のように育てた薔薇なら特に心配でしょうから」

「そうなると、他のことに構ってられないと聴くな」

「そりゃあ当然ですよ。家族や家の事をそっちのけで手入れすると聴きますよ」

「なるほど。溺愛しているようだな」

「あら、何か可笑しいかしら?ペットと同じ感覚よ。物言わない分可愛いくて哀れだもの」

騎士団長が呆れ返ったように言えば、姉さんが反論している。

サロン経営していれば、同じような話をよく聴くのだろう、妙に実感がこもっている。

その様子を見るとはなしに、庭師が考え込んでいた。

「それよりも、お茶を冷めないうちにどうぞ」

「ああ、ありがとう。色合いも綺麗だな」

「ええ、冷やしてグラスで飲むのもいいと思いません?」

「少し濃ゆめにいれて、氷を入れるのもいいかも」

「バザーの際に試してみましょうか?」

「その辺は姉さんの意向次第で」

「あら、うまく逃げられたわ」

巻き込まれる前に引けば、失敗したと肩を竦めてみせる。

チラリと庭師を見遣れば、静かに頷かれた。後は上手くやってくれるだろう。

苦笑して「ピンポイントで被害が出ても知らないよ」と返した。

「あら、失敗を前提にするなんて酷いわ」

「お店の商品には、私の意見を参考にされても保証できないから、保険だよ」

「珍しくセイ様に、やりこまれているな」

「脳筋」

「おい、ちょっと酷くないか?」

姉さんにちょっかいを出そうとして、出鼻を折られムッと言い返すが、逆にジロリと睨まれた。
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