54 / 292
54
しおりを挟む
「どう…?ああ。アルフレッドが作る茶請けの菓子も美味しいからね」
些細なことに気がまわる方だけあって、何を気にしていたか把握されてしまう。
グレンが、未だ茶菓子の半分を持て余しているので気付かれたようだ。
彼は本当に甘いものが苦手で基本的に人に譲るか、固辞している。
今回は拒否する余裕がなかった為、本来なら皿に丸ごと残っていた筈だ。
味が気になって一口貰ったが故に、妙な残り方をし、本人も扱いに困っていた。
苦笑してセイ様が皿を拐い、残りの半分を食べてしまった。
「セイ様!」
「っ!申し訳ありません」
「そう怒るな。グレンは気付かなくて悪かった」
「セイ様、もう充分だったのでは?」
行儀が悪いと叱責の声を聞き流し、グレンにはフォローしながらも、役得だったと笑えば、精霊達からは呆れた声が聞こえてくる。
子供の様に笑って全て聞き流す。それが一番誰も傷付かないと解ってる。
「まったく、セイ様には敵わないわ」
「まあ良いじゃないか」
「あら、先程は残しておけばなどと、戯事を言われていた方が何を言うやら」
「新作のお茶より、茶菓子を喜ばれて拗ねているだけだろう」
「べっ別に拗ねてなんかいないわ。失礼ね」
「クック、相変わらず素直なことで」
軽口の言い合いは、毎回ながら姉さんの声無き怒声で終わる。
顔が般若の様になって怖いが、実際には大して怒っていない。
本気で怒ったら逆に静かで、無表情の上に殺気が一面に発散される。
「二人の言葉遊びも程々にね、本気にする者も居るんだから」
セイ様の視線の先に血の気が引いたアルフレッド達がいる。
本気で機嫌を損ねたと思って動転していたのだ。
「あら、嫌だわ。本気にしちゃダメよ」
「単なる冗談だ。参ったな、真剣に捉えるとは思はなかった」
「まったく、タチの悪い掛け合い漫才をするんだから。この二人のことは気にしないでいいからね」
皆がせっせと落ち着かせようと言葉を掛ける中、庭師だけは我関せずの態度だ。
だが一言「自業自得だ」と辛口の批判を、精霊に向けるいい性格をしてる。
しっかり二人の耳に入り、顔を引きつらせていた。
些細なことに気がまわる方だけあって、何を気にしていたか把握されてしまう。
グレンが、未だ茶菓子の半分を持て余しているので気付かれたようだ。
彼は本当に甘いものが苦手で基本的に人に譲るか、固辞している。
今回は拒否する余裕がなかった為、本来なら皿に丸ごと残っていた筈だ。
味が気になって一口貰ったが故に、妙な残り方をし、本人も扱いに困っていた。
苦笑してセイ様が皿を拐い、残りの半分を食べてしまった。
「セイ様!」
「っ!申し訳ありません」
「そう怒るな。グレンは気付かなくて悪かった」
「セイ様、もう充分だったのでは?」
行儀が悪いと叱責の声を聞き流し、グレンにはフォローしながらも、役得だったと笑えば、精霊達からは呆れた声が聞こえてくる。
子供の様に笑って全て聞き流す。それが一番誰も傷付かないと解ってる。
「まったく、セイ様には敵わないわ」
「まあ良いじゃないか」
「あら、先程は残しておけばなどと、戯事を言われていた方が何を言うやら」
「新作のお茶より、茶菓子を喜ばれて拗ねているだけだろう」
「べっ別に拗ねてなんかいないわ。失礼ね」
「クック、相変わらず素直なことで」
軽口の言い合いは、毎回ながら姉さんの声無き怒声で終わる。
顔が般若の様になって怖いが、実際には大して怒っていない。
本気で怒ったら逆に静かで、無表情の上に殺気が一面に発散される。
「二人の言葉遊びも程々にね、本気にする者も居るんだから」
セイ様の視線の先に血の気が引いたアルフレッド達がいる。
本気で機嫌を損ねたと思って動転していたのだ。
「あら、嫌だわ。本気にしちゃダメよ」
「単なる冗談だ。参ったな、真剣に捉えるとは思はなかった」
「まったく、タチの悪い掛け合い漫才をするんだから。この二人のことは気にしないでいいからね」
皆がせっせと落ち着かせようと言葉を掛ける中、庭師だけは我関せずの態度だ。
だが一言「自業自得だ」と辛口の批判を、精霊に向けるいい性格をしてる。
しっかり二人の耳に入り、顔を引きつらせていた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。
あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。
宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。
対極のような二人は姉妹。母親の違う。
お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。
そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。
天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。
生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。
両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。
だが……。運命とは残酷である。
ルビアの元に死神から知らせが届く。
十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。
美しい愛しているルビア。
失いたくない。殺されてなるものか。
それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。
生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。
これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
弁えすぎた令嬢
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。
発端は彼女の父親が行方不明となり、叔父である父の弟が公爵邸に乗り込んで来たこと。
何故か叔父一家が公爵家の資産に手を付け散財するが、祖父に相談してもコロネに任せると言って、手を貸してくれないのだ。
そもそも父の行方不明の原因は、出奔中の母を探す為だった。その母には出奔の理由があって…………。
残された次期後継者のコロネは、借金返済の為に事業を始めるのだ。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる