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「相変わらず物騒な状況ですな。大分落ち着いたのに、再燃の可能性があるのですか」
「嬉しそうに訊かないでくれるか。余興の様に言われるのは不愉快だ」
「それは失礼を致しました。それで未だ狙っているのですか?」
「気持ち的には、息の根を止めたくて仕方がないそうだよ。でも、お金の使用権がないから金銭的に不可能だ」
「おや、流石にそこは規制したのですね。余計に、奸計に乗せられ易くなっていそうですね」
「何か掴んでいるのか。奥歯に物が挟まったような物言いだな」
「バザーの黒幕は知っての通りですが、唆した者がいるようです」
「ライトが掴んだのか?」
「ええ、情報収集にかけては右に出る者がいませんからね。他の調べものをしていて偶然知ったようです」
「裏は取れたのか。流石に無関係な者を巻き込む訳にはいかない」
「ライカが調査に向かっていますから、時期に報告がくるでしょう」
「暇人が多いのだな。理解してやっているのか?」
「実行犯でなければ、問題ないと捉えているようです」
「またえらく浅慮な者がいたものだ。精霊を馬鹿にしているのか、巧妙に立ち回れば露見しないと踏んだか。何にしろ、追求の手が伸びるという発想がないのだな」
「高位高官ともなれば、握り潰せると高を括っているのですよ」
首を振り、肩を竦めてみせる。溜息までついて嘆かわしいと呟く。
芸が細かいが、目がギラギラしているので台無しだ。
薬師長としての擬態だが、本来の立場が目に出ている。
虚仮にされ、出し抜かれていた事が自尊心を傷つけたのだ。
端で聴いていたアルフレッドの方が、顔色を変えている。
頭の中は、該当者の割出しで占められていそうだ。
ライトだけが、怪訝な顔をして此方を注視していた。
「セイ様?若しやご存知なのでは」
「いや、知らなかったよ。ただ、今回の件は違和感があったからね」
「違和感ですか?」
「変な話だが、あの人らしくないやり方だと思ってね。もっと直截的な方法を好む人だよ」
「確かに、今回は非常に回りくどいやり口ですね」
「あの人が遠回しに仕組んで、根回しをするような細やかな事をすると、本気で疑ったか?誰かにさせる事はあっても自分はしないよ」
「言われてみれば、仰せの通りですね。そこまで読んでいて、なぜ指摘しなかったのです?」
「身内の誰かなら、忠告で引かせられると期待したからかな」
「つまり、ご長男の可能性を危惧したのですね」
「ああ、違うことを願っていたから良かった。だが、そうなると振り出しに戻る」
「何方か心当たりが、お有りに?」
「候補が多過ぎるが、ステファン絡みなら、宰相殿の部署に出入りしている者に限定できる」
「ライト、このとおりだ。何か言うことはあるか?」
「はぁ、ありません。負けを認めます」
「二人して何の真似だ?」
「あ~まぁ、気にしないでくれないか。因みに、セイ様の予想通りですよ」
「ステファン絡みか。よほど面白くなかったのだな」
「勝手に期待し、失望したことまで気に病む必要はないですよ」
「そこ迄の関心はないが、暫く続きそうな気がしてね。悪いが、方々に気をつけていてくれるか。利権を得たい者ほど、執念深く策を練るからね」
「見落としが無いよう努めます」
ライトの言葉に、あれ?とライを見遣る。
何処か「あちゃ~」とした表情で、恐る恐る窺ってくる。
当然、しっかり目が合う。
ぴっくんっと音がしそうな動きに、笑ってしまいそうだ。
「ライ?一体何を賭けたんだ」
ついに、直立不動で固まってしまった。
「嬉しそうに訊かないでくれるか。余興の様に言われるのは不愉快だ」
「それは失礼を致しました。それで未だ狙っているのですか?」
「気持ち的には、息の根を止めたくて仕方がないそうだよ。でも、お金の使用権がないから金銭的に不可能だ」
「おや、流石にそこは規制したのですね。余計に、奸計に乗せられ易くなっていそうですね」
「何か掴んでいるのか。奥歯に物が挟まったような物言いだな」
「バザーの黒幕は知っての通りですが、唆した者がいるようです」
「ライトが掴んだのか?」
「ええ、情報収集にかけては右に出る者がいませんからね。他の調べものをしていて偶然知ったようです」
「裏は取れたのか。流石に無関係な者を巻き込む訳にはいかない」
「ライカが調査に向かっていますから、時期に報告がくるでしょう」
「暇人が多いのだな。理解してやっているのか?」
「実行犯でなければ、問題ないと捉えているようです」
「またえらく浅慮な者がいたものだ。精霊を馬鹿にしているのか、巧妙に立ち回れば露見しないと踏んだか。何にしろ、追求の手が伸びるという発想がないのだな」
「高位高官ともなれば、握り潰せると高を括っているのですよ」
首を振り、肩を竦めてみせる。溜息までついて嘆かわしいと呟く。
芸が細かいが、目がギラギラしているので台無しだ。
薬師長としての擬態だが、本来の立場が目に出ている。
虚仮にされ、出し抜かれていた事が自尊心を傷つけたのだ。
端で聴いていたアルフレッドの方が、顔色を変えている。
頭の中は、該当者の割出しで占められていそうだ。
ライトだけが、怪訝な顔をして此方を注視していた。
「セイ様?若しやご存知なのでは」
「いや、知らなかったよ。ただ、今回の件は違和感があったからね」
「違和感ですか?」
「変な話だが、あの人らしくないやり方だと思ってね。もっと直截的な方法を好む人だよ」
「確かに、今回は非常に回りくどいやり口ですね」
「あの人が遠回しに仕組んで、根回しをするような細やかな事をすると、本気で疑ったか?誰かにさせる事はあっても自分はしないよ」
「言われてみれば、仰せの通りですね。そこまで読んでいて、なぜ指摘しなかったのです?」
「身内の誰かなら、忠告で引かせられると期待したからかな」
「つまり、ご長男の可能性を危惧したのですね」
「ああ、違うことを願っていたから良かった。だが、そうなると振り出しに戻る」
「何方か心当たりが、お有りに?」
「候補が多過ぎるが、ステファン絡みなら、宰相殿の部署に出入りしている者に限定できる」
「ライト、このとおりだ。何か言うことはあるか?」
「はぁ、ありません。負けを認めます」
「二人して何の真似だ?」
「あ~まぁ、気にしないでくれないか。因みに、セイ様の予想通りですよ」
「ステファン絡みか。よほど面白くなかったのだな」
「勝手に期待し、失望したことまで気に病む必要はないですよ」
「そこ迄の関心はないが、暫く続きそうな気がしてね。悪いが、方々に気をつけていてくれるか。利権を得たい者ほど、執念深く策を練るからね」
「見落としが無いよう努めます」
ライトの言葉に、あれ?とライを見遣る。
何処か「あちゃ~」とした表情で、恐る恐る窺ってくる。
当然、しっかり目が合う。
ぴっくんっと音がしそうな動きに、笑ってしまいそうだ。
「ライ?一体何を賭けたんだ」
ついに、直立不動で固まってしまった。
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