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「陛下、それでは示しがつきません」
今まで陛下の後ろに控えていた宰相殿が、苦言を呈してきた。
陛下は胡乱気な目付きで振り返り、「却下」と冷ややかに告げる。
再考されても困るが、その対応は意外で「え?」と溢れてしまった。
「そう意外そうにされるのも心外なのだが?転移した者は、恐らく精霊だと判断した。故に、情状酌量して警告に留めたが、違ったか?」
「いえ、間違いなく精霊です。なぜ判ったんですか?面識はない筈です」
特に目立って人と相違する点のないライカを見遣り、判断基準を訊ねれば、呆れた視線が返される。
「セイ殿は、転移にどれ程の魔力が必要か理解していない。一般的に転移には魔道具や装置を使用するが、その場合は痕跡が残る。稀に自力で可能な者もいるが、休憩が必要になる」
此方の反応を観ながら解説してくれる。
当たり前のように使っていたが、それほど貴重とは知らなかった。
転移の魔道具まであるのかと、自分にとって新事実に目を見張ったが、使い勝手はそれほど良くなさそうだ。
色々と興味深いが、一般的には不便なもののように感じる。
「翻ってそちらの者は、顔色は悪いが体力的にも余裕があり、痕跡はない。上位精霊ならば、転移も可能で魔力も高いことを踏まえれば、導き出される結論は一つだ」
成程と納得し頷いたが、そうなると転移に使う魔力量が今一つピンとこない。
さほど意識して使ったこともないだけに、どれ位かと思考がどんどん逸れてゆく。
「セイ殿?まだ何か疑問でもあるのか、あるなら可能な範囲で応えるが」
意識を自分の方に向けさせるように訊いてくる陛下には感謝するが、感覚的なものの説明は理解するもの難しい気がする。
「あるには有るのですが、説明に困るかと…」
「ん?もしや、転移に必要な魔力量が知りたいのか」
勘がいいというか、私が分かり易いのか、あっさりと理解されてしまう。
頷けば、装置にいる魔力量から例えを示してくれた。
「セイ殿は、治癒も使えた筈だが、この東屋の広さで展開して、全員にかけた場合に使う魔力量の2倍から3倍といったところだ」
解り易い例えだが、そちらも意識する程の使用量ではない。
ただ、治癒園の同僚から推し量ることは出来た。
魔道具や装置に頼るわけを実感する。
彼等が、そんな事をすれば魔力切れを起こす量なのだ。
命の危険をおかしてまで、転移に魔力を費やすのは誰もが遠慮したいだろう。
転移先で、即座に動ける方を選ぶのは当然だなと納得がいく。
無言で頷いていたら、「納得がいったようだな」と頭をポンポンと、こ気味よく跳ねるように撫ぜられる。
相手をしてくれと、せがむ子供の様な態度だ。
陛下を放置して考え込む人も、そう居ないだろう。
だが、此方としては、早々にお引取り願いたい。
報告すべき事は済ませたし、知りたい情報も得られたので、もう用がなかったりする。
邪魔そうに見上げれば、苦笑されてしまった。
内情がただ漏れのようで、「そう邪険にしないでくれ」と深く座り直している。
居座る気満々だと、嫌そうに零せばアルフレッドから注意される。
宰相殿は憮然とした表情だが、陛下を促す気もなさそうだ。
「ああ、そういえば転移してまで持ち帰った報告を、是非とも一緒に拝聴したいのだが、駄目だろうか?」
此方が油断した所で、爆弾をしっかり落としてきた。
今まで陛下の後ろに控えていた宰相殿が、苦言を呈してきた。
陛下は胡乱気な目付きで振り返り、「却下」と冷ややかに告げる。
再考されても困るが、その対応は意外で「え?」と溢れてしまった。
「そう意外そうにされるのも心外なのだが?転移した者は、恐らく精霊だと判断した。故に、情状酌量して警告に留めたが、違ったか?」
「いえ、間違いなく精霊です。なぜ判ったんですか?面識はない筈です」
特に目立って人と相違する点のないライカを見遣り、判断基準を訊ねれば、呆れた視線が返される。
「セイ殿は、転移にどれ程の魔力が必要か理解していない。一般的に転移には魔道具や装置を使用するが、その場合は痕跡が残る。稀に自力で可能な者もいるが、休憩が必要になる」
此方の反応を観ながら解説してくれる。
当たり前のように使っていたが、それほど貴重とは知らなかった。
転移の魔道具まであるのかと、自分にとって新事実に目を見張ったが、使い勝手はそれほど良くなさそうだ。
色々と興味深いが、一般的には不便なもののように感じる。
「翻ってそちらの者は、顔色は悪いが体力的にも余裕があり、痕跡はない。上位精霊ならば、転移も可能で魔力も高いことを踏まえれば、導き出される結論は一つだ」
成程と納得し頷いたが、そうなると転移に使う魔力量が今一つピンとこない。
さほど意識して使ったこともないだけに、どれ位かと思考がどんどん逸れてゆく。
「セイ殿?まだ何か疑問でもあるのか、あるなら可能な範囲で応えるが」
意識を自分の方に向けさせるように訊いてくる陛下には感謝するが、感覚的なものの説明は理解するもの難しい気がする。
「あるには有るのですが、説明に困るかと…」
「ん?もしや、転移に必要な魔力量が知りたいのか」
勘がいいというか、私が分かり易いのか、あっさりと理解されてしまう。
頷けば、装置にいる魔力量から例えを示してくれた。
「セイ殿は、治癒も使えた筈だが、この東屋の広さで展開して、全員にかけた場合に使う魔力量の2倍から3倍といったところだ」
解り易い例えだが、そちらも意識する程の使用量ではない。
ただ、治癒園の同僚から推し量ることは出来た。
魔道具や装置に頼るわけを実感する。
彼等が、そんな事をすれば魔力切れを起こす量なのだ。
命の危険をおかしてまで、転移に魔力を費やすのは誰もが遠慮したいだろう。
転移先で、即座に動ける方を選ぶのは当然だなと納得がいく。
無言で頷いていたら、「納得がいったようだな」と頭をポンポンと、こ気味よく跳ねるように撫ぜられる。
相手をしてくれと、せがむ子供の様な態度だ。
陛下を放置して考え込む人も、そう居ないだろう。
だが、此方としては、早々にお引取り願いたい。
報告すべき事は済ませたし、知りたい情報も得られたので、もう用がなかったりする。
邪魔そうに見上げれば、苦笑されてしまった。
内情がただ漏れのようで、「そう邪険にしないでくれ」と深く座り直している。
居座る気満々だと、嫌そうに零せばアルフレッドから注意される。
宰相殿は憮然とした表情だが、陛下を促す気もなさそうだ。
「ああ、そういえば転移してまで持ち帰った報告を、是非とも一緒に拝聴したいのだが、駄目だろうか?」
此方が油断した所で、爆弾をしっかり落としてきた。
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