傍観者を希望

静流

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「そろそろ、大国の方の詳細も教えてくれないか?あの者が序でなら、大元はどういう内容なのか気になるのだが」

「物証付きだとするなら、なぜ今まで黙っていたにです」

宰相殿は、胡乱気に此方を責めてくる。
今更ながら、納得がいかないのだろう。

陛下は苦笑して宥めているが、今まで苦労しただけに思うところもありそうだが、おくびにも出さない。


文句を言われても、此方にも出せないだけの事情がある。

一気に方は着くだろうが、差し障りがあるし外聞も悪過ぎる内容なのだ。

ハッキリ言って、保険で持っていても使う気はなかった物で、今も気が進まない。


「先ほど、義母の件は猶予期間を設けた事を、呉々も忘れないで下さい。ライ、陛下にお渡ししなさい」

頷いたライが、書類の束を陛下に差し出した。


ペラペラと捲って、サッと目を通していたが、一瞬目を見張る。

慌てて、最初から熟読する様に熱心に読んでいる。


「陛下、如何なさいました?」

宰相殿の、控えめな問いかけにも応えずに凝視している。


書類の半分以上は、幾つかの組織のリストだ。聞き覚えのある名でも、見つけたのだろうと眺めていたら、血走った目で此方を見てきた。


「こう言っては変だが、名の通った組織が十年ほど前に一斉に消滅した。地に潜ったとも囁かれていたが…。私でも把握していた名が、ここにある理由を訊いてもいいか」

陛下の持つリストを見遣りながら、何も直球で来なくてもいいのにと、詮ない事を内心こぼしていた。


「其処に上がっているのは、壊滅した暗殺組織です。一般的には知られていませんが、派閥や部署名が違うだけで、本来は同一組織です。壊滅と言いましたが、実際には解散や粛清されたと表現した方がより正確です」


「なぜ、セイ殿がそれを知っている。それに、このリストはいったい誰が作ったのだ?」


「余りにも鬱陶しいので、直接文句を言った結果です。その誠意の証に、リストと処理内容及び今後の対応を、報告書として頂きました」


淡々と告げれば、何とも言えない顔でリストを嫌そうにみる。

暗殺組織の用意した物だからといって、嫌悪しなくてもいいのだが、そういう訳にもいかないのだろう。


「鬱陶しいほど、暗殺者が来ていたのですか?まだ、5歳にもならない子供相手に、皆して何をしているんです。セイ殿も、直談判に行くなんて無茶が過ぎます」

宰相殿は、内容に腹を立て叱責してくるが、今更だ。


「そのお蔭で証拠があるんだ、苦情は当時依頼した方に言ってくれ。言い忘れたが、依頼したのは大国と義母だ。二ヶ所から依頼を別々に受けた挙句、対象者の前で言い合いをして、暗殺そっちのけで同士討ちに縺れ込む始末。いい迷惑だから本家本元に、遺体を転送して手紙を添付した。別に、乗り込んで苦情を言い立てたりはしてない」


相手方に、乗り込むような愚を犯してないと主張はしたが、後日組織の長が謝罪に来た件は報告する気はない。

実は、今でも交流があり、良い茶飲み仲間だと知れば激怒されそうだ。

だが、お蔭で玉石混合の情報が得られて、重宝している。

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