傍観者を希望

静流

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「その別の事は、真逆の恩恵だったのですか?」

「それも有りますが、流石に場所は多少違いましたよ?そうではなく、水攻が火攻に変更されたり、氷柱を打ち込むや雷を落とすと言った具合です」

「よく抑えられましたね。要するに、色んな精霊が言い合っていたのでしょう?」

「私の元に、代表で言いにきた精霊の言い合いですが、どっちがより効果がある、と大揉めし、最後には支離滅裂になって、当初の目的を忘れてましたよ」

思い出し、気が遠くなりそうだ。
止める以前に喧嘩別れで去って行ったし、その頃には本来の用件は忘れていた、というオチだった。

あれだけ息巻いてやって来て、散々目の前で言い合った挙句だけに、去って行かれた此方は、茫然と見送る羽目になったのだ。あれで悟ったとも言えるが、精霊の主張に唯々諾々と乗っては、収拾がつかなくなる。

「当初の目的を…本当に忘れるのか?それでは、一時の感情で滅ぼすのを決められた方が堪らんぞ」

「でしょうね。基本的に、数の多い下位の精霊に、理性を求める方が悪いかと。彼らは、本能と気分で決めるので、話し合いの余地もありません」

「とはいえ、セイ殿には忠実だろう?彼らの関心ごとは、セイ殿に関する事のみだ」

「私の気が、好みのようですから、希望はある程度叶いますが、精霊王程の影響力はありません。あの世界は、強いものに従いますから、精霊王が動けば下も追従します」

「ああ、それで人為的な報復を許したのですね。それならば、下の精霊まで動く事は、ありえません」

宰相殿が、納得したように頷いて呟いている。

「はい。それと精霊王のガス抜きの為です。直接関係した精霊は無理でも、他の精霊王なら、その提案に妥協してくれます。ただ今回は、日頃の鬱憤まで含まれそうで、少々加減に関して、不安があるんですよね」

最近、ひっきりなしにちょっかいを掛けてくれる所為で、精霊の不満が溜まっていたのだ。自業自得とはいえ、関係ない民に少なからず影響はでるのが、心苦しい。

「許可した以上は、仕方がないと受け入れる事だ。今後の教訓にはなる」

此処で、延々と繰り言をするよりも、次回に活かせ、と珍しく諭してくる。

「間違ってはいませんが、次回があっては困ります。本当に、いい加減にしてくれませんかね?」

「私に言われても、大国の思惑までは制御できんのだが…」

陛下は苦笑いしているが、本音は一緒だろう。
現に、目が笑っておらず底光りし、何やら思案している雰囲気がある。
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