傍観者を希望

静流

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「女性が拒否するとは、いったい何をしたんだ?」

「お洒落禁止、髪は結ぶか肩まで、媚を振るような話し方も駄目と、いった具合です」

「何処の修道院だ、と言いたくなるが…よく職員が逃げなかったな」

陛下が、呆れた視線を向けてきた。

「福利厚生はしっかりしてますし、能力主義での雇用です。皆、活き活きと働いてますよ?他の領地からも、転居して来るくらい人気なようですから、去るような者もいません」

女性も平等に評価するという点で、殺到していると漏らせば、目を見開いていたが、暫くしてから、納得したように頷いている。

「それならば、仕事以外に、余計な気を配る暇がないのだろう。気を抜けば、追い落とされそうだ」

「ああ、それはあり得ません。競争の要素は排除し、年に数回の抜打ち調査で、評価を出す方式をとってます」

「どういうことだ?」

「規定通りに遂行できていれば、昇給の可能性がでますが、総合評価で年度末に最終判定なんです。一度だけ良くても駄目ですし、周りの評価も加味しますから、キリキリされても和を乱しますからね。ゆっくり、着実に育っていく方向で指導してます」

蹴落とすなどすれば、評価も下がるだけだと説明したら、上を見上げて嘆息している。
器用な真似をするなと、見遣っていれば、急にコッチに視線を投げてきた。

「定着率の訳も分かったが、それでも報告は嫌がるのか?」

「まかり間違って、不興を買うのが心配だそうです。まあ、元々女性が嫌いだ、と公言してますから、致し方ないでしょうね」

折角の職場を、失いたくないのだと言えば、陛下は呆れた顔をしている。

「そこまで、気を配られて、よくそういう発想が湧くな。どう見ても、度量が深くないと出来ないぞ?」

「理解した人間が、数名はいますから、まあ問題ないですよ。因みにその子達は、割と言いたい放題で、歯に絹を着せないので、付き合いやすいです」

自然の篩にかけられた者だけに、しっかり意見を持っていて、有意義な討論も可能なのが、密かに気に入っていた。

「セイ殿が、女性恐怖症を治したところで、大抵の貴族の息女は論外だろうな」

陛下は、お手上げだという風に、ボヤいているが、そもそも結婚願望もない。
成長すればという期待が、少なからずあったようだった。

「ですから、申し上げたでしょう?余計な事は考えませんようにと、全く懲りない方ですね」

「これだけの好条件の持ち主を、見つける方が難しいのだ。僅かでも、希望はないかと考えないか?」

「考えるのは、いっこうに構いませんが、妄想をいくら抱いても虚しいだけです。他の事に、時間を割くことをお勧め致します」

「結局は、否定なのではないか?アルフの言うことにも、一理あるのは分かっている。時間の無駄だ、とセイ殿との会話で身に染みた」

脈が全くない、と諦めがついたようだが、何処か恨めしそうな目をしている。

血筋に家柄、序でに能力といった選定では、他より好物件なのだろうが、生憎と売りに出す予定はない。
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